ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■比べれば明確に失格ではないのですか
強くも無い酒を過ごした。



久方振りの、
折角の遠出だと言うのに。

出掛けのほんの僅かな諍いで、
産まれてしまった、
微妙な捻れ。


痼りとして残り兼ねぬ、
互いの後悔を。

堤の桜が、
徐々に、
徐々に、
解いてくれたから。


嬉しくて、
お互いに酒を呑み過ぎた。



其の事実は、
共通理解で在る筈なのだから。





其の言葉は。

想いの内に、
我慢の内に、
未だ留め置いても良いと、
想うのだ。











何時の間にか現れた、
夕闇の深さに、
慌てて飛び起きる。


 「何時?」

 「不味い・・・寝過ごした。」


花見の跡の、
積極的に進めた酔いは。

昼寝の心算を砕き、
必然の焦燥を、
既に創り上げて居た。




約束の皿洗い。


 「手伝って!」


互いの決め事であり、
今朝確認した事には違いないけれど。


眠い目を擦り、
懸命に目を醒まさねば。

手伝い要員として役を果たせぬ事が、
明らかだったから。


 「ちょっと待って。」


猶予を求めただけなのに。





一向に動かぬ身体と、
全く冷めぬ頭の酔い。


 「約束したじゃない!」


姫の頭は、
端から怠惰と決め付け、
徐々に体温を上げて行く。









待ってよ。
五分で良いんだ。


いや。

呑み過ぎて起きれぬ俺を、
非難しても、
一向に構わないから。










其の言葉を吐きながら、
泣かれたら。

過去の事実と比較を縒り併せた、
最終兵器を吐かれたら。








 「旦那がそう言う好い加減な人だったから!」
 「ここまで言わないと動かない人だったから!」
 「すごく嫌なんだよね!!」


俺は、
何も出来ないよ。








其の嫌な旦那に酷似している俺の、
何処が良くて。

姫は傍に居るんだよ?





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References
 Mar.30 2004, 「何処が好きと言えますか」
 Mar.17 2004, 「前科を消す術が在りますか」
 Mar.12 2004, 「都合の良い状態が必要ですか」
04月11日(日)
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