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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■天秤ごと支える力が備わるだろうか
人は自身の生の数だけ、
過去を抱えるから。
生きて来た証拠として、
何らかの痕跡を残し、
其れは自身をも縛り得る存在だから。
お互いの柵を受け入れる覚悟で、
お互いに想いを届けるのかも知れないけれど。
「重かった?」
そう貴女が心配するのは。
重ね歩んで来たお互いの過去を、
重なった幾つもの想いの重量を、
充分過ぎる程理解しているからに違いない。
けれども。
直接短絡的に想いを繋げるから。
純粋な小児の想いは、
小さな彼の想いは。
時として大きな力と意味を有し、
時として周囲をたじろがせる程の質量を、
有するのだろうか。
「小坊主と結婚しないの?」
「小坊主がしようって言ったらね。」
「自分から言わないの?」
「そんな・・・恥ずかしいもん!」
自身の息子の言葉に、
未だ低学年の餓鬼の言葉に、
本気で照れている貴女を感じながら。
其の上に何層にも重なった、
過去の柵や背負った責務の数々と。
其の底に在る、
確固たる想いの核と。
今何方側に傾くのか、
此れから何れの側に傾き行くのか。
二つを乗せた天秤を、
想い浮かべた。
08月05日(火)
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