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■ 新婚さん風
本日の担当:SHY
最近、Sizの私への愛情が薄れている。 朝の見送りに立たなくなったことからもそれは明白だ。 「今日はね、風邪ひいてるから」 「今日はね、ディズニー・チャンネル観るから」 「今日はね、お着替えしてないから」 ...色々な言い訳を日々並べては、おざなりな「いってらっしゃいのチュー」をして私を送り出す。 まあ、それはそれでよしとしよう。 いや、本当は良くないのだが、ここではよしとする。
困るのはSizが突然気まぐれを起こすことなのだ。 ある朝もいつものように私は出勤の準備をして、最後にSizの前に立った。 「じゃあ、行って来るね」 そう言って彼女の頬にキスをするとSizは急に騒ぎ出した。 「まだお着替えしてないよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
...ここのところ、この時間に着替えが済んでいるSizを見たことはないのだが。
いつものことだろう、と言いたいのをぐっと堪えて「明日はよろしく。今日はここでいいから」と私は彼女を納得させる。 そして、くすくす笑うkinaと一緒に玄関へと向かった。
kinaに別れを告げて車を出すと、私はマンションを回り込むように車を走らせる。 私達の部屋ももちろん道から見えるのだが、ベランダの手すりのところに何か動く物体が。
じたばたじたばた。 ...Sizの手だ。
私は車を端に寄せて、他の車をやり過ごすスペースを空ける。 そしてSizが何かを踏み台にして、そこから顔を出すのを待つのだ。 ベランダと、運転席とでアイコンタクト。 私はクラクションを一つ鳴らし、Sizに手を振って今度こそ車を出す。
こんなやりとりをkinaは知らない。
2004年03月18日(木)
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