あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2007年07月29日(日)

スズメノテッポウを放つ
風を留めるために
青臭い夏の味
撃ち落せ、空

待つことに飽きすぎて
私たちは歩き出した
夏草の茂る庭は
果ても彼方も見えない
繋いだ手を離さないでね
真夏の汗に湿っていても

水なんていらない
雨は降らなくていい
かんかん照りの空に
焼き尽くされてしまえばいい
草むらに影は濃く、濃く
けれど足跡は刻まれないよ
どこへ行くのだろう
どこへ帰るのだろう
わたしたち、は

わたしの放った弾
あなたが指差した空
草笛ではか弱すぎたね
戦うすべなど無かったのだね

繋いだ手の熱だけを頼りに
眼を閉じても歩く
明日などいらない
ただ、歩いていられれば

 2007年07月28日(土)

君の手を求めて探るみちゆきは
   どこまでも夜
     どこまでも夜


言い終えて後悔をする「寂しい」と
   言葉が気持ちを磔にして


繋ぐ手の熱さえ溶ける真夏日に
  君をなくした夢を見て泣く



   

 2007年07月12日(木)

伸べた手のひらは
傘のはんたいの形
雨を受け止めることならできる
ほんの僅かなこと

あなたの場所に
冷たい水はあるだろうか
私の爪を弾いた皮膚は
今も渇いているだろうか
ここには溺れるほどの
あめが降っています
わたしの足に根を生やし
ぬかるみを更に深くしながら







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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe