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たったひとつの冴えないやりかた
by アル中のひいらぎ
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■危機と成長
その信念・信条が、問題をうまく解決できているうちは「危機」ではありません。でも、解決できないからこそ危機になったのであり、そのときに「自分の考え(信念・信条)」を頼っていたのでは、危機を克服できません。
人間は、問題に直面し新しい対処方法を身に着けることを繰り返して、徐々に精神的に成長・成熟していくのだと思います。人生の中でこれがたくさん起こるのは、思春期から20代前半でしょう。この時期に若者たちは、現実にぶち当たり、苦悩し、そして精神的に成長していきます。
アルコホーリクはこの時期に酒を飲みだした人がほとんどです。他の人たちが、悩み、成長している一方で、アルコホーリクは苦悩を酒でごまかして、自分を成長させることがないまま、おじさん・おばさんになってしまったわけです。ジョー・マキューは、私のところに来るアルコホーリクの考え方はたいていティーンエイジャー並だと言っています。僕はむしろ加藤諦三の言った「五歳児の大人」という言葉のほうが合っているように思うことが多いのですが・・・。
こちらによれば、五歳児どころではない「二歳児」だといいます。こうなると霊的な幼稚園どころじゃない、乳児院だよ。
クズ野郎の正体、または二歳児にバスを運転させない方法
http://powerless.cocolog-nifty.com/alcoholic/2013/05/post-4525.html
話し変わって、「危機」は二種類に分けられるそうです。ひとつは「状況的危機」で、これは震災や事故、死別、離別などによるもの。予期し得ない出来事によって、それまでの安定していた状態が脅かされるものです。
もうひとつは「発達段階における危機」です。アルコホーリクの危機がどちらの危機なのか、言わずもがなでしょう。ある医師が「12ステップは、その人が大人になる過程で身に着け損ねたものを、まとめて身に着けさせてくれる手段だ」と表現したそうです。賛成です。
(身につけ損ねるばかりでなく、せっかく身につけたのにアディクションに耽溺する中で失ってしまったものも少なくないだろうと、考えています)。
アルコールの人も、薬物の人も、ギャンブルの人も、そのほかの依存の人も、ACの人も、みんな頭の中はティーンエイジャー(or五歳児or二歳児)みたいなものです。「精神的に若い」のと「精神的に幼い」のは違います。頭の中が幼いままで、社会から大人としての役割を期待されたら、そりゃ人生はストレスばっかりでしょう。解決は自分が成長することです。
12ステップは「今のあなたのままで良い」とは言いません。成長、つまり変化を要求します。
(ただ、世の中には「変えられないもの」もあります。例えば最近話題の発達障害などは、変化できないからこその障害です。変化できないものを変化させようとすれば、苦しみはかえって増大します。けれどまったく何もかも変わらないわけではありません。「二つのものを見分ける賢さ」が必要なのは言うまでもありません)。
06月04日(火)
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