川崎連絡会議日報

2004年06月24日(木) どうなる?! 鄭香均さんへの裁判(最高裁)

6月23日「朝日新聞」に鄭香均さんの裁判(最高裁)に関する記事が掲載されました。
「外国籍の門前払い、違憲判決見直しか 最高裁が弁論開催」
(http://www.asahi.com/national/update/0623/025.html
全文は最後にあります)

 今回、弁論を開くということは何を意味するのでしょうか。「『法の下の平等と職業選択の自由を定めた憲法に違反する』との判断を示した二審・東京高裁判決が見直される可能性が出てきた」(『朝日』)といっているように、高裁判決を覆す可能性が高いと思われます。(事務局 上田)


 私たちは、高裁判決について次のような立場を表明しました。
鄭香均さんへの高裁判決を考える
(98年4月11日集会での川崎連絡会議・見解)
http://homepage3.nifty.com/hrv/krk/index2.html

 高裁判決の評価すべき点としては、これまで川崎市をはじめとして多くの地方自治体において採用の判断としてきた「当然の法理」の論理が崩されていることです。「当然の法理」とは「公権力の行使または公の意志の形成に携わる者は日本国籍が必要」であり、外国籍者は一律、形式的に排除するというものでした。
 しかし、高裁判決は「公権力の行使」に携わるとされる職務についても「個々、具体的に検討することによって、国民主権の原理に照らし、外国人に就任を認めることが許されないものと外国人に就任を認めて差支えないものとを区別する必要がある」とし外国籍者の採用を認めるとしました。

 しかし、高裁判決の問題点は、、「国民」とは日本国籍を有するものとし、また憲法九十三条第二項(地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の議員は、その地方公共団体の住民が直接これを選挙する)でいう「住民」とは地方公共団体に住所を有する日本国民を意味するとして、外国籍者は「国民」としての権利のみならず、「住民」としての権利も保証しないと言い切っています。その上で、「国民主権の原理に反しない限度においてわが国に在住する外国人が公務員に就任することは、憲法上禁止されていない」としたことです。無条件に採用をするというのではないのです。こういう点では「当然の法理」の骨子、その核心的内容はそのままであるといっていいのではないでしょうか。一審判決での基本的な骨子と変わりないともいえます。

 ある意味では、矛盾した判決でもあったわけです。

 高裁判決は97年、それから約7年が経過しています。
 日本を取り巻く社会状況は大きく変化しています。一番大きいのは「有事法制」という日本が戦争をする法律体系が着々と作られ、自衛隊が「戦闘地域」そのものであるイラクへの侵略戦争に派遣されました。
 国民総体を侵略戦争に動員する国家体制が作られようとしています。

 他方、財界・資本(日本経団連(会長はトヨタ会長の奥田氏です))は、日本が生き延びるためには「東アジア経済圏」を必要だといっています。

 日本の政界、経済界が余裕がなくなってきているわけで、こんなときに在日外国人(朝鮮人)に「権利」(カッコつき)を認めることなどできないとでもいうのでしょうか。

 東京都石原知事の「第3国人」発言、また川崎市・阿部孝夫市長は「外国人は準会員」と発言、いまだ撤回はしていません。行政の長としての発言としては絶対許せないものですが、こうした発言も今の社会状況を映し出しているともいえるでしょう。

 私たちは署名活動を行っています。ご協力をお願いします。

 また、皆さんのご意見をお寄せください。

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(以下、全文)
外国籍の門前払い、違憲判決見直しか 最高裁が弁論開催
http://www.asahi.com/national/update/0623/025.html
 日本国籍がない職員に対し、東京都が管理職昇任試験の受験を拒んだことの当否が争われた訴訟で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は、9月28日に双方の主張を聴く口頭弁論を開くと決め、関係者に通知した。下級審の判断を維持する場合には弁論を開く必要がなく、「法の下の平等と職業選択の自由を定めた憲法に違反する」との判断を示した二審・東京高裁判決が見直される可能性が出てきた。

 訴えたのは都南多摩保健所の保健師で在日韓国人2世の鄭香均(チョン・ヒャンギュン)さん。

 鄭さんは、86年に都が保健師採用要件から国籍条項を撤廃したことを受け、88年に外国人として初めて職員に採用された。94年に、課長級以上の昇進資格を得るための管理職選考試験に申し込んだが、「日本国籍が必要」として拒否されたため、受験資格の確認と200万円の損害賠償を求めて提訴した。

 東京地裁は96年5月、「憲法は外国人が公権力の行使や公の意思形成に参加することで国の統治にかかわる公務員に就任することを保障しておらず、制限は適法」として請求を退けたが、二審は97年11月、「管理職選考の受験機会を奪うことは外国籍の職員が管理職に昇任する道を一律に閉ざすもので違憲」とし、一審を覆して40万円の支払いを都に命じ、都が上告していた。

 公務員採用をめぐる国籍条項は全国の自治体で制限が見直され、門戸が広がっている。東京都は現在、都職員のうち警察、消防を除く79職種中、56職種は国籍に関係なく採用しているが、管理職登用試験を受けるには、日本国籍が必要と定めている。
(06/23 20:09)



2004年06月22日(火) 新居浜市、兵庫県も川崎同様に職務制限、昇任差別

民団新聞からの情報です。

(1)
新居浜市・一般職の国籍要件撤廃 消防除く全職種も(04.6.9) 2004-06-09
川崎同様に任用には制限

 【愛媛】愛媛県新居浜市(佐々木龍市長)は04年度の市職員採用試験から消防職を除くすべての職種について国籍要件を撤廃した。愛媛県内での一般職開放は県と県内12市で新居浜市が初めて。民団新居浜支部(宋喜龍支団長)の地道な韓日交流への貢献が市職員採用時の門戸開放につながったものとみられている。

 新居浜市は02年から韓国の坡州市との間で中・高校生のサッカー相互交流を続けている。両国の間に立って通訳など地道な裏方業務をこなしてきたのが民団新居浜支部の李晃淳副団長をはじめとする三機関役員たちだった。

 回を重ねるにつれ佐々木市長自身、同支部の存在と役割をこれまで以上に高く評価。同支部役員も市長との間で意見交換の場を持つなど、両者の間で確かな信頼関係が築かれていった。市総務課でも、今回の門戸開放が任命権者たる市長自身の判断に負うところが大きかったことを率直に認めている。

 今年度から外国籍住民が受験できるのは一般事務、土木技術、保育士など。昨年度までは一切受験を許されてこなかっただけに、全面的な門戸開放となる。

 ただし、神奈川県川崎市などと同様、任用には制限を設けており、税金の賦課や徴収、生活保護の決定、土地収容、立ち入り検査といった国の見解である「公権力の行使」にあたる職務には就けない。これら職務は同市66課のち16課の業務にまたがる。また、「公の意思の形成への参画」に携わるとして決済権を持つ課長級以上の昇進も認めていない。

 佐々木市長は「市内在住の外国人から国籍による差別に対する批判の声を耳にしてきた。撤廃が進む全国の一例に加わることで将来的に任用制限なくなっていけば良いと思う」と話している。14日から募集が始まる採用試験から実施する。

 宋支団長は「これを機会に近隣の西条市、四国中央市でも公務就任の壁を崩す運動をしていきたい」と意欲を燃やしている。

(2004.6.9 民団新聞)

(2)
獣医師職の門戸開放 兵庫県(04.6.9) 2004-06-09
 【兵庫】兵庫県は04年度実施の県職員上級試験要項から獣医師職の国籍要件を撤廃した。

 獣医師は食べ物の検査などが保健所の許認可業務と絡むことから、一般的に「公権力の行使」に抵触する蓋然性が高いと判断されてきた。県人事委員会では検討の結果、「高度な専門知識を必要としており、どちらかというと定型的。誰が担ってもその判断が変わるわけではない」と門戸を開放した。

 兵庫県では今回の獣医師の開放で全72職種のうち残る未解放職種は、一般事務職、教育事務職、公害技師、食品衛生監視員など10職種となった。

 なかでも最も採用人数の多い一般事務職について県人事委員会は「基本的には開けていきたい。しかし、人事異動の過程では『当然の法理』との関連で特定の仕事しかつけない。昇任にも制限がある。それでは人材を育てられないし、本人もやる気を失ってしまう」と話している。民団兵庫権益擁護委員会は残る10職種についても引き続き開放を迫っていく考えだ。

 なお、獣医師職などの受験は所定の受験申込書を持参した場合、11日まで受け付けている。問い合わせは県人事委員会、または民団兵庫県本部まで。

(2004.6.9 民団新聞)



2004年06月17日(木) 韓国から 毎週勉強会!意欲的なKIN

韓国から 毎週勉強会!意欲的なKIN

KIN(Korean International Network)(地球村同胞青年連帯)からのお知らせです。 KINは韓国の市民運動体です。
彼らが訪日したときには川崎連絡会議も交流を深めました。(→韓国・KINとの連帯 http://homepage3.nifty.com/hrv/krk/index2.html 参照)

精力的、意欲的な取り組みをしていると思います。
毎週の会議、勉強会をするとのこと! すごいですね!

上田

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2004年、 KINでは「在外同胞基本法」の制定と「在外同胞委員会(国家機構)」の設置を最上位の政策課題として活動しています。この政策課題の実現のためにKINでは「政策室」を新設し、今年から毎週土曜日に会議とセミナーを同時に進行しています。

KINの全ての活動家たちの力量を発揮し、韓国社会で望ましい在外同胞政策がつくられるよう努力するつもりです。またこの政策室の議論の内容を、在日朝鮮人同胞たちに伝え、今後の在外同胞政策樹立の活動をともにおこなっていきたいと思っています。

つきましては、今後政策室での議論の内容を会議録としてお送りしていきたいと思います。
今回送る会議録は、政策室の第18回会議録です(これまでの記録[ハングル]は、KINホームページで見ることができます)。http://www.kin.or.kr/index.htm

今後もKINの活動を見守り、ご意見・ご協力くださりますようよろしくお願いします。
では、お体にお気をつけて。アンニョンヒケセヨ。

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2004 KIN政策室 18次会議録

日時 : 2004.6.11(金) 18時
場所 : KIN事務所
参加 : キョンヒ、トッコ、トンジュ、ジェグン
作成 : キョンヒ

<会議内容>

1. 政策室セミナー進行確認
1)政策室曜日調整:毎週金曜18時から22時までとする。
2)今後の政策室日程確認
- 6/8(金) ?ヨーロッパ地域(ジウォン)
?共和国の在外同胞政策(ジェグン)
 ? 他国の在外同胞政策および関連法制,国家機構について(キョンヒ)
- 6/25(金) 移住史発表まとめ (各地域発表者が年表作成,運動的課題を中心に整理)
- 7/3(土)〜4(日) MTで集中的に在外同胞政策総括。
総括1:各々分担部分整理
総括2:政策的課題についての具体的戦略など総合討議
- 7/9(金)〜23(金) MTで議論した内容にもとづいて基本法作成,立法化活動

2. 第17回政策室セミナー進行
(1)中南米地域(トッコ)
- 日本の移民会社「大陸植民合資会社」によってメキシコの"エニケン"移民がはじまる(1905年/1033名). 安い労働力で,割り当てられた仕事を終えないと暴力をふるわれ,女性は性的虐待を受けた。1910年以後キューバ,パナマ,ペルー,アルゼンチン,ブラジルなどに移住。1956年に朝鮮戦争捕虜出身者たちが中南米に移住。初期には中立国インドに,その後は無国籍者身分でアルゼンチンに向かった。
- 1960年代以後公式移民の開始。62年に朴政権が海外移民法公布。韓国移民協会が中心になりブラジル移民募集。釜山港-香港-ケープタウン-大西洋横断-ブラジルサントス港の経路。劣悪な農業環境により失敗を繰り返す。70年代の不法移民段階を経て,85年(韓国とアルゼンチンの移民協定)以後は投資移民による連鎖的な移民たちが増加。2001年現在,中南米全体の同胞数は11万1462名。
- 課題:中南米各地域同胞に対する正確な情報不足。メキシコやキューバの移住史は,日帝による強制であった点を鑑みるとその実体把握必要。在外同胞法に対する広報活動を通して中南米地域同胞たちにF4資格 で自由往来が保障される必要。英語圏同胞社会と異なり,私たちの関心圏から遠い彼らに緊迫した人権的状況が起きた際に迅速に対処できるコールセンターなど必要。

(2)カナダ地域(トンジュ)
- 1960年代以前までは留学生身分で移住。63年に韓国とカナダの正式な外交関係樹立,韓国移民奨励政策展開。69年~70年代には西ドイツ派遣の鉱夫や看護婦,デンマーク派遣農業県修正,ベトナム派遣技術者などがカナダに再移住。1967年にカナダ政府が韓国人に移民門戸開放し,本格化。
- 1980年代からは投資移民たちが新しい移民集団形成。97年金融危機を契機に30代中心の海外移民増加。高学歴・専門職従事者の移民は技術の海外輸出と国内市場の人力不足という憂慮と,韓国の競争力拡張という肯定的評価が共存。2001年カナダ居住同胞数は,17万121名。
- カナダ政府政策で民族教育が保障されるなど,1.5世,2,3世たちは英語と韓国語両方を駆使し,韓国文化にも親しむが,アイデンティティの混乱の問題を抱える場合も多い。
- 課題: 他地域に比べ相対的に問題が少ないが,2,3世を将来の国際関係における民族的資源として把握し,多様なプログラムを実施する必要。国内団体との相互連帯の枠が必要。

*移住史整理(6/25)は各自年表作成,課題を中心に整理すること。

3. 「在日朝鮮人招請事業」についての議論
- 在日朝鮮人たちと韓国人たちが共同で,統一部長官や南北長官級会談に向けて提案書や建議文を作成,提出することを大きな目的とする。在日朝鮮人問題に対して討論を進行する形式。
- 9月「活動家大会」との趣旨/日程との調整が必須。活動家大会と衝突しない日程調整が至急必要。活動家大会フォーラム分科をテーマ別でなく地域別にする必要が提起。→結果的にフォーラム1で地域別分科を入れ両方おこなうことで合意(?)。
- 招請事業に関する具体的な企画をジェグンが作成(次週?)

4. その他
- 政策室総括(実質的課題)に関する議論: MTでの議論を細分化/体系化する必要
- その場で出たテーマと分担
1. 在外同胞法/基本法に対する全般的整理 (トッコ)
2. 在外同胞財団の問題点, 限界について(トッコ)
3. 在外同胞委員会国家機構,組織構造の研究: 他委員会との比較など(ジェグン)
4. 外交通商部(在外公館含む) 構造の問題整理(ジウォン)
5. 国内行政システムの問題整理:国籍法/参政権/兵役など(キョンヒ)
6. 移住史課題総括整理(トンジュ)
→次週の案件として具体化

以上.



2004年06月16日(水) 有事法制制定を許さない もっと声を上げよう

有事法制制定を許さない

6月14日、参議院本会議で有事関連7法案(ACSA(日米物品役務相互提供協定)、国民保護法制)と3条約締結案が自民・公明、さらに民主党の賛成で可決されました。
私も14日、国会(参議院議員会館前)での座り組み、抗議の取り組みがあり参加してきました。連日の座り込み、抗議の取り組みを200人で行いました。昼休みには陸海空港湾労組20団体も抗議の行動を行いました。
終日国会を傍聴された報告を行った西川重則さんは「絶望している時間はない。闘いはこれからである」と語っていました。
(川崎連絡会議は昨年11月、西川さんをお招きして学習・講演会を行いました)

民主党の基本的な立場は賛成ですから、有事関連法は国会での対決法案にはなりませんでした。今の国会は戦前の「大政翼賛会」と同じではないですが、それに近い翼賛国会になっていることは間違いありません。
また、マスコミもことの重大性をほとんど報道していません。
何が真実なのかをしっかりと見抜いていくことが必要だと痛感します。

川崎連絡会議も現在、署名(署名のお願い参照)を行っています。日本が米軍と共同で戦争をしていくわけで、これから地方自治や住民の生活や平和に著しく影響が出てくることが予想されます。しかも川崎・阿部市長は「在日外国人は準会員」発言を撤回はしていませんから、在日外国人は「国民保護法制」でいうところの「国民」の枠にも入らないということになってしまいます。

13日の「百万人署名運動」の集会(東京・芝公園)に千葉県議会議員の吉川ひろし氏が参加、堂本千葉県知事が議会で有事法制必要の趣旨の発言を行ったことに対して、糾弾したことを報告していました。(吉川ひろしHP → http://members.jcom.home.ne.jp/h-yosikawa/)
東京都の石原知事、千葉県の堂本知事、神奈川県の松沢知事、そして川崎の阿部市長、横浜の中田市長と首都圏の首長がそろって右よりの人物になっています。

これからの取り組みが重要になってくると思いますので、引き続きの署名へのご協力をお願いします。

上田




2004年06月11日(金) 「昭和天皇記念館」建設反対署名

戦後の日本為政者が意図的に近・現代史を抜かした教育の成果が、現代社会を生じたと私は考えています。アカウンタビリティを拒絶した張本人は昭和天皇でしょう。国家元首としての責務の放棄に等しい。
私たち日本人もアカウンタビリティの必要性を、最近まで関知せずに生活してきました。その点、田中さんたち若い人が、気が付いて頑張ってくれています。直接的な支援はなかなかできませんが、メールの配布はできますので紹介します。
 (望月文雄)
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「昭和天皇記念館」建設反対署名にご協力を!
(重複送信ご容赦ください。転載歓迎です)
 イラク人質事件に際しては、チェイニー米副大統領と会談した天皇アキヒトの派兵支持発言などがありましたが、その父親であった大戦犯昭和天皇ヒロヒトを記念する施設が今立川に建設中です。

 そこで、その昭和天皇記念館の建設に反対する署名活動を行っていますので是非とも皆様ご協力ください。
 ↓以下のアドレスでネット上フォームから署名できます。
http://anti-emperor.hn.org/sosidan/signature.html
(氏名・住所は国交省あてに提出するのみで公開しません)

 第一次集約は、7月17日で、それ以降に建設主体である国土交通省に提出行動を行います。
署名フォームが見られない方は以下の連絡先にご氏名・ご住所をお送り下さい。
 連絡先 「昭和天皇記念館」建設阻止団 
TEL 042-525-9036 FAX 042-525-9036
東京都立川市富士見町2-12-10-504
Eメール sitana@juno.ocn.ne.jp

以下に署名呼びかけ全文を貼り付けます。

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税金を使って戦犯・昭和天皇ヒロヒトを記念するな! 私達には「昭和天皇記念館」なんて必要ない

2003年から3年間の工事で、立川にある国営昭和記念公園内に「昭和天皇記念館」なる施設を建設する計画が発覚しました。この施設はその名の通り、昭和天皇ヒロヒトを記念するものです。

 戦前、ヒロヒトは祖父・明治天皇をはじめとする支配層の主導で日本が侵略・植民地化したアイヌ・沖縄・台湾・朝鮮への抑圧的支配を続け、日本が更に中国や東南アジアへの侵略によって植民地拡大を図る中、軍最高責任者として徴兵によって強制的に兵士達を戦争に送り出して死に追いやり、この兵士達を使って更に多くのアジアの民衆を虐殺しました。
 そして、この侵略戦争の敗北が確実になると、彼は天皇制の存続と自らの保身を図って、アメリカに対しての無条件降伏受諾を最後まで躊躇します。この間に、沖縄での苛酷な地上戦や、各地での大空襲、広島・長崎への原爆投下によって多くの人々が殺されました。
 戦後になると、天皇があたかも政治権力を持たないただのシンボルであるかのようなイメージが広く流布されてきました。しかし、ヒロヒトは、占領軍司令官マッカーサー元帥との会談の中で日米安全保障条約締結を後押しし、アメリカに対して沖縄の軍事占領継続についても同意を与えていました。そして彼は、これらのことを政治的な「かけひき」としてアメリカにすり寄ることで、自己に対する戦争責任追及から免れようと策謀してきました。この時の条約で築かれた日米安保体制のもと、日本は一貫してアメリカに対する戦争協力を行っています。

 記念館建設をすすめる昭和聖徳記念財団は、ヒロヒトを「国民」の幸福を願った君主として記念しようとしています。「国民」は徴兵対象とされ、多くがほとんど強制的に戦場に送り出されましたが、その中でも資産家・富裕者などの特権的階級には兵役免除の道が残されていました。しかし、一方で終戦近く兵員が不足するまでは朝鮮人などの植民地出身者は「非国民」として軍隊・兵役からも「排除」されていましたが、そのことで更に差別を受けました。ヒロヒトは、日本の権力者達とともに民衆を「国民」と「非国民」に分断し、「国民」に「非国民」を差別・抑圧・虐殺までさせてきました。そして、そのヒロヒトを賛美し、記念館建設を図る財団の役員もまた、ほとんどが政治家・大企業経営者など現代日本の富裕層や、政財界における権力者達です。
 記念館建設には国(国土交通省)から約50億円もの予算が出される予定です。国家が教育・福祉などの予算を削減し、自らの政治経済的な失策の皺寄せを民衆生活に押しつける中、民衆から徴収された税金を大量に使って、民衆を「国民」と「非国民」に分断して殺し殺される関係に追いやったヒロヒトを記念しようというのです。
 私達はこれを絶対に許すことができません。
 以下、国土交通省に申し入れます。

申立の趣旨
 一、昭和天皇記念館の建設に私達の税金からなる国家予算を投じないで下さい。
 一、戦犯ヒロヒトを記念する昭和天皇記念館の建設を中止して下さい。

連絡先 「昭和天皇記念館」建設阻止団 
TEL 042-525-9036 FAX 042-525-9036
東京都立川市富士見町2-12-10-504
Eメール sitana@juno.ocn.ne.jp



2004年06月06日(日) 川崎市との交渉日程が決まりました

川崎市との交渉日時が決まりました。

次回、川崎市との交渉日時が決まりました。
ご参加をお願いします。
また、周辺に声をかけていただき、参加をよびかけてください。
よろしくお願いします。

内容(案)などは崔勝久の文章をご覧ください。

第16回対市交渉
7月13日(火) 午後2時から4時
場所 川崎休日急患診療所(川崎市川崎区富士見 教育文化会館前)
    電話 044−211−6555



2004年06月05日(土) 次回の川崎市との交渉に際して

私は次回の川崎市との直接交渉は大変重要な契機になると考えています。
当局は一貫して開き直り、差別制度としての「運用規程」、阿部市長の「外国人準会員」発言について連絡会議が出した質問についてまともな回答がない
ばかりか、そもそも市民との対話をしていくという気がないということがこの間、はっきりしてきました。阿部市長は自分への批判に関しては一切、耳を貸さない人で、やりたいことに邁進するタイプのようです。従ってこのままでは市当局との直接交渉が全くの形骸化されると思われます。
そこで以下のようなメモ(次回事務局での討論のたたき台)を作成・準備しました。ご意見をお寄せください。

今回は違った角度から問題提起をして彼らの言質をとるようにするすればどうでしょうか。そのことによって、「共生」の実態を明らかにしていき、そこから新たな問題提起が可能になると考えます。

1.これまでの問題の整理
 ・「準会員発言」と今後の外国人施策の関連性
 ・慶応大学に依頼した調査の位置付け(インタビューされた人に偏りがある)
 ・連絡会議ような市民運動からの提起はどのように位置付けられるのか

2.東大島小事件について
東大島小の事件は、わくわくプラザがもつ構造的な問題から派生していると
いう指摘がなされ、国連機関にまで報告されている。
わくわくプラザはそもそも外国人市民代表者会議で提案され実現化されたように記されているが、それは事実なのか。
本当にわくわくプラザに構造的な問題があるのか、その実現を訴えた代表者会議の意向は理解できるが、起こるべくして起こった構造的な問題という指摘に正面から応える責任と必要性があるのではないか。(シンポジューム開催の提案)
構造的な問題であるいうことが明らかになればそれを放置していた市長と施設長の責任を問うことになる。

3.李発言について
・阿部発言についての民闘連からの質問状の内容の事実確認
・阿部市長に「準会員」発言の封じ込みをしたという李発言の事実確認
(実際はどのような会合での発言がなされたのか)
・李発言に即して、
  ・川崎での外国人テロを市長は想定しているのか
  ・外国人テロと川崎市の外国人施策は関連すると考えているのか
  ・李発言に関する当局の見解
・李発言の内容と質問状の内容が異なっているのは、
  ・李発言が虚偽なのか、質問者が嘘をついているのか、事務局が偽りを記したのかのいずれか

4.民闘連について
・一民間団体である民闘連或いは青丘社を市民代表者会議の代表にした根拠といきさつ。及び全くの個人という資格にしたいきさつ。
・市当局と青丘社の契約の内容の確認
・民闘連と市職との関係(何故、差別と闘う唯一の団体としているのか)
・民闘連と青丘社の関係
・事務所(電話など)と職員の問題(民闘連の専従であることの問題性)

崔勝久



2004年06月04日(金) 川崎連絡会議ニュース(第15号)の反響

(5月8日、私のところに以下のメールがありました。少し遅れましたが、報告します)
 今日は、御元気ですか。
 昨日昼過ぎ、多摩区宿河原在住の女性から、ニュース15号のコピーを柿生の伊藤さんという方からいただき、「青丘社理事長の責任を問う」という文章に注目しました。来る15日、多摩区選出議員との話し合いの会で「わくわくプラザ」のことを議員に質問したいので、この記事を使用させてください」との依頼でした。
 私の電話番号をどこで知ったのかは分かりませんが、記事はご自由にお使いくださいと返事をしたあとで、ニュース15号以降、若干、事情が変化していることがありますと、3月末に市民局が発行した「外国人市民施策実施状況調査報告書に「わくわくプラザ」の発想が「外国人市民代表者会議の1998年度提案」にあるという記事があるととを伝え、今朝、その人に電話し、「子ども文化センター」の資料をコピーして郵送することにしました。
 私が作った事故報告書の分析資料4枚は、コピーで貰っているということでした。大体以上ですが、報告します。
 この人には今後、ニュースを送った方がいいようにおもいます。

望月文雄



2004年06月02日(水) 2年ぶりの日報投稿  崔 勝久

いや、久しぶりの投稿です。
連絡会議のHPはデータベースで満足するな、もっともです。Hちゃん、ごめんね!

5月25日、連絡会議の事務局がありました。
7月に市当局との直接交渉をしようということになりました。
私はこの場は連絡会議にとって大変重要な転機になるような予感がします。

川崎市において外国人は日本国籍をもつ日本人と同じ市民であるという基本テーゼは本当に成り立っているのでしょうか?
阿部市長は、外国人は「準会員」であると発言し、その発言を撤回・謝罪していません。李仁夏青丘社理事長は阿部市長に対して問題を大きくしないために「発言を封じ込め」ようとしたと告白しています。外国人市民代表者会議でもこの発言を完全に知らんふりしています。これは知らん振りして済む問題ではなく、これまでの運動のレーゼン・デードルに関わることであるということを再度、確認しましょう。

この外国人市民代表者会議で発案された「わくわくプラザ」は、結果として
東大島小での事故によってその発案の責任が問われます。市当局の代弁をしただけでないのか、ということです。「わくわくプラザ」での事故は(事件という当事者の話もありますが)、起こるべくして起こった「構造的な問題」であることが判明してきています。従って、その「問題」を放置して事故が起こったということに対しては、市長と李理事長の責任が問われるのです。
次の学集会にはこの「わくわくプラザ」が「構造的な問題」であると国連機関に提案したNPOの方を招きたいですね。そこに市当局、青丘社をはじめとした関係者を全部呼びましょうね。

「共生」批判を本格化します。

崔 勝久

PS: Sさんから川崎市職の実態を聞き、そーか、そこまで組合運動は空洞化
しているのかと暗澹たる気分です。変に組合運動との連帯などという幻想を
持たないで、HPを通してしっかりと連絡会議に集まる人が自分の考え、生き方を主張していくことの大切さを再認識した次第です。みなさん、投稿しましょうね!


(上田註:原稿は、5月26日に書かれていて、文章では「昨夜連絡会議の事務局があり」とありましたが、「5月25日、連絡会議の事務局」と訂正しました。)


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