電車の中、がたんがたんと揺られながら、ずっとあたしは負け犬気分で泣きそうだった。 目に映るすべての光景があたしには痛くて。 まるで光があたしの眼球を、脳を、いじめるために世界は存在するように思えた。 歩き出す一歩一歩、めまいがした。
大きな旅行鞄。 学生証。 ロッカーの鍵。
これさえそろえば、届けは出せる。退学の。
重たい足で学校へたどり着いた。 事務に「退学届けだしに(わざわざ)来たんですけど」とつげる。 見たくもない担任の不細工な顔をと声を聞き、手続きは淡々とすんだ。 淡々どころじゃない、淡、くらいあっけないもので、ちょっと可笑しかった。
10月3日以来、あたしは学校の中という、せまいせまい世界の中で どんどんと自分がずれていくのを感じた。 ・・・・合わない・・・・。 軽いPTSDだとは思うが、それはじわじわとあたしを蝕んでいった。 すべてが無意味ですべてが砂を噛むような学校生活で、いらいらしていた。 他人のせいにしてはいけないけれど、あたしだって病気で通院中で服薬中で 感じてしまうものは仕方がない。
すっきりした気持ちになった、と友達に告げたら 「なにげに友達が減って寂しいんだよね」と言われてしまった。すまん。 てか、あたしを友達だといってくれた彼の言葉があたしには嬉しかった。
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