ID:104448
暴かれた真光日本語版
by 日記作者
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■035 pseudoscience
「前略この度例によって妃殿下が各地へ慰問に来られるさうだが、それは真平御免罷ると御社より言上されたい、何となれば彼等の来訪は百害あって一利なし、多勢の供をつれて美衣をまとひゾロゾロ来られるのを見て非常時下慨嘆さぜるものなし」、「大戦中彼等一族は何をなしたるか社会の外に美衣美食なすところなく、稀に戦場に有る者を見るに血を流して占領した後をフラフラうろついて視察するのみの芸なり」。
「我等の志、そは一日も早く三千年日本を我物として君臨せし彼等一族特権階級を亡して新日本を建設するにあり、平民日本を建設するにあり、平民日本を建設するにあり」、「三千年五千年の昔人類地球上に棲息を始めしより日本にも土着の民あり、そこへ大陸より神の選民と称する天孫族渡来し次々と土着民を征したり」、「土民の中には出雲族あり、土蜘蛛あり、熊襲あり蝦夷あり皆併合或は征服さる、そして極めていやしめらる、彼等天孫族は何れから来たるや、元より知るべくもあらざるが太鼓猶太の首長モーゼは部下をひきゐて東に西に放浪、遂にエジプトに至りそこをも脱出してイスラエルに帰るその中最も精猛なる部族は同族と別れて東漸又東漸支那に至りて消息不明となる。日本に来りし天孫族は彼等なりと信ぜらるる点多し、我等は日本を愛す、この国土を愛す、故に大東亜戦にはあくまで戦ひ勝つ、勝たねばならぬ、さりながら猶太人の子孫たる天孫族、猶太の子孫にはあらざるも三千年尊大を極めし彼等をして尚安眠さす余地は持たざるなり」。
「天孫降臨の事実を証されよ、科学的に、百千の団体明徴運動も尊いが故に尊べでは合点せられず、高天原の天下りは三つ児しか信ぜざるなり、言論機関よ、よろしく我等に協力せよ」。
以上、論理の混乱はあるが、稗史風の日本民族論を展開していて、言わんとする論旨は一応理解できる。古史古伝的“研究”の成果が端的にあらわれ出た例といえる。
これとは対照的に、宇野正美は、日本への渡米ユダヤ人は「あるところでひっそりと二千数百年、やがてのために生き続けなければならなかった」そうである。
「日本に古代イスラエルの十二部族が来ていたということの証明は、契約の箱をおいてほかにはない。ただこれがあれば全世界の人々の口を封じることになるだろう。特に欧米人たちは驚き呆れて、口をつぐむ。中東の人々においてもしかりである。しかしそれまでは仮に日本に契約の箱があったとしても、一条の光も漏れることもなきベールがそれを包むことだろう」と、隠されており、「日本にかくまわれていた古代イスラエルの血を受け継いだ子孫たちが約束の地に戻るという」、その顕現への胎動を、宇野は読みとっているようである。
かつて国学者が和歌や漢詩に託して、その心情を表現したように、諸宗教人から不敬投書者、現代国際政治経済に通暁するらしい研究者にいたるまで、古史古伝に託した同祖論によってその心情を語るという、いずれもユニークな「古典学者」たちに違いない。その意味で国学者の俗流一変種といえる。しかし、自らの特異性は、かえってユダヤの宗教や歴史によりかからせることによってのみ自在に展開しうるのである。実証しがたい事柄であればあるほど親ユダヤ反ユダヤ、皇室尊崇反天皇制など、いかようにも自己の主張を組み立てる手段とすることができることを物語っている。
さまざまなバリエーションで「日猶同祖と言わざるをえない」と結論されても、それが客観的に証明されたわけではない。むしろ始めに同祖というゴールが設けられており、それを論証するためにそれぞれどんな材料をどのように用いて組み立てるかのコンテストの様相を呈する。いわばその知的ゲームの競争を読者は余裕をもって鑑賞し、どのように採点するかである。古史古伝に由来する日猶同祖論者たちによる歴史の書きかえの必要も、現代日本への論策がこの日本を導いて潮流をつくる兆候も見出せそうもないからである。
【Web注】S教M光では、現在次の書籍を道場で販売している。
「猶太難民と八紘一宇」上杉千年著 展転社
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11月28日(金)
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