迷い心


2003年08月25日(月) 消し忘れた目覚まし

低音量に絞ったラジカセから
お気に入りだったはずのCDが流れた

何曲目かに目を開け
電源を落とさず一時停止にする

リスが回し車の中を走り続けるように
CDが回転するだけの音が流れた

シリアルフードに牛乳をかけ空腹を紛らわせていると
電話から呼び出し音が流れた

引き継がれなかった仕事を片づけると
隔絶された時間が流れた

煙草をふかしながら
停めていたいくつかの考え事を思いだす

感情の波風を起こすことが極端に鬱陶しい
喜びからの急落
怒りによる消耗
哀しむこと深淵
楽しみの疎外感

ウザイ

何も考えずにリアクションを求めず
求められることもない


あと幾つ
消し忘れた目覚ましはあったかな




2003年08月24日(日) そして

空になったグラスの中で氷が転がる頃には
ろうそくの芯が燃え尽き最後に白い煙を吐き出す頃には
灰皿においた煙草がフィルターまで焦がす頃には
整えた髪が乱れ始める頃には
服に折り目が無くなる頃には
温めた料理が風呂が冷める頃には
会話に疲れ一息つく頃には




一人枕に顔を埋め眠る事が出来るだろう

多分そう遠く無い先




2003年08月22日(金) open your eyes

バニラスカイを観る

最後にシガーロスが流れるが
やっぱり涙も出てくる

思うがままに夢を見られるのなら
多分僕の心は破錠してしまうのだろうか

自己矛盾を叶える方法などあろう筈もないことを
再認識しただけだった



関係ないですが少し方向転換

あることもないことも
創作も感想も織り交ぜつつ書いてみることに

文章力を付けようと自分以外の事も書いてみよと思っただけです




2003年08月13日(水) ミラクルキッス

とても蒸した日で汗ばんでいた事を覚えてる
うつむき加減に呟くように吐き出された
君の誘い文句
どこにでもあるようで
どこにも無い君だけの言葉

誘いに導かれるまま
君にエスコートされたあの日

白馬でも高級外車でもなく
ただの電車の往路
でも隣に君がいた

花火の熱気と観衆の興奮は
想像以上に体を熱くさせ
アルコールなのか
雰囲気なのか分からない酔いが
君の行動を後押しさせた

周囲を忘れふたり宙を見つめる
空の広さはふたりの距離を縮め
肩寄せ合い袖振り合い

大きな花火の一瞬のち
うなじに気づく君の視線
潤む瞳 絡む目線

あの時のキスは必然だった


暑い夏を覚えている
タンスに仕舞った浴衣の記憶を




2003年08月12日(火) ハローマイハート

毒をまぶした皿を食わせ
嗚咽苦しむ君は胸を掻きむしる
鍵穴にナイフを差し込み
ガチャリとひねる

ちくしょう
この心臓も赤黒く冷めていやがる


俺の替わりはどこにあるんだ
穴を吹き抜ける風が冷たくて
手まで冷えてきやがる




2003年08月09日(土) 独創

お気に入りのCDをスロットイン
開封したばかりの煙草と大きめの灰皿
水滴が垂れるグラスにウィスキー

日々思ったことを綴り消し綴る




2003年08月07日(木) 告白

一年半前の事象
誰もが忘れてかけていた

彼は知りすぎていた
辞めた後もマークされ
口封じのためか脅しのためか告訴された

もしかすると帰っては来れないかもしれない
会社には迷惑はかけない
俺の仕事内容はファイリングしておいた
名刺ケースと一緒に受け取っておいてくれ
負債が婚約者に漏れ
結果、婚約解消になったが良い機会だったのかもな

彼は淡々と杯を重ね思い出すように
一つ一つ言葉にしていった

酔うためではなく味を覚えておくための
末期の酒

終電が出てしまう時間を軽く超え
店を出て通りでタクシーを探す
審問まですでに12時間を切っていた

通りを楽しそうに歩く女の子二人を眺め
普段なら走ってでも声かけてたな
と言う言葉を鼻で笑って相づちを打つ


それじゃまた

タクシーに乗り込む彼に声をかける


ちょっと考え

またな

と笑顔で応える彼

手は振らない
窓越しにこぶしを突きつけ合う


さよならは言わない




2003年08月06日(水) 感情

好きって

見返りを期待したり
勝手に裏切られたと感じたり

なんで負のほうへ傾くのかわからないが
多分僕はそうしか思えず
そして思われなくなってしまっているんだろう

この気持ちは自分に飴をもたらすが
同時に鞭も喰らうことになる

正直しんどいよ


好きと思わずに
違う感情を持つ

それはそんなに難しくは無い事に気づいた


違う感情ってのはまだわからないけど
恋とも違うし
ましてや愛でもない

水をやらなくなった花はドライフラワーとして生かす事が出来る




2003年08月05日(火) web or local

日記を取り戻したので書き込むのとついでに
web日記と個人的なノートなどの日記の違いを考えてみる

webに書いてアクセスを制限してない以上
それは人に読まれるのを前提としている
これは僕もそうだ
いろいろ理由はあるだろうが
人に読まれる
という事を僕らは知った上で書いている

ノートの日記はまた違う
人に読まれる事はまず無く
(まぁ今回僕は忘れ物をしたためにまず読まれているだろうが…)
あくまで独り言である事が前提だ

けど両方とも書いているうちに垣根は無くなったような気もする

ここで書いてはいても独り言であったり
ノートに書いていても人に語るようであったり

今のこの言葉にレスポンスは無いのが前提で書いている。
読まれるという事に充足しているのか
何も考えなくなったのか

よくわからなくなってきたので終わり


あぁ考えて思った事が一つ。
僕らは多分物凄く寂しがり屋なのだ
今はそうでなくともきっかけはそうなんだと思った




2003年08月04日(月) ホッ

常に鞄の中に持っている小さいノートをなくした

中身は日記であったり
ふと考えついたことだったり

ちなみに仕事のことなどは一切無し

住所や名前などは書いてないので
人に拾われたとしても恥ずかしくはないのだが
かなりのショックを受ける

自分が書いた文章がもう読めない
書きかけの小説もどきを完成させられなかった
等が原因かな

一日凹みつつ
心当たりがあるところに手当たり次第電話
が、見つからない

家に無ければアウトかなと考えつつ帰宅するも
やはり無い

一回昼に電話したところに再度確認
「黒い手帳ですよね。保管してありますよ」
との有り難いお言葉を頂く

感謝

「明日にでも取りに伺います」
と応えホッ胸をなで下ろす

小さいけど色々な思いを書き込んだ
黒い手帳

かばんに君が入ってないここ数日間は寂しいものだったよ


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