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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■罠を仕掛け終わりましたか
自分を駆り立てる力と、
自分に備わる狩猟本能は、
全く同じ支配を受けているのだろうか。
何時の間にか抜かれた牙。
何時の間にか削られた爪。
闘いの為に備わった雄の武器が、
錆付いて崩れている。
幸せと言う魔物が、
自分の能力を削り取って巣食う生き物なら。
俺は既に、
その魔物に半分以上力を吸い獲られてしまったのかも知れない。
「今度逢う時、どうやって抱いて欲しい?」
昼休みに仕掛ける、
小さな悪戯。
仕事の合間に、
束の間の休息を取っただけなのに。
「午後からずっと顔が笑ってたよ・・・」
「小坊主のせい。」
昼休みに仕掛ける、
普段の悪戯。
俺の目論見通り、
貴女を潤んだ目で半日を過ごさせたと言うのに。
「小坊主は?」
「普通。」
精一杯の強がりに、
戸惑いの想い。
貴女との幸せを感じれば感じる程、
俺は狩りの能力を奪われ、
自分を駆り立てる力を磨り減らして行くのだろうか。
貴女はゆっくりと、
俺の手足に蜘蛛の糸を張り巡らせて来たのだろうか。
何時まで経っても、
今日は目の前に貴女が居る。
何時まで経っても、
貴女は目の前でほくそ笑んで居る。
02月17日(月)
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