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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■悪戯の通話で良かったでしょうか
意を決した想いの、
出鼻を挫かれる事など、
さほど苦では無いけれど。
挫かれた後の出鼻に、
想いが返る時。
何故此処迄狼狽するのだ。
耳元で流れる呼出音が、
一瞬の間を置いて、
録音された伝言へと切り替わった瞬間、
通話を遮断した。
仕事かも知れない。
出先かも知れない。
駄目元の呼出音は、
成就する可能性などほんの僅かで良い。
其処に残される想いは、
残念より、
寧ろ安心感だったのに。
直後に震える携帯と、
白色の着信色。
震える想いと
震える指。
発信以上に、
受信には勇気を必要なのか。
「小坊主ちゃんから電話なんて。」
「滅多にないでしょう?」
劇場で見て居た映画を抜け出して、
電話を掛けてきた貴女。
半月程前は、
頻繁と言う単語で埋められた筈の文も、
俺の呼び名も、
正確に姿を変えて居た。
其処迄、
俺は要求して居ない。
其処迄、
俺は要求出来ぬ立場。
自覚とは裏腹の想い。
「イタ電。」
「えぇ〜?」
「そうなの〜?」
最初に口から出るべき言葉は。
悪戯電話で、
きっと此れで良かったんだよね。
01月12日(月)
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