掛川奮闘記

2008年07月31日(木) 080731_明日から出雲へ行ってきます

 今日も比較的涼しい一日でした。そろそろ雨が欲しいのですが、夕立もあまり降りません。いよいよ明日からは8月です。

 さて、明日の1日から4日まで、私は札幌の家族と共に島根県に小旅行をしてきます。目的は60年に一度の大遷宮を行う出雲大社です。

 この大遷宮の出雲大社では春先から断続的に本殿の見学を許可していて、この夏は8月1日(金)〜8月17日(日)までの間が見学許可の日程です。

 なんと往復葉書で申し込みができることを知らなかったので、明日か明後日に並んで拝観に行こうと思います。

 出雲大社の本殿には一般的な神社と異なる特徴がありますが、特にご神体が横(西)を向いているというのは普通ではありません。そこにどんな古代の謎があるのか、ロマンを感じますね。

【参考】 http://www.remus.dti.ne.jp/~n-makoto/izushinto/izuhonden1.html

 ついでに石見銀山も見てくるつもり。島根県はかなりのスピリチュアルスポットですが、余程の事がない限りそうそう訪ねられない場所でもありますから、存分に見てこなくては。

 現地のパソコン環境によりますが、この間はアップが滞るかも知れません。後々の出雲〜岩見レポートをお楽しみに。 



2008年07月30日(水) 080730_WTO交渉決裂と日本農業

 久しぶりに涼しい風が東京を覆いました。夜の今頃も窓を開けていると涼しい風が入ってきます。
 久しぶりに暑くて目が覚めることのない夜を過ごせるでしょうか。

    ※    ※    ※    ※

 WTOの新多角的貿易交渉閣僚会合(ドーハ・ラウンド)の話し合いが決裂してしまいました。

 日本にとっては当初予想したよりも厳しい数字を突きつけられたにも関わらず、それを飲むという決断を下した矢先の交渉決裂。

 どうやらアメリカと中国、インドの参加国がお互いに譲り合わなかったことから最終の合意が得られなかった、と報道されています。やはり国と国との間のことはきれい事では済まされません。

 日本の農業関係者からは「厳しい数字を飲まされなくて良かった」とか「当然だ」という声も聞かれるようですが、政府の公式見解は町村官房長官も福田総理も「交渉決裂は残念だ」という立場を取っています。

 今年の「骨太の方針2008」でも、地方再生を謳いつつも農業に関しては『21世紀新農政2008』の推進による食料供給コストの縮減や、『平成の農地改革』と称して農地の所有と利用の分離など、農業にも厳しい改革を迫っています。

 日本は全体としてはもうグローバル経済のなかで生きて行くしかない、という大きな決断をしているわけで、そういう文脈の中での農政改革と農業の改革のはず。「輸出産業のために農業を犠牲にするのか」、という声は大きくなりますが、そのことを目的にしていると考えるべきでもありません。

 WTOの決裂は、そうした農業の改革を行うという決断を鈍らせてしまうことに繋がるかも知れません。

 エネルギーコストの上昇も大変ですが、より効率的で低コストな農業を
目指さないと日本の農業は生き残れないかも知れないし、しかしそうは言っても生き残ってもらわなくてはならないのです。

 その上で農業を生産者だけの問題とせずに、消費者の立場としてコスト高に繋がるワガママの何をどの程度我慢できるのか考えたいもの。

 キュウリくらい曲がってたっていいんじゃないかなあ。



2008年07月29日(火) 080729_グーグルスケッチアップ

 仕事の関係で「ちょっとプレゼンをしたいことがあるのですが」という連絡を受けて、防災に関する提案を聞きました。

 お話の内容はさておいて、そのプレゼンのために都内のある地域を3Dで立体的に描き、それをいろいろな角度から見せてくれたのでした。

「これはどういうソフトを使うとこういうプレゼンを作れるのですか?」と訊いてみたところ、説明をしてくれたAさんは「これはGoogleSketchUp(グーグル・スケッチ・アップ)という無料のソフトをダウンロードして作ったものなんですよ」と教えてくれました。



「グーグルスケッチアップですか」
「ええ、これでいろんな形を3Dで立体的に作ることも出来ますし、建築のCADデータで作ったものがあればそれも使えます」

「なるほどねえ。実際に近い地形に建築物の絵を描くなんてことにも使えそうですね」
「まさしくその通りです。高さ情報も持った地形の上に絵を描こうと思えば、グーグルアース(=地球上のありとあらゆる地形を見られるグーグルのサイト)から地理情報をダウンロードしてきて、そこにイメージを描き込めば良いんですよ」

 これを使えば、道路や建物はもちろん、樹木や人の姿のパーツもインターネット上から手に入れることも出来るのだそう。

 こんなに簡単に3Dが、しかも無料で描ける時代が来るとは思いませんでした。プレゼンの仕方もこれからは3Dになって行くのかも知れません。

 動かないパワーポイントよりも数段上のプレゼンが出来そうです。

 グーグルのすごさをまた一つ知りました。

 

 



2008年07月28日(月) 080728_自転車のまちづくり〜ドイツ エアランゲン市

 ときどき出席するまちづくり研究会に出席。

 今日は「自転車のまちづくり」というお題でドイツの人口10万人の都市エアランゲンのまちづくりについてお話を聞きました。講師は最近「ドイツの地方都市はなぜ元気なのか〜小さな待ちの輝くクオリティ」という本を出版されたドイツ在住ジャーナリストの高松平蔵さん。

  

  

 実はちょうどこの本を知人から借りて読んでいる真っ最中で、なかなか面白い本なのです。

 本のタイトルは「ドイツの地方都市は…」と言っておきながら、実はドイツには『地方都市』という単語がないそう。そもそも城壁で敵から身を守る形で誕生した都市国家がその紀元である連邦国家ドイツには、中央と地方という対比の概念がないのです。

 エアランゲンはドイツの右下のバイエルン州に属する人口10万人の都市です。1972年に就任した当時の市長の発案で、「人間と環境との共生」というテーマの下でまちづくりが進められ、その一環として自転車道が整備され始めたのだとか。
 
 そこでの自転車の位置づけはアンチ・モータリゼーションという当時流行のモータリゼーションへの反対ではなく、『交通は平等に』ということからの帰結だったのだそう。

 交通手段には早い、ゆっくり、エンジン、有料・無料、人力、コストなどいろいろな要素がありますが、市民は自動車、自転車、徒歩、公共交通などから最適なものを選んでいるだけ、というのがそもそもの発想。だから車が優先などという考えはないのです。

 そしてドイツ人のライフスタイルとしての健康・余暇という「生活の質」へ親和性が高いのが自転車だし、スポーティというイメージに合致するのも自転車だという考えなのだそう。

 余談ですが、ドイツ車は馬車から進化したスポーティな乗り物というのが基本コンセプトとしてできあがっているのだそうで、どんなに高級な車でも日本車は向こうの方に言わせると「高級なカ●ーラだろ?」という評価なのだそうですよ。

    ※    ※    ※    ※

 話が少し自転車から離れて、まちづくりのテーマになると、高松さんは「エアランゲンでは経済が地元で循環しているという印象を強く持つ」とおっしゃいます。

「ドイツでは『社会的市場経済体制』という言葉をよく使いますが、これは市場経済を社会的にコントロールするべきだ、という考え方がしっかりしているのです」とも。日本のように市場経済万能主義で、野放図に市場経済のなすがままなどという状態をドイツでは許さないのです。

 そして例えば経済の枢要な指標の一つが雇用だそうで、新興の企業の経営状態が駄目になったら早い段階で企業を潰すことをためらわないのだとか。それはうまく行かない企業がだめなまま新たに人を雇用して大きくなったりすると、本当に駄目になったときの失業という犠牲が大きいと判断するから。社会を全体として捕らえている視点がよく分かります。

 そうしてエアランゲンでは、企業と行政、市民の生活の質、文化、経済、人材などが良好に循環して非常に質の高い都市(クオリティ・シティ)が実現していると言います。

 高松さんの言い方を借りると、「大阪なんて、文化や社会資本もたくさんあるのになぜ疲弊しているのか。それは経済が地域内で良好に回っていなくて外に漏れているからでしょうね」とのこと。

 単に安ければ外国でもどこからでも持ってくればよいのだ、という考えでは地域内の循環がよろしくない、という共通認識があるようですね。

  

    ※    ※    ※    ※

 話を自転車に戻して、私から質問を一つしました。「自転車の待ちエアランゲンでは雨の日でも皆さん自転車に乗りますか?また女性も自転車に乗りますか?」

 すると答えは「日本より雨は弱いので、雨の日でも結構乗りますね。雨の中女性も結構乗っていますが、そもそもドイツでは女性が化粧をせずにすっぴんと言うことが多いので気にならないのかも知れません」

「すると女性が化粧をするのが当然という風潮が変わらない限り。日本では女性の自転車乗りは増えないということでしょうか?」
「さあ、それは…(笑)」

 自転車普及のためには意外なところにハードルがあるのかも知れません。本当かな…?



2008年07月27日(日) 080727_雷神の一暴れ

 天気予報では雨は降らない、ということだったのですが、なんだか怪しい空模様。
おまけに暑さも加わって外出を躊躇しました。今日は一日家の中です。

 夕方から雷が鳴り始めて、夕立が来るのかと思いきや川崎方面へはポツポツ程度で強い雨にはなりませんでした。

 夜の八時頃になって、新宿方面がピカピカ光り始めました。カメラを向けて動画で撮影していると、雷が地上に落ちるだけではなく空中をのたうち回る姿が捉えられました。

 空中で何本かの光が一本になるなど、これはなかなか見応えです。

  

  

  

    ※    ※    ※    ※

 自分の経験の中では10年以上前に水戸で見た雷が一番すごいものでした。まさに雷雲の真下で、上空で上から下へ、右から左へと稲光と雷鳴が暴れ回り、これ以上はない一大スペクタクルでした。

 地球の温暖化に伴って、気象も穏やかさが次第に失われつつあります。降れば土砂降りで、降らなければ干ばつ。雷もより強烈になっているような気がします。

 「雷様がおへそを取りに来る」なんて言うと笑われそうですが、最近の雷様は「へそだけじゃ物足りない」と言いそうでちょっと怖いですね。

 雷様にあたらないおまじないは「くわばらくわばら」

 死語に雷神になった菅原道真公の領地だった桑原には落雷がなかったからだとか、雷様は桑の木が嫌いだからから、とも。

 私は遠くから眺めることにします。



2008年07月26日(土) 080726_料金不足

 外の用事から帰って郵便受けを見ると、封書が届いていました。

 それが変わっていたのは、料金不足の葉書が貼り付けられていたこと。どう見てもそれほど重すぎるわけでもありません。

 料金不足の額は「80円」で「基本料金が不足しています」とのことで、全部じゃないですか。封筒を見ると「料金後納郵便」となっています。
 料金は出し主に請求しないのかな。

  

  

 受け取るか受け取らないかは選ぶことが出来て、「郵便物を受け取る場合は不足料金をお支払いいただきます」、または「郵便物をお受け取りになりたくない場合は、不足料金はお支払いにならなくて結構です」と書かれています。

 受け取り拒否するような郵便物じゃないので受け取ろうと思いましたが、どういうことかわからないので郵便局へ電話してみました。

「あのう、料金後納郵便物のはずだのに、郵便物に料金不足の葉書がついてきたのですが」
「はい、少々お待ちください…」と少し待たされた後で「お待たせしました。こちらは料金後納郵便なのですが、多分郵便局に持ち込まれずに、そのままポストに入れられたんだと思います」

「へえ、料金後納郵便は郵便局に持って行かないと行けないんですか」
「ええ、そうなんです。そのままポストに入れられてしまうと、請求できないんです」

 いろいろと話をするうちに「まあ今回は不足料金は結構です」ということにしてくれました。

 世の中いろいろなことがあるものですねえ。



2008年07月25日(金) 080725_野毛の大道芸

 今日は一日横浜で勤務。やっぱり暑いけれど、海が見えると気持ちだけは少し爽やかです。

 夜に馬車道から歩いて野毛地区の中で暑気払いへと繰り出しました。盛り上がって飲んでいると野毛地区の通りが随分と賑やかです。なんと昨日と今日が有名な大道芸祭だったのです。

 我々の飲んだ居酒屋さんの自慢はきれいに丸く並べられた餃子。これはきれいだし美味しい!

  

 さて、そこで賑やかにやっていると、そこへ着物姿のお姉さんが登場。「はい、紙切りです〜」 どうやら紙切りの大道芸でお店を回っているのでした。紙とはさみ一丁の真剣勝負の始まりです。

  

    ※    ※    ※    ※

 最初のうちは自分の得意ネタを披露してくれましたが、途中からはお客さんのリクエストに応じて切り絵を見せ始めてくれます。常連のお客さんの横顔を切っているうちは良かったのですが、酔った我らの同僚からはついに、「ちゅら海水族館!」という過酷なリクエストが出ました。

「ち、ちゅら海水族館…ですか?う〜、よくわかんない〜(笑)」と言いながらももうはさみは動いています。

「よく分からないからイメージです、すみません〜(笑)」と言いながら、ジンベイザメを見て喜ぶ子供達の姿がちゃんと描かれています。プロってさすがですねえ。

  

    ※    ※    ※    ※

 一通り終わると、お客さんからはもちろんご祝儀。慣れた方はちゃんと小さなのし袋を用意してあります。

 感心して「あぁ、ご祝儀袋をちゃんと用意しているものなんですね」と後ろで飲んでいた常連さんに声をかけると、「そう、そういうもんだよ」とちょっと自慢げ。

 粋な姉さんには粋な常連客と行きたいものです。

  



2008年07月24日(木) 080724_スポーツによる地域ブランド

 大変失礼しました。土用の丑の日を一日間違えてしまいました。本当は今日でした。

 昨日のスタミナ蕎麦は知人たちから「全然美味しそうに見えない」という大ブーイング。挙げ句の果てには「こままささんの料理の写真はいつもこのお皿ですよね」とまで言われる始末。

 やはり食事を美味しく見せる最後は美しい盛りつけですね。ちょっとそこを考えなくては…。うーむ。

    ※    ※    ※    ※

 先日、日本では珍しいスポーツのNPO団体である湘南ベルマーレスポーツクラブのお話を聞く機会がありました。

 こちらはフジタ工業のサッカーチームが鞍替えをしたベルマーレ平塚(当時)という市民サッカーチームを設立させたことをきっかけに、スポンサーを持たないNPOとして地域密着のスポーツ文化を広めることを目的に設立をされたのだそう。

 今は湘南ベルマーレとなったプロサッカーチームのブランドやスポーツノウハウを活かしながら、様々なスポーツの振興を行い、スポーツの楽しさを地域で分かち合うという理念を持った活動をしています。

 そういうお話を聞くとやはり気になるのは収支構造です。基本的な収入はイベントや露出によって得られるスポンサーフィーと、スポーツスクールを行う際のスクールフィーが中心です。

 最近は指定管理者制度という制度によって、公共施設を民間でも管理できるようになりましたが、それを使って馬入ふれあい公園や大磯運動公園などの公園管理も行っているそう。

 本来の指定管理者制度であれば、自分たちが管理する公園の料金やイベント企画を自由に行って管理も行いながら収入が得られるはずなのですが、日本の場合はまだまだ行政が「管理は任せるが口出しはする」という体制が残っていて、公園を全く自由に使うということが難しいのです。

「やはり自分たちが自由になる土地が欲しいですね。そうしたらもっといろいろな企画をして参加者の皆さんに喜んでお金を払ってもらえるような催しが出来るのですが…」

 聞くところによると、ヨーロッパには「この土地を100年間にわたって月々1万円で貸してやる」というようなシステムがあるそうで、そうやってノウハウのある民間団体を活かすことで地域のスポーツ文化振興を進めているのだとも。

 日本の公共施設は、利用者の公平性という名の下に結局は本当に使いたい人が使いたいように使うことが出来ずに、非効率な面だけが残されています。

 公共の土地をもっと有効活用できないものでしょうか。そんなところにももしかしたら官業の非効率が見受けられるかも知れません。

    ※    ※    ※    ※

 この湘南ベルマーレスポーツクラブが最近始めたのが、高齢者向け健康教室だそうです。一回500円の回数券で、スポーツ指導者が集まってきた高齢者にストレッチと軽いジョギングを指導するという単純なものですが、これが意外に参加者から強い支持を得ているのだとか。

「そんなことくらいで人が来るものか、と思いますが」と私。
「それが、実際やってみると50人くらいは来るんですよ。集まった最初の30分はみんなおしゃべりばかりしていますが、実はそれもストレス解消の大事な時間なんです。皆さん、話し相手もいなくて、ここだったら言いたいことを言えるんですね」

 高齢者の健康なんて、スポーツ身体機能を高めると言うよりはストレスを解消して明日への楽しみを持ち続けることが一番なのかも知れません。

「本当は500円と言わず、もっといただけると思うんですが、行政が…(苦笑)」と言われると…、うーん。

 ドイツなどでは地域の地ビール会社がスポンサーになってそうしたスポーツ活動を支援し、スポーツの後にクラブハウスで飲む地ビールには消費税を免除するという地域行政を行っているところもあるとか。

「そうすると地域にお金が回るんですよ」本当だ。なにもお上が全て税金で吸い上げてまた配分するようなことをしなくても、地域内での配分が楽しみと共に奨励されるようなことももっとあるべきです。

 地域のブランドを建築物や食、遊などの決まり切ったものではなく、スポーツ文化というもので彩るというのは実に面白い発想です。

 本来のJリーグの発想もそこにあったはずなんですね。

 これからも湘南ベルマーレを注目していきたいものです。



2008年07月23日(水) 080723_土用の丑には「う」のつくものを

 連日暑い日が続きます。明日は土用の丑の日。

 平賀源内が知り合いの鰻屋に頼まれて「本日土用丑の日」と書いた紙を店先に貼らせたのが、土用の丑の日に鰻を食べるようになったエピソードとして知られています。

 もっともこれは、丑の日には「うし」なので「う」のつくものを食べると良いという民間伝承があったから、という説もあって、そうなると必ずしも鰻でなくてもよくて、うどんやうずらの卵でもよいのかも。

 土用の丑の日は知っていても、フトコロ事情が鰻を食べるのをなかなか許してくれず、うなぎではない「う」のつく食べ物を、ということで、今日は「ウルトラスタミナ蕎麦」をつくりました。ちょっと苦しいかナ…。

 このウルトラスタミナ蕎麦というのは、スタミナのためにはネバネバが良い、ということで、さっと茹でたオクラに山芋、納豆そしてガゴメ昆布の粉末を冷やかけ蕎麦でいただくという趣向です。

  

 写真で見るとなんだかすごい様相ですが、これをぐちゃぐちゃに混ぜて食べるとこれが実に美味しくて、幸福感に満ちあふれます。

 もっとも、食べながらなにかネバネバが物足りなく感じて、何が足りないんだろうと考え、「そうか、なめたけを入れなかった!」と気付きました。

 ここまでやったのなら、なめたけや落葉キノコ(イグチ)などのネバネバきのこがあればさらに完璧だったはず。次回はそれも加えてスーパーウルトラスタミナ蕎麦と参りましょう。

 暑い夏の乗り切りレシピ。お試しあれ〜。 

 



2008年07月22日(火) 080722_役得な一日

 午後に、国土交通省の若手職員による東京湾岸の事業視察に同行。

 普段はなかなか外の現場を見る機会が少ない彼らの目を少しでも肥やそうという企画です。

 大規模再開発事業である晴海のトリトンスクウェアからスタートして、月島の街並み、佃島での街並み、豊洲エリアでの区画整理事業などを見て回りました。

 佃島では、NHK朝の連続テレビ小説「瞳」の撮影が行われていて、主演の西田敏行さんや榮倉奈々さんの後ろ姿をちらっと見ることができました。

  

 しかもその後で路地を歩いていたら、向こうから榮倉奈々が歩いてくる〜。すれ違うだけでしたが、とっても背が高くて顔の小さなお嬢さんでした。もっと人気がでる成長株の女優さんです。

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 視察の最後はフジテレビで企業CSRについてのヒアリングを行ったのですが、「せっかくだからスタジオを見せてあげましょう」ということで、スタジオ巡り。

 お昼の小堺一機司会の番組「ごきげんよう」のスタジオを見せてもらいました。客席と出演者の距離が思ったよりも近くてびっくり。

 記念写真を撮ってもらいましたがちょっとピンぼけだったのが残念です。

 今日はちょっと役得な一日でした。

  



2008年07月21日(月) 080721_やっぱり地デジはきれい

 連休を札幌で過ごし、今日の昼の飛行機で東京に戻ってきました。

 連休中の札幌は最高気温が27℃ほどで、本当に涼しく過ごせました。東京も30℃を少し超えたくらいであまり変わらないような気もしますが、湿度が高いため体感温度は雲泥の差。

 涼しいだけでこんなに幸せか、と思う三日間でした。

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 昨日やってきたプラズマテレビは、アナログ放送も写りますがもちろん地上波デジタルも写り、その差が分かります。

 買うまでは、「地デジと言っても、番組の内容に変わりがあるわけじゃないし、きれいかきれいじゃないかの差にお金を払うなんて馬鹿らしいなあ」と正直そう思っていましたが、アナログ放送とデジタル放送を見比べてみるとその差に圧倒されました。

「あ、こんなに違うものか…!(絶句)」

 しかし、きれいなのはよいとして、地デジは新しい技術であるために、これまで使っていた放送施設が使えず、地デジの写るエリアを順番に拡大しているところですが、まだまだ山奥などは施設の設置が間に合っていないのも事実。

「きれいなのは分かるけど、うちはまだ写らなくて…」という恨み節も聞こえてきそうです。人口カバー率を上げようとするとどうしても大都市から先に整備も進むことになり、ここでもやはり過疎地は後回し。なんとかならないものでしょうか。

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 さて、プラズマテレビはきれいなのはよいのですが、使い始めの初期に同じ模様をずっとうつしっぱなしにしていると画面が焼き付けを起こすという欠点があります。

 テレビゲームなどをやりすぎて、持っているアイテムのインジケーターを同じところにうつしっぱなしにしていると、その文字が画面に焼き付いてしまうのです。

 かつてはパソコンのブラウン管モニターも同じ現象になり、これを防ぐためにスクリーンセーバーという、一定時間使わなければ画面が切り替わる工夫がされていました。

 しかしテレビではそうもいきません。最初のうち蓮古式をつけて画面を切り替えなくてはならないようです。なんだか面倒くさいけど仕方ありませんね。
 一応この週末の帰省目的は達しました。

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 そうやって家のテレビを最新型にして、また単身先に戻るとそこにあるのは14インチのブラウン管テレビ。

 はー、まあ何をやっているかを知るだけならこれでも充分なんですけどね。

  



2008年07月20日(日) 080720_さよならカセットテープ

 今日は新しいテレビがやってくる日。テレビ周りを少しきれいにしておこうと、テレビ台の中を整理しました。

 すると、この言えに引っ越してきたときに入れたまんまの小物類がたくさん出てきてびっくり。「一年使わなければ捨てても良い」とはよく言われますが、そもそもあったこと自体忘れていたようなものがたくさんあるのでは、収納スペースというものも善し悪しですね。

 そんな小物の中に、むかし一生懸命勉強した英会話のカセットテープがありました。さすがにもう聞くこともない、と思い、全部捨てることに。

 おそらくこれを「もったいない」と思ったら、家中この手の思い出の品々が残ってしまい事でしょう。

 昨日と同じ今日で良いのであれば余計な苦労もいらないけれど、黙っていると陳腐化してしまうものもあるのです。

 さすがにカセットテープじゃもう思い出の品にもならないようです。

  



2008年07月19日(土) 080719_我が家にWiiが、キターーーーー!

 暑い日が続きます。窓を開けて寝ていても、朝の4時か5時くらいに一度目がさめてしまいます。いよいよ夏ですね。

 そんな暑い日が続く中、この週末私は北海道へ脱出です。早めに着いた羽田空港は夏休みの子供たちがたくさん楽しそうにしていました。燃料が高い分、より濃密な旅にしてほしいものですね。

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 さて、今回の帰省での課題はテレビの購入です。長く使っていた家のテレビもどうやら寿命が来たようで、チャンネルによって画面に異常な波線が現れる不具合が出てきたのです。そこでついに買い換えを決意したのがこの週末というわけ。
 札幌駅へ着くと同時に家族と駅周辺の電気屋さんで待ち合わせをしてテレビコーナーを練り歩きました。

 さすがにもう薄型のテレビしか売っていませんが、液晶かプラズマかという選択肢の中から今回は「清水ダイブ」でプラズマテレビにしてみました。細かい表現力が選択のポイントです。

 家への到着は明日。オリンピックに間に合いました。

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 大きな買い物をしたのでポイントがたまって気持ちが大きくなっていました。他の売り場を散策するうちに、Wiiが目につき、子供たちに「買わないの?」とねだられてついポイントで買ってしまいました。

 WiiFitも併せて買ったので、遊びながらの健康管理ができるでしょうか。

 それにしても札幌は涼しい。これが一番の健康への道かもね。



2008年07月18日(金) 080718_時代を変えた男、野茂英雄

 大リーグでも活躍した野茂英雄投手が引退を表明したのだそう。

 トルネード(竜巻)とあだ名された独特のフォームから繰り出されるストレートとフォークで三振の山を築いたあの投球ももう見られないかと思うと寂しい限り。

 野茂が偉大なのは、日本のプロ野球界にとどまらずに自分自身の活躍の全盛期に大リーグを目指し、そこで大活躍をしたこと。彼のお陰があればこそ、日本プロ野球界のレベルの高さをメジャーの各球団に印象づけることが出来たのです。

 そしてそのことが、後のイチローや松井、松坂などに見られるように、メジャーリーグが日本の選手を受け入れる素地を作り上げました。まさに日本のプロ野球を大きく変えるエポックを作り上げたのが野茂英雄なのです。

 日米通算201勝155敗、メジャーでは両リーグでノーヒット・ノーランを達成した偉大な投手です。長い間ご苦労様でした。

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 そういう野茂を受け入れたのが、またアメリカという国の懐の広さでしょう。国籍がどこであろうと、活躍する人を正当に評価して受け入れる。そういう国柄こそが、世界中からの優秀な能力を惹きつける魅力なのです。

 そういう魅力があればこそ、どこの国の人であろうが試合というプラットフォームが形作られているのはアメリカであり、アメリカが繁栄するという構図が作られています。

 「ウィンブルドン現象」という言葉が経済の分野で語られます。ウィンブルドンはイギリスの伝統的なテニス大会なのですが世界中から強豪が集まってくるためにイギリスの選手が勝ち上がることができなくなりました。

 そのため、「自由主義貿易のために自国が利益を得られないこと」という意味で「ウィンブルドン現象」という単語が使われています。

 しかし逆に言うと、自国の選手が活躍できなくてもウィンブルドンといえばイギリスでなくてはならないわけで、世界中からプレイヤーを招き入れる魅力がそこにあるということですね。

 もはやグローバルな経済ということは、そうした考え方を受け入れて、世界のプラットフォームになる競争に飛び込まなければ勝てないということを常識とすることなのではないでしょうか。

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 日本を代表する文学賞である芥川賞は今年、「時が滲(にじ)む朝」を著した中国人の楊逸(ヤンイー)さんが受賞しました。

 ある友人は「日本の文学賞が外国人に賞を与えていいのかなあ」と憤っていましたが、私のグローバル世界論と意見を交わすうちに「そうか、そういうことなんだな」と理解を示してくれました。
 
 良いものを素直に良いと認める社会こそが、これからの日本の進む道。そうして世界に飛び込み、世界を受け入れるしかこの国が生きて行く道はありません。
 
 大分県での教員採用にまつわる贈収賄事件を見るにつけても、狭い世界がうまく行っていれば良い、とするローカルルールという名の既得権に対する社会の拒否感の現れと見えます。

 グローバル化する社会の変化の方向を、そういう文脈で読み取れば、ローカルルールを存続させることはもはや難しくなっているのだ、と思わざるを得ないでしょう。

 誰が憎いのでもなく、どの個人を批判しようというのでもなく、変化している社会に対して、その先を行く(作り上げる)か、その変化について行くか、その変化に取り残されるか、という選択肢しかないのだと思います。


 野茂さん、ご苦労様でした。そしてありがとう。  
 
 



2008年07月17日(木) 080717_教育二題

 教育二題。

 山口県の少年がバスジャックをして逮捕されました。事件の前の日に父親と口論になり、家を出て名古屋でナイフを購入すると高速バスに乗り込み事に及んだとのこと。

 父親と女友達との交際を巡って叱られたことで、「家をめちゃくちゃにしたい」ということが動機だという報道が流れています。

 いかにも若者の短絡的で衝動的な犯罪という印象ですが、どういった背景があるのかが分からないままでは単なる興味本位の憶測だけが飛び交いそうです。

 犯人の少年が通っていた中学校の校長がインタビューされて「心が育っていないということを考えると学校にも責任があったのかと…」と答えていました。

 社会はこういうときに、学校にどこまでの責任があると思うのでしょうか?対マスコミ的に低姿勢になって置いた方が批判が少ないという計算はあるとしても、似たような境遇と環境にありながら多くの子供達は忍耐が効いているはず。

 最後の瞬間の人間の判断に対して、回りはどこまでの責任を感じるべきなのでしょうかね。

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 今日も懇親会があって、自由が丘のイタリア料理店で盛り上がりました。

 今回新しく加わってきた方と親しく話をするうちに、お子さんの勉強の話題になりました。

「いや〜、子供の勉強を見ているけど、小学校5年生で塾の問題に解けないものが増えてきて、6年生だとだいぶ解けなくなるんですよ」

「そんなに難しいんですか。そうなると問題を解けるのって特殊能力のようなものですね」
「外国に、5、6歳でバイオリンがめちゃくちゃ上手に弾けたりする子がいるでしょう。幼いときに特別な訓練をすればそのくらいのところまではいく子が出てくるんでしょうけれど、その先にさらに能力を伸ばしたという話をあまり聞きませんよね。僕なんか今の中学受験を受けたとしても合格する気が全くしませんよ。この特殊能力の先にどんな意味があるのかなあ、と思いますね」

 教育って長い目で見た結果なので、ひとそれぞれにいろんな過程をたどって成長してくるはず。

 なんだか考えてしまいますね。



2008年07月16日(水) 080716_タイヤに窒素って…

 今日も職場の人たちと懇親会。続くときは続くのです。

 話題の中で「私は週末に自転車で都内を巡っているんです」と話をしたところ、その話題を引き取る形で隣にいたAさんが「そういえば最近ガソリンスタンドへ行くと『タイヤに窒素充填します』という看板がかけられていますが、タイヤに窒素を入れるとなにかいいことがあるんですかね?」という話題に。

「あ、あれは良いらしいですよ」という向かいのBさん、しかし根拠がどうも怪しげ。

「何が良いんですか?」
「まずタイヤから空気が抜けにくくなるそうです。そして走行音が静かになるとも言われています」

「え〜?その理由が分からないのですが」
「私も分からないんですけど、分子が大きいから抜けないとか…?」やっぱり怪しげな伝聞情報のようですねえ。

 ネットで調べてみると、確かに「タイヤに窒素を入れました」という話題は結構飛び交っているよう。

 しかし「運転者に何も教えずに車を運転させたところ、音が静かになったという人がいた」という報告もあれば、「眉唾もの」と切り捨てる人もいます。

 タイヤ一本に窒素を入れるのにはだいたい500円というのが相場のようですから、4本で2000円。「効いた」という報告も、ガソリンスタンドの回し者かもしれないし、匿名の情報が信じられない典型的な事例のよう。

 真実はどこに?しかしお金をかけて試すのもなんだかあほらしい話題ですしね。

 自転車に入れるサービスってあるんでしょうかね?誰か教えて。



2008年07月15日(火) 080715_変化を感じ取る力

 ブログがその日に更新できない日は大抵夜遅くまでの飲み会があったとき。

 夕べは途中の電車で寝入ってしまうのを乗り過ごさないように必至になって、何とか家までたどり着くと夜中の1時10分。ひ〜、最終電車でべろべろですわ。

 今夜は札幌から出てきた知人との飲み会で、北海道はどうあるべきかで大いに盛り上がりました。

 東京にいて強く感じるのは、地域がうまくやるための見えないローカルルールは認めないという意思のような気がします。

 グローバル社会へ飛び込むための前提として、公平な社会を追究しなくてはならない。そのためには、不公平がまかりとおるローカルの事情も認めない、という意識を感じるのですが、どうでしょう。

 北海道開発局での入札妨害などでの逮捕者が続出したことや公正取引委員会による談合疑惑への調査などは、そうした意思に現れのように思います。

 これまでは地域それぞれの事情に対して、暗黙の仕方なさを許容していたのですが、いよいよそれをもう許さない社会を目指すというのが国家の意思として明確になってきたのではないかと。

 社会の変化の方向をどう考えて、それゆえ自らはどう変化すべきかを考えたいものです。なかなか大変なことですがねー。



2008年07月14日(月) 080714_東京のイタリア街

 今日も東京は外を歩くと熱風が吹き付けます。でもまだ梅雨が明けていないんですね。

 さて、昨日の東京巡りで出会った不思議な空間がこちら、イタリア街(ヴィータ・イタリア)。

  

 こちらは汐留土地区画整理内での開発事業で、汐留シオサイト5区と呼ばれる一角ですが、イタリアのエミリア=ロマーニャ地方にあるレッジョ・エミリアという待ちをモデルにしたイタリアデザインのエリア整備が進められているのです。

 こちらはエリアデザインを統一して、それぞれのビルがデザインコードに従って建築を進めています。しかしこの地区が本当に求めるまちづくりは単なる景観づくりだけではなく、住む人やお店に立ち寄る人たちとの関係をつくるということに理想を持っているとも。

 実際、屋外のカフェで過ごすカップルを見ると、こういう雰囲気は良いなあと思います。

  

 東海道新幹線が東京駅に着く直前に「なんだかイタリアみたいな不思議なデザインのビルがあるなあ」とぼんやりと思ったことがありましたが、それがまさにイタリア街のビルでした。

 昨日は暑かったためあまり人が歩いていませんでしたが、もう少し人がいるともっとイタリアっぽかったですね。

    ※    ※    ※    ※

 デザインコードを統一しているので、コンビニもフランチャイズ独自の看板を出すことは出来ません。ファミリー●ートも壁にマークが貼ってあるだけです。デザイン統一を一つの考えでやるとこういう風景が作れるという見本の一つですね。

  

 今度は食事でもしてみようかな。



2008年07月13日(日) 080713_波除稲荷神社と佃天台地蔵さま

 まだ梅雨明けにはならないものの全国的に暑い一日となりました。東京も今日の最高気温は32℃とか。ふう。

 そんな中ですが、久しぶりに自転車による東京巡りを敢行。今まで行きそびれていたところの落ち穂拾いのような旅です。

 まずは芝離宮恩賜庭園へ。浜松町からモノレールに乗って羽田空港へ向かうときに進行方向左側に見えるかつての大名庭園ですが、まだ行ったことがなかったのです。

 ここ芝離宮庭園は、かつては海だったものを明暦年間(1655〜1658)に埋め立てられ、延宝6(1678)年に老中で小田原藩主だった大久保忠朝の邸地となったのだそう。

 忠朝は上屋敷を立てる際に藩地小田原から庭師を呼び寄せて作庭し、これを「楽寿園」と命名したのだとか。やがていくつかの大名の屋敷替えを経て、幕末には紀州徳川家の芝御屋敷となりましたが、維新後に有栖川宮家のものとなりさらに明治8年に宮内庁が買い上げて芝離宮となったもの。

 大正12年の関東大震災によって建物と樹木のほとんどを消失したものの、翌大正13年1月に昭和天皇ご成婚記念として東京市(当時)に下賜され、同年4月からは一般公開が始まりました。現在は東京都の公園として管理がなされています。

 大震災で焼けたとは言え、今でも立派な樹木がよく手入れされていて、都会の中のオアシスといった感じ。庭の奥の大きな樹木越しに都内の超高層ビルやモノレールなどを見ると、伝統と現代が同時に見られてまさに『モダン東京』の代表的な景観といえるかも知れません。

   

    ※    ※    ※    ※

 続いては築地場外市場へと向かい、こちらで波除稲荷神社へお参り。

 江戸開府の頃は築地のこのあたりはもちろん、日比谷のお堀のあたりまでがまだ海でした。江戸開府に伴ってお堀の揚げ土で日比谷の入り江から埋め立てを始めた江戸湾は少しずつその面積を広げ、明暦大火の後に四代将軍綱吉公が手がけた最後の埋め立てがこの築地だったのです。

 しかし工事は堤防をいくら築けども激しい波が土をさらい、困難を極めました。そんなある日、海面を光り輝いて漂うものがあり、船を出して拾い上げてみるとそれは立派な稲荷の大神のご神体。

 人々は皆畏れて早速現在の地に社殿を建てお祀りをしたところ、それからは波風がおさまり埋め立てが萬治2(1659)年に無事に完成できたとのこと。
そしてそれ以来、人々はその「災難を除き、波を乗りきる」という御神徳を讃え、『波除稲荷神社』として地元の崇敬を集めているというわけです。

 人生の困難な大波を感じたときにはここへお参りに来ると良さそうです。

  

    ※    ※    ※    ※

 最後は佃島の佃天台子育て地蔵。

 かつての埋め立て島である佃島の面影を今に残す佃地区ですが、ここにある佃天台子育て地蔵さんは、密集地帯で家と家の間の幅50センチほどの通路を30mほど入ったところに忽然と現れるお地蔵さんです。

  

  

  

 こんなところにお地蔵さんを祀るとはいかにも珍奇な風景です。

 江戸はまだまだ奥深い。



2008年07月12日(土) 080712_早稲田シンポジウムに参加する

 早稲田大学で開かれたまちづくりシンポジウムに参加してきました。1993年以来毎年開かれているものですが、今年のテーマは「時空間を『シェア』する21世紀の都市・地域づくり」というもの。

 広場の勉強をしてきたなかで、空間や土地を様々に『使い分け』することで、より活力ある社会が出来る、という持論に至った私としては、非常に興味深いテーマなのです。

 早稲田大学へ来るのは久しぶりのこと、もう10年ぶりくらいでしょうか。樹木が大きくて良い雰囲気ですが、学舎の改築も進んでいるようで、活気に満ちています。

    ※    ※    ※    ※

 さて、会の冒頭は早稲田大学の浅野光行先生による問題提起です。



 一言で「シェアする」と言いますが、このシェアというのは実はいろいろな意味があります。ちょっと考えてみるだけで、市場占有率と言う意味でマーケットシェアなどという言い方から、ワークシェア、タイムシェア、ルームシェア、カーシェアリングまで結構多彩。しかし今回のシンポジウムの趣旨から言うと
物事を『分け合う』という意味で使う『シェア』にスポットを当てたいと思います。

 朝の先生の主張は、今日の社会を見てみると結構シェアする兆しがあるのではないか、ということ。

 例えば、環境問題は環境を有限な共有財産と考えて、後世とこれをシェアしようと言う考え。また都市計画行政でも、準都市計画区域などこれまでの線引きから柔軟な対応をし始めています。

 土地で言うと、大きな土地を細分化して所有することをずっとやってきたのがここへきて建物をみんなで所有してみんなで使うという意味で、共同建て替えやコレクティブハウス、コーポラティブハウスなどの動きが出始めています。

 交通空間ではEUが積極的な実験を行っているほか、パリではバカンスで市内に人がいなくなる一ヶ月間に、セーヌ川河畔のポンピドー高速道路を約800mにわたって高速道路を止めてカフェにしているそう。

 これまでは道路は道路、公園は公園、民地は民地という縦割りの所有による区分がそのまま管理の区分になっていたのですが、すでに普段は道路なのが一定の期間に歩行者天国やオープンカフェとして公園的な利用がされ、また民地の一部が公開空地として一般に開放されるなど、がちがちの縦割りからシェア的な考え方が少しずつ増えてきています。

 「シェア」という概念にますます興味が湧いてきました。

 限りある資源は時間、空間を超えて使い分けをしたいものです。





2008年07月11日(金) 080711_iPhone対日本の携帯の対決

 Apple社からiPhone(アイフォン)という携帯電話の新機種が世界で最初に日本で発売になりました。

 日本ではソフトバンク社が代理店になって販売をすることになりましたが、発売三日前から並ぶ人も現れ、今日で1500人以上が並んでアイフォンを買い求めたのだとか。

 随分事前の宣伝が上手だったようですが、日本ですでに発売されているドコモ905、906シリーズを始め、日本の携帯電話もこれを迎え撃つ形で激戦が予想されます。

 今回のアイフォンは、アップル社が世界で爆発的に売りまくった音楽再生機のiPod(アイポッド)に携帯機能がついたようなもので、機能的に見ると、日本の携帯の方にはすでに当たり前となっているワンセグテレビなどがついていなくてやや見劣りする感じ。

 おまけに通信料も結構割高な設定で、デザインや新奇性に飛びつく層は限られているのではないか、というのがおおかたの予想のようです。

    ※    ※    ※    ※

 かくいう私が携帯で使う機能といえば、家族との電話やメール、それにFMラジオと録音した音楽を聴き、そしてワンセグを見るというあたり。なかでも特に便利だと思っているのがワンセグの録画機能です。

 今の単身赴任先にはビデオがないので、面白そうなテレビはそのまま見なくては行けないのですが、そのビデオの変わりをしてくれるのがワンセグ機能というわけ。

  

 内蔵のメモリーカードのメモリ量を多くすればそれだけ沢山の番組が録画できるというわけ。そのうえで、通勤時間帯にイヤホンをしてワンセグを見れば時間を効率的に使えて、非常に便利に感じています。

 ワンセグは電波がそれほど強くはないので、移動しながら録画をするというわけにはいかないのですが、家の窓際に置いて録画をすればきれいな映像が楽しめます。

 S●NYなどは、据え置き型のビデオで録画した番組を同社製の携帯に送り込むことが出来るという機能をウリにもしています。これなら自動録画をさせて携帯で持ち歩いた先で見る、ということがもっと簡単になってきます。おそらくこういう機能が今後は充実してくることでしょう。

    ※    ※    ※    ※

 そんなわけで、私自身は今回のアイフォンにはほとんど興味が湧いていません。

 市場が成熟してくると、多様な好みに多様な機能で答えなくては行けないので余計なものがごちゃごちゃついたものになり、結局特徴が何かよく分からなくなりがちです。
 
 そう思うと、ワンセグ機能などをばっさりと捨ててアップルブランドを全面に押し出した今回の戦略がどのような結果になるかということには興味があります。

 さて日本の携帯ユーザーはどんな答えを出すでしょう?

 私自身の感覚も問われているのですが。

   



2008年07月10日(木) 080710_環境問題の解決には海と鉄

 時々参加しているローカルデザイン研究会が今日も開催されました。

 今日の講師は、山に木を植えた漁師として教科書にも載ったまちづくり漁師の畠山重篤さんです。

 畠山さんは、気仙沼湾で家業としてホタテと牡蛎の養殖を行いながら、湾に注ぐ大川上流の室根山に広葉樹の植樹を続けてきたのでした。合い言葉は「森は海の恋人」。

  
 
 山に沢山の木を植えた結果、海の養殖環境は改善が進んだのですが、ご本人の言葉を借りると「それは単なる植樹ではなく、流域の住民の心に木を植える作業だった」というのです。

 木を植える過程で、上流の小学校を訪ねて、校長先生に「子供達に海の体験学習をさせたい」と直談判してそれを実行しました。海水浴くらいは来たことがあるものの、漁師船に乗り、海中のプランクトンを採取してはそれを飲んでみたり、ホタテの稚貝をテグスに結びつけて養殖の準備作業をしてみるなど、子供達には強烈な海の体験をさせたのです。

 その結果帰ってきたお礼の感想文には「使っているシャンプーや洗剤の量を少なくした」とか「農家のお父さんに農薬を減らしてくれるように頼んだ」などと言ったことが書かれていて、感動ものだったとか。強烈な原体験こそが教育そのものではないか、というのが畠山さんの言葉です。

    ※    ※    ※    ※

 畠山さんがすごいところは、そうして山に木を植え始めた頃から、「なぜ山に木を植えると海が豊かになってくるのだろうか」と考えて、その理由を探り続けてきたこと。

 そこで山と海を結ぶような研究を誰かしていないものか、とあちこちの大学を探し回り、やっとのことで北大水産学部の松永勝彦教授に出会います。そしてそこで、鉄(Fe)という成分こそが海への元気を取り戻す要素なのではないか、という仮説にたどり着いたのでした。

 これにはアメリカの海洋学者ジョン・マーチンの研究が大きな影響を与えています。ジョン・マーチンは海水の中に栄養素があるのにプランクトンの発生が多いところと少ないところがある理由を研究していて、どうやらそれに鉄が関わっているという大発見をしました。実際に、そうした海域に鉄を撒くとプランクトンが発生したのです。

 山に話を戻すと、いろいろな研究の結果、山の広葉樹が葉っぱを落とし腐葉土が形成されると、土の中に酸素が足りなくなる状態ができあがり、酸素と一緒だと参加されて安定する鉄がイオン化するのだと言うことが分かりました。
 そして、そのイオン化した鉄に酸が加わると、キレートと呼ばれる安定した状態になり、生物に吸収されやすくなります。その結果、植物プランクトンが成育旺盛となり、いきおい動物性プランクトン、それを食べる小魚などの食物連鎖も力を増してくるということがわかってきたのだそうです。

 釣り人の間では、沈船がある近くでは魚が釣れるという経験則が語られているのだそうですが、これまでの理解は魚礁として隠れ家になるから、というものでしたが、これからは鉄が溶けるから、ということも大きな要素なのかも知れません。

 しかも日本の沿岸は鉄分が割と濃いのですが、その理由の一つは中国から飛んでくる黄砂だとも言われ始めているのだとか。黄砂って単なる嫌われ者ではないのかもしれません。

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 畠山さんは、「磯焼けを修復するのにも鉄を使うと良いという確信を得るに至りました」と語り、日本が出す二酸化炭素は「海草など海の森で十分に吸収できる。海こそ二酸化炭素問題の切り札なんですよ」と熱く熱く語られました。

 「漁業者なんて、士農工商にも入れてもらえていないのに、いよいよお役に立つときが来たかも知れませんよ」とも。

 環境問題のブレークスルーに海と鉄とは考えが及びませんでした。

 うーん、もっと勉強しなくては。



2008年07月09日(水) 080709_夏の家族旅行

 8月に家族旅行を計画しています。行く先は島根県。出雲大社と石見銀山を見ておこうというのです。

 出雲大社は、今年の60年に一度の大遷宮に伴って、本殿の特別拝観が行われるのです。

 http://www.izumooyashiro.or.jp/tokubetsuhaikan2.html

 航空会社の企画ツアーに、往復の飛行機代と旅館・ホテルへの最低一泊コミというツアーがあったので、それに申し込みをしました。北海道の家族たち3人は、朝一番に新千歳から羽田までやってきて、飛行機を乗り換えて出雲空港へと向かうというちょっとハードな日程ですが仕方のないところです。

 ところがツアーの申し込みをしたところ、羽田から出雲空港の便が2席しか取れずに2席はキャンセル待ちという扱いになっていました。取れるかどうかやきもきしていたのですが、今日旅行会社から連絡があって「何とか取れました」という朗報。良かった〜!

 裏で押さえていた米子空港行きの便をキャンセルして、一応準備は整いました。

 今回の目玉は、出雲大社の本殿拝観と石見銀山と言うことで、日本人なら一度は見ておきたいところですが、旅行先としてはいかにも通好み。

 私の長女が職場で「ボーナス出たでしょ。どこか旅行へでも行くの?」と訊かれ、
「はい、島根県へ。出雲大社を見学に」と答えたところ、「渋いねー!」と感心されたそう。返した答えが「うちの家族はマイナーなものですから…」
 もう少し上手な返し方もあったろうに…。

 そんな会話を聞いて、お年を召した総務のおじさんが熱心に食いついてきた、とも。やっぱり通好みの行く先のようです。

    ※    ※    ※    ※

 今回の出雲大社は神話で言うところの「国つ神」、つまり地上の神様のおわした拠点です。となると次にはやはり「天つ神」にゆかりの宮崎県高千穂が気になるところです。

 国つ神と天つ神、それぞれにゆかりの場所をお訪ねしておけば、日本の神様たちの大事なところを理解できるでしょう。伊勢神宮にはもう行っていますしね。

 さて、夏休みが楽しみです。



2008年07月08日(火) 080708_新幹線の便利向上

 新幹線の車内で無線LANが使えるようになるという記事が出ていました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080708-00000002-dol-bus_all

 JR東海が発表した内容は、東海道新幹線の最新車両「N700系」に於いて、平成21年3月を目処に、無線LAN接続の導入を開始するというものだそうです。

 国内の移動では新幹線と飛行機がお互いにシェア争いでしのぎを削っていますが、これはビジネスで移動する人たちにとっては朗報です。なにしろ移動中にメールの受発信が出来て、インターネットもできるのですから。

 現在飛行機では、「離着陸時に計器に障害が発生するおそれがある」という理由で、電波を発信する機器は電源を切るように指導されます。

 なかには機内でのこの要請に腹を立てて警察沙汰になった人もいましたが、その根っこには「マナーを守れない奴は飛行機から降ろせばよい」という考えがあります。

 しかしその一方で、これがビジネスマンにとってどれくらい不便な状態か、ということに航空会社が早く気付いて対策を取るべきなのだと思います。

 まだ来年のことで車両タイプも限られているとはいえ、JRがこうした技術革新を積極的に取り入れることは社会の進歩であり、効率化をさらに追究した利用者サービスと言えるでしょう。

 まさにこうした技術革新は積極的に受け入れ、便利はさらに押し進めて、時間やお金に余裕を作り、その余裕でスローライフを楽しむべき、という私の考えとも合致します。

 航空会社がこうした不便や効率化への改革が進められないと、顧客争奪戦争に一歩後れを取ることは必定と言えるでしょう。

 スローライフを楽しむにはその一方で効率化を推進すべし、と言うのが私の持論ですが、まさにぴったりの記事でした。ガンバレ新幹線!



2008年07月07日(月) 080707_竹皮の使い方

 今日は七夕。東京は朝に大雨警報が出されたにもかかわらず空振りで、ときおりぱらつく程度。

 七夕に降る雨は牽牛と織女が会えずに流す「催涙雨(さいるいう)」と言うそうですが、この程度なら会えるのでしょうか。

   *   *   *   *   *

 さて、昨日掛川で見た六所神社のお祭ですが、蒸し暑い中にも凛とした風があってとても感動をしました。

 お祭では神様がこちらのお社のお移りになるための神事が執り行われます。これが始まると、一応見物はしていても良いのですが、氏子さんたちのような白装束でもないのでどうも居心地が悪くて、適当なところで失礼をすることにしました。

 すると近所のおじさんが、「粽(ちまき)をもらっていきな。持って行っていいんだよ」と教えてくれます。このあたりの粽は、もち米に地元産の小麦の粒を混ぜて蒸したもので、赤くないお赤飯のようで美味しいものでした。

 板の上に茶色い小麦の粒とご飯の塊が置かれています。

  

「そこの箱に竹の皮があるから、粽を手で取ってさ、それに包んでもって帰って良いんだよ」親切なおじさんです。

 見よう見まねで教えられるままに竹の皮で包んだのは良いのですが、縛る紐が見当たりません。「あのう、紐は・・・」

 するとそのおじさんが「竹の皮の横を一センチくらいの幅で破ると良いんだよ。そうしたら紐みたいになる」

 本当だ!なるほど、竹の皮で物を包むときに竹の皮のような紐を使っているというのはそういう意味だったのか・・・。

 日本人なのにこんなことさえ知らなかったなんて、ちょっとショック。またまた目からウロコが落ちました。 



2008年07月06日(日) 080706_見たことのない風景三題

 昨夜は知人の家に泊めてもらって夜遅くまで話し込みました。寝たのは3時半のこと。全く何をしゃべっていたんだか…。

 今日はまた友人のSさんの車で今まで見たことのない掛川を一巡りしてきました。

 まずは掛川の北東部の高台に位置する松葉地区を訪問。ここに茶畑のすごい景色があるというのです。しかし茶畑へ行く前にまずはこの地域を見守ってくださっている松葉神社へお参りです。ご挨拶を欠かしてはなりませぬ。

  

  

 この松葉神社は文献によると主祭神はスサノオノミコトということになっていますが、大寶天王というほとんど聞いたことのない神様を祀っているという記録もあって、なんだか不思議な曰く因縁がありそうです。

 しかもこちらの神社にはお宮の前には屋根のかかった空間はあるものの賽銭箱がありません。なぜでしょう?

 その疑問を解くべく、ちょうど道普請の作業に出て休憩をしていた地元のお年寄りたちに声をかけて訊いてみました。

「こんにちは、今松葉神社へお参りしてきたんですが、こちらには賽銭箱がないと伺いましたが本当なんですね」
「ああ、そうだよ。お賽銭は子供達にあげちゃうもんで」

「それはお祭りの時だけ賽銭箱が置かれてそれで貯めたお金をばらまくと言うことですか?」
「いいや、お宮の前に屋根のかかったところがあるけーが、そこに子供達が入ってそこへお賽銭を投げるんですよ。子供達はそれを拾ってもらっちゃっていいだね。ここの神様は子供が大好きだっていうことだけんね」

「子供さんはこの地区にはたくさんいますか?」
「いや、もうこのあたりは限界集落だもんで、子供は少ないね。でも祭んときは外からたくさん来るだい。由比(静岡市)の方からは珍しいってんで、写真を撮りに来ただよ」

 やはり噂は本当で、お賽銭箱はないのでした、面白い地域文化ですね。

 それにしても地区のお年寄りの方たちから「この辺は限界集落だもんで…」という言葉を聞くというのは胸が詰まる思いでした。寂しいことですね。

    ※    ※    ※    ※

 道普請の皆さんとお別れをしてから、お目当ての茶畑へ向かいます。曲がりくねったのぼり道をどんどん上がって行くと…、おー、ここかー!

  

 ものすごい急斜面に茶畑が作られています。近くにはケーブルなどは見あたらないので、車と人力で作ったのでしょうか。とにかく大変な苦労があってのこの風景です。農業作物は先人の労苦のおかげということがよく分かりました。
 写真でその雰囲気が伝わりますかねえ。

    ※    ※    ※    ※

 昼飯を食べた後で今度は雨桜神社へ行ってみることに。こちらの神社は今日から祇園のお祭りで、今日から一週間の間、神様が三つの御輿に乗って近くの六所(ろくしょ)神社へ遊びに行かれるというのです。

 神社へ行ってみるともう御輿蔵はもぬけの殻で、もうこちらは出発をされた後でした。近くで作業をされていた氏子の方に訊いてみると「うん、ちょっと前に出て行ったよ。今頃は馬場にいるんじゃないかな」とのこと。

 『馬場』というのは六所神社近くの地名のことで、流鏑馬をする場所になっていることから馬場と呼ばれているのです。早速そちらへ駆けつけてみると、折良くちょうど馬場での神事の真っ最中でした。

 この馬場では来週の13日に、従来からの稚児流鏑馬に加えて本格的な流鏑馬をするのだそうです。見てみたいものですが…。

  

  

 神事を終えた御神輿はいよいよ六所神社へと移動するのですが、移動手段はなんと軽トラック。

「昔は雨桜神社からかついで降りてきて頂いて、ここからまた担いで六所神社へ行ったもんだが、いまじゃあ氏子も減って来ちゃったもんで仕方ないねえ…」とは一緒に見物をしていた年配の女性のつぶやきでした。

 しかしよく見てみると田んぼの中の一本道を御神輿を積んだ軽トラックが三台連なって粛々と走る様はなかなか他では見られない風景でした。珍しい!

  

 神社に着いた御神輿は、最後は氏子さんたちの手で急な階段を担がれてしずしずと上って行きます。神聖な姿には心を打たれます。

 今日も良いものを見せて頂きました。まだまだ町には知らないことが一杯です。

  



2008年07月05日(土) 080705_スローライフの後ろめたさ

 朝から掛川へ移動。今日は掛川市内にある県の総合教育センター「あすなろ」で講演会をするのです。

 テーマのタイトルは「スローライフと町巡りの資源」としました。依頼があった5月にもうこれで登録をしてしまったので、印刷物でのタイトルはこれになっていますが、まあ中身はもう少し自由と言うことで…。

    ※    ※    ※    ※

 会場は約100名は入ろうか、という中規模の研修室ですが、今回の参加応募者は約70名。だいぶ知人も多いのですが、懐かしい方が多いようですな。

 実際の内容は、スローライフ運動に対する正しい考え方と正しい取り組み方について。

 スローライフというと、つい「早い・安い・便利・効率」ということを否定して、そこから逃げ出した隠遁生活のようにして生きる生き方だと思いがちですが、本当にそうなのだろうか?

 スローライフ運動を一生懸命にやっている人たちは会合の連絡に電子メールを使ったり、携帯電話を使ったりしていて、自嘲気味に「スローライフは忙しい」というけれど、それはどう両立を考えたらよいのだろうか?

 スローライフでいうと「コンビニ弁当」などは真っ先に否定されそうだけれど、忙しいときや夜遅いときなどは本当に重宝です。これを利用することに一抹の後ろめたさを感じなければならないのだろうか?

 携帯電話をもっていないことや電子メールが使えないことを「私はスローライフなものですから」と言ってスローライフの名の下に肯定している人も中にはいますが、それはどう考えたらよいのだろうか?

 …などなど、スローライフというと一見良さそうに思うのですが、中には現代の価値感からは逸脱しているものも多そう。その矛盾をどう考えたらよいのか、という問題意識に対してずばっと回答を与える内容のお話をたっぷりとしました。

 掛川の人たちはもう数年に渡ってスローライフと聞かされて一生懸命にやってきたはずですが、そうしたなんとなく矛盾っぽく感じていたもやもやを一気に解き放つ私の主張に、「やっと納得できました」「胸にストンと落ちました」という感想をたくさんいただきました。

 現代文明の機器を使わずにはいられない事への後ろめたさをもう感じる必要はありません。

 そのわけは…、うーん、紙面がつきそうなので今日はここまで。また機会があれば書き込むことにしましょう。

    ※    ※    ※    ※

 講演会が終わると知人に囲まれて記念写真。いつもながらの光景です。いたのが分かっていたのにお話しできない人もたくさんいて心残りですが、また別な機会にお会いしましょう。

    ※    ※    ※    ※

 講演の後は、いつものように蕎麦研のメンバーに囲まれての蕎麦打ち大会。

 この地域では来年の1月に初段位認定試験が行われるという情報があるので、これまで練習を重ねてきたわが蕎麦研のメンバーにはぜひとも初段を取得して欲しいと思っています。

 そこで今日は模擬試験をすることにしたのです。制限時間は40分で、そば粉500gに小麦粉200gを使って蕎麦を打つというものです。

 衛生面にも気を遣いながら、制限時間内に蕎麦を打って道具や回りを片づけて「終わりました」と宣言するのですが、練習とはいえなかなかの緊張感に包まれます。

 メンバーの多くは無事に合格に値する成果を出してくれましたが、中には自分を見失うシーンもあって、まだまだ練習が足りない一面も伺えました。さらに精進を重ねてくださいね。

 昨日も書いたお通夜にも途中で出席してきましたし、夜はお酒や蕎麦に囲まれて夜遅くまで話し込んだのでした。
 ふう、盛りだくさんな一日ですなあ。

      



2008年07月04日(金) 080704_お導き

 朝一番で訃報のメールが飛び込んできました。

 掛川で私が最初にお参りに行ったところで、掛川在住時もその後もご一家で大変良くしてくださった神社の宮司さんが亡くなられたとのこと。以前から体調を崩されて入院されたとは伺っていたのですが、まことに残念の限りです。

 そして葬儀日程は明日がお通夜で明後日が告別式ということになったそう。なんと明日から明後日にかけて掛川でちょっとした講演会に招かれていて、夜も一泊することにしていたのでお通夜に駆けつけることができるのです。

 以前にも全く同じように掛川へ行く用事があったときに、ごく親しい知人のお父さんが亡くなられてお通夜があり、また次に訪ねたときはその方の49日法要だったのでした。

 単なる偶然といってしまえばそれまでですが、数少ない機会にこういうことが重なるとなにかの導きを感じずにはいられません。まさに招かれているかのようです。

 明日はお通夜に行ってこようと思います。



2008年07月03日(木) 080703_総理と番記者のやりとりの真実

 「開発局廃止へ!首相明言 流れ加速」というショッキングな報道にいささか落胆している私ですが、北海道の知人が興味深い情報を贈ってくれました。

「こままささん、本当はこんなやりとりみたいですよ」
 首相と番記者の一問一答を書き起こしたペーパーです。

 道内で北海道開発局が廃止になるという方向性が出たということで動揺が広がっていますが、それに対して官邸サイドから「本当の首相と貴社とのやりとりはこういう会話ですからね(これ以上でもこれ以下でもないですよ)」という趣旨の情報提供があったというのです。ちょっと大きいけれど貼り付けます。

  

 これを見る限り、首相が「開発局は解散すべき」などとは一言も言っていないことが分かります。

 番記者と首相との正確なやりとりは
記者「北海道開発局を廃止にするとの議論が開始したとのことですが、本当でしょうか」
首相「どっちがいい?北海道の住民として」
記者「今のままで残すのは良くないと思います」
首相「難しいな、大いに参考にしたいと思います」
記者「指示はされたのでしょうか」
首相「してない、まだ。懸案事項ですからね、予(かね)てからの。北海道に限らず、他の地域においても、将来のそういう流れの中で、道州制を目指して、その前に分権をしなけりゃいけない。しかし北海道はすでにもうやると決めているんだから、だったらどんどんやったらいいんじゃないでしょうか。それが私の答えです」というもの。


 これが例えば北海道新聞の記事の見出しとしては「首相が開発局廃止に言及 『分権へ合理化必要』 統廃合の論議加速」となり、記事では「福田康夫首相は二日、官製談合事件が続発した開発局の廃止について、「できるならやった方がいいというのが私の考え方だ」と述べ、道州制導入や地方分権推進の観点からは廃止が望ましいとの考えを表明した。開発局の存廃をめぐっては、政府の地方分権改革推進委員会が現体制の抜本的見直しを議論することにしており、首相発言で開発局廃止論議が加速しそうだ。

 首相は開発局廃止を「かねてからの懸案事項」と指摘。「北海道にかかわらず、他の地域も将来の道州制を目指し、その前に分権をきちんとしなければいけない。北海道は(道州制を)やることを決めている」との認識を示したが、廃止検討の政府内への指示は「していない」と述べた」となるわけですね。 参考:http://www.hokkaido-np.co.jp:80/news/politics/102534.html

 原文のやりとりから「(北海道開発局の廃止について)できるならやった方がいい」と読み解くのはなかなかの力量が必要です。私は道州制などの地方分権をどんどんやったらいい、と読み取ったのですが、皆さんはどう読み取るでしょうか?

 それにしても首相から「どうしたらいい?北海道の住民として?」と訊かれた記者は北海道と分かる格好でいたのでしょうね。どこの新聞社なのかな?

 これを知った知人のA君は激怒、知人のB君は「マスコミなんてそんなもんじゃないの?」としらけ気味。

 さて皆さんはどっち? それにしても…、うーむ



2008年07月02日(水) 080702_北海道開発局廃止!?

 「北海道開発局が廃止へ」という記事が新聞をにぎわせています。

 開発局の事業は北海道庁とエリアがまったく重なっている事に加えていることや、地方分権推進の動き、さらには最近の談合問題に対する批判などがいろいろと一緒くたになって議論されているような印象。

 特に談合問題などは官への批判感情を煽るのには格好の材料になっていて、いきおい議論も感情的なものになりがちです。ここはひとつ冷静に本当に求めるものは何で、そのためには何をどう変えるべきか、ということを再確認すべきときのように思います。

 国の事業を道州制に移行した後の道州ではなく、今のままの地方公共団体に委譲するというのは、北海道に渡される国のお金が減ることなどから現実的とは思えないところもあります。

「やっちまえばなんとかなるだろう」というのもこれまた乱暴な意見。

 地方銀行だった拓銀の破綻、地方自治体の夕張市の破綻など、北海道は常にある種の社会実験の場にされているような印象もあります。

 開発局の廃止が議論の端緒だとしたら、それはこのようなことで困るという声と筵旗(むしろばた)が澎湃(ほうはい)として道内各所からわき上がって欲しいものです。

 逆に北海道を変革するのだとしたら、相当の覚悟を道民全体がもたなくてはならないでしょう。そうした世論形成も欠かせません。

 明治維新前夜の歴史書を紐解いて、時代が変わるときの生き延び方を模索しておきたいものです。



2008年07月01日(火) 080701_新東京タワーの周辺

 わが組織の幹部の移動に伴って、新しい幹部による管内視察が行われています。現場巡りの機会には積極的に参加することにしている私にも嬉しい機会。今日は江東区と墨田区を巡りました。

 墨田区で今一番ホットな場所は東武伊勢崎線や京成線、さらには地下鉄半蔵門線などの鉄道が集中する押上駅周辺です。なんといってもここにはこれから愛称がスカイツリーと決まった新東京タワーが建設されるのです。

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 新東京タワーは、鉄道の車両基地跡地のスペースに作られるもので、高さは現在のタワーが高さ333mなのに比べるとほぼ倍の610mになります。
 しかし土地の幅は90mほどしかなくて、現在の東京タワーに比べると底面積は1/4ほどなのだとか。とてもスリムで高い塔がスッと立ち上がることになります。

 現場はまだこんな感じですが、鉄骨造りのため施工は早そうで、来年の8月には高さ200m、12月には300mまで立ち上がる計画になっているそうですよ。

  

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 新東京タワーができるといっても周辺は木造密集地域があったり低層のビルがぽつぽつあるくらいの地域で、ある意味有効な土地利用からは遅れているところです。

 新東京タワーが出来れば東京の東北地域一帯の大大規模開発の起爆剤になることは間違いありません。わが組織もそんな地域開発のお手伝いをしていて、結構頼りにされているというわけ。

 さてさて、こんな下町の風景は新東京タワーでどのように変わるのでしょうか。興味を持ってみていきたいものです。
 
  


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