陽だまりのうた
muchan



 紫色の陽だまり

庭先に
薄紫色の芝桜の
群れ群れ
太陽のひかりあび

その美しい色を
より
おおきく
おおきく

なぜか
南天の木のたもとを選び
まあるくかたまった
芝桜たち

私の視野を
その
円形の群生が
占領する

ああ・・・
「本当の紫・・・」
天然色の妙なる
美しさよ

南天の木よ
おまえは幸せだね
優しい陽だまりのもと
美しきお友達と

私も
とても美しい陽だまりに出会えて
本当に
良かったよ

2002年04月27日(土)



 かあらげぼんぼの咲く頃に

かあらげぼんぼの花咲く庭先に
目を細めて
眺めている
祖母がいます

決して
艶やかではない
派手ではない
薄紫のつぼみと白の真っ直ぐに伸びた綿毛

少しうなだれて
静かに
ひっそりと咲くその花は
祖母の姿そのまんまでありました

「これはね
かあらげぼんぼ
昔は里に
いっぱい咲いていたんだよ」

明日もきっと
祖母と
かあらげぼんぼの
無言の語らいは続いていることでしょう

そして
陽だまりは
いつまでも時空を超えて
祖母の人生をひっそりと映し続けてゆくのでしょう

2002年04月28日(日)



 河辺にて

さんさんと降り注ぐ太陽のひかり
河辺の親水公園は
そのひかりに吸い寄せられたかのように
満員です。

空に舞うは無数のこいのぼり
水面には本当のこいが
口をおおきく
あけています。

かもが泳ぎ
ツバメは
水面を
低空飛行してゆきます。

チューリップ
すみれ
なずな
たんぽぽ

青や緑や赤、黄色
他にも色とりどりに
色彩は
華やいでいます。

子供たちは
次々に水辺に集まり
ズボンやスカートをまくり
突進してゆきます。

それを
誰が止められるでしょう
楽しそうに歓声あげて水面をゆらす
きらきらと太陽の光は乱反射しています。

思い出します
幼い頃の自分
わたしたちもかつて小川に入り
時の経つのも忘れて遊びましたよね。

今は、濡れた靴脱ぎ捨てて
はだしで歩く
あの感覚のすがすがしさ
きっと彼ら彼女ら感じているのですね。

堤防は
そりすべりの
絶好の場所に
早や変わり

そこかしこに
子供たちの満面の笑みと
目を細めた
おとなたちの微笑(びしょう)が広がっています。

今日は
この河辺に来て本当に良かった
溢れんばかりの陽だまりのもと
私は静かに微笑みました。

2002年04月29日(月)



 耳かきの記憶

陽だまりのもと
母に
耳かきしてもらった
幼きあの頃よ

あたたかな日差しと
あたたかな母のぬくもり
心地よさにいつも居眠りしていたと
母がいつか言っていたっけ

いまは
私の妻が
子供たちの耳かきをしています
やはり陽だまりのもとで

子供たちよ
おまえたちもまた
いつまでも記憶してゆく事だろう
心地よいあたたかさ・・・そして、母のぬくもりを

2002年04月30日(火)



 インターネットの中の陽だまり

ここは陽だまり
ここは僕たち
私たちの
現実に生きている世界

決してバーチャルなものではありません。
文字や色彩に彩られて
現実の顔や名前は知らなくて・・・イメージが一人歩きしても
その向こう側にいるのは生身の人間

言葉の不自由さは
逆に理解しようという
前向きな
思いにつながります。

時に行き違いはあっても
きっと理解し合える
そう信じて
送りつづけるメッセージ

いつもプラスばかりが
人のこころじゃありません
マイナスになって
泣くこともあります

そんな時
みんなのプラス分け合って
みんなのマイナス消し合って
私たちは生きている今を共に喜び合いました。

偏見と悪意が
間違ったイメージを広く煽動しようとも
私たちは決して負けることはないでしょう
なぜならば私たちはきらめく銀河

幾千幾億の太陽の子が
作りあげてゆく
あたたかな
世界

広い闇も
いつか
いつか
覆い尽くすような光の群れ群れ

語り合い
生活し
生活し
語り合う

生きた言葉たちは
やがて言霊となります
そのエネルギーは
病と闇を浄化し・・・

決してこれは夢や理想なんかではありません
実際にいま私たちは
あたたかな陽だまりを作り上げているのです。
そして今あなたはもうすでにその中にお入りになられたのです。

ここは現実
ここは命の場所
ここはあなたの場所
ここはわたくしたちみんなのあたたかな場所

感じましょう。

生きている
生きている
生きている
生きている

歓び
歓び
歓び
歓び

そしてみんなが。

笑顔
笑顔
笑顔
笑顔

になれますように。

祈り
祈り
祈り
祈り

それが、

大事
大事
大事
大事

なのではないでしょうか。

作りましょう
作りましょう
作りましょう
作りましょう

現実のあたたかな陽だまりを
網目のように、おおきく
この時空間に。

2002年05月01日(水)



 帰郷

そこには
じいちゃんがいる
ばあちゃんがいる
孫を抱く日を
指折り数えて

いつか消えゆく定めの中であと幾度の再会が許されているのか

人生は先が見えません・・・

いつその機会が
永遠に失われる時が訪れるか・・・

だから帰郷しなかった
日々を
本当にごめんなさい

「今度いつ来るの?」
淋しそうに尋ねる曾祖母の言葉に

「近いうちまた来るよ・・・」
そう言う私のこころの中には済まなさがいっぱい

空にはこいのぼりが
泳いでいました。

傾きかけた日をあびて
きらきらと

陽だまりは
私たちをあたたかく
つつんでおりました。

「また帰らんあの淋しき家へ」
陽だまりを連れて・・・

2002年05月02日(木)



 川面

幼き日
遊んだ川面の優しさよ

冷たい水に足をひたし
やがて
じゃぶじゃぶと
水管をくぐり
さわがにや貝を捕まえ

陽だまりに、あったかい
ひかれたての
舗装道路のアスファルトの上
足の裏から感じる熱が心地よい

あんな遊び
懐かしい思い出

今の子らも
川に行くと
水は興味の源

冷たさと
日のひかりのあたたかさ。

水と太陽はとても相性がいい

2002年05月03日(金)
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