ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
[165416hit]

■本当に間に合うのでしょうか
想いとはきっと、
片割れの心のみでは成立しない物。


例えば何かを示した相手と、
受け取る自分と。

或いは何かを発した自分と、
受け止める相手と。


両者が想いと認識してこそ、
想いは想いたる地位を獲得する。



けれども。



例え想いに溢れていると認識した行為は、
同じでも。

互いが得た想いが、
一致した同じ物とは限らない。


同じ事を経験しても、
育った想いは、
同じ物とは限らないから。






 「其れ故に語り合うんだよね。」


奴は俺の問いに、
何の関係も無さそうな話を持ち出した。










 「もし。」

 「あなたが私を迎えられる様になって。」
 「私がちゃんと離婚して。」


 「でもその時には。」
 「私が子供を産めなくなっていたら。」

 「どうする?」
 「別れる?」


奴の彼女が、
奴に投げ付けた想い。



 「親戚は泣いて駄目だと言うよ?」

 「あなたは優しいし、」
 「お母さん思いだから。」


 「きっと無理だよ?」


奴の彼女が、
奴を想って投げ付けた想い。









俺と貴女に、
此処迄の信頼関係は無い。

俺と貴女に、
此の応酬を受け止める力は、
きっと無い。









 「俺、幸せだ、きっと。」
 「お前は未だ其の域に達していないだろう?」


惚気る奴の姿に。


 「其れでも時間は迫って来るだろう?」


俺は負け惜しみを突き付けた。





----------
References
 Sep.18 2003, 「時の進みが早過ぎませんか」
 Dec.19 2003, 「想いを遮るのが想いでしょうか」
12月24日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る