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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■見えるから見えぬ物でしょうか
自身を前進させ、
自身を高みに押し上げれば。
物事を正確に捕らえられる様に、
成長出来ると、
想っていたけれど。
自身を高める事で。
少しだけ、
物が見えなく成る事も、
存在するんだ。
表と裏を、
如何にして見極めるか。
経験値しか、
判断材料が存在し得ないと言うのに。
逆に其の経験値が、
困惑や躊躇を産むから。
昔彼だった男が、
力強く答えた。
「もう大丈夫です。」
其処に拘る理由も無く、
彼自身も器量も、
そんなに悪い物では無い。
振り回されずに、
早く前を向いて欲しいと、
そう願い続けて来た。
昔彼だった其の後輩が、
力強く答えた。
「小坊主さん。」
「もう大丈夫です。」
酒を酌み交わしながら、
昔彼の彼女だった人の事を、
話せば。
当時見えなかった雌の性格も、
予想される行動も、
良く見える様に成った。
けれども。
「どうせな。」
「お前に彼女が出来た頃に。」
「ちょろちょろ戻って来るんだよ、御嬢は。」
「ですよね!」
「戻って来て欲しく無い時に・・・」
「其れじゃいけないんですよ!」
俺と彼の読みは、
一致している様で違うんだ。
昔御嬢の彼だった、
俺の後輩が。
「もう大丈夫ですから。」
力強く答えた、
其の時。
瞳に宿った切ない曇り。
期待感が消えてない事を、
俺は彼から感じた。
先が見えるからこそ、
期待感を消せないのか。
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References
Nov.20 2003, 「爪の先に甘い毒を仕込むのですか」
12月21日(日)
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