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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」

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2009年04月28日(火) 再開?

ものすごく久しぶりに更新を行う。

読者の方からすると、突然の更新停止で何が起きたのだろう、という気持ちだっただろう。

僕が更新を停止した理由をここでお知らせいておきたい。

僕が更新を停止した理由は、「某上場企業の経営陣になることが内定したから」であった。
経営陣に内定が決まった時点で、僕はパブリックな場所でコメントをすることを停止した。
実際に経営に参画するタイミングではなく、内定時点でコメントを停止したので、かなり唐突だったと思う。

僕は上場企業の経営陣が無邪気に情報を開示することに対しては、批判的である。
社長ブログなどといったものが世の中にはたくさんあるけれど、僕はそれを良しとしない。
フラグメント化された情報であれ、集積させれば、全体像が見えてしまうからだ。
たとえ瑣末な情報であっても経営陣である以上、余計な情報は出すべきではない、と僕は思っている。
情報を出すのであれば、東証に確認し、誰もが平等に情報にアクセスできる環境を整えてから書くべきだ。

上場企業にとってのIRの大前提は、情報の対称性である。
ある特定の投資家のみが情報を得、大多数の投資家には情報は開示されない。
これは市場における情報の非対称性であり、許されることではない。
これは、市場にとってあってはならない問題である。

僕が何の前触れもなく、何も書かなくなった理由は、情報を知りうる立場、企業の戦略を実行する立場に立つことに内定した僕が、たとえ断片的であろうとも、情報を公の場に出すことはモラル上やるべきではない、と判断したからだ。

それから何年かがたった。

僕は、経営陣として参画した企業とは、大きく揉めた。
多分に漏れず、企業経営は、そんなにきれいなものではない。
自分にとっての正義が、そのまま通用するような世界ではない。
正しいことは何か?自分にとってのブレない軸は何か?
正義を貫こうとすればするほど、深みにはまっていく。

「自分にとっての正義」と「会社にとっての正義」が一致するとは限らない。
一致することのほうが稀だろう。
ここで言う「会社とは何ぞや?」という定義にはいろいろある事は承知のうえだ。
ややこしいことを抜きにすれば、議決権を多く持っている、もしくはお勉強ができるとはとても思えない創業者のワンンマンという単純な構図なのだけれど。
コンサルタントのように第三者として「自分の正義」を貫ければ、これほど楽なことはないのだけれど、中途で株式による議決権も持たずに経営参画したような人間にそのような権限は存在しない。
当時、株式議決権を持っていなかった僕にとって、取締役会では納得のいかない議案に対しても、サルのごとく賛成票を投じることしかできなかった。今ではもう少しかしこく行動できるつもりだけれど当時はまだ経営の、取締役会の現場に通じていなかった。

今は別の企業で仕事をしている。
とても静かな日々だ。

私生活に関しては何ら大きく変わったことはない。

あるとすれば、自分のオフィスが徒歩圏になったため、電車に乗らなくなったことくらいか?

小さな変化はたくさんあるけれど、それはおいおい書いていく。

社会が激変するなか、僕は、うまく立ち回った、とは思う。

しばらく僕が沈黙を保っている間、社会に何の影響ももたらさない、あるいは大きな影響を及ぼす情報が有象無象のブログによって広まることとなった。

正直、僕はネットメディアには辟易している。
いや、ネットメディア以上に、マスメディアにも。

僕はTVをほとんど見ない(嫁が時計代わりとしてTVをつけているのだけれど)し、新聞も購読していない。

たったの2−3年で大きく様変わりしたものだ、と思う。

社会に明るい未来は見いだせない。
一方で、僕はコンサルタントを退職してからいわゆる「悪」をたくさん見てきた。
きれいごとでは済まされない「悪」。
正義の仮面をかぶった「悪」。
「悪」を「悪」として認識できていない状況に憤りを感じる。

「世の中なんぞ全てインチキだ!」と叫んですっきりしてしまえば気も楽なのだろうけれど、僕はそうもいかない。

失うものなど何もない僕は、気が向いたら、ちらしの裏であるこの場にメモしていこうと思う。
ちらしの裏なので、何の信憑性もないこはあらかじめご了承いただきたい。




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孤独に歩め 悪をなさず 求めるところは少なく 林の中の象のように

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