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龍神様のささやき
by 龍
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■愚痴
「愚痴っぽい性格」、「愚痴をこぼす」など、思い通りにならない出来事があったり、不満を感じる状況などがあると、ついつい愚痴が口をついてしまうものです。
この“愚痴”という言葉。元々は“愚癡”とも書き、心に迷いがあって光に照らされておらず、真理に暗い事を指しています。

これだけでは、言葉の意味との結びつきがあまり見えてきませんが、仏様の教えの中に「三毒」という言葉があり、この三つの毒とは「貪、瞋、癡(とん、じん、ち)」という煩悩の事を表しています。
これは、人の心に潜むもっとも根強い苦しみの原因であると考えられているのですが、貪とは貪る(むさぼる)心や欲の強さを表し、瞋は怒りの心。そして、愚癡に通じる癡は、癡かさ(おろかさ)や、真理に対する無知を表現しております。

先程から愚癡に関しては、「真理に暗い、真理に対する無知」とお伝えしておりますが、この真理が何を表しているかというと、真実の道理や理を意味しています。

人が愚痴をこぼす時。例えばお仕事においては、「上司が理解してくれない、部下がつかえない、今の職場環境が悪い、給料が安い、休みが少ない」など、言い出したら本当にキリがありません。
家族や恋人、友人との関係においても、「あれをしてくれない、これをしてくれない」など、こちらも言いはじめたらキリがないものです。

しかしそういった愚痴も、働ける場所があったり、家族や恋人などの存在がいて、はじめてそのように感じる状況がある。逆を言えば、仕事があるからこそお給料を頂け、生活もできてといった真理があり、家族や恋人、友達がいる有難さという理を分かっていたなら、愚痴をこぼすような事もない。
だからこそ、そういった愚痴という状態は、「真理に暗い、真理に対する無知」といった、愚か・癡か(おろか)な状態であるといった事を表しております。

仏教の修行はとても厳しいものですので、最後の表現は非常に厳しいものとなってしまいましたが、毎日を過ごしていれば不満を感じる事もあり、ついつい、愚痴の一つや二つをこぼしてしまう事もあるかと思います。

しかし、愚痴ってしまいそうな時ほど物事に対する感謝を思い出して頂く。そんな小さな積み重ねが大きな変化になって行きますが、今回お伝えした本当の意味を知る事で、皆様が人生の歩みをスムーズに、幸せな日々を過ごされる事に繋げて頂ければ幸いです。
02月22日(日)
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