(SleepWalking)
運休
しっかりと
しっかりと抱きしめあっていても
一向に暖かくなれないのは
あたしもあなたも冷たい人形だからでしょう?
目の前で止まった電車がそのまま空気を轢いても
一切の摩擦熱も生じないのと同じ
動いていても止まっていても
冷たく死んでいるのよ
奥の方に横たわっている
大切な場所は。
2004年06月06日(日)
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うとうと
昼下がり
まだ君が目覚めたばかりのころ
からっぽになったお腹を抱えて
あたしは電車のなか
うとうとと運ばれてゆく
たんぼがかわいらしく彩られて
アスファルトは雨が乾いた色
このまま運ばれていこう
知らない場所へ
君の届かない場所へ
もう二度と思い出せないよ
さよなら
きらきら輝いてた
あのとき。
2004年06月02日(水)
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あわせない
貴方の茶色い髪が
私が思ってたより落ち着いたトーンで
あぁ私
いつも背中から光を受けてる貴方を見ていたんだって
気付いたの
私の隣の彼女に
何の気なく声をかけるから
私はどこにも居られない
おいてきぼりのさかな
貴方の視線が怖いから
私は貴方の顔を見ない
だって何を見てるのか
私にはさっぱりわからないから
ひとりかなしく俯いてみる
気付いてもらえるように
貴方の視線が怖いから
私は貴方の目を見ない。
2004年05月29日(土)
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張り付いて
雨が降っていて
体を濡らしていくの、は
たいした意味があるわけでもなく
ただ落ちているに過ぎないからで
唇に冷たい毒を含んで
この空気を汚していくことは
あなたを殺していくことなのだと
気付いた
やわらかく
つめたく
いとおしく
覆い被さってすべて、食べてしまう
あなたの中身全部、汚してしまうから
ここで死んでください
この眼が生きているうちに
2004年05月27日(木)
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逃げてゆく
そのまま撃ち殺されて
とけて
落ちてしまえばいい
と
考えていたのはほんの、3時間前のことで
まさか今わたしが
こんな状態にあろうことなど
ひとつも考えていなかったわけで
あたしが死んで
逃げてゆく
わたしを犠牲にして
逃げてゆく
犠牲にして
犠牲にして
このまま凍りついて二度と
降り注げなくなればいい
豊かな土に
腐ったカラダに
2004年05月20日(木)
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あめ
いまさらなにを言おうと
あなたは帰ってこないこと
少しくらいはわかってるから
おとなしくしていることにした
あなたがここに帰ってこなくても
絶対に探しに行ったりなんかしない
帰ってきたければ勝手にすればいいわ
そうじゃないならそれでも構わないから
冷たい雨に打たれても忘れないと誓ってよ
あたしにまつわる全てのものを抱いて生きて
それはあなたに課せられた一番重い罰だから。
2004年05月03日(月)
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気付いた
あたし今、ものすごく淋しい。
2004年04月20日(火)
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