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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■戸惑いの真の理由は何ですか
嘘から出た誠。
格言の上では成立する戒めの言葉。
願う気持ちの強さが有れば、
誠の姿に変われる嘘かもしれないけれど。
虚言から出た真実。
心にも無い虚実が、
翌日には現実味を帯びて目の前に現れる事など、
どうして想像出来ようか。
「近所に引越したらどうしよう?」
友人にただ、
その気も無い冗談を一言吐いただけなのに。
何も接点の無い上司の口からは、
出るはずの無い言葉が洩れた。
「小坊主、行く気があるか?」
上司の言葉は、
昨日の嘘をたしなめる罰だと思った。
上司の言葉は、
昨日の嘘を利用した罠だとしか思えなかった。
嘘が無ければ、
受け入れられた話なのだろうか。
降って湧いた話に、
戸惑うばかりで何も浮かんで来ない。
急な決意を強いられる話に、
漠然とした感覚しか感じられていない。
「チャンスはふわっとやって来るんだ。」
「それを掴むかどうかは別として。」
耳に響き続ける上司の言葉に呼応して、
貴女の言葉も木霊している。
「ついて行くから。」
「私も行くから。」
貴女の言葉を確信しながら。
瞼の奥に浮かんで来る。
写真でしか見たことの無い、
小さな彼。
02月06日(木)
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