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たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■どうやって「ゆだねる」のか
でも、僕らは日常生活の中で、内なる神や神の意志を感じ取ることはなかなかできません。どうしてできないのでしょうか。
ビッグブックでは、神(一番内側の円)と自己(グレイの円環)の間に「障害物」が生じている、と言っています。また、12&12では、神と自分をつなぐチャネル(※)が詰まっていると言っています。どっちにしても、神と自分との関係を阻んでいる「障害物」があるわけです。
※チャネルをパイプと訳している(12&12, p.135)。
その障害物とは何か・・それは、恨み、恐れ、欲求不満、罪悪感などです。そして、そうした障害物が発生する原因が私たちの「性格上の欠点」と呼ばれるものです。
だから、ステップ4・5では、恨みや恐れを手がかりに棚卸しをして、自分の「性格上の欠点」を見つける作業をします。ステップ6・7では、見つけた欠点を取り除きます。ステップ8・9では過去に自分が傷つけた人に埋め合わせをします。ステップ10では、ステップ4〜9の作業を日々繰り返していきます。
こうして障害物が取り除かれていくと――あるいは神と自分をつなぐチャネルが掃除されると――、僕らは神の意志を受け取る準備が整います。そこで、祈りと黙想という手段を使って、神の意志を知り、それに従っていく努力をします(ステップ11)。
このようにして「ゆだねる」ということが実現するわけです。ふう、ちょっと大変かもしれませんが、東大に合格することや、大金持ちになるよりはずっと容易だと思います。
僕らは、自己(グレイの円環)と物質的・社会的なものとの関係にばかり関心を持ってきました。お金のこととか人間関係のことです。だからミーティングでもその話ばかりしているでしょう。でも、大切なことは自己と内なる神との関係です。その関係が良くなれば、外側とのことで思い悩むことはずっと少なくなり、楽に生きていけるようになります。それが、ゆだねて生きていくということであり、それを実現するために、棚卸しと埋め合わせ、祈りと黙想に取り組むことが必要です。これが、あなたの質問に対する答えになります。
アメリカのあるNAメンバーが、僕らの心の中には god-shaped-hole が空いている、と言っていました。神の形をした穴です。生きるのに虚しさや辛さを感じるのは、心の中に大穴が空いているからです。それは「神の形をした穴」なので、神以外の何かで埋めようとしても、ぴったりはまりません。僕らはその穴を酒や薬で埋めようとして、かえってひどいことになりました。
障害物を取り除いてみれば、その穴の中には神がちゃんと存在していたことを知るでしょう。生まれたときからずっと一緒にいてくれたことも。その時私たちは奥底から「満たされた」という感じを抱きます。そうして得られる「自分より偉大な力への気づき」、「神がここにいるという実感」がステップ12に書かれている「霊的な目覚め」です。
最後に振り返ると、あなたにもわかるはず
結局は、全てあなたと内なる神との間のことなのです
あなたと他の人の間のことであったことは一度もなかったのです
(ANYWAY〜マザー・テレサ作とされている詩)
03月28日(月)
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