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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■契れぬ想いは何処に向かうのですか
愛しい女の腹の上で、
死を迎えたら。
雄にとって幸福な事だろうか、
其れとも恥ずべき事だろうか。
未だ生に執着の有る俺の身は、
問いを解く立場にも辿り着いていないけれど。
愛しい男の腕の中で、
死を迎えたら。
雌にとって至福の極致なのだろうか、
其れとも絶望の極限なのだろうか。
性差を有する俺の心では、
埋める事の出来ぬ感覚の差が存在するのだけれど。
きっと貴女は。
自身の姿を、
この昆虫に投影して居たに違いないから。
「あのね・・・」
「甲虫の雌が死んじゃったの。」
貴女が夜中に観察した、
情熱の契り合いが。
門出の刹那か、
本能の狼藉か、
別離の慟哭か。
何れにせよ、
決して暖かな未来を醸し出す行為では無かったのだ。
貴女へ伝えたい想いの数々が、
貴女を魅せたい想いの数々が、
俺には未だ残ってるから。
「雄は知らずに抱き締めてたのかな?」
「それとも悲しんで抱き締めてたのかな?」
そう呟いた貴女を、
抱けなくなりそうで怖い。
08月20日(水)
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