ID:104448
暴かれた真光日本語版
by 日記作者
[88164hit]

■033 pseudoscience
...アメリカの海洋地質学者メナルドは、ツアモツからマーシャル群島に至る太平洋の真ん中に、高さ二キロ、長さ千キロ、幅四千キロにおよぶ巨大な海底の隆起地形(ダーウィンライズ)を考えた。この説は1964年に発表され、日本のマスコミに騒がれたことがあったが、ボーリング調査などその後の海底調査により、ダーウィン・ライズは大陸の沈んだものではないことが明らかにされてしまった...
<解説>

近年、沖縄付近の海底で遺跡のようなものが発見されています。沖縄周辺は1万年ほど前に水没した可能性もあり、同時に水没した文化、文明があった可能性が指摘されています。上のHPではこれを指して、「ムー大陸」、「ムー文明」と言っています。ただし、この海底遺跡らしきものは、未だに人工物なのか自然物なのか結論がついていないようです。つまり、はっきりしたことは何も判っていません。また、上の抜粋にもあるように、一般的に言われているムー大陸が太平洋の中央あたりには存在し得ないことも述べています。

しかしながら,一部の真光信者はこの「海底遺跡らしきもの」を指して、「岡田光玉氏の言ったムー大陸が実際に存在した...」と言い,光玉氏の教えが正しいと主張したいようです。

これは本当にムー大陸、ムー文明と呼べるものなのでしょうか?光玉氏が正しいことを言ったということになるのでしょうか?

私が思うには,上のHPや木村教授は、人々の興味を引くためにこの海底遺跡のようなものを「ムー大陸、ムー文明」と呼んでいるだけであり、実際には「琉球古陸」説ともいうべき別物だと考えられます。○○真光の上級研修のテキストには、ムー大陸は太平洋を覆い尽くすように描かれている上に沖縄付近は含まれておらず、上記の琉球古陸説とはかけ離れたものであることがわかります。(4.真光、ムー大陸、そして天皇崇拝、参照)

雑誌「ニュートン」編集長の竹内均氏は、「ムー大陸は無かったがムー文明はあった」と言っているそうです。しかし、竹内氏は高名な地球物理学者でありながら、古代史に関しては妄想を持っていることが指摘されています。


『ニュートン』編集長、竹内均氏の妄想
http://bosei.cc.u-tokai.ac.jp/~haruta/kyokou/zangai.html
光玉氏は、不確かなチャーチワード説をそのまま教義の中に取り入れただけでなく、ムー大陸とアトランティス大陸間に核戦争があったという話まで付け加えています。この話は1950年代にアメリカで人気のあった「シェーバーミステリー」が元ネタのようです。

もともとムー大陸説というのは、チャーチワード氏が最初に唱えたものですが、チャーチワード氏自身の経歴詐称問題や証拠の不確かさから、捏造であると言われています。光玉氏はチャーチワード説に尾ひれをつけて真光の教義に取り入れただけのようです。

ムー大陸説は、偽書である竹内文献にも取り入れられ、戦中戦後を通じて軍人の間で人気のある説でした。光玉氏もそれに騙されたか、あるいは利用した人間の1人でしかないのでしょう。

ですから、仮に沖縄近海で発見されたものが今まで発見されていなかった遺跡だったとしても、「光玉氏が正しいことを言っていた...」ということにはなりません。

「一万年前の遺跡があった、だから光玉氏の言ったことが正しかった...」という認識は、短絡思考というものです。


擬似歴史学辞典 http://village.infoweb.ne.jp/~fwjf1899/tondemo/dic/

<ムー大陸に関する参考文献>

ジェームズ・チャーチワード/小泉源太郎:訳『失われたムー大陸』(大陸文庫 1991)
志水一夫「疑惑の人ジェームズ・チャーチワードとムー大陸伝説・伝」
藤野七穂「偽史と野望の陥没大陸“ムー大陸”の伝播と日本的受容」
『歴史を変えた偽書』(ジャパン・ミックス 1996)
C・J・カズー+S・D・スコット Jr./志水一夫:訳『超古代史の真相』(東京書籍 1987)
R・ウォーカップ/服部研二:訳『幻想の古代文明』(中公文庫 1988)
M・ガードナー/市場泰男:訳『奇妙な論理II』(現代教養文庫 1992)
ダニエル・コーエン/岡達子:訳『世界謎物語』(現代教養文庫 1990)

Top



[5]続きを読む

11月30日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る