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| 2002年12月13日(金) | あの日のこと ４ |
およそ一年ぶりに
婦人科に出かけていって
ことの次第を先生に話し
「更年期が始まったみたいなので
漢方薬が欲しいです」と訴えました。
先生はなんだか慌てていて
しきりに謝りながら
もう一度、妊娠判定の尿検査をさせて下さいと言いました。
市販の判定薬で陽性なら、それは陽性なんだよと
呟いていました。
改めて検査してもやはり陽性で
最終月経から半年以上過ぎていて
カレンダーからは妊娠の時期をたどれません。
内診の結果
着床した小さな小さな赤ちゃんと心音が確認できました。
妊娠３ヶ月の終わり頃であろうということでした。
先生は興奮気味に時々大きな声で
なんでだ〜♪
と繰り返していました。
そのあとに呟くように
旦那と仲良くしたんだろ〜とか
犬だな、犬！
とかいろいろなことを付け加えて
診察台の向こう側をわさわさ動き回っていました。
改めて先生と向き合って
ちょっと信じられないようなぼ〜っとした気分でした。
まず、妊娠の時期が特定できないにしろ
しっかりした心音からして、
まず心配のない妊娠であろうと思われること。
しかし不測の事態は起こりうるもので
安静とまではいかなくとも
大事を取って過ごすようにといわれました。
つわりもちょっとでも辛いと感じるならこのまま入院．．．．
私としては、具合の悪かった理由が
ハッキリしたのでホッとしていました。
他の病院の内科でもらっているたくさんのクスリのこともあるし
その日は帰って、翌週出直してくることにしました。
その日以来、先生は私の顔を見ると
大きな声で
犬は元気か〜！？
と訊ねます。
その夜、病院での報告を聞きながら
亭主はしくしく泣きました。
| 2002年12月12日(木) | あの日のこと ３ |
自力で排卵があってから半年近くして
犬の散歩も快調で
雪の多かった冬も歩き通して
芽吹く桜に慰められながら春を迎えました。
手綱を身体に巻き付けるタイプのものに替えて
手指のこわばりも消えました。
歩くことが楽しく、ゆとりが出てきたのに
どうしてか空虚な心持ちに襲われて
困ってしまいました。
ぽっかりと明るい空洞が
胸の中にあるようで
ふわふわと哀しく
なにも手に付かないのです。
かかりつけのお医者様に相談して
軽い安定剤を服用して様子を見ることにしました。
散歩には行くのですが
やはり手は動かず、そのうち
めまいと吐き気で
泣きたくなるような毎日が続くようになりました。
婦人科のホルモン治療を止めたことで
とうとう更年期障害が出てきたんだなと思いました。
横になるたびに
次に目が覚めたときには
立ち上がれないのではないかと思うくらい
具合が悪くなって
どうしてか酸っぱいものが欲しくて
冷蔵庫にあったレモン果汁の大瓶を
水に振り込んであっという間に飲んでしまいました。
近所のお散歩仲間と
こんなのはまるでつわりみたいだよね〜。
ホルモンがおかしいとつわりと似てるんだよね。
こんなのをイツワリっていうのさって笑ったりして
ふと、もしかしたらという気持ちが
湧いてきました。
その夜、亭主の帰宅を玄関で待ちかまえて
薬局に走りました。
妊娠判定薬も随分手頃な値段になったなと
思いながら、もどかしい気持ちで
パッケージを破っていました。
実は、こんなことを幾度となく
繰り返してきたのです。
注射やクスリや検査や
お医者様がカレンダーに印を付けてくれた日に
○×とか．．．．
でも、その度に軽い失望を味わってきたのです。
慣れっこになっちゃって
こんなスティックなんてアテになるもんか、なんて
毒づいたりしてね。
それがね、はじめて陽性反応が出たんですよ。
これでもかっていうくらいクッキリ。
呆然としましたね。
それから破ったパッケージをかき集めて
細かい字の書いてある説明書を読み直しました。
更年期初めのころには
ポルモンのバランスが崩れていて
陽性反応が出ることがあります
早めに受診しましょう．．．．
ちくしょ〜！！
| 2002年12月11日(水) | あの日のこと ２ |
いい加減、不妊治療にも嫌気が差して
夫とも医師とも相談して
妊娠を促すような治療を止めたのが
ビーグル犬のキルト君をもらうきっかけになったのでした。
騒ぎ屋で、少しひねていて
扱いにくい７ヶ月の子犬。（といっても大きいのよね）
私たち夫婦はこれまで行き場のなかった
感情がどっとあふれ出たみたいに
犬を可愛がりました。
名前を呼んで振り向いてもらえるようになるまで
かなり時間がかかりました。
撫でれば興奮して
私たちの手をガブガブ噛むような子でした。
キルト君の信頼を得るために
出来ることは、ひたすら歩き回ることでした。
この散歩が私には劇的に
効いたようでした。
実際のところ、昼寝と散歩しかしていないような
日々が続いて
あまりにも強く犬に引かれるために
（しつけの努力は報われませんでした）
両手がボロボロで針を持つことが出来なくなりました。
針を持つ時間さえろくになくなりました。
それでも、家の中にこもりっきりで
足腰の衰えを感じるような暮らしに比べれば
良いような気がしました。
半年以上続けたら
歩くことがちっとも億劫ではなくなりました。
そうなった頃に
なんだか懐かしい下腹痛があってしばらくして
生理がありました。
ホルモン治療に頼らず、自力で排卵することが
出来たなんて、本当に驚きました。
もしかしたら、これが最後の排卵かも知れないと思うと
涙がこぼれました。
| 2002年12月10日(火) | あの日のこと １ |
昔、職場での茶飲み話が発展して
私、懐妊の瞬間がわかるのよ
という方がいて
ワイワイ盛り上がったことがありました。
それはどんな感じなのかと訊ねても
わかるからわかるのよ！
と非常に明快で、
その方は、妊娠の判定ができるようになるまでの
１ヶ月以上、とても落ち着かない思いをしたそうです。
今ならとても素早くチェック出来るのにね。
その方は、やはり妊娠していて
二人目のお子さんを身ごもったときも
ハッキリとわかったそうです。
その場にいた全員が
そんな不思議なことを体験してみたいものだ〜と
感動したのでした。
別の職場では
分娩の瞬間に激しい快感を味わって
その辺にお医者様やら助産婦がウロウロしているのが
大変にかたち悪く困った、という方がいました。
その方が言うには
赤ちゃんが生まれる瞬間にポンと子宮を蹴られるような感じ
なのだそうです。
快楽のあまりに
ガクガク顎が外れそうだったとのことで
同僚の女の子たち、みんな目が点になっておりました。
二人目のお子さんの時も
同じように大変な快楽を味わい
そのためだけに幾人でもお産をしたいわ。
世界にたった一人の恋しい夫とでも
あれほどのことはないのよ、うふふ、だそうでございます。
う〜ん、女性の神秘ですな。
| 2002年12月03日(火) | 中型自動二輪の免許を取る ２ |
会社の女子寮を六時半に出て
教習所で早朝教習を１時間受けて
それから出勤。
定時でダッシュで教習所へ行って。
オートバイの免許は精々１０時間くらいの教習で
実技は終わるハズなんだけれど
ずぶの素人なので
もっとかかるだろうなと思っていました。
まず、アクセルの感覚がわからない。
クラッチはもっとわからない。
半クラッチでつなげと云われても
まったくわからない。
まったくわかっていないことが
わかってもらえた時は、正直、ほっとしましたよ。
最初の教習は小型のバイクにまたがって
数人の男の子たちの後ろをノロノロかっくんかっくん
付いて歩いて（走っているなどとはとてもとても．．．）
二時間目は４００ccのホーク�兇魏，靴�
コンクリートの壁の前まで連れて行かれ
数十�儔爾�ったところから
壁に向かって発進する練習をさせられました。
コースに連れて行かれても
Ｔ字路から右折しようとすれば急発進して
バイク小屋に突っ込みそうになったり
見通しの悪い交差点で力尽きて
植え込みに突っ込んだり
たったの一時間に何度バイクをひっくり返したことか。
エンストは数知れず
当時はキックでエンジンをかけるのが決まりで
満身創痍でありました。
ある日は１時間まるまる
８の字に走る練習をさせられたりしました。
ハンコ付くところがなくなったから
２段階に進め〜、といわれて
２段階、もっと悲惨でした。
２段階も終わりの頃
こんなに進めないのでは
免許を取ることは無理ではないかと思ったり
教官の一人には
大けがをしないうちに普通免許の教習に移れと
優しく諭されたりしました。
ひどいときには
教官にヘルメットでぶん殴られました。
こっちもヘルメットかぶっているから別に痛くないんだけどさ。
一応傷ついたりするよね。
ふっと、早く免許を取りたくて
毎日二時間も実習を受けるのが
体力的に無理なのではと気付きました。
これからは焦らず一日か二日に
一時間だけ教習を受けようと決めました。
それから
その足で私はバイクを買いに行きました。
免許がなくてもバイクは買えるんだ！
その日から、教官たちが驚くほどスムーズに
進みました。
学科もマメに取っていて
いろいろな本を読んだりもして
バイクの構造と実際の感じが具体的に理解できてきて
身体が自由になって行く感じでした。
他の男の子たちに比べたら
カメの歩みですが
ぜんぜん気になりませんでした。
ハンコ付くところがまたなくなったじゃネーか
検定を受けろ
何回か受けりゃ、合格するかも知れん
とまぁ、こんな調子で
卒業検定を受けました。
あいにくの小雨。
検定用のバイクは調子が良すぎて
こちらの調子が狂ってしまう。
それでも
なんとか検定中止は免れて
合格。
バックミラーを覗くたびに
試験官の顔が大写しだったのが怖かった〜。
合格率は６０パーセントくらい。
どんどん追い越していった男の子たちの中にも
友だちが出来たりして
試験場で受ける学科のおさらいをしてくれました。
府中の試験場で
学科試験を受け、免許を交付されて
ひとつ扉が開いたような気がしました。
教習所では２２時間も実技の教習をうけました。
恥ずかしいです。
当時、普通免許の教習は２６時間だったと思います。
でも、公道に出た瞬間、
もっと教習所で練習すれば良かったと思いました。
口が悪かったり
乱暴だったりの教習所の教官たちがいっぱいでした。
一番意地悪だった教官は
昼の教習から夜間の教習に切り替わる休み時間に
たくさんの菓子パンを抱えてバイク小屋に来て、
教習を待っている私たちに
「腹減ってるとバイクなんか転がせないんだぜ、食え食え」などと
パンを配ったりしていました。
怖い教官だったけれど、ハートフルな一面もありました。
一番優しくてスマートだった教官は
ボクはね、二輪免許を取りに来るヒトが好きなんです。
だって、普通免許は「仕事で」とか「親に云われて」とか
そういう理由でも取りに来るけれど
二輪免許はね、本当に欲しいヒトだけが取りに来るんだ。
これから冬だよ。
寒いんだよ〜。
でも、君たちは教習受けるのをやめようとは思わないでしょ？
なんて云っていたっけ。
良い教習所に通えたんだなぁと
あとからシミジミしました。
| 2002年12月02日(月) | 中型自動二輪の免許を取る １ |
二十歳のころですね、もう２０年以上前です。
でも、昨日のことみたいに覚えている〜。
会社の近くの教習所に
トコトコ自転車で出かけて
受付のケバイ化粧のお姉さんに
「中型免許が取りたい」と申し出ました。
原付免許はお持ちですか〜
い〜え、持ってません
ん〜、じゃ、自転車、乗れます？
はい、乗れます
ん〜、女性のかたは申し込みの前に
事前審査を受けて頂きます
は〜？
コースの真ん中にバイク小屋がごさいますので
事前審査を受けて来て下さいね♪
事前審査といわれても、
何の用意もしてこないし〜
ま、バイク小屋に行ったさ。
ニヤニヤしたオッサンが出てきて
お〜お〜、女の子じゃね〜のっ！
ケツでかいから合格っ！
とかワイワイ騒いで
やめとけやめとけとか野次まで飛んで
事前審査。
タンクに砂の詰まったボロっちいＣＢ４００のところに
連れて行かれて
いきなりバイクを足で蹴って倒した教官に
起こしてね
なんて云われて
右に倒したのと左に倒したの計三回、引き起こし。
（あ、見てなかった、も、一回なんて殺生なっっ！！）
次に、メインスタンドを立てる。
これできなきゃね、バイク乗る資格ないのね、
なんてニヤニヤ！
できないから教習所に来たんだろうが〜っという
心の叫びはぐっとのみこんで
満身の力を込めて頑張りましたね〜。
コツがあるんですが
当時はそんなの知らないものね。
力だけはあるんだなぁオメ〜、合格！
って云われたときは両手の皮が
かなりズリ剥けていました(T.T)
こうして教習所通いが始まったのでした〜。
| 2002年12月01日(日) | オートバイのこと ４ |
学生の頃は
野郎ばっかりの学校だったし
上級生たちは大型自動二輪（今はなんていうんだか）の
免許がホイホイ取れる最後の世代で
学校の規則がどうあれ
ナナハンで通学しているヒトもいました。
当時人気があったバイクは
ＣＢ７５０とかＲＤ２５０、それからハスラー。
原付モンキーやら可愛かったり
パッソルとか
気軽な感じのバイクが次々に登場していて
男の子たちは夏休みなんかバリバリ肉体労働をして
バイクを手に入れていたっけ。
私は父が絶対に免許を取らせないと決めていたので
クルマも自動二輪も原付も
学生時代には取りませんでした。
もっぱら自転車で
黄色いＢＭＸがお気に入りで
うろちょろしていました。
就職で上京して
ツーリング用の自転車を買って
通勤や散歩を楽しんでいましたが
チョット距離があると辛くて
免許を取ることにしました。
電車が苦手で
八王子から国立の友だちを尋ねるのに
立川で一回降りて休むこともしばしばで
面倒だからバイクにしようって思ったのです。
八王子から福生にも国立にも相模湖にも町田にも行ったけれど
行きは良いのみ〜んな下り坂。
帰りは悲惨で
疲れるのなんの。
八王子って結構高いところにあるんだよね。
そのころ、二輪免許を段階制の取得に切り替えるという噂があって
早いウチに取っておいた方がいいかな、っていうのもありました。
