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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■その涙は何色ですか
長さの違う波が、
幾重にも幾重にも重なった流れ。

大きさの違う粒が、
幾重にも幾重にも鏤められた空間。


目の前に漂う奇跡の色は、
一つ一つの波を、
一つ一つの粒を、
何層にも紡いだ自然の結晶。








想いの数々が、
幾重にも幾重にも重なった流れ。

人が織り成す魅惑の流れが、
一つ一つの想いを、
何層にも紡いだ心の結晶だとしたら。




光と水の気紛れが空に渡した、
七色に煌く橋の様に。

貴女の頬を伝う涙の色が、
見えれば良いのに。













 「小坊主のコト思い浮かべてたら、涙がぽろり落ちゃった。」
 「悲しいとか寂しいって気持ちじゃなく、愛しい気持ち。」













違う。

貴女の涙は、
そんな色をしていない。




寂しくて寂しくて、
遠くて遠くて、
逢いたくて逢いたくて、
欲しくて欲しくて。

こんな想いを幾重に重ねても、
愛しさにはならないはずなのに。













俺の問いに返らぬ答え。



 「小坊主・・・」

 「泣いてるの?」
 「何が不安なの?」



受話器の先に揺らめく貴女の声が、
また涙色に染まっている。

涙の色が見えたら良いのに。
02月09日(日)
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