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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■此れが罪滅ぼしの代わりでしょうか
何処かに旅立とうと、
この地へ足を踏み入れる度に。
何処かから自身の街へ戻ろうと、
この地に降り立つ度に。
如何しても消えぬ過去が、
拍動の頻度と強度を一気に変調させながら、
鮮明に迫り来る。
嫌な場所。
貴女へ逢いに向かう扉であり、
貴女を迎えに来る窓であるにも関わらず。
未だに嫌な場所。
「抱いて良いの?」
「うん・・・」
逢って僅か二度目の貴女を凌辱した、
切っ掛けの言葉が産まれたのも。
この地。
「駄目だった?間に合わなかった?」
「どうしよう・・・帰れない・・・。」
最終便に貴女を乗り遅れさせ、
事の重大さに脅え惑う貴女の抜け殻を、
身体だけ抱きしめたのも。
この地。
「仕事じゃ無かったのか?」
「もう逢えないかも。」
受話器越しに届く旦那の罵声に脅えながら、
現実の状況を把握出来ず、
中途半端に貴女を送り出したのも。
やはりこの地。
貴女に逢いに行く理由以外に、
この地を訪れたとしても。
行き交う機影と其の轟音を耳にした瞬間から、
報いだとばかりに、
俺へと牙を剥き続けるんだ。
最寄のこの空港は。
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References
Oct.13 2001, 「貴女の心はどこにありますか」
Jun.01 2002, 「また逢えますか」
09月06日(土)
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