ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■其れは違うと言えないのでしょうか
もしあの時、
俺が肯定の解答を君に伝えたら。
今頃はどんな関係だったのだろう。
十年前。
俺が生まれ育った土地を離れる事が決まり、
君が俺への想いを初めて告白し、
そして俺の親父の死期が判明したあの時。
俺に今程度の力さえ備わっていれば、
俺は問いに肯定して、
君を惹き寄せたのだろうか。
一つ手前の駅で先に電車を降り、
階段の途中で、
何時までも俺に手を振って居た君に。
ふとそんな想いを抱いた。
唯一の問題を、
金銭的な条件の問題を、
未だに残しつつも。
元の家、
元の苗字、
元の生活、
そして新たな仕事。
徐々に動きを見せ始め、
徐々に前を向き始めているから。
「仕事決まったんだよね♪」
「これで今年は四回目の花火なんだ!」
口から飛び出る言葉の数々は、
良く晴れて暑い、
今日の気候其の物の様に明るかった。
浴衣姿を目にするのも、
二人で花火を見た事も。
実は初めてであった事に、
今更気付いた男に。
「明日もデートなんだ♪」
「少しは八方美人になっても良いでしょ?」
「今までの分を取り戻さなきゃ!」
そう言いながら、
隣で明日の男と算段をしている君へ。
「其の男は違う気がする・・・」
そんな言葉を掛ける権利は無いんだよな。
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References
May.29 2002, 「逞しく在りますか」
Jun.15 2003, 「人を舐めてやしませんか」
Jun.21 2003, 「幸せ太りに変えられるでしょうか」
08月03日(日)
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