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龍神様のささやき
by 龍
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■油断
「油断大敵、油断も隙もない」といった言葉があるように、この言葉も普段、非常によく使う言葉かと思います。
その意味は言うまでもなく、気が抜けたり、注意を怠ってしまう事をさしますが、「油を断つ」と書いてどうしてそのような意味で使われているのでしょうか・・・。

その言われとして、「涅槃経」という仏教の経典の中に、「王、一臣に勅す、一油鉢を持ち、由中を経て過ぎよ、傾覆することなかれ、もし一滴を棄せば、まさに汝の命を断つべし」、という一説がございます。
これだけでは、何を言っているのかあまりよく分かりませんが、より詳しく言うと下記のような意味となります。

ある王様が、家臣(かしん)の一人に油の入った油鉢を持たせ、「もし一滴でも油をこぼしたら、お前の命を断つであろう」と命令し、多くの人の群れの中を歩かせました。命令を受けた家臣は慎重に油鉢を持ち、一滴もこぼす事無く無事に歩く事ができました。
この話のように、「“油”をこぼしたら、お前の命を“断”つ」という言葉より「油断」の語が出来たと言われております。

さらに、話の中に出てくる王様は仏様をさし、その家臣とは仏様のもとで修行をされているお坊さんを表しておりますが、気を抜いたり注意を怠る事によって油がこぼれる。すなわち、気の緩みから戒律を破り、修行の道を踏み外してしまう事がないようにという意味を表した、例え話の側面も含んでおります。

その他にも、「ゆったり」「ゆっくり」という意味を持つ古語、「寛に(ユタニ)」の言葉が変化したという言われもあり、四国の一部では、「ゆっくりして下さい」という意味で、「ゆだんなされ」と言う地域もあるようです。

私から皆さんへのアドバイスの中で、調子が良い時ほど気持ちを引き締めて、気を緩める事の無いようにとお伝えする事がございます。
今回は、油断という言葉についてお話させて頂きましたが、その言われを知る事で、今一度ご自身を見つめ直されたり、今後の生活において、「油断大敵、油断は禁物」という事を忘れずに、毎日を過ごして頂ければ嬉しく思います。
02月14日(土)
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