ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■護れぬ約束でしたか
一つだけ。

約束を護りたいと、
相手が口に出したなら。


何を願うべきなのだろうか。





ずっと一緒に。
ずっと幸せに。

不確かな未来を縛る願いは、
そんなに必要無い。




 「別れて。」


此の言葉を頻繁に使わぬと、
一つだけ、
約束してもらうんだ。






本気で俺を、
不的確な雄だと判断した時には。

或いは本当に、
俺と歩む事が出来ぬ事情を、
受け止める必要が産まれた時には。


甘受するよ。




此の言葉にだけは、
常に重みを包んでおこう。

姫と約束をした。













励まされた筈の作業の手が、
止まる。
















ほんの少し、
時間を巻き戻せば。

其処には、
楽しい時間が在った筈なのに。


つい先迄。

受話器を介して、
笑い声の絶えぬ会話をした筈なのに。




毎晩遅いから?

早く寝ろと言ったから?

寂しい思いをさせて居るから?










 「お願いだから。」
 「別れて。」


電話を切った直後に、
届けられた文。










敢えて自分が創り上げた重みに、
潰されるのは。

決して本望では無く、
滑稽だろ。
03月18日(木)
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