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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■感謝をしても良いですか
貴女に毒の矢を突き刺したのは、
他でも無く俺だ。
貴女に刃を向け抉ったのは、
他の誰でも無く、
俺自身なのだから。
僅かな空き時間を利用して、
貴女の声を聞いて、
疲労回復を図ろうなどと言う行為は、
虫が良過ぎたに違いない。
「何であの人の名前を・・・」
貴女の問い掛けは、
極当たり前の行為なのだ。
例え話し合ったとは言え、
一度切りの会話で、
事の収拾を図ろうなどと言う行為は、
虫が良過ぎたに違いない。
言葉に詰まった俺に対して、
無口になった俺に対して、
貴女は同じ言葉を言い続ける。
「何で黙るの?」
「何で黙るの?」
「何で黙るの?」
貴女の問いは正解。
俺の行為が不正解。
貴女の問いは当然。
俺の行為は不自然。
それをどんなに理解していようとも。
事実と想いと行為が噛み合わないのは、
紛れも無く貴女への甘えなのか。
もう話し合ったじゃない。
もう解決したじゃない。
何故疲れ切った今、
その話で俺を追い落とすの?
貴女は俺を支えてくれないの?
貴女は俺の状況を察してくれないの?
交錯する想いが、
開かぬ口をますます閉じる。
もう切らなければ。
もう行かなければ。
こうやって電話を切れなくなるんだったら、
五分だけ声を聞かせようなんて、
そんな想いはやっぱり捨てるべきだよな。
自分で考え、
自分で結論付けて。
自己中心的な想いが、
開かぬ口をますます閉じる。
「考える余裕もない時に言うことじゃない。」
「責めるような事言ってごめんなさい。」
貴女から届いた深夜の手紙。
何も言わなかったのに。
何も言えなかったのに。
貴女はちゃんと、
俺の想いを把握して理解していた。
感謝。
貴女はちゃんと成長しているのに、
俺はちっとも成長していないな。
03月06日(木)
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