ID:1488
頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■数々の勲章
長い間開けてなかった、古い書類入れがある。
今日何気なく開いてみたら、引き出しの一つに、その存在さえ忘れていた写真が入っていた。
量にすると100枚程度で、生まれて9ヶ月目のものから30代後半までのものが無造作に入れてある。
5歳頃の実家付近や、昭和40年代の小倉駅など、今となってはもう見ることの出来ない風景がそこにある。
また、ぼくの記憶の中には存在しない、ステージで弾き語りをやっている姿や、喜多方ラーメンの旅の記録がある。
つい懐かしくなって見入ってしまった。

写真を見ているうちに、一つの疑問がわいてきた。
それは、その中にある一番古い写真を見た時だった。
どこをどう見ても今の顔に結びつかないのだ。
今の顔に当時の面影が残ってないと言ってもいい。
まず顔の形が違う。
今のぼくの顔は、似顔絵のように長めの顔であるが、その写真の顔は丸顔に近い。
目が違う。
その後の写真を見るとどれも目が大きいのだが、その当時はかえって小さく感じる。
近々スキャナーが手に入る予定なので、そのうちこのサイトで、その写真を公開しようと思っている。
今のぼくを知る人は、おそらく別人だと思うだろう。

それにしても白黒写真の多いこと。
20歳ぐらいまでの写真は、もちろんカラーもあるのだが、圧倒的に白黒である。
そこにある一番古いカラー写真は6歳の頃のもので、それ以降高校2年までは白黒しか存在しない。
高校2年の時の写真は、夏休みに鹿児島・宮崎に行った時のものである。
その後20歳までの写真は、また白黒ものになっている。

ところで、そのカラー写真だが、意外なことに気がついた。
6歳の時の写真のほうが、高校2年つまり17歳の写真よりも質がいいのだ。
これはどういうわけだろうと考えていたが、ふと思い当たることがあった。
ぼくが17歳の時といえば、1974年である。
1974年といえば、オイルショックの翌年である。
オイルショックの時、何があったか。
そう、紙不足だ。
トイレットペーパーが、店頭からなくなっていた時期だ。
その影響は出版業界にも出ていた。
73年版の『ノストラダムスの大予言』という本をいまだ持っているのだが、その紙の質の悪いこと、ほとんどわら半紙状態である。
あの頃は、紙と名がつくもの、すべての質が悪かったのだ。
写真にも影響が出るのは当然である。

そう考えると、鹿児島写真は、その時代を反映しているということになる。
これは大きな発見だ。
ぼくは今まで自分の写っている写真を、白黒でしか残ってないとか、色が悪いなどという理由からあまり見ることはしなかった。
しかし、そういう質の悪い写真こそが、確かにあの時代に生きたという証である。
いわば勲章である。
そうやって見ると、ぼくはずいぶん勲章を持っていることになる。
これからは、そういった勲章の数々を、このサイトで紹介していくことにしよう。
01月27日(月)
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