ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■前科を繰り返したのでしょうか
目の前に飛び交う、
鋭利な刃物が。

其の場所を弁えて、
飛んで居る事も。


刃の飛ぶ理由が。

自己防衛の為の、
精一杯の強がりで、
不安の裏返しである事も。



理解して居た筈なのに。




眼前の空間を、
血塗れにした言葉達に。

背を向けた。










一つの殻を蹴破った、
其の結果。

何十年も、
触れる事の無かった外界に、
曝される。



 「三年あれば。」
 「私を幸せにしてくれる男が。」
 「現れるよね。」


眼前で産まれる、
言葉達は。

不器用に、
懸命に、
必死に、
其の不安を伝えようと、
形にした物で。



不安を支える役は、
俺しか担えない。

不安を吐ける対象も、
俺しか担えない。


其の使命感など、
理解して居た心算なのに。













離婚の記念日を。

姫の、
門出の記念日を。


 「酔って居る様なので、メールで贈ります。」
 「憤ける態度で伝わらないなら、嫌と言えば良いよね。」
 「距離を置いて想いが伝わるなら、家に帰ります。」
 「姫が自分の気持ちを確かめる、良いきっかけになるね。」


俺は、
最悪の結果で飾り付けた。











相手への感謝と、
自身への後悔と。

憎たらしい程、
順序良く浮かび来る想い。



貴女の家庭を壊した瞬間に、
逃げ出した、
前科と。

俺の行為は、
何の違いも成長も無いのだ。














 「幸せをありがとう。」
 「荷物は私の留守の時に取りに来てね。」


姫の言葉に、
眠れぬ夜が明けた。





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References
 Mar.17 2004, 「前科を消す術が在りますか」
 Feb.17 2004, 「何故撥ね返せなかったのでしょうか」
 Jun.25 2002, 「支える資格がありますか」
 Jun.20 2002, 「償うふりが出来ますか」
05月09日(日)
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