いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2011年06月29日(水) バカじゃないの?労災病院賞与1.95ケ月は少ないとスト

 しかし、公務員の感覚は、我々民間人のそれとは「恐ろしいほどの乖離」がある。民間、特に中小企業では「ボーナス」など私語になりつつある。ボーナス等より、雇用の確保すら出来ない状況なのだから。

 ところが、今日、全国労災病院労働組合(全労災)は、労働者健康福祉機構が示した夏期一時金1.95ケ月の回答に反対し、6月28日始業時から4時間のストライキを決行したのだ。

 労災病院の職員は、独立行政法人の職員ではあるが、準公務員として手厚い福利厚生、身分保障などがあり、民間に比べたら「天国」ではないだろうか。

 国家公務員の夏のボーナスは、人事院勧告により、1.87ケ月に減額された。労災病院の職員さんは、減額されても国家公務員より0.08ケ月多いのだ。今、この時期に赤旗をあげて「ボーナス減らすな!」と、国民感情と乖離した闘争を繰り広げることは、日本航空がそうであったように、最終的に職場すらなくなることになりかねない。

 そんな時、国民はどう思うか。「当然だ!」親方日の丸(日の丸はお嫌いだったかしら)は、もう過去の遺物ですぞ。まして、被災地の労災病院までスト参加とは、人としての良識を疑う。

 ネットで探していたら、こんな書き込みがあった。

2010/5/24(月) 午前 1:53 ]

始めまして、私は現在労災病院の職員です、先週も本部とのストがあり、なぜ、こんなにストが多い病院なのか理解できません。(スト中止にはなりましたが)労災は基本的には国家公務員に準じているそうなので、今回も公務員の方が満額2.15→1.95(-0.2)なので労災の場合、夏は2.25→2.05を阻止するためではないかと感じています。私は賞与に対するストとしか聞いてませんでしたので詳しくは知りませんし、聞いておりません。お聞きしたいのはなぜ、ここまでストを起こすのかとやはり今年度もこのままだと0.2カットの2.05になるかです。
景気が悪い時代ですが、私なりに一生懸命働いております。
よき、アドバイスの程宜しくお願い致します。




2011年06月28日(火) 最近の諸問題2件解決@大田区役所

 最近この日誌に書いたことで、2件ほど解決をみたものがあるので、ご報する。

その1:国際都市大田区では英国から戸籍謄本が取れません

 英国在住の方がビザ更新のため、大田区役所に戸籍謄本を郵送で取得しようとしたが、銀行振り込みの口座は「大田区にはない」と言われ(これは区の間違い。口座はいくらでもある)送金できず。また国際返信用切手券(万国共通)で送れ、とのことも、英国の地方都市では局員の無知か、郵便局事情か買えない。(大田区内在住者から、そのとおり、とのメールあり)

 困ったこの方は、私にメールを下さったのだ。あわてた区側は、さっそく銀行口座番号をメールでご本人に提示したが、すでに私の手に移っており、意味なし。結局、私が大田区長宛てに「区政調査費」として請求している、区議の費用から2400円を支出し、区長宛て支出報告書には「大田区窓口業務の国際化についての調査費用」とした。

 区役所の役人相手に2週間以上かあっていた「押し問答」は、以上の経緯で、半日で解決した。お役人、特に管理職は、このようなイレギュラーなケースについては「出来ない理由」を考えるのではなく、相手の立場に立って「どうしたら出来るだろうか」と考える能力が求められる。(ゴマをするだけの能力ではダメだ!)

 今後の解決方法として、国際都市を標榜するのであれば、国際的に「遠隔地決済」の標準である、クレジットカードによる「Paypal」などの導入を検討すべきだろう。今回のように、英国から2400円を日本の銀行口座に振り込むと、送金手数料だけで5000円程度必要となる。名実共に、国際都市になろうではないか。

その2:国際基準に反した区役所の国旗掲揚

 大田区役所の本庁舎の玄関上には、向かって左に日本国国旗、右側には大田区旗が掲揚されている。これは結構なことなのだが、掲揚方法が問題なのだ。365日、雨の日も雪の日も、夜間も掲揚されっぱなしなのだ。これは、国旗掲揚の国際基準に反している。国旗は、荒天時は掲揚しない、掲揚は日の出から日没(又は始業から終業)とするのが常識である。

 さらに、降ろすことを考えないで設計したため、今回の震災時や終戦記念日など、反旗にする必要がある場合は、高所作業車を持ってこなければいけない大仕事となる。

 そこで、この日記に「国際都市というなら、旗も笑われないようにせよ!出来るかな〜」と書いた。すると、なんと、やるっじゃん!この掲揚方法をやめ、区役所前に国旗掲揚塔を新設し、毎朝、毎夕、掲揚、降下を実施すると言うのだ。素晴らしい!!それでこそ、国際都市に相応しい。すばやい対応に(本庁舎完成から13年ほと経っているが‥)敬意を表する。

 以上、2件、ご報告申し上げる。



2011年06月25日(土) セキュリテイは万全!?都立六郷工科高校

 4月の日記に都立高校の詭弁と戦うというものを書いた。事態の推移を見守る意味で、学校名は伏せたが、結果オーライとなったので、その素晴らしい「英断」に敬意を表する意味で、学校名を公開する。

 それは、東京都立六郷工科高等学校である。創立50周年を迎える地元東六郷小学校PTAが記念行事の一環として「オーケストラのコンサート」を、「冷房の効いている高校の食堂」を会場にして実施したい、との要望を、都立高校が、訳のわからない詭弁で断った、という事件だった。


 その後、東京都議会議員、東京都教育庁高等学校教育課長などを巻き込み、結果として「当初予定していた1階の食堂」ではなく、2階にある「大会議室」を借りれることになった。

 しかし、それからが大変だった。まずは「実施計画」を高校に提出しなければならない。それも責任を「明確」にするため、区立小学校長名で出せ、ときた。内容について、何回か高校側に「気に入られるよう」作り直し、提出をした。

 すると、次なる「ハードル」は、「安全計画」を作れ、というものだった。「安全計画」なんじゃい?????会議室で1時間余、保護者と小学生が音楽を聴く催しである。流石、都立高校である。

 これを策定すると、次の「お達し」は「警備員を10名」、校門から二階会場に至る各所に配備しろ、というものだ。立派である。完璧だ!

 これで終わりかと思ったら「一般社会とは隔絶された」「特殊な社会」に生きる方々とは、付き合えない。ダメ押しがあった。それは、「音楽鑑賞証」なるものを来校者に発行のうえ、名簿を事前に提出せよ、という、さらにセキュリテイ対策を万全なものにする、という「お役人の鑑」のようなミッションが発令された。

これが無意味な「参加証」だ!

 さぞがし、学校の「持ち主」であり学校長以下「職員の雇用主」である、区民の皆さんは「安心」して音楽を楽しめるに違いない。どうか、六郷工科高校の生徒諸君は、このような立派な教員に教えられているのだから、世の中に出ても「自己保身」だけを考え、他人の迷惑は気にせず、常に言い訳で生涯、事故なく生き抜いて欲しい。それが、激動の時代を生き抜く方法だ、そうだ。

 ちなみに、このコンサート終了が7月2日土曜日14時で、15分後の14時15分より、都立六郷工科高校の隣に建っている、都立城南特別支援学校体育館において、以下の講演会が開催される。

六郷地域集会
講演:将気 潤(私のボクサー人生)
入場無料(スリッパ持参)
主催:「社会を明るくする運動」六郷地区委員会(保護司が中心)

 同じ都立学校ではあるが、こちらはいとも簡単である。当日会場にお越しいただければ大丈夫。事前の名簿なし、安全計画なし、警備員なし!さすが、やはり六郷工科高校は都立学校でもピカ一だ。学校長によって、これほどまでに地域との関わりや、対応に差が出ることを痛感出来る土曜日が楽しみだ。

 改めて、大変なご決断を頂いた六郷工科高校の学校長、副校長に感謝申し上げる。また、特に学校長には、定年前にこのような大変な「決断」をさせたことを心よりお詫び申し上げたい。悠々自適な老後までもう少し!事故のない残り少ない公務員人生であることをご祈念申し上げる。

(参考映像)


夜間誰でも入れる六郷工科高校の裏門(但し、ストロボ撮影をしていたら閉められた!)


夜間厳重に施錠されている城南特別支援学校の門
 



2011年06月24日(金) たまちゃんバス、一人一回218円の赤字!!

 10年程前からだろうか、全国的に「コミュニテイバス」運行が流行った時期がある。大田区でも「交通不便区域」の住民から、コミュニテイバス運行の要望が、区役所や議会に寄せられていた。

 ところが、当時の西野善雄区長は頑として首をたてに振らなかった。私も当時、コミュニテイバスを所管する特別委員会のメンバーとして、三重県四日市市や京都市醍醐寺のコミュニテイバスの現状を調査した。さらに、近隣の自由が丘「サンクスネイチャーバス」も見に出かけた。

 それらの経験から、私なりに得た結論は「行政が関与すべきではない」ということである。四日市のコミュイテイバスは、赤字分を市が補填する仕組みのため、受託バス会社には、まったく緊張感がないし、市も「福祉費」と、垂れ流される運行費用を割り切っていた。

 反面、醍醐寺のコミュニテイバスは完全に民間のボランテイア団体が自主運行しており、「黒字」である。この団体の代表者は「市役所に金を出してもらおうなんて考えちゃいけません。市議会議員なってアテになりません!いや、大田区議会は違うでしょうが‥」と、自信たっぷりに語られていた。ちなみに、醍醐寺バスの視察では「時間を割くのだから」と、30000円を請求された。流石である!

 自由が丘の「サンクスネイチャーバス」は、地域の方々や小、中学校が天ぷら油の廃油を拠出し、それを精製し燃料(すべてではない)にあて、運行経費は企業と個人会員が補填している。行政からは助成はないと聞く。

 ところが、「民間区長」として西野区政を引き継いだ、松原忠義氏は、前政権がやらなかった事業を積極的に取り入れることで「違い」を鮮明にしようとした感がある。「コミュニテイバス」もさっそく平成21年10月から走らせてしまったのだ。


 さて、先日の交通問題調査特別委員会で、昨年度の「たまちゃんバス」の収支が公開された。

利用者数:36,743人(1便あたり6.7人)

収入: 4,581,193円

経費:12,615,625円

欠損:△8,034,432円

 これによれば、一回大人150円の運賃を徴収しても、実は税金で一人一回218円を補填していることになる。つまり、一人368円かかるのだ。
赤字幅を少しでも埋めるために、広告を募集するというが「焼け石に水」の金額である。

 まあ、たかだか、大田区職員一人の平均年収(731万円)に毛の生えたような額だから文句言うな、と言われるかもしれない。しかし、この大衆迎合(ポピュリズム)こそが、松原政権の弱点なのである。

 さきの区長、区議選挙前には、区内全町会に対して一律10万円を配ったり、「地域力」という名目での各種助成金は、とどまる事を知らない。「町会関係の予算」は、聖域となりつつもある。

 これではいけない。国のマネッコで「事業仕分け」など、やってみたものの、蛇口を気にしながら、シンクの排水口のフタは開けっ放しでは、金がいくらあっても足りなくなる。運行主体など、抜本的な検討をすべき数字でもある。

 コミュニテイバスに限らす、我々議員は、例え「地元要望」であっても、税金の公平な使い道として疑義があったとしたら、区長に対しても「ストップ」をかけなければいけない。

 次回7月19日(火)には、実際に「たまちゃんバス」に、特別委員会として乗車してみることになった。地域の方々、動員して「満席」にしないでネ!



2011年06月23日(木) ヤマト運輸羽田物流ターミナル、アスベスト搬出開始!

 だいぶ前に書いたが、ヤマト運輸羽田物流センター(旧荏原製作所)のアスベスト含有成形板(スレート)が混じった汚染土壌の搬出が昨日から開始された。

 この工事現場を巡っては、すでに鹿島建設が相当量の汚染残土を搬出済みであることが明らかにされているが、大丈夫なのだろうか。

 株式会社荏原製作所の跡地は、土壌汚染対策法に基づき、土地所有者である同社が清水建設に委託して、工場に由来する汚染度の搬出、土壌改良を実施し、その後、ヤマト運輸に売却したものである。

 そして、ヤマト運輸は、鹿島建設に建設工事を委託し、自然由来汚染土の搬出を昨年末から実施したのだった。ところが、この土壌改良工事の最中、アスベスト含有スレート板片が、工事区域内の表土から多数発見されたのだ。

 工事は中止となり、荏原、清水、ヤマト、鹿島、都などが協議を重ね、いよいよ搬出される運びとなった。

 問題は、荏原製作所が汚染土壌の土を入れ替え土壌改良を行った後に、まぜ「アスベスト含有スレート片」が発見されたのか、という点である。確かに、旧荏原製作所の工場建物は、外壁、屋根、どれも「スレート板」だった。その建築当時は、アスベスト含有スレート板を使うことは違法ではなかった。

 それが、長い工場の歴史の中で、破片が土壌に混入したのではないか、というのが荏原、清水側の言い分である。解体工事中に混入したとなれば、解体工事を請け負った清水建設の責任問題となるから、これは強弁せざるを得ないだろう。

 であったとしても、ほかから非汚染土を搬入して土壌改良をした場所から、アスベスト含有スレート片が出たことは、どう説明をするんどあろうか。スレート片が夜中に、歩いたのだろうか。それとも、蟹さんやカラスさんが遊んでいて落としたのだろうか。疑問は晴れない。

 もし、搬入土壌にアスベスト片が混入していたとすれば、この土を非汚染土として搬入した清水建設の下請けの問題だ。マニュフェストを確認すべきでもある。

 今回の事件(?)で、清水建設や荏原製作所は大変な窮地にあるだろう。荏原は株主総会が集結したので、ホッとしているのかもしれないが。そして、買主であるヤマト運輸は、工期が送れ、資金が寝てしまい事業計画の見直しをせざるを得ない「被害者」である。

 さて、では得をしたのは誰か?勝手な推測の域を出ないが、鹿島建設ではないだろうか。確かに、半年工事が止まってしまったが、アスベスト含有スレート片の搬出という「オマケ」の仕事がふってわいたからだ。

 アスベストやPCBなど汚染土壌の処理は、通常の土壌に比べてその処理費用は格段に高い。大森の区道でPCBが出た時など、数億円の処理費用が業者に支払われた。

 これだけ大きな工場跡地であり、広範囲のアスベスト含有スレート片の搬出にもかかわらず、いずれの会社も「記者発表」をしていない。地元の連合町会に説明して終わり。

 これでいいのだろうか?さらに、大田区の地元自治体としての責任は如何に?所管は東京都、という詭弁は通じないぞ!



2011年06月22日(水) 意味あるかしら?日中、日韓、日朝友好議連@大田区議会

 区市町村議会が、結構「国会の真似事」をやっていることは再三書いている。つい選挙の前まではサラリーマンや公務員、個人商店主、中小企業経営者という「フツーの市民」だった議員が、一度「議員バッチ」をつけると、「センセイ」になり、市民感覚より「お役人感覚」に慣れていく姿を12年間見続けている。

 そして怖いのは、当の議員本人達が「フツーの市民感覚から乖離」して行くことを認識していないことだ。これは、泥酔中の私に「酔っ払っている!」と妻が怒ることに似ている。泥酔している私は「何言っているんだ。酔ってない」と、酔っ払っていることを認識していない。

 二元代表制の自治体議会には、制度として「与党」は存在しない、というのは学会では通説であるけれど、「国会模倣」の各議会では「与党」だ「野党」だとやっている。先日も、ある「新しい会派」の議員が、区長側から「あなたは与党なのか」と聞かれたらしいが、この感覚がおかしいのだ。

 われわれ議員は、「区長与党」かどうかではない、「区民与党」か「お役人与党」かが問われるべきなのだ。

 さて、その「国会模倣」の一つとして、友好議員連盟というのがある。お大田区議会では、日中、日韓、日朝各友好促進議員連盟が組織されており、選挙毎に加盟の可否を問われる。

 主たる事業は、議連会長が各団体(民団や朝鮮総連)の新年会に参加すること、機関紙に賛助広告を出す程度で、月会費は各1000円である。私はと言えば、反日デモの時に日中を脱退。竹島の時に日韓を脱退。日朝は、そもそも論外で入っていなかったので、どこにも加盟していない。

 以下、各議連加盟の方々である。

日中、日韓、日朝3つ加盟の区議↓

自民党(4名を除く)、公明党全員、民主党(2名を除く)、共産党(2名を除く)、生活者ネットワーク全員、緑の党(野呂けい子氏)、無所属(荒木秀樹氏)、みんなの党(沼田秀弘氏)

日中、日韓二つ加盟(日朝非加盟)の区議↓

伊佐治剛氏、長野元祐氏(以上自民)、岡高志氏(民主党)、柳瀬吉輔助氏(みんなの党)

日韓、日朝二つ加盟(日中非加盟)↓

藤原幸雄氏(共産党)

日韓のみ↓

深川幹祐氏(自民)、黒川仁氏(民主)

日朝のみ↓

黒沼良光氏(共産党)

3つ共非加盟↓

大森明彦氏(自民)、私

 なお、日中、日朝の会長は公明党から、日韓は自民党である。せっかくの議連であるから、日中では「尖閣問題、南京事件」を、日韓は「竹島や従軍慰安婦」を、日朝では「拉致事件」を議題として、それぞれ「早期解決と事実の確認」をお願いしたいものだ。

 友好促進は、まず相手を「尊敬し」「主権を侵さない」ことが大前提である。ここは「国会を模倣」して「土下座外交」や「謝罪外交」をしてはならない。




2011年06月21日(火) 海外視察を海外親善調査に変えれば大丈夫?

 平成11年の初当選以来訴えていることの一つに、区議会議員の海外視察廃止がある。区議会議員になると、4年の任期中に海外視察1回(ヨーロッパ予算一人80万円程度)、海外友好親善(米国セーラム市予算50万程度、中国北京市予算40万程度)に参加出来る。

 しかし、基礎的自治体の区議会議員がヨーロッパを見ても、その制度を導入することは困難であるし、そもそも、予算や議案を「まったく修正」しない大田区議会では、そもそも機能しないだろうと思う。

 また、視察項目より先に「視察先」が決まる、というのも解せない。私が議員になっての12年間は、すべて視察先はヨーロッパだった。また、問題は、なぜ80万円もかかるのか、という素朴な疑問である。

 最近は、やっと変わったが、以前までは、80万円をすべて議員の捺印(事務局が代理で押印)のある「旅費領収書」で、議員本人に支払い、議員は「私費」として、旅行会社と「契約」して、視察に行く、という方法だった。

 したがって、いったい「いくら支払ったか」は、公文書開示では出てこないのだ。(私的契約のため)これでは、旅行会社を値切って、残りは土産代や飲み代と勘違いされても止むを得まい。何しろ80万円のツアーなど、旅行会社を探しても、めったにないのだから。

 このような背景の「海外視察」は、23区でもほとんどの区が廃止をしているが、大田区は残っているのだ。ただ、昨今の厳しい区民感情に配慮して、最近では自民党議員しか参加者がなく、民主党に懇願してなんとか実施していたのが実態だった。

 日本共産党区議団は「海外視察反対」「友好親善は他の都市を訪問しなければ賛成」という態度だ。大田区議会公明党は「海外視察には反対ではないが、当面参加しない」「親善訪問は賛成」、自民、民主は「いずれも賛成」という態度である。

 そこで、所謂与党会派である自民・公明・民主の幹事長たちは、奇策を練ったようだ。海外視察と友好親善をくっつけて「海外親善調査」と名称をかえるというのだ。

 そして、この変更については、われわれ一人会派、二人会派の区議会議員7名には、意見すら聞かれないまま、決定されてしまった。

 これにより、「海外視察は自粛」されていた公明党や「視察反対、親善賛成」の共産党等も「親善調査」であれば、安心して参加することが出来よう。一部良識ある新人議員から「疑問」が出ていた、民主党も、これで大丈夫だろう。

 かくして、貴重な区民税を使って「海外親善調査」が行われることになった。せっかく、5000万円以上(4年間で40名が参加として)も使うのだから、せいぜい成果をあげて頂きたいものである。(ちなみに、区議会議員選挙のある年度は、中止になるのが通例!!)

 少なくとも、私は自らの良心に基づいて参加しないが‥



2011年06月20日(月) 自民・公明は採択に反対!放射能測定の陳情

 先週以来問題になっていた「放射能測定」の陳情が本日の本会議に上程された。予想通り、自民・公明の所謂与党が反対し、それ以外の会派が賛成。不採択となった。
 
 自民・公明の反対討論の趣旨は「自分たちは、与党なので責任がある。だからなんでも賛成できないのだ」というもので、嗚呼、さすがだね、という感じである。公明党は、さる統一地方選挙では「潮」誌上などにおいて、地方議会改革を訴えていたし、今回も大田区議会の改革案を提出された。
 
 それは大変結構なことなのだが、地方議会の問題点は、実は現行の制度ではなく、議会や議員のあり方であることを理解して頂きたい。また、地方議会には「与党」というものは存在しない、という二元代表制の基本も知って欲しい。以下、本件陳情を採択すべし、という私の賛成討論である。

たちあがれ日本は、ただいま上程されました陳情23第43号、23第62号、23第65号、23第70号の4件を採択するとする所管、都市・環境委員長の報告のとおり、本会議においても採択すべきとの立場から討論いたします。
 本件陳情4件は、若干内容に違いはあるものの、「放射能が心配だから大田区でなるべく広範囲で測定をして欲しい」という、区民、とりわけお子様をお持ちの保護者の強い不安の結果提出されたものであります。
 大田区議会においては、議案、請願、陳情などは本会議において上程の後、専門的に審議、審査する必要から所管委員会に付託することが定められており、いままでもそのようにされてまいりました。そして、当然ながら所管委員会の審査経過を委員長が本会議で報告後、所管委員会の決定通りの採否が本会議においても追認されていたのです。
 ところが、さきの討論からもわかるように、本陳情につき採択すべしとした所管都市・環境委員会委員長の報告に「反対」、すなわち採択すべきではない、との結論を出された会派があるのです。自由民主党大田区民連合16名、大田区議会公明党12名の議員の方々であります。
 今回は、委員会において、所謂与党と言われる会派と、是々非々で賛否を考える議員の数が拮抗していた結果、与党民主党の委員の翻意により賛成者多数となったものであります。
 しかし、どのような経過であれ、所管委員会に付託し、その委員会において結論を得たものは、例え自らの想いと違っていたとしてもその結論を尊重すべきであります。なぜなら、今回反対する自民党、公明党二つの会派からは5名の委員が、都市・環境委員会に参加しているのですから。自らの都合により数の論理を使ったり、使わなかったり、というのは問題です。ダブルスタンダード、トリプルスタンダードなど、その都度、基準や意思決定の尺度を変えるのは、大田区役所のお役人の得意技でありますが、住民の代弁者であるべき議会がそれを真似てはいけません。
 今回の陳情4件のうち、2件は、所謂与党会派や私が思想的に受け入れられない政党を支持する団体からのものと思われます。平時であれば「政治的な思惑」から反対することもあるでしょう。しかし、いま我が国は未曽有の国難を迎えている非常時なのです。思想や政党の想いを超え、一致団結この国を復興すべき時なのです。国政では、福島原発について「誰が悪い」との責任論が華盛りであります。原発に反対する政党の諸君は「だから言っただろう」とばかり、得意げでもあります。
 民主党政権、とりわけ菅直人というどうしようもない総理大臣には、多くの国民が失望し、あきれています。しかし、内閣不信任案が上程された時、私と共に気仙沼市において被災地支援にあたっていた日本中から集った自治体職員、公立病院医療職、自衛官、被災された方々には、「虚しさ」が募りました。何を東京で猿山の親分争いをしているのだ、「勝手にやっていろ!」と。
 誰が総理になろうが、どこの政党が政権を取ろうが、被災地支援をしている方々は必死に頑張るでしょう。被災された方々の生活も大きく変わることはないでしょう。
 いま、政治がすべきは内輪もめではなく、永田町の論理ではなく「現地現場主義」を貫くことであります。国政においては、兎に角、被災された方々の一刻も早い生活再建と、福島第一原発の安全な廃炉を目指さなければいけません。復興や原子力を政局にしてはならないのです。
 同様に、基礎的自治体である我が大田区のミッションは、区民の不安を払しょくする努力をすべき事であります。平時であれば「やりすぎ」ということでも、非常時の今では必要なことです。やりすぎる位、できることはすべてやり、69万区民の不安をなくすことこそ大田区が今すべき使命であり、それを後押しするのが我々区民から信託を受けた議員の、そして議会の責務であります。私たち、区議会議員は、議員になるまでは会社員や公務員だったり、商店主や中小企業の経営者という「フツーの区民」でした。国政を真似て、政党の勢力争いをしたり、所謂与党を気取るのは似合いません。
 我々議員は原子力のプロではありません。行政のプロでもありません。しかし、我々議員は、区民の声を聞くプロであります。区民が「不安」を訴えている今こそ、われわれの出番です。今回、陳情の採択までは頑なに「5ケ所の放射能測定で充分」と強弁していた大田区役所が、先週金曜日の閉庁後に、突如「全小中学校、保育園、公園の放射能測定をする」と発表したことは驚きでした。あの都市・環境委員会での「必死のやらない言い訳」はなんだったのでしょうか。「良くも悪くも」上が決めたことに従わざるを得ない、公務員の悲しさには哀れみすら覚えてしまいます。
 大田区管理職のみなさんは、区役所に入庁以来20年以上「上の指示に従い」「上を向いて仕事をする」訓練をされてこられました。大田区議会も長い間、所謂与党会派が取り仕切り「お役人がやりたくない陳情、請願」は不採択とし、「お役人がやりそうな陳情、請願」や、町会長や各種団体から出された陳情、請願は採択をすると思われる歴史が繰り返されてきました。
 今回は、「お役人が否定していた陳情趣旨」を、所謂与党会派である自民党、公明党が「ただ、反対」をする訳にはいかない、として、頑なに「放射能測定範囲の拡大」を拒んでいた大田区、特に教育委員を説得しての成果であろうと自民・公明党に心より感謝申し上げます。
 陳情の採否とは関係なく、陳情の趣旨が実現できたことは、まさに、名もない多くの「区民力」の成果であったと思い、その運動に敬意を表明するものであります。
 そこで、所謂与党会派である、自民党、公明党の議員各位にお願いであります。お役人は、みなさんの説得で「考え方を急変」したのです。この際、細かいことは抜きにして、本陳情4件を一括して、所管委員長報告の通り「採択」しようではありませんか。
 今年の4月に区議会議員選挙が行われました。新たな議員をお迎えして、どうか、大田区議会が大田区管理職が「区長」や「上を見る」という意思決定プロセスから脱却し「区民のほうを向く」大きな転換期となる後押しをしようではありませんか。区民力という、区役所やお役人に対する「大きな津波」の防波堤に区議会がなってはいけません。
 本件陳情に「反対」をされるであろう、自民党16名、公明党12名の区議会議員のみなさんに、心から翻意をお訴えして、所管委員会で正しい「議事進行の動議」を連発した私、犬伏秀一の賛成討論といたします。



2011年06月19日(日) ご苦労様!蒲田消防団操法発表会

 今日、日曜日も行事が目白押しである。もっとも大きなものは「蒲田消防団消防操法発表会」である。これは毎年行われている行事で、蒲田消防署管内にある7つの分団が、ポンプの操作方法につき、消火までの時間や、動作につき競うものだ。

 この発表会が近づくと、選手に選ばれた団員は毎晩、生業の後、練習に励む。5名の選手の連携が、分団の名誉を勝ち取るので、みな真剣、必死である。

 消防団と言えば、今回の東日本大震災で、消防官とともに、大活躍が報じられている。また、その使命感故、任務達成のため殉職された方々も少なくない。東北三県で死亡された消防団員は192名、いまだ57名の団員が行方不明である。

 なぜ、命をかけてまで‥と、疑問に思うかもしれない。予備自衛官として、訓練を受けている立場からすれば、その答えは「使命感」だと思う。守らなければいけない人々がいる、街がある。自分がやらねば、誰がやる。消防団員に限らず、被災地で働くすべての人々が共通に思っている気持ちだろう。

気仙沼漁港の近くで目撃した消防団の被災車両

 さて、各分団の操法の合間に、パネル展示を拝見した。そして、あるパネルの前で足がとまった。そのパネルの文字を追うにすれ、目から涙が止まらなくなってしまった。それは、3月11日の震災直後から気仙沼市に支援に入った東京消防庁緊急援助隊の隊員と、気仙沼消防署隊員の肉筆の手紙だった。

 気仙沼消防署の隊員からの手紙には、以下のようにあった。(要旨)

震災後の絶望的な火災と戦っている中、心が萎えてしまいそうになっていた。そんな時、遠方から50台を超える、東京消防庁の緊急援助隊の車列の赤色灯が見えた。「これで大丈夫」と、本当にありがたかった。皆さんの絵支援がなかったら、とても対応できなかった。もし、東京に震災が起こったら、われわれも真っ先に飛んでいく。

 テレビで見た、炎に包まれた気仙沼市の現場で、必死に火災と戦っていた人々がいたこと。そして、自分たちの力ではどうにもなならい状況で、苦闘しながらがんばっていた地元消防官。その必死の努力を応援すべく、到着した50台の車列。嬉しかっただろうな〜。頼もしかっただろうな〜

 その光景、気仙沼消防署の皆さんの大きな歓声を想うと、この文章を書いていても涙がとまらない。国民の生命財産を守るため、どこにでも出かける消防魂に脱帽である。きっと、われわれが知らない多くのドラマが被災地では、当たり前のように繰り広げられていたに違いない。

 パネルの前で立ちすくんでいると、地元の消防署出張所長が声をかけてきた。事情を話し、私自身が気仙沼に出かけた時携帯で撮影した写真をお見せした。その中の1枚に彼は「同期ですよ」と。5日間ご一緒した、東京都医療救護班の課長さん、東京消防庁からの出向とは聞いていたが、偶然である。

 議員だと言うことは黙って参加した、と伝えると「彼はわかっていたと思います。大森消防署につい最近までいましたから」とも。あちゃ、バレてたのか!!

 さて、操法発表会は順調に進み、7つの分団に成績がつけられ、優勝、準優勝、3位が発表された。そして、残る4分団には優良分団表彰が贈られた。無論、操法を競う訳だから、順位はやむを得ない。しかし、順位以前に「人のために尽くす」心意気は、全分団、全団員が「優勝」に値するだろう。



 消防団員の夫が、人々を守るため避難の人とは反対の海に向かい、水門を閉めて殉職された奥様が語っていた言葉はすばらしい。「消防団に入っていなければ‥とも思いました。でも、あの人は消防団に入っていなくても、海に向かって人助けをしていたと思う。」ご冥福とご家族の生活再建を祈ってやまない。

 そして、本日がんばった蒲田消防団、さらに区内3消防団の日頃の活動に心から感謝申し上げる。

 



2011年06月17日(金) やったー!!!大田区、全小中学校、保育園、大規模公園で放射能測定

 大田区の多くの保護者、区民が要望していた「放射能測定」を、大田区は昨日まで頑なに拒んでいた。ところが区議会都市・環境委員会での「まさかの陳情採択」によって、流れは大きく変わった。

 あくまで「お役人の防波堤」として陳情の「継続審査」を主張していた、自民党、公明党はさぞかし困ったことだろう。20日の本会議に、所管委員長からの報告として「陳情は採択」とされるのだから。

 しかし、それでも「与党」のメンツで「賛成」はできない。止む無く「採択に反対」とせざるを得ない。が、だ。それで、各党の支持者は納得しまい。そこで、ウルトラCに出た。

 今までいやがる、お役人を説得して「すべての小学校、中学校、保育園、公園」の放射線量を計らせることにしたのだ。これなら、20日の本会議で「すでに大田区は放射能を測定すると言っているので、願意は達成されている」として、堂々と「反対」ができるのだ。

 よくやった!!!区長与党の自民、公明党の諸君!陳情が採択されるかどうかでなない。結果として、願意が達成されればいいいのだから。

 多くの区民の熱意、与党の議員への電話、メールでの依頼の結果である。区民力の素晴らしさの賜物である。すばらしい!!!!!!

 どうしようか?と悩んでいた志高い、与党の新人議員の皆さん、よかったね!これで堂々と「採択に反対」と言えるじゃないか。

 以下、大田区の発表である。

区立小・中学校、保育園、公園、区営プールで空間放射線量等を測定します

東日本大震災に伴う原発事故に関連して、6月15日から区内3か所での空間放射線量の定点測定を開始していますが、この度子どもとその保護者の皆様に安心していただくために、下記のとおり測定箇所を161か所拡大することにしました。

測定施設 区立小学校・中学校(全87校:小学校59校、中学校28校)

校庭中心地において、地上5cm、50cm、100cmの高さでの空間放射線量を測定します。

区立保育園(全55園)

園庭中心地において、地上5cm、50cm、100cmの高さでの空間放射線量を測定します。砂場において、地上5cmの高さでの空間放射線量を測定します。

区立公園(大規模公園 16園)

公園中心地で地上5cm、50cm、100cmの高さでの空間放射線量を測定します。

区営プール(3施設)

水の入れ替えが終わった屋外プール水の放射性物質を測定します。

測定時期 準備が整い次第、6月下旬から開始します。

測定結果の公表 大田区ホームページ上で公表します。




2011年06月15日(水) 不思議な区営(?)釣堀@旧羽田旭小学校プール

 先日来、まったく子どもたちの放射能被害にのうてんきな大田区教育委員会と戦っているが、小学校や中学校の土壌やプールの水の採取に苦労している。子どもたちの安全より、自分の立場や学校の保身を考える学校長や副校長さらには、教育委員会指導課長らの反撃にあうからだ。

 そんな中、学校類似施設であるコミュニテイセンター羽田旭(旧羽田旭小学校)に出かけた。受付に区議会議員であることをつげ、旧校庭であるグランドから土をいただく。ついでにガイガーカウンターで測定すると、0.08μsv〜0.11μsv(地表5センチ、50センチ、1メートル)であり通常値であった。まわりには興味深そうに、地元のソフトボールのメンバーが集まってきた。


 さらに、プールに向かうと不思議な光景に出会った。なんと、プールが釣堀として使われているのだ。そういえば、先週、匿名で次のような投書があったのを思い出した。以下、投書の抜粋である。実際の投書には実在の議員名も書いてあった。

「コミュニテイセンター羽田旭 釣堀について」

1.利用日が不明です
2.施設の管理がだらしない。管理人もだらしない。
3.利用料金はどのように使われているのか(水道代にもならないだろう)
4.駐車場 身障者用に2台を作ったが一般の利用者が止めている(タダ?)
5.この駐車場は議員を使ってゴリ押しで何かやったようだ
6.管理人の足の悪いのは芝居です
7.これらのことを管理している出張所は何をしているのか

こんな施設は廃止するべきです。


 さっそく所管する大田区羽田特別出張所長に事実確認をしたところ以下のことがわかった。

1.利用日は不定期の日曜日である
2.この施設は「かかしの会 T会長」に対し「行政財産の目的外使用許可」を出し、無償で使用させている
3.利用料は、大人500円子ども300円であるが、大田区には一切入ってこないので収支は不明である
4.このプールは、災害時には「防火用水」として使用するもので、平時は「青少年の健全育成、区民の楽しみ」のため、釣堀としている
5.かかしの会の事業内容はわからない
6.プール(釣堀)の水が減ったり、濁った場合は大田区の費用負担で水道水を補充している

 なんじゃ、このいい加減な内容は。つまり、事業実態のわからない団体に、区民の財産であるプールを365日タダで貸して、水がなくなれば、区民の税金で補充する。区民から徴収する使用料は、すべて団体の取り分という構図だ。


 出張所長は「歴史的経緯は知らない」としながら、「防火水利」なので大田区が水道代を払うのは当然である、と説明された。そうかね?この施設から道路一本隔てたところには「水量豊富な」呑川が流れているし、区道には大口径の水道管が埋設されている。いつもの「その場凌ぎ」か?

 このような「胡散臭い」ケースは、様々な「裏」があることが多いのだ。今回の「裏」はなんだろうか。一つ気になるのは、この釣堀の「オーナー」T会長さんは、大田区の元区長の同級生であるらしい、とのこと。


 区民の財産たる施設や、区民のオサイフたる税金の使い道については、すべて透明で公平でなければならない。この釣堀のように「濁って」はいけない。さてさて、実態は?????



2011年06月14日(火) まさかの陳情採択!自公唖然

 その瞬間、傍聴席から大きな拍手がわいた。審議中は何度も「傍聴人は拍手をするな!」と注意していた委員長(公明党)も、あまりの出来事と傍聴者の迫力に圧倒されて何に言わない。

 本日の、大田区議会都市・環境委員会で「放射能測定を大田区独自で行って欲しい」という4件の陳情採択の瞬間の出来事だ。

 昨日の審議では、所謂与党会派である自民、公明はだんまりを決め込み発言はなし。民主の森愛副委員長は体調不良で欠席。生活者ネットワークの奈須議員、共産党の藤原委員、そして、私が役人の詭弁と対峙する構図だった。

 委員会構成から、ひょっとしたら「採択」の可能性があると踏んだが、キャステイングボードを握るのは、民主党とみんなの党の各1名の議員だ。都市環境委員会の委員の構成は以下のとおり。

勝亦委員長(公明党X)、森副委員長(民主党△)、田中委員、伊藤委員(以上自民党X)、岡元委員、田村委員(以上公明党X)、藤原委員(共産党○)、奈須委員(生活者ネットワーク○)、沼田委員(みんなの党△)、私(○)

 X印は「継続審査」を主張する与党会派。○は「陳情採択」を主張する会派、または委員、△は微妙な委員。

 委員会は10名。通常の採決に委員長は加わらないから、9名の委員で採決を行う。5人が賛成すればOKである。上記の構成から自民、公明の委員4名は「継続審査」を主張することが確実。そして、我々3名は「採択」派。残る2名がこちら側にくれば「採択」となる。

 昨晩、両委員に電話をして事の重大性、緊急性を訴えたが色よい返事はなかった。森委員は、個人的には「是非採択」だそうだが、会派(民主党)としては「継続」にしろと山崎幹事長に厳命をされているという。

 沼田委員も、自民党、公明党と親交が深く、地元の町会長を務める関係から区の執行部とは関係を悪化させたくない想いがあるようだ。町会長と「改革派」みんなの党、という構図はご本人にとっても悩むところだろう。

 さて、開会5分前。民主党の控え室に森委員をたづねた。「最後のお願い」をするためだった。すると、民主党自民派を自他ともに認める山崎幹事長に森委員が諭されている。そこで、山崎氏には「なんで、お役人を助けようとするんだ!なんのためにあなたは12年間、議員をやってきたのだ!」と迫った。彼からは「陳情の内容には出来ないこともある」と、お役人と同様の答えがあった。同期であるだけにいつもながら残念である。

 森委員には「あなたは、民主党のために、お役人のために議員をやっているのか?あなたの人として議員個人としての良心に期待している」と述べて、控え室を出た。

 委員会では昨日と同じ光景だったが、さすがに発言しなかった自民、公明の委員から「ちゃんとしてくださいね」的ば発言があった。森委員は「会派としては継続審査だが、私は退席する」と態度表明され、退席しようとした。そこで、一言「まだ出なくていいんだ。全員の態度を聞いて採決のときに出ればいい」と、とどまるようヤジを飛ばした。

 そして、採決である。委員長が「それでは、本陳情を継続することに賛成の方は挙手をお願いいたします」とやった。多分、議会事務局が用意したシナリオでは、継続多数だったので、これでいいと思ったのだろう。この順番が彼ら(与党とお役人)にとって失敗だった。

 自公の4名が挙手をした。賛成者少数である。ヤッター!!!!戸惑う委員長に「議事進行の動議」を叫び、採決に持ち込む。森委員は事態の急展開に退席するタイミングを失う。「継続に賛成しなかったのだから、採択には賛成だよ!」と、念押しのヤジを贈った。

 委員長が「本陳情を採択することに賛成の方は挙手を」と。みんなの党の沼田委員も、そして、森委員も戸惑いながら挙手をしてくれた。よっしゃ!!
与党(自民、公明、民主)会派が反対すると陳情はと通らない、という大田区議会の長い伝統が崩壊した瞬間だった。

 あわてた自民党田中委員から「委員長!森副委員長は退席と発言している。もう一度やりなおせ。」との発言があった。私「一事不再議は民主主義の基本だ。委員会規則でも再度やりなおすなどない」と、委員長に抗議した。すると、田中委員は「森副委員長に確認すべきだ」と来た。私「森副委員長は、一度退席と言ったが、自らの良心に従って採択にまわたのだ。議員個人の態度について再確認する必要はないし、そのような権限もない」と応じた。

 めでたく陳情は採択された。多くの保護者や区民の熱意の結果だと思う。4件のうち2件は、私が嫌う政党の支持団体からのものだったが、国難の今、イデオロギー闘争をしている場合ではない。

 さて、委員会では採択されたが、本会議ではどうか。通常は、自民、公明、民主(賛成した委員以外)が「採択に反対」として、議会としては不採択にして「お役人の防波堤」になるのが一般的だ。

 が、今回の陳情は、はたして「採択に反対!」と主張出きるのだろうか。どうか、自民党支持の町会長や商店会長さん、公明党支持の創価学会員の皆さん、民主党支持の連合など組合員のみなさん、それぞれの所属する議員に聞いてみて欲しい。そして、皆さんの「不安」を訴えて頂きたい。

 議会は、議員は、誰のほうを向いて仕事をするのか?区長か、お役人か、政党か?違うだろう!!大田区のお役人は、長い間「上のほう」を向いて仕事そしてsきた。議会もお役人も、そろそろ、区民のほうを向いて仕事をしようよ!

 結論は、6月20日(月)13時からの本会議最終日に決まる。乞う、ご期待!

 但し、まだオチがあるのだ。陳情が採択されても「拘束力」がない。頑固なお役人が「無視」する道も残されている。嗚呼、お役人社会ニッポン!

(参考)
放射能測定場所

大田区:5ケ所、足立区:752ケ所、川崎市:407ケ所



2011年06月13日(月) 放射能は、これ以上計測しません!大田区お役人一同

 今日は、区議会都市・環境委員会である。今回は新規に付託された陳情が18件もあるため、通常10時から開催される委員会が、9時開始となった。

 まずは今定例会に上程された議案の審査である。なんだかんだ、と質問をしても結局は「与党会派(自民・公明・民主)」の賛成多数で可決される、というい構図なのでお役人には緊張感はない。

 また、与党会派は事前に「勉強会」と称して、お役人に説明を受けているので、ほとんど発言をしないのが常である。今日も与党からの発言はなかった。

 さて、本日の陳情の関心事は「放射能測定」である。4件の陳情が出されたが趣旨は似通っている。

放射能測定器を大田区で購入して欲しい。
学校や、保育園での放射能測定を行って、その結果を発表して欲しい。

 など、区民や保護者としての切実な願いが込められている。ところが、お役人ときたら、所管は違うが「国、都の動向を見極めたい」だの、「3ケ所区内で測定するからいいだろう」だの、「やらない理由」のオンパレードである。

 ここでも自民党、公明党の委員はだんまり。(民主は欠席)質問しているのは生活者ネットワークの奈須委員、私、共産党の藤原委員の3名だけである。あまりの当事者意識の欠落に激怒して以下のように怒鳴った。

今は非常時だ!あなたたち役人の「言い訳」や「先送り」は、平時なら我慢する。非常時には、言い訳は無用だ。私は被災地に3回入って支援活動をしてきた。被災地で懸命に働く公務員や自衛官に「いい訳」はなかった。みな、なんとかして被災地を助けよう、と出来ないことでも必死にやっていた。同じ公務員として「言い訳ばかり」恥ずかしいと思わないのか!

いますべきは、大田区民の不安を払拭することだ。国がやらなくても、都がやらなくても、23区中22区がやらなくても、大田区だけはやってくれた!なぜ、そういう自治体になれないのだ。言い訳すんじゃない!

自民、公明の与党の議員さんにもお願いだ。いま大田区議会は試されている。いままでのように「お役人がやらない」と言っているから「とりあえず継続審査にしよう」と、問題を先送りして「お役人の防波堤」になるのか、区民の側につくのかだ。

どうか、区民の代弁者としての議会に、議員になろうではないか。くれぐれも、この問題を「継続審査」などという無責任な結論にしないよう。

 現在の委員会構成は、自民党2名、公明党2名、民主党1名(以上、与党会派)みんなの党、生活者ネットワーク、私、共産党各1名で4名。自民、公明はまず間違いなく「大切な問題だから継続して審査しよう」という、いつもの先送りになることは間違いない。

 残る与党の民主党も、まったく自民党と同じ行動パターンで3期過ごしてきた山崎勝弘幹事長が「お役人を守るため」継続審査を主張するだろう。いったい、議員とは誰のために議会にいるんだ!

 与党の新人議員諸君!自問自答しておくれ。区民の心配に暢気に「継続審査」で先送りをするほど問題は、軽微ではないのだ。

 嗚呼、大田区議会よ、痴呆議会に成り下がるな!!!



2011年06月10日(金) 議案質疑〜相変わらず心配な大田区区政

 たちあがれ日本の犬伏秀一です。一人、二人会派は総務財政委員会に参加できないので、この場で質疑をさせていただきます。今後、議会改革についての議論が当大田区議会でもされるようですが、議会基本条例などを作る以前に、議員の発言の機会を少なくし議会の権能をあえてせばめる現在の大田区議会の仕組みこそ改革すべきであると申し上げておきます。

 さて、第42号議案から第47号議案はいずれも議会の議決が必要な契約案件であります。ただし、第46号議案はデジタル防災無線の関係工事であり随意契約となっておりますので、今回の質疑には該当いたしません。
 
 私は、平成11年に初当選以来、大田区の工事案件はほとんどが談合の疑いがあると述べてまいりました。官製談合が疑われるケースもあり、公正取引委員会に通報したり情報提供したことも一度や二度ではありません。また、残念ながら、それらのなかには区職員のみならず、議会の関係者の関与すら疑わしいものもあるのでした。
 
 入札談合等関与行為防止法は,国・地方公共団体等の職員が談合に関与している事例,いわゆる官製談合が発生していた状況を踏まえ, 発注機関に対して組織的な対応を求め,その再発を防止するために制定されたものであり,平成15年1月6日から施行されています。
 
 その後,平成18年に職員による入札等の妨害の罪の創設等を内容とする「入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の一部を改正する法律案」が 第164回通常国会に提出され,平成18年12月,第165回臨時国会で成立し,平成19年3月14日から施行されています。

 また、全国市民オンブズマン連絡会議では、過去の談合訴訟や、公正取引委員会の審判、さらに全国落札率調査をふまえ、落札率95%以上を「談合の疑いがきわめて強い」、落札率90%以上を「談合の疑いがある」としています。この会の全国調査の結果を見ると、真の競争入札(一般競争入札)が行われると落札率が80%台以下になると指摘しています。

 そこで、今回の契約議案について検証してみました。第42号議案田園調布三、四丁目付近枝線その6工事(下水道)では、一回の入札で358,050,000円で落札業者が決定し、区の予定価格に対する落札率は98%。第43議案都市計画道路補助328号線整備その2工事(下水道)では2回の入札で203,700,000円落札率98%、第44号議案京急空港線付属街路第一号線整備その1工事(下水道)は203,700,000円落札率99%という驚異的なものでした。さらに第45号議案大田区立羽田中学校外構及び校庭整備整地その他工事では182,700,000円で落札率98%です。この4件の工事はいずれも土木の工事であり、3社により構成された建設共同企業体がそれぞれ応札をしています。JVの冠企業は5社で、この5社のJVできれいに4つの工事を配分している構図が見てとれるのです。適正な競争が行われていれば、同じ冠企業が二つの工事を受注することがあるはずです。

 また、今回は1件しかありませんでしたが、チャンピオン(落札業者)が事前に決定されていると疑われる所謂談合入札では、1回目から3回目、なんど行っても最安値の業者は不動である原則が見事に一つの例外もなく表れています。

 さきほどの全国市民オンブズマン連絡会議の基準に照らせば、今回のいずれの議案も第47議案以外は「談合の疑いがきわめて強い」ということになります。個人的には、談合が行われていたと断言してもいいぐらいです。ちなみに、全国の自治体の落札率を井の中の蛙である大田区関係者にご披露申しあげます。大分県77.6%、長野県79.5%、福井県80.2%、秋田市71.5%、さいたま市73.5%、広島市73.7%、神戸市76.3%、佐賀市76.0%などとなっております。
 
 もし全国の自治体が大分県並みに77.6%の落札率になれば全国では約5000億円の税金が節約できる試算もあるのです。なぜ、大田区だけが、このy9おうな中、95%以上の落札率が花盛りなのでしょうか。理由は、実はここにいらしゃる皆さんが一番ご存知まはずです。

 毎度、野田副区長は適正な入札が行われた結果との答弁を繰り返されていますが、もし本気でそう思われているとすれば、将来、閻魔大王さまはお許しになりますまい。

 また、第47号議案大田スタジアムスコアボード等改修工事は、本来メーカーである東芝や富士通に発注すべき工事ですが、区内業界の強い要望もあり区内業者の共同企業体に発注することにしたものです。8つのJVが応札をいたしました。落札額は160,650,000円落札率73%という競争原理が働いていると感じられるものでした。ところが、落札業者と2位の業者以外の6社の平均応札額は226,473,000円でした。

 落札JV以外のもうひとつのJVは178,500,000円。本件がそうかどうかの確証はありませんが、一般的に過去の事例からこのようなケースは、業界内のチャンピオン(落札予定業者)に対し、調整が失敗した場合、つまり業界内の秩序が乱れた場合に起こりうるものです。

 過去にも大田区総合体育館建築工事で、70%代になったことがありますが、これは、JVの冠企業が大手ゼンコンだったからだと推測されます。大手ゼネコンは度重なる公正取引委員会の課徴金により談合決別宣言を出し、各本社から「JVを組む地元業者が談合を疑える場合は手を出すな」と厳命をされています。

 大田区では、区内業者を保護する為か、JV案件では「安心なので」ロアーリミット(最低制限価格)を設定せず、アウトローが入る可能性がある一般競争入札ではロアーリミット(最低制限価格)を設定しています。しかし、もはや、業者や業界のため、区民の税金を配分する時代は終わったのです。

 このような状況を踏まえてうかがいます。全国平均から見ても、相変わらず高落札率が続く大田区の入札につき、本当に適正だと考えているのでしょうか。

 また、談合が出来にくい一般競争入札、制限なしの導入は考えていないのでしょうか。民主党政権を見ていると公約は破るためにあるようにも思えますが、松原区長は入札改革をかかげておられましたが、今回の議案の入札において何がどう改革されたのでしょうか。
 
 新人議員のみなさん、このような契約議案にどうか疑義を感じていただきたいのです。先輩の見過ごした過ちをくりかえしては議会改革など絵に描いた餅にすぎません。

 さて、次に報告第20号蒲田開発事業株式会社経営状況に関する書類の提出についておうかがいいたします。

 報告書等によれば当該法人の社長は野田副区長であり、取締役には代表監査委員に就任された森透氏があげられております。当該法人に確認しましたところ、同氏からは取締役の辞任届が出されているとのことですが、監査対象になる大田区出資法人の取締役についていた人物が、代表監査委員に就任することはいかがなものでありましょうか。

 昨年、当時の秋山副区長から社長を野田副区長に交代し、取締役に森透氏が就任した際の理由は「経営基盤の強化」をはかる、と説明をされました。いったいお二人の就任により、どのように経営基盤が強化されたのかうかがいます。また、野田副区長は副区長職が一人になられてからは相当多忙を極めていらしたと思われますが、社長としてどのように執務されていたのかうかがいます。

 過去にも、遠藤久元経営管理部長が代表監査委員に就任されました。この際も同様の疑問があがりました。代表監査委員は大田区職員としての功労賞の場ではありません。そして今回は、遠藤久前代表監査委員が副区長に就任、と、少ない取り巻きで要職を渡り歩いていると感じるのは私だけではないはずです。

 出資法人の役員を区幹部が勤め、代表監査委員が区執行部と行ったり来たり、このような状況では決して区民の信頼を得ることはできません。このような人事をどのようにお考えでしょうか。

 また、新たな副区長の所管事務を見ても、遠藤副区長には秋山前副区長当時にはなかった、総務担当部長の所管事務が加わりました。これは、以前、森透氏が担務していたものです。ここにも、ある恣意を感じてしまいます。

 相変わらず心配な大田区政を憂い議案質疑を終わります。



2011年06月09日(木) 隠蔽体質なのか!大田区教育委員会by放射能測定

 23区中、いや日本全国1800弱の基礎的自治体の中で、群を抜いて閉鎖的で隠蔽体質を誇るのではないかと思える大田区教育委員会の実態については再三書いているので、マトモな読者諸氏には「その実態」がおわかりいただいていると思う。

 極めつけは、中学校三年生の五段階評価で、各段階(5から1まで)においてどれくらいの生徒がいたのか、という「標準評定割合学校別一覧」という資料がある。大田区では、一番取れない学校は1%も「5」が取れない反面、優秀な学校は「5」をとる生徒が20%以上いる。これが「公平な公教育なのか」と、この実態の公開を私は常々迫っていた。

 東京都教育庁は各区ごとの一覧表を開示していたので、希望者には大田区の学校別一覧をお配りしていた。ところが、これを危惧した大田区教育委員会はなんと、なんと、凄い愚行に出たのだ。学校別の成績がバレないように、東京都教育委員会に対し、中学校名を伏して報告したのだ。

 東京都に所在する62区市町村で、このような「あきれた行為」に出たのは、わが大田区教育委員会だけである。平成21年度の学校名入り評価一覧、学校名を消した平成22年度一覧は、いつでも差し上げるのでご連絡をいただきたい。近日中に、新聞折込もするつもりだ。

 さて、このような、「教育委員会は正しくて、区民は愚か」、という愚民行政を実践しているように思える大田区教育委員会の次なる「隠蔽」は放射能である。

 大田区の保護者と、マトモな区議会議員5名が、大田区の公園、学校、保育園等の空気中、土壌、プールの水の分析をしようと先週から活動を始めた。

 ところがである。なんと、大田区教育委員会と、大田区こども家庭部は「たとえ区議会議員であっても、土壌、水などを採取させないように」との通達を、区立学校、区立保育園に出したのだ。

 そこで、大田区教育委員会指導課長にうかがった。

私:大田区議会議員は年収1000万円以上を区民の税金から頂いている。区民の不安を解消する義務がある。そこで、議員が区立学校に出向いて「区政調査」の目的で、土壌、水などを採取することを禁じる法的根拠はなにか?

課長:議員個人には「調査権」はない。議会としての調査ならいたしかたないが。いたずらに数値が一人歩きするのが困る。

私:調査権のことは知っている。区民、保護者が心配しているから「大丈夫」というのが教育委員会の使命だろう。何故、くさい物は見ない、という。いつもの原則を貫くのか?

課長:区内3ケ所での測定を東工大に委託する。これでいいだろう。

私:あなたとは哲学が違うようだ。勝手に採取するから110番通報すればいい。「大田区の特別職の公務員である区議会議員が、校庭の砂100グラムを強奪しました」と。是非、裁判で争いたい!じゃあね!

 区議会議員が区民の不安を解消するため、調査することは当然である。すでに何校もの試料は採取済みである。今後、しかるべき公的試験機関で測定して公開するのでお待ちいただきたい。なお、この測定調査に参加している区議会議員は以下のとおりである。

 役人の言い分だけを信じている「素直な」区議会議員は参加していない!

生活者ネットワーク:奈須りえ、北沢潤子、みんなの党:沼田秀弘、柳瀬吉助、たちあがれ日本:犬伏秀一



2011年06月06日(月) だから自民党地方議員はだめなんだ!大阪府議会自民党アホじゃん

 我が国の数少ないマトモな新聞、産経新聞の報道によれば、大阪府議会において「教員に国歌斉唱の際起立させ、府施設において国旗を掲揚する」というフツーの国なら条例も法律もいらない事柄についての条例案が提出されたそうだ。以下、金曜日の産経新聞の転載である。 

大阪府の橋下徹知事が代表を務める「大阪維新の会」(維新)府議団が提案した府内の公立学校の教職員に国歌斉唱時の起立を義務付ける全国初の条例案が2日、大阪府議会の教育常任委員会で可決された。単独過半数を占める維新が賛成し、公明、自民、民主、共産の各会派は賛成しなかった。条例案は3日の本会議で可決、成立する見通し。

維新の条例案は、府施設での国旗の常時掲揚と、府立学校や府内の市町村立学校の教職員に対して、入学式や卒業式での国歌斉唱時の起立を義務付けている。

条例案に罰則規定はないが、橋下知事は職務命令に繰り返し従わない教職員らの処分基準を、免職も含めて明確化した条例案を9月議会に提案する方針。委員会採決にあたり維新は「教育委員会の努力にもかかわらず、なおルールを守らない教職員がいる」と、条例制定の必要性を強調した。

 驚くべきは、大阪府の教育長が「条例化の必要はない」と議会で答弁したらしい。これには、「いつもお役人のご意思の通りに賛成」する自民党と公明党、民主党の府議団は困っただろう。

 橋下府知事の人気にもあやかりたい。しかし、お役人は「必要ない」と言っている。いままで、お役人の言うとおりの議案に賛成してきたし‥結局、お役人の言うとおり「条例化の必要なない」として反対に回ったのだという。

 ダメじゃん!民主党や公明党は仕方ないけど、自民党こそ保守本流を守らなければ。なんでもお役人のおっしゃるとおりでは、痴呆議員と呼ばれてしまいますぞ。

 国旗や国歌という国家の基本的な事項についても、好きか嫌いか、役人はどうしたいのか、という判断基準の大阪府議会議員のお頭を疑う。嗚呼、情けない。志高い大阪府民は次回は絶対に自民党の府議に投票してはいけない。

 ところで大田区の自民党さんはどうよ!今週から始まる大田区議会第二回定例会も質問はすれども、全議案賛成すのは明らか。嗚呼、議論しようぜ!修正しようぜ!

 全国の痴呆議会の与党会派と言われる新人議員諸君!なんでも賛成の君らの会派に違和感を持て!それがなくなったら君らは単なる「政治屋」さ。それでも議員を続けたかったら自分自身の良心に恥じながらがんばれ!それもひとつの生き方だ。私には出来ないが‥



2011年06月05日(日) 負けた!@大田区選挙管理委員会委員選挙

 さる5月30日大田区議会臨時会において、副区長の選任人事の同意と選挙管理委員会委員の選挙が行われた。

 副区長には庁内で就任ウワサのあった「陰の区長」たる森透氏が代表監査委員に収まり、同氏といささかの意見の対立があった野田隆氏が留任。空席だったもう一名には遠藤久代表監査委員が就任した。

 遠藤新副区長の所管事務は、森前部長の掌握していた「おいしい」ところで、この布陣からは、遠藤氏は森氏の傀儡との声も聞こえてくるのだが。松原区長に期待できない分、野田副区長の良識が試される4年になりそうである。

 さて、次は選挙管理委員会選挙だ。選挙管理委員は区議会各会派が推薦した候補から議員50名の選挙で選ばれる。共産党が8名だった前期までは、この委員は所謂与党会派(自民2名・公明1名・民主1名!)によって独占されていた。

 選挙では、票数の足りない民主党に対し、自民が「票を貸して」共産党の候補を落としていた。ところが、今回共産党が9人と1議席増やしたことで事態は変わった。

 最低でも10票を確保しないと当選確実にはならないのだ。そして、長い間、自民党区議団のために貢献し、区長選挙出馬のため除名になった永井前議長を、自民党が推薦しないとの「恩知らず」の愚行にでたのだ。

 いい意味でも悪い意味でも親分肌の永井氏は毎晩のように自民・公明・民主の議員を誘っては、政治談議を繰り広げ、議会の意思統一を図っていた。ある民主党区議などは、永井氏から在任中「100万円以上は驕ってもらった」と言ってはばからない。

 ところがである。区長選挙の応援を見ても「その地位にいない者には用は無い」と言わんがように、彼らは誰一人永井氏の応援をしなかった。今回の選挙管理委員の選挙は「無記名」である。恩知らずでなければ、せめて、民主党や共産党に選挙管理委員を渡さないように配慮すべきだろう。

 自民、民主からも事前に「恩知らずにならない」動きがあった。ところが、これを危惧した「民主党永井派」を自他共に認めていた民主幹事長が、党内の引き締めをし、さらには、国政では政敵、区政では「飲み仲間」の自民党に懇願して、名取憲彦前都議(東電労組出身)の当選のため動いたのだ。

 自民党内にも、まだ永井シンパはいるはずだが、残念ながら「自民公認」がないと当選できないと思っている小心者が多く「恩知らず」な結果になった。投票結果は次のとおりである。( )内は所属議員数

自民党候補 13票(16名)公明党候補12票(12名)共産党候補10票(9名)民主党候補8票(6名)永井候補7票

内訳(いぬぶしの推定。但しほぼ100%正しい)

 永井候補のうち7票はみんな2、ネット2、無所属1、私1、自民1
 民主は、民主党議員6又は5、自民から貸し票2又は3、共産党は、共産9、緑の党

 事前の票読みでは、民主には勝てる予定だったが、まことに残念である。また、上部団体では対立していた共産党に緑の党が投票したことも以外だった。

 裏切りは、世の中では「仲間はずれ」だが、政治の世界では日常茶飯事のようで、国会でも区議会でも同じだ。情けない!根性がないなら事前に「必ず永井さんに投票します」なんて言うんじゃねえよ。根性なしめ!君だよ!

 嗚呼、またく信じられない人々の集団だ。区議会ってところは‥



2011年06月04日(土) 気仙沼支援最終日、ありがとう!

 早いもので今日で医療救護班の私のシフトが終わる。被災地の多くの人々の温かさと、その再建を応援する多くの善意に触れることが出来て大変意義深く、もう一度、いや何度でも来たいと思う。

 さて、今日もいつもと同じ午前5時半起床。6時朝食。7時宿舎出発という段取りである。最後だと思うとたった5日でも名残惜しいものだ。

 今日は午前中は車を使う診療所開設がないので、さてさて何をして過ごそうか、と考えていたのだが甘かった。東京都医療救護班は、一人のマンパワーも無駄にしないのだ。

 都の課長さんから「いぬぶしさん、ワクチン接種の手伝いしてください」と、お呼びがかかった。さっそく、気仙沼市の担当者に「指示を仰ぎ」に出向いた。接種に来場した高齢者の動線誘導をお願いしたい、とのこと。「こき使ってください」と応じると、リーダー格の女性職員さんが「任せてください!こき使いますから」と、冗談まじりに答えた。実は後刻、この言葉が本気だったと知るのだが‥

 高齢者の肺炎球ワクチン予防接種は、大田区でもその接種費用助成(70歳以上5歳きざみ一人4000円)を行っているが、今回の気仙沼市の接種は、65歳以上の高齢者が無料なのだ。

 午前10時から11時までの受付と聞いていたので、しばらく車で休憩をしていると9時半前に課長さんが飛んできた。「いぬぶしさん、すでに始まります。急いでください。」と。えええ!随分早いじゃないの。

 あわてて受付場所に行くと、すでに50人以上が並んでいる。10時開始も30分早めることになった。最初のころは確かに「こちらへどうぞ!」などと交通整理をしていたが、受付の市職員は一人。兵庫県から応援にきた保健師二名は予診票の記入指導で手が回らない。

スタートしたころの会場(まだ余裕があった)

 いつのまにか、受付の机に移動していた。兎に角、殺人的な忙しさである。一緒に「戦う」市職員さんは、予診票のナンバリングと「避難所か自宅か」の聞き取りで、それ以外には手がまわらない。

 私の仕事は、当初の高齢者の誘導のほかに、1.予診票に日付印を押すこと、2.使い終わった体温計を消毒すること、が加わった。と、ところがである。記入を終わった予診票は、診察室手前の箱に入れるようになっているのだが、あまりに人があふれて、通路がふさがれ高齢者では、到底その場所までたどり着けないのだ。

 そこで急遽、私が「書き終わった予診票をお預かりします」と怒鳴って歩くことにした。回収したものを、私が人ごみをかきわけ届けるのだ。ところが、ここでさらに仕事を増やしてしまった。保健師さん2名が、書き方の指導をしているのだが、人、人で到底こちらもマンパワーがたりない。

 そこに「予診票回収係」の私が歩いているのだから質問の嵐である。また、氏名欄には名前が書いてあるものの、ワクチン接種の希望書(同意書のようなもの)への署名のないものが多い。結局、受け取った予診票の内容までチェックせざるを得ないことになった。

午前11時の同じ場所(どうにもならない!)

 その結果、午前中接種者354名、終了時間13時。午後の接種者178名。合計532名の接種の受付業務を担当させて頂いた。立ちっぱなしと走りっぱなしで、いやはや疲れたのなんの。

 戦友だった市役所職員さんから「東京都さんは、マルチで助かったわ!」と、お褒めの言葉を頂いたが「都職員ではありません」とは、東京都職員の名誉のため言わなかった。東京都の職員は頑張る、と思っていただいたほうがせっかくならいいではないか。

 午後2時半ごろには接種業務が終わり、本来業務の運転に移行。明日からのシフトのため気仙沼入りした職員さんと都立病院の医療チームを乗せて避難所の下見引き継ぎだ。人数が多いので、いつも乗っているノアではなく、ハイエースのロングワイドボデイという、なんとも大柄な車両での出発だ。

 普通の道路なら何ら問題はないが、未舗装の狭隘道路でガレキが散乱している被災地を、このバカでかい車で走るのはいささか勇気が必要だ。まあ、それでも無事下見も終了。

 そして、もう何カ月も行っていたように、夕方のミーテイングのマイク係をこなし、ゴミを捨て、ロールカーテンを降ろし、気仙沼での業務を終了した。
たまたま、一通のメールの情報から参加した、極めてコアなボランテイアだったが、本当に多くのことを学ばせてもらった。

 普段、議会では親の仇のようにその「非常識」ぶりを指摘している公務員、との同じ人種が、被災地では勤務時間を忘れて被災地のために奮闘している姿を身近で見ることが出来た。(管理職を含め残業手当はなし)

 また、公立病院の経営的視点を訴えてきたが、そのことにも自ら疑問を感じた5日間であった。気仙沼の医療救護班に集った医師や看護師、薬剤師のほとんどが国立、都道府県立、又は公的機関の所属なのだ。(無論、私立総合病院のチームもいたが)

 経営効率だけ考えれば、人員は最低限に絞って効率的経営を図ることが、民間感覚の経営である。しかし、このような震災時などに柔軟に人材を提供出来る体制を取るためには、それでは無理が生じる。

 反面、そのことを民間病院に期待するのはこれまた厳しい。その意味からは、公立病院は単に病院経営という視点だけで考えてはいけない、と被災地現場での彼らの献身的な活動を身近に見て痛感した。

 また、東京で庁舎のデスクや議場で「偉そう」に防災対策を語ることが、いかに陳腐なことかも考えさせられた。来週から始まる区議会第二回定例会。この体験を語るいいチャンスだが、あえて「質問通告」をしなかった。

 それは、私が今回体験したことは、帰京後、数日で考えて質問したり提言したりする程中途半端な事ではなかったからだ。自分自身の人生観、公務員の在り方、など考えるべき命題を自分の中で解決しなければ、到底、防災対策への議論に辿り着かないのだ。

 ヘトヘトに疲れながら、最後の任務である宿舎への送迎50キロをこなし、宿舎の部屋から荷物を持ってエレベーターに乗った。すると、一緒に乗った若人の防災服は私のそれと同じ。腕章には見慣れた「大田区」の文字が。なんという偶然。気仙沼に来て以来、どこかで「大田区」の文字が見えないか、と思い続けていたら最終日の最後に出会えた。

 東京都の職員にバレないように「ご苦労さんです。区役所で一番嫌われている議員のいぬぶしです。」と、名刺を出し挨拶をした。若い職員さんは、ビックリして大慌てであった。驚かせてすまん!聞けば、大田区保健所の職員さんだと言う。大田区も頑張っているな。お疲れ様!

 行きは、バスで移動したが、今回帰京するメンバーが6名しかいないため、ありがたいことに新幹線を用意してくれた。東京都職員と都立病院医療チームと、最終の新幹線で東京駅に到着まで防災対策、公務員とは、など熱い議論を尽くした。無論、車内販売のお姉さんに嫌がられるほど「すいません!スーパードライもう1本ください!」と、叫びながら。

 深夜12時、やっと地元六郷にたどりつくと、私が著作権者の許可を得て千枚作った「がんばろう日本」シールを着けた若者が商店街のいたるところを歩いている。実は今日、地元の若人の有志が同じ地名の「仙台市六郷地区支援祭り」を企画し、そのボランテイアスタッフが、このシールを着用しているのだ。その心意気は素晴らしい。



 きっと、反省会で遅くまで盛り上がったのだろう。お疲れ様!現地で今必要なもの。それは、救援物資やお金ではない、マンパワーだ。どうか若い方々で時間が取れる方は、是非とも現地に赴いて欲しい。1日でも2日でも。現地の方々の支援もさることながら、自分自身の人生にもきっと大きな力になるはずだ。




 今回の支援活動では、素晴らしいメンバーと仕事が出来たこと、貴重な時間、体験を共有出来たこと、さらには、被災地の多くの優しさ、元気に出会えたこと、心より感謝申し上げたい。

 復興支援のつもりが、実は被災地の皆さんから、大きな人生の指針と元気を頂戴しての活動であった。すべての被災者の皆さんの早期生活再建を心より願ってやまない。

(参考)
気仙沼市災害ボランティアセンター

・住所:宮城県気仙沼市東新城二丁目2-1

・電話番号: 080-5949-7475

 



2011年06月03日(金) 気仙沼支援四日目、感動したお話2件

 気仙沼の医療救護班に入って4日目である。もう気仙沼市内はカーナビがなくてもなんとかなるようになった。今日もいつもと同じように、朝7時に宿舎を出発して本部のある気仙沼市の施設に向かう。

 午前中は、避難所になっている中学校体育館で巡回診療所開設のために医療チームの送迎を行った。体育館前に駐車した車に乗って待機していると、バックミラーに迷彩服の自衛官が見えた。しゃがみ込んで何かをしている。よく見ると半長靴(はんちょうか)と呼ばれる迷彩服では必ず履く靴を磨いている。

 被災地に入れば泥だらけになる靴だ。磨いても磨いても泥になるだろう。しかし、少しの暇をみつけて「普段どおり」に靴を磨く姿に、いたく感動してしまった。もっと言えば自衛官の「誇り」すら感じたのだ。



 磨いている写真は取り損ねたが、靴の写真をご本人の了解を得て撮影した。ピカピカだった。ちなみに、この避難所は、被災者の皆さんは体育館で、自衛官はテント暮らしである。



 避難所での診療が終わり、医師、看護師らと共に昼食に向かった、と言ってもアテがある訳ではない。気仙沼市内の津波被害のなかった繁華街でウロウロ昼食場所を探した。なかなかないのだが、やっと見つけた一軒。たたずまいはいささか高そうだ。私が偵察班として暖簾をくぐって店の中へ。

旬鮮処「菊せん」気仙沼市中前1-2-7

「すみません!ランチの価格っていくら位ですか?貧乏人に払えないといけないので‥」すると、カウンターに座っていた常連さんが「大丈夫だ!俺でも払えるから」と笑顔で教えてくれた。ちなみに、メインの料理を選び380円、それにご飯セット380円をつける。合計760円である。安心して店内に入った。

 サバの塩焼き定食を頼んだ。いやおいしいし付け合せもあり大満足で食べていると、店主らしい若い板前さんが「東京から来てくれたんですね。サービスです。」と、なんと刺身の盛り合わせを出してくれた。さらに、各ネタはすべて人数分盛ってあるという気配り。食後にはコーヒーのおまけまで。涙が出てしまった。ありがたいご好意だ。



 復興したら必ずまた来ます、と言い残して店を後にした。素晴らしい昼食だった。午後は、医療チームと東京都の職員を乗せて県立高田病院の仮設診療所のある陸前高田市コミュニテイセンターにむかう。通常の経路である国道が橋の陥落で使用出来ず、狭い山道を通っての移動である。


陸前高田駅のホームから駅前広場を見る(辛うじて線路が見える)

 その後、陸前高田市立第一中学校にまわる。陸前高田の避難所では盗難被害が多発したため、入り口には神奈川県警の制服警察官が立哨警備にあたっていた。被災地では日本中の警察車両、日本中の自治体の車やら防災服に出会う。わが大田区はどこだ。

 本部に戻り、夕方のミーテイングをすませ、気仙沼市災害対策本部会議に向かう。会議会場の前のホールには「尋ね人」の用紙が処狭しと張り出されている。一枚一枚に家族や友人の安否を気遣う想いが溢れていて、読むほどに涙が止まらない。



 災害対策会議が終わり宿舎に到着したのは午後9時。本日も14時間働いた。走行距離200キロ。明日も頑張るぞ!
 



2011年06月02日(木) 気仙沼支援三日目

 気仙沼医療救護班での活動も本日で3日目となった。今日も朝7時にホテルから救護班本部のある気仙沼市の施設まで都職員3名、医師1名、看護師2名を送ることから始まった。

 片道50キロの一般道を1時間20分程度で走る。本部に到着後は昨日と同様に朝のミイーテイングのマイク係などを務め、避難所まわりに出かける。

 午前中は気仙沼市立鹿折中学校の体育館に設けられている避難所だ。ここで、毎週月曜と木曜日に巡回診療所を開設しているのだ。都立墨東病院の医師、看護師さんを運ぶ。

 10時の診療開始から11時半の終了まで私は仕事がない。少し車内で睡眠をとった後、給食センターからの昼食運びとお手伝いした。被災地においては「手の空いている人間がやる」ということが重要だ。東京都から来た、とか医療救護班だから、というセクショナリズムは無用だ。ちなみに、この避難所の運営は広島県が主体で行っている。

 体育館の掲示板に見覚えのある名前を見つけた。大田区内にある牧田総合病院医療救護班が残していったものらしい。「」頑張って下さい。応援しています」とあった。普段なら同じ大田区の掲示があってもさほど気にならないが、被災地で見る同郷の名前は妙に嬉しいものだ。



 昼食をはさんで、午後からは高台にある公民館の避難所に向かう。この高台に向かうには、気仙沼漁港など被害が激しかった地区を通らなければならない。道路幅も狭く、舗装もされていない。悲惨な景色のなか、途中でうれしい光景にもであった。

街中に打ち上げられた大型船(ここは港ではない。船の手前を通るとファミマだ、とカーナビがしゃべる)

 小さな漁港の脇を通り過ぎようとすると、漁師らしき人々が漁船を囲んで拍手をしている。どうやら、漁船の修理が終わったお祝いのようだ。周辺には、焼け焦げたり打ち上げられた漁船があるのに、ここだけは笑い声が響く。頑張って!!思わず車窓から手を振った。

 公民館には、医療救護班の到着を心待ちにしている高齢のご婦人が集まっていた。バスが不通のため持病の薬をもらいに行けない、というご婦人は、1週間ぶりの医師の来訪に、生活苦や避難生活のグチを話し始めた。イケメンのお医者さんは嫌がる顔もせず、うなずいたり相槌をいれていた。看護師さんたちの満面の笑顔も、被災者の方々の励ましになるだろう。



 診療途中で、薬と湿布薬が不足していることが発覚。「取りに行ってきます!」と、診療中は何もできない私が本部へ戻ることになった。アスファルトが剥げた道を往復40分。高台で孤立している高齢者の辛苦を思えばなんということはない。薬を持って戻った時の皆さんの笑顔は忘れられない。

 夕方本部に戻ると、医師から「左のタイヤのエアが少ないようだ」との指摘があった。確かに減っている。ガソリンの給油ついでにガソリンスタンドで見てもらおうとすると、なんと給油以外は何もできないスタンドだそうで、お隣の自動車整備工場を紹介された。

 社長と思われるご夫妻が出てきた丁寧に応対されたが、パンクに違いないがu今日は技術者がいないので治せない、エアだけ充填してあげるから、この先にあるスタンドまで頑張っていけ、と教えていただいた。「医療救護班」の看板をみて「ありがとう」と。たかだかのことだが、嬉しくなる。

 パンク修理をしてれたスタンドの店長さんは、奥様が看護師で、震災当日は病院勤務で「津波から逃れて上層階にあがったが周辺が火事」とのメールを最後に連絡が途絶え、一時はあきらめたそうだ。翌日遅くに奥様の携帯の着信記録がご主人の携帯にあり、折り返したが通信回線がうまくつながらなかったが、お子さんたちと電話番号を確認して「ママは生きている」と歓喜したそうだ。

 被災地には、こんな多くの人生模様が広がっている。不幸にもお身内が亡くなられた方々も、そうでない方も一日も早い生活再建を願わずにはいられない。 



2011年06月01日(水) 気仙沼支援二日目

 昨日から入った気仙沼市の支援も二日目である。本日は朝7時にホテルを出発、都立病院の医師、看護師2名、東京都職員3名を約50キロ離れた本部施設まで送ることが第一のミッションである。


 本部着が午前8時20分。さっそく朝のミーテイングの準備を行う。ミーテイングは各医療チームの本日の予定、本部からの連絡事項、依頼事項などの発表、意見交換などが行われるが、ワイヤレスマイクを発言者のもとへ運ぶのは私の役目である。したがって、他の参加者は着席しているが、私はたったまま。

 ミーテイングが終わると次なる使命はゴミ出しである。昨晩終了時にすべてのゴミを搬出したはずなのに、救護班用のゴミ捨て場は山もり!救護班本部のある気仙沼市の施設には、様々な団体が間借りをしており、どこかの団体が、共有のゴミ置き場だと勘違いしたようだ。通常なら、ふざけるな!と怒るところだが、みな復旧支援に集まった「仲間」である。喜んで外の、ゴミ集積所まで運ばせていただいた。

 その後、午前中は医療チームを乗せて避難所3ケ所をまわる。ある避難所では丁度お昼ごはんを配っている最中で、ダンボールで囲った「ご自宅」から「お兄さん、これ食べていけや」と年配の女性が声をかけてくれた。大丈夫と拝辞すると、お茶をついで下さる。

 その傍らで、食事を食べていた若者が二人いた。どう見ても被災者ではない。聞いてみると、東京から「ボランテイア」に来て70日目になるそうだ。一人はずっと無職。もう一人はつい最近まで自衛官。どうやって生活しているのかうかがうと、近所にアパートを「借りてもらって」、食事は避難所で食べているそうだ。はたして、これがボランテイアなのだろうか。東京にいれば「フリーター」ではないか。お茶をくれた女性とともに「正業」につくよう諭してしまった。余計な御世話だが…

 午後からは、陸前高田市へ東京都職員を送迎する。帰り道、駅前と高田病院を都職員が案内してくれた。「せっかく来られたのだから、見ておいたほがいい」との配慮である。ひょっとして、区議であることがバレだろうか。別に隠しているわけではないが、仕事がやりにくくなるので、あえて話してはいないのだ。案内して頂いた県立高田病院の院内は悲惨という言葉では表せない状態でる。4階建の4階まで津波に襲われているのだ。

県立高田病院受付窓口の様子

県立高田病院4階病室(床の黒い色は砂)

 気仙沼も陸前高田も同様だが、その壊滅的な景色に言葉を失う。心が萎えてしまうのだ。どうしていいかわからない絶望感すら感じる。なぜ?なぜ?そんな言葉が脳裏を何度も何度も交差する。



 一体、この悲惨な街をどうやって復興していくのか、早く政府はビジョンを示すべきである。菅直人総理は即刻退陣すべきだと思うが、現場を置き去りにしての不信任案提出には、野党に対しても虚しさを感じる。

気仙沼漁港近くで被災した消防団の消防車

 夕方のミーテイングを終え、医療救護班のリーダー役の医師と、東京都職員を乗せ気仙沼市役所災害対策本部へ。週二回行われる災害対策本部の会合のためである。市役所大ホールには、警察、消防、自衛隊、NTTなど関係者が一堂に会している。



 印象的だったのは、同じフロアーに間借りしている「陸自指揮所」にいた迷彩服の隊員が、会合が始まると仕事や私語を中断して椅子に座って姿勢をただし、会議のほうを注視したことだ。立派である。

 会議終了後、ホテルに着いたのは8時45分。お疲れ様!明日も被災地のため頑張るぞ!


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