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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■知らないふりは許されますか
周囲の人間で、
其の事実を知らぬ人間は。
唯一、
俺自身だった。
一番身近で、
一番敏感に、
其れを察知せねばならぬのに。
告白で初めて、
気付いた。
平然と、
彼女は言い放つ。
「一番最初に。」
「教えたんだよ?」
確かに報告は、
真っ先に手元に贈られて居た。
彼女らしい文で。
「私くらいの女性が、子供連れて、小坊主位の男と、」
「婚姻届を出してたんだ。」
「その子供、役所の人に『○○さん』と呼ばれたら、」
「『僕○○じゃないよ』と答えてたよ。」
「笑っちゃった♪」
姫の言葉に、
魅せた苦笑は。
照れ隠しでは無い。
鋭く反応すべき言葉に、
応えられぬ自身を。
恥じた訳でも無い。
其の、
幼気な様子から。
小さな胸の痛みと伴に、
想い出したんだ。
全う出来なかった、
想いと。
貴女を。
小さな彼を。
「本当に分からなかったの?」
「うん・・・。」
「鈍感!」
鈍感を装わなきゃ。
其の場で、
想いを、
見破られそうだったからなんだ。
05月08日(土)
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