(SleepWalking)



ばらばら
 
うるさくはねる大粒の雨がいつか
雪に変わってやさしく子守唄を歌わないかと
期待していつまでも起きていたら
なぜか朝がきてしまった
気象予報士の言うことは当てにならない
雪が降ったら明日
あそこにはいかなくて良いはずだった
冷たく暗くなったところ
あなたの血が通わないところ
世界で一番淋しい場所に
なにがやさしいと言うのか
雨は
あなたを冷やして二度と動かないようにした

2005年01月16日(日)


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みぞれまじり
 
こんな冷たい夜にあなたが

あたしの隣にいてくれたらいいのに

2005年01月15日(土)


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後悔
 
すきですとひとこと

それすら伝えることのできなかった

昔の恋を今も

忘れられずにいる

2005年01月14日(金)


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朝焼けを
 
北風の吹き荒れるふるさとだ
わたしの生きている場所は
壁に守られた都などではない
なにも遮らずに立ち尽くしている
長く落ちた影などだ
風に流され吹き飛ばされて
影はいつのまにかひかりへと
きらきらと飛んでいる烏の
黒い羽が舞い落ちる
そんなふるさとにも
同じように朝は来る
こんな帰り道に朝焼けを見る
君も連れてくれば良かったな
わたしのたいせつなひとですと
この土に紹介したい

2004年12月28日(火)


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小心者
 
なるほど

恨むべきは自分の

思い切りの悪さなのだ

2004年12月21日(火)


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暖冬
 

どこがいつもと比べてあったかいって言うのよ

ビルで封鎖されたトウキョウから出てくれば

やっぱり冬は寒い

ひとが冷たいから平均気温は同じだけど


2004年12月18日(土)


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はと
 
喉を唸らせている大きな鳥の
羽の下には小さな虫がごっそりと
つやつやした海の
底にはフナムシがぎっしりと
気味の悪い骸骨の上には
腐った肉がどっさりと
蠢いては生きている
それが人間なのだと
幸せはどこからくるのか
一体何から与えられるのか
青い鳥でも
四葉のクローバーでも
左手のピンキーリングでもなく
ただ象徴しているはと
掌に載せて八つ裂きにして
炒めて食べてしまおうか
そうしたら
幸せで腹がいっぱいだ
いっぱいだ

2004年12月16日(木)


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