川崎連絡会議日報

2005年12月31日(土) 訃報 金敬得弁護士 ご逝去

弁護士の金敬得氏が28日、逝去されたとのこと。
鄭香均さんの都庁管理職任用差別裁判の弁護を担当されました。
謹んで哀悼の意を表したいと思います。

上田

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以下、朝日新聞から。

弁護士の金敬得さん死去 外国籍司法修習生第1号
2005年12月30日18時13分

 金 敬得さん(キム・キョンドク=弁護士)が28日、胃がんで死去、56歳。故人の遺志で親族のみで密葬をすませた。友人有志による「しのぶ会」が計画されているが、日時・場所は未定。

 在日韓国人2世として76年司法試験に合格。司法研修所入所に際し「帰化」を求められたが、「弁護士になぜ日本国籍が必要なのか」と問いかけて最高裁の方針変更を引き出し、外国籍司法修習生第1号となった。

 指紋押捺(おうなつ)拒否事件や元日本軍慰安婦の戦後補償、東京都管理職試験受験資格確認訴訟など、外国人の人権擁護のための裁判にかかわるとともに、定住外国人の地方参政権獲得や民族共生教育を目指す運動に取り組んだ。ソウル地方弁護士会名誉会員。



2005年12月24日(土) 本の紹介 『戦争と労働運動』

千葉工業大学の伊藤晃さんの『戦争と労働運動』が発行されました。

発行 労働者学習センター 頒布 1500円
動労千葉での労働学校での講演をまとめたものです。

「はじめに」で伊藤さんが出版の意図と内容について書かれています。
若干引用します。

「日本労働運動史を語ることは、労働者にとっての戦争を語ること。というより、そのように話してみたい、ということで『戦争と労働運動』になった。

労働運動が戦争への対抗勢力になる条件がどこにあったのか、それを現実に転化する努力がどう展開されたか、されなかったのか、そこでの失敗は私たちに何を教えるのか、それらを戦前労働運動史の中で迫ってみたものです。」

ご希望の方は、川崎連絡会議あてメールにその旨記載してください。
送料実費でお送りします。


事務局 上田



2005年12月23日(金) 本の紹介

明治大学の清水先生から、本の紹介がありましたので、ご案内します。
鄭香均さんも「戦前の思想を露呈した最高裁判決」との小論を書かれています。

川崎連絡会議 上田

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今回、私が憲法特集部分の編集に関与することになった『季刊 軍縮地球市民』(明治大学軍縮平和研究所)第3号(「特集 日本国憲法の実力」)が発行されました。特集部分はかなり盛りだくさんになっています。もしご関心がある方は、是非、購入していただけると嬉しいです。全体268頁、定価は1260円です。下記の目次部分またはホームページをご参照下さい。
http://www.gunsyuku.org/no3t.html
明治大学軍縮平和研究所編集部
TEL03−3239−8145
FAX03−3239−8146

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季刊『軍縮地球市民』第3号 目次

<グラビア>
 今を生きる子どもたち(豊田直巳)

<詩>
 風倒木(桜井哲夫)

【特集】日本国憲法の実力
<対談>[改憲阻止の新たな戦術]政教分離の原理原則論に立つ(姜尚中×丸川哲史)

犬に論語(辛淑玉)

<日本国憲法の理念と現実>
 (国民主権)
   天皇制:憲法改正と天皇の位置付け(笹川紀勝)
       「国民主権」を覆い隠す「女帝」容認論(桜井大子)

   9条:憲法9条という現実(浦田一郎)
      平和運動としての民衆法廷(前田朗)
      戦争協力を強制する「国民保護」法(大西一平)

 (平和主義)
   平和構想:平和を構想するとは何か(大久保史郎)
        GPPACー紛争予防と9条(川崎哲)
        天理市の無防備地域条例制定運動(稲垣秀樹)

(人権)
   平等:24条を中心に(中里見博)
      社会的なものと障害者福祉(市野川容孝)
      女性から見た「24条」と戦後(長谷川曾乃江)
      戦前の思想を露呈した最高裁判決(鄭香均)

   自由権:近代との対峙(佐々木弘通)
       国家から身をはがそう(渡辺厚子)
       「安全」と「自由」の相克ー進展する監視社会化(清水雅彦)
       思想処罰につながる共謀罪に反対!(海渡雄一)
       パトリオットまで飛び交う靖国訴訟(辻子実)
       「首都大学東京」問題と学問の自由(初見基)

   社会権:社会的排除に抗する立憲主義の可能性(笹沼弘志)
       環境権について(山浦康明)
       不登校という政治思想(高橋一行)

 (統治)
   国会・政党・選挙:議会制民主主義の危機(上脇博之)
            政党助成金違憲訴訟が問いかけるもの(大久保賢一)
   
   行政・司法:首相公選論が内包する国民主権の空洞化(吉田栄司)
         日本国憲法の司法とその状況(小沢隆一)
         警察の組織的な裏金づくりは憲法への挑戦だ(高田昌幸)
         市民参加への道と裁判員制度(新倉修)
         善意からも始まる戦争への道(上原公子)

<憲法の歴史>
 「改憲」を押しとどめてきた力(松井隆志)
  改憲案の戦後史概観ー「全員一致」への志向(岡田健一郎)

<外から見た憲法>
  日本の憲法問題と日韓関係の非対称性(権赫泰)
  憲法と沖縄(大田昌秀)
  第9条:和文と英文の差異(中村久司)

<憲法を知る6冊>ーー(清水雅彦)
  渡辺治 著『憲法「改正」−−軍事大国化・構造改革から改憲へ』
  水島朝穂 編著『改憲論を診る』
  全国憲法研究会 編著『法律時報増刊 憲法改正問題』
  石埼学 著『憲法状況の現在を観る−−9条実現のための立憲的不服従』
  井筒和幸ほか『憲法を変えて戦争へ行こう という世の中にしないための18人の発言』
  9LOVE 編 『9をまく SOWING NINE』

―――― 以上、特集内目次 ――――

<インタビュー>
  問われる日本の胆力(寺島実郎)

<核の世界を超える>
  在韓被爆者の自分史(前編)(宋任復)
  原爆加害国になった日本 第3回(笹本征男)

<演劇評>
  二兎社『歌わせたい男たち』(山口宏子)

<連載>
  宇都宮徳馬 人と思想 第3回 (國弘正雄)
  平和は実現できる 第3回:熱きアジアから(伊藤千尋)
  分断される「市民」 第3回:立憲主義を堅持せよ!日弁連人権擁護大会シンポジウム実況中継(斎藤貴男)

<平和運動と思想>
  敗戦から60年―近現代史を知ろう―(磯浦康二)
  戦争中毒の特効薬・憲法第9条:チャールズオーバービー博士に聞く
  米国に平和省を(きくちゆみ)
  9・11とアメリカ・キリスト教平和思想(3)(延原時行)

<軍事>
  「力」を負かした「時間」(岩島久夫)
  2006年度以降の自衛隊再編と海外派兵(池田五律)

<運動紹介>
  九条の会(小森陽一)
  パレスチナ子どものキャンペーン(田中好子)

<ワールド・ナウ>
  ヨルダン:追われた故郷への当然な願いーパレスチナ難民の帰還権を考える(清末愛砂)
  パレスチナ:「支援」とは?(小田切拓)
  中東:原油高で沸く中東経済とオイル・マネーの流れ(藤森浩樹)
  イラク:陸上自衛隊の現在〜イラク派遣がもたらしたもの〜(大谷直人)
  タイ:スマトラ沖地震から300日〜タイの被災地が抱える新たな問題〜(下田寛典)


  ベトナム:国道1号線から見えたもの(川崎陽子)
  中国:日中友好回復への道(田所竹彦)
  ドイツ:「戦争と平和の間で」ーベルリンの展示からー(斎藤晢)
  日本:生の無条件擁護と「8月15日事件」(山口素明)

<教育>
  教育基本法「改正案」の動向と問題点(三上昭彦)

<平和の歌>
  純心学徒隊と「千羽鶴」への思い(佐藤洋子)

<風聞書感>
  市村弘正・杉田敦 著『社会の喪失ー現代日本をめぐる対話』、中公新書
   評者/宇野邦一(立教大学文学部教授)

  道場親信 著『占領と平和<戦後>という経験』、青土社
   評者/源川真希(東京都立大学、首都大学東京 教員)

  ロザリー・バーテル 著、中川慶子・稲岡美奈子・振津かつみ 訳
  『戦争はいかに地球を破壊するかーー最新兵器と生命の惑星』、緑風出版
   評者/中川慶子(園田学園女子大学名誉教授)

  鎌田七男 著『広島のおばあちゃん』、シフトプロジェクト
   評者/丸屋博(広島共立病院名誉委員長)

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2005年12月22日(木) ウトロに希望の光を!

ご協力をお願いします。

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植民地解放60周年特別募金キャンペーン

戦後60年、未だ開放されていない町・ウトロに希望の光を!

京都府宇治市伊勢田町ウトロ51番地、約6400坪の広さに65世帯、約200人の在日コリアンが暮らしています。

TEL: +81−2−713−5803 FAX: 706−5881
 HP: www.utoro.net
Email: utoro@naver.com

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 国際的にも美しい観光名所として名高い京都府に、日本の植民地支配の残滓が今もその姿を留めている事実を、日本ではどれだけの人々がご存知でしょうか。

 植民地時代に日本軍の軍用飛行場建設に動員され、戦後も、まったく補償をされることないまま、彼らは現在もウトロの町に住み続けています。戦後60年が経ち、日韓両国ともに新しい時代を生きる中で、ウトロは貧困、差別、疎外された状況から解き放たれることなく残存しているのです。劣悪な住環境の中で、厳しい生活を強いられています。

 乏しい在日コリアンの第2の故郷と言えるウトロ。汗と涙にまみれながら、飛行場建設のため掘り起こした、このウトロの土地が人々の無関心の中、強制撤去の危機に瀕しています。ここ以外、どこにも帰る当てのないウトロ住民たちの切実な訴えとともに、植民地被害の悲しい史実を風化してしまう危険が目の前に迫っています。

 今こそ、私たちがこの状況に立ち向かい、手を差しのべるときなのではないでしょうか。

■ 歴史的経緯及び裁判

 ウトロ問題は日本の朝鮮半島植民地支配の歴史問題、及び、民族・国籍差別、居住権・生存権の問題です。

 植民地時代、日本軍の飛行場建設に動員された朝鮮人たちの家族、子孫、身寄りのない朝鮮人たちが集まって暮らしています。

 この工事は、軍需会社日本国際航空工業、京都府、日本政府(通信省)が三者一体で推進しました。戦後この土地が工事を請け負った軍需会社の後身企業である(株)日産車体によって、(有)西日本殖産に転売され、土地の明け渡しを住民に迫ってきました。

 1988年西日本殖産は裁判を起こし、2000年最高裁において強制立ち退きの判決が確定しました。ウトロに住むことになった歴史的経緯はさることながら国際法が定める人間としての居住権・生存権すら脅かされているのです。

 20年に渡り、ウトロ町内会とウトロを守る会(日本の市民たち)はウトロを守り抜くために、京都府や宇治市への働きかけ、日産への抗議運動、国際社会へのアピールなど精力的に戦っています。今夏、ウトロ現地を視察した国連人権委員会特別報告者デゥデゥ・ディエン氏は「近代的日本で」と驚き、「ウトロの問題は典型的な人種差別だ」と述べました。

■ 韓国社会の取り組み

 40個の団体と市民たちによって今年4月発足したウトロ国際対策会議では、韓国政府、韓国社会への働きかけを行い、時事週刊誌「ハンギョレ21」、「美しい財団」との提携で募金キャンペーンを展開しています。

 本来ならば、日本政府や日本企業がその戦争犯罪について歴史的・人道的責任を負うべき問題なのですが、ウトロ国際対策会議は日本政府と日産への抗議を行なうと同時に、土地の買取のために、また、日韓両政府への圧迫として大々的な募金キャンペーンを続けています。

 韓国社会はウトロへ平和が訪れるその日まで、日本の良心的な市民の皆さんとともに、希望を持ち、絶え間ない努力を続けたいと思います。どうか、ウトロに温かいまなざしと募金にご協力をお願いします!

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<募金案内>
*ウトロ町内会
 募金口座番号
 京都銀行 0158 伊勢田支店 303
 普通預金 3304087 
ウトロ町内会 副会長 厳本明夫
(ウトロチョウナイカイ フクカイチョウ ゲンモトアキオ)

* 韓国での募金 006001−04−091586(国民銀行)美しい財団

* 韓国での募金 162−910006−81704(ハナ銀行)美しい財団
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