残暑はなかなか結構ひりりひりりと暑い
NNのおっさん2人の妄想とか自分の日々とか色々書いてます

1999年01月15日(金) こたつ

コタツに二人で入って、少し酒を飲む。
次の日がオフのときの小さな楽しみになっている。

深夜放送で流れてる映画をかけながら、
なんとないことをぽつぽつと話している。
さっきから、岡村は自分の足先で矢部の足をつつきながら
煙草を吸っている。

「なぁ、なんか嬉しい事でもあったん」
矢部が問うと
「なんで?」
気にする様子もなく返す。
「なんでって、さっきからなんかエエ顔してるで」
「えっ、そおか?」
言われて気づいたのか、慌てて矢部の方を見る。
「うん、ずうっとなってたで」
つついていた足を止め、落ち着き無く胡坐をかいて座りなおす。
「別になんもないんやけどなぁ…」
煙草を灰皿に置いて、気の無いフリをする。

「なぁ」

矢部がコタツから抜けて、岡村の背後に回る。
そのまま岡村を抱き込むような形で腰をおろした。

「なっ…なんやねん急に」
「えーやん、あったかいで」
「酔うとんか」

そう言いつつも体重は矢部に預けている。
矢部は矢部で、小さい割にしっかりとした岡村の背中に安心感を感じていた。

「酔うてますよ、僕」

矢部は岡村の腹にまわした手を引き寄せて、首筋に鼻を埋める。

「酔うたらくっつきたなるんです」
「酒入ってんくても来るやんけ」
「そーでしたっけ」

知らぬフリで笑う矢部に、しゃーない奴やで、と呟くと
岡村は左腕を上げて矢部の頭に手を伸ばした。
そっと触れて、宥めるように髪を撫でてやる。

抱きしめているのは自分なのに、
岡村に甘えている格好になっていることに少し照れながら
矢部は酔っていることを言い訳に、されるがままになっている。

岡村が手を下ろすと、待ち伏せていたかのように手のひらを捕まえて
岡村の指を玩ぶ。

絡めたり、離したり、握ったりしながら、その存在を確かめる。
岡村も無意識にだろうか、同じように握り返してくる。

「おかむらさん」

矢部の口から、思わず甘えた声がでる。

「んー」

ぴったりくっついている身体から、声が伝わってくる。

「なあんもないです」
矢部は楽しそうにくつくつ笑うと、耳にキスをひとつ落とし

「朝までこうしてましょか」

と冗談めかして言った。

岡村は俯いて、それもえーかも、と真面目に答えると
ほぅ、と溜息をついて目を閉じた。
丁度矢部が、頭に口付けたところだ。
コタツに突っ込んだ両足がやたら熱くて、
岡村は小さく身じろいだ。




*************************
もう暖かい季節ですが
物置にしまう前にコタツネタ



1999年01月14日(木) ベタネタですが

目の前で繰り広げられる、くだらない言い争い。
応酬がエスカレートしていく中、俺だけが冷静にそれを眺めていた。
もう何分も二人の主張を聞いてやる形になっている。
話を聞いているのは俺なのに、二人とも気持ちはそれぞれ相手に向いている。
内心で「勝手にせえよ、もう」と思う。
仕事とは言え、やはりなんとも言えないモヤモヤが湧いてくる。


ああ、この感じ。
これはあの時ととても似ている。
10年以上前は、こんなことがよくあった。それと同じだ。

「本当におっかしいんだよ、この人」

笑いながら俺に話すのは、オーイヅミ君。
俺自身はそこまで彼の事をよく知らない。
「この人はさぁ…」の、話題の張本人の事は
悪いけど俺の方がよく知っている。うん。

「なんやねん、よお言うわ!!」

負けじと言い返すおかむらさんの目は、それはもうキラキラ生き生きしている。

そう、これよこれ。
仕事と趣味と、俺に向けられる以外で見るこの目。
全部が楽しくて仕方が無い、
次になにをされるか、自分もどうしてやろうかと
純粋にワクワクしている目。
そしてそんな様子を目の前で見せられるなんて、本当に久しぶりで。
おかむらさんの事を独占したいなんていう気持ちは
もっと若いときにはあったけど、もう大人やし信頼もあるしで最近は動じなくなっていた。
でも、ここまで生き生きな彼を見ると、ちょっとドキっとしてしまう。


「なんか自信なくなるわー…」
収録が終わり、楽屋へ戻る。
オーイヅミ君とおかむらさんの物凄いエネルギーと個人的な感情から、どっと疲れが出る。

昔は、どうだったろう。
こういう場面はよくあった。
その時、自分はどうしてたんだろうか。

「あかん、もう思い出せんわ…」

感情のコントロールが出来るようになって平穏な日々が長く続いていた。
意識してなかったけど、おかむらさんの事は自分のものだとか思ってたんだろうか。

「思い上がってたんかなぁ…反省しよ」

自分を諌めたものの、やはりおかむらさんを取られたような気になって。

「でも俺のもんやっちゅーねん」

ぶつぶつ言いながら楽屋を出た。




駐車場に下りるエレベーターを待っていると
タイミングの悪いことにオーイヅミ君とおかむらさんが肩を並べてやってきた。

「お疲れ様です」
「おつかれー」
「やべさん聞いてくださいよ、またこのちっさいおっさんがぁ」
「それはオーイヅミ君が悪いんやろー」

スタジオと変わらぬ勢いでまた話し始める二人に
「まだやってんのー」と笑うしか出来ない自分。
もう大分ダメージ受けたのに、とどめを刺す気かと思いながら
こんな嫉妬心を丸出しにするわけにもいかず、適当に合わせながら仲良く駐車場へ下りていく。

「僕タクシーですから。覚えとけよーちっさいおっさん!!」
「おーおーそれはこっちの台詞じゃぁ!!」
と、最後の最後まで言い合ってタクシーに乗りこんだオーイヅミ君を見送ってから
「じゃ、僕もあっちやから」
とおかむらさんに背を向けた。

「おー、お疲れ〜」

いつもと同じ別れ際なのに
オーイヅミ君とのやりとりが激しかっただけに
おかむらさんのこの一言がとても淡白に感じて、あー俺にはこれだけか、と益々ヘコんでしまった。

「あっ!!」

突然おかむらさんの声が鉄筋コンクリートの駐車場に響いた。
思わず振り向くと
「車のキーがない!!!」
とカバンを必死に探っている。

「何してんすか、ポケットは?」
「ポケットにもない…どーしよ…」
「思い当たるとこないの?」
「全然分からん…帰られへんやん」
「楽屋戻ってみたら?」
「えー…でもなぁ…楽屋行ってもなぁ…」

なに渋ってんねん…と言おうとしたとき、チャリ…と明らかに鍵の音がおかむらさんのポケットから聞こえた。

「あるやん鍵ィ!」

そういうと、へへへと誤魔化すような顔でおかむらさんが笑った。

「何しょーもないウソついてんねん」
「ばれた?」
「ばれたやあらへん」

突然くだらなくなって、自分の車へ向かおうとすると。

「待って、一緒に帰ろうや」

とおかむらさんが付いてきた。

「一緒にて、お前も車やのにどうせバラバラやん」
「じゃぁ俺がお前の車に乗って、お前の家に帰ろ」
「なんでやねん」

めちゃめちゃな言い分に噴出してしまう。
そんな事を言っているととうとう車に着いてしまった。

「なに勝手に乗り込んでんの、あんたぁ」
「ええやん」

俺の気持ちも知らんくせに楽しそうに笑うおかむらさんに少し腹が立って
エンジンもかけずにハンドルに凭れて横目でにらんだ。


「なんやの」
「なにカリカリしてんの」
「あんたがめちゃくちゃ言うて車乗ってくるからや」
「その前からやん」
「あんなぁ……あんたらが煩ぁて疲れたの」


それだけじゃないと、もしかしてバレていたんだろうか。
そう言ってもおかむらさんは俺から目を逸らさなかった。
じっと見るまっすぐな目に圧されて、観念して口を開く。

「…ほんまは…あんたがあんまり楽しそうやから、やきもちやいたの」

顔を見られたくなくて、おかむらさんを抱き寄せた。
おかむらさんも俺の背に手を回して、大人しく抱かれてくれている。

「ほんでなんか…自信なくなっただけやねん。そんだけ」
「そおか」

背中をあやすようにぽんぽんと叩かれて、子供みたいやな…と自分が可笑しくなって笑う。

「俺、まだまだやわー…もう落ち着いたと思ったけどアカンわ」
「どういうこと?」
「おかむらさんには弱いみたい」

素直に白状すると、おかむらさんは「そおか」ともう一度言って
抱きしめる手に力をこめた。
そして、「自信、ずっと持っててよ」と耳元で囁いて
俺が頷くのを確認すると、そっと頭にキスをくれた。







***********************
Oいずみ氏と丘むらさんの絡みがあまりに激しかった記念。
でも決してやべしにヤキモチ焼かせる為に激しい絡みを見せたんだ!
というあれなわけじゃなく、純粋に萌えました。
O氏と丘氏の話も書いてみたい…がO氏を知らなすぎて
妄想が現実以上に広がらない状態です。








1999年01月13日(水) 無題

薄暗い部屋の中、矢部はソファに座っていた。
仕事場と家の往復だけの日がこんな続くのも珍しい。
これもそれもみんなあいつがいないからだ、と投げやりに煙草に火を点ける。
岡村は、仕事で日本を離れている。
いない間、部屋の観葉植物に水をやってくれと頼まれているのを思い出したが
今日はもう疲れているし、いまから岡村の家に向かうのも面倒だ。
煙草の灰を灰皿に落とす。
灰皿は、岡村がどこかからの土産でくれたものだ。

「あ」

そうだ。
以前、岡村が家の植物を枯らしたときの事を思い出した。
色んな不調が重なって、あいつは急に不安になったんだった。
それで「コンビを契約制にしよう」と言ってきたのだ。
やはり、水やりに行かなくてはいけない。枯らすと、またあいつがうるさいだろう。
煙草の火を消し、車のキーを持って外に出た。

岡村の部屋の合鍵は持っている。
「いつでも来てええで」
と言われてはいるが、実際週の半分くらいは仕事終わりに一緒にこの部屋に帰ってくる。
自分の家に岡村がくることもあるにはあるのだが。

鍵を開け、いつもと同じように中に入る。
岡村が日本を離れてから来ていなかったので、久しぶりだ。
どこか懐かしい匂いがして、矢部は少しほっとした。

電気を点けて、鉢に水をやる。
「ちょっと間ほっといてごめんな」
岡村に愛されているであろう観葉植物たちに声をかけていると
まるで岡村自身に話しかけている気分になる。

水遣りを終えると、どっと今日の疲れが出てきた。
もう、今夜はここで寝よう。と、ベッドに向かう。

岡村のベッドは綺麗に整えられていて、彼の几帳面さがよく表れている。
矢部は勝手にベッドにもぐりこみ、いつもの癖からか真ん中から少し右の場所に落ち着いた。
布団から、枕から、岡村の匂いがする。
高校の頃から変わらない…といっても、最近はおっさん臭が混じってきているが、安心する匂い。

矢部はその匂いに包まれて、岡村が不安定になったときを思い出していた。
当時は自分はドラマをやっていて、ピンでお笑い番組に出たりしていた。

コンビのどちらかがフューチャーされてピンでどんどん売れていくというのは
そこそこ名が知れてきて安定しだす頃のコンビによくある事だが
そういうコンビやグループをいくつも見てきていた岡村は、余計心配になったんだろう。
まして、上京してから信頼できる人間も殆どいなかった。
そんな環境が揃って岡村を追い詰めていたのだ。

だが。
あの時は彼を落ち着かせることが最優先だったが、
そういう風に自分が岡村を置いて一人でやってくんじゃないか、と思われていたことに
矢部少なからずショックを受けていた。
そう思わせてしまったのは悪かったが、そんな考えなどハナから自分達にはないと思っていた。

それに、本当言うと自分だっていつも不安で寂しいのだ。
矢部は大きく息を吐く。
「今かって、お前おらへんやん」
あの時の事を考えるとお互い様、といえるかもしれないが。
もう、離れても大丈夫だとあいつは思っているのだろうか。
もちろん二人の向くベクトルがズレたりブレたりする事はないだろうとは思う。
少なくとも自分の方は、何をしようが必ず岡村のところに帰ってくるという自信がある。
それとは別の、次元の話だ。

自分ひとりではここまで来られなかっただろう
仕事の話だけじゃない。矢部の生活が――人生自体が――
いまや岡村なしには考えられなくなっている。
(そのこと、わかってんのかな)
枕に顔を埋めてみる。
こんなセンチメンタルになるために、この部屋に来たわけじゃないのに。
歳を重ねて不安になる事も大分減ったとは言うものの、岡村の事に関しては全くだめだった。
岡村が長く留守にすると、大抵こうなのだ。
理由をつけて岡村から意識を逸らし、
結局我慢できずに言い訳しながら彼の部屋に来てこのベッドに倒れこむ。
もういい大人なのに何年経ったって変わらない。
「癖んなってんかな」
自嘲気味に笑ったところで誰も見ていないのだが。
「悪い癖っすわー…ねぇ、」
応えてくれる相手は、今夜はいない。
それでも矢部は唇から言葉が漏れるままに呟く。
「ひとりで寝たって布団も冷たいだけやのに、わかってんのになー」
妙にひんやりとした空気に気づいて、布団のなかでごそごそと動く。
どうせ誰も見ていないし、柄にも無くたまには泣いてやろーか
観葉植物の水遣りなんか来るんじゃなかった。
この部屋の植物なんかより、よっぽど自分の方がひどいではないか。
あのまま疲れに任せて自分の部屋で寝てしまったほうが遥かに楽だった。
「…僕のほうが、あんたの事好きやわ」
布団を手繰り寄せて、抱きしめる。
なんだかんだで、負けているのだ。
そう、最初に惚れた時点で負けは決まっていた。
「帰ってきたら…」
甘えてやろう。
多分、恥ずかしくて出来ないだろうけど。
でも、たまには自分が甘える側にいたって良いと思う。
「…急に甘えたらびっくりするやろなぁ」
その驚いた顔と、多分照れ隠しでぎこちなくなるだろう彼を想像したところで
ようやく温まってきたベッドの中、矢部はやっと眠りについた。






******************
香港映画撮影第二弾のときのやべし。
空港に送るロケバスの中で、やべしがほっぺちゅーしたのは
さみしかったからに決まっている!と、思っています。
あんな長いこと離れる事が、異常事態だったんだろうなぁ。
このときのやべしのANNとか、ぐる企画で香港まで追っかけるとことか
おかむらさんは撮影で頭いっぱいやったやろうけど
やべしはおかむらさんの事で頭いっぱいだったという妄想。



1999年01月12日(火) 寒い日つづき

コンビニまでの道すがらの話。
冷たい手と手を絡ませて歩く。

「それにしても、よう飽きませんね」
「肉まん?」
「うんーまあね」
「もしかしてそれ俺のこと?お前のこと?」
「んー?さあね」
「さあねって何やねん」

寒いから早く着きたい。
でもそうでもないような。

「おまえ、手繋ぐのあんまりやろ?」
「なんで?」
「後ろから服の袖持たれるほうが良いんちゃうん」
「そらまぁ…それも可愛いですけど」
「…ふーん」
「持ちます?袖」
「……」

試してみる。

「…あんましやわ」
「なにが?」
「俺はこっちが良い」

袖を離して、元通り。

「僕も」
「………お前手ぇ冷たいねん」
「あんたも冷たいよ」

当たり前の様に手を奴のポケットにしまわれて。
もう寒いのとか、どうでもよくなっていた。


*******************
続きのはなし。
だめだ、目茶神流しながら書いてたけど
本物に勝る萌えなし。
妄想なんて大したことないなと思わされます。



1999年01月11日(月) 寒い話

空気が澄んでいる。
寒い寒い日の夜中の話。

「東京でも冬はよう星見えるな」

腕を組んだまま肩を竦めて、岡村が呟く。
肉まんが食べたいからコンビニに行こう、と言い出したのは岡村の方だったが
正直ここまで寒いとは思っていなかった。

「見えますねー」

部屋を一歩でただけなのに、一気に身体が冷えていく。

「にしても寒いっすねー」

矢部もダウンジャケットのポケットに手を突っ込んで白い息を吐く。

「やっぱコンビニやめとこか」
「えーやめんのー?」

あまりの寒さに行く気が失せたのか、岡村は玄関先から一歩も動かない。

「行きましょうよ、ほら。散歩散歩」

矢部が促すが、岡村は「うーーーん」と唸ったままである。

「あんたが行こうって言うたんでしょ?」
「でもそこまでして行かんでもええかなあってさぁ、なるやん?」
「なるやん?って、肉まん食べたいんでしょ?」
「食べたいけどやぁ、ハイリスクやで」

うだうだ言って動かないほうが、よほど冷える。
矢部はしゃーないなぁと言って、岡村を抱き込んだ。

「ちょっと間あっためたるから、行こ」

頬に当たった岡村の耳は氷の様に冷たくて。
夜中のマンションの玄関先で、仮にも電波に身を置く二人が
あからさまに抱き合うなんて危険すぎるのだが
構わず更に強く矢部は抱きしめた。

「お前意外と大胆やな」

笑った岡村の頬は、部屋にいた時よりもあたたかそうな色をしていた。




******************
「寒い」「ぎゅっとする」が
前の話とモロ被りです。申し訳、ない。
丘村さんはぎゅっとするかちゅーすればおとなしくなる説。
じょゆーえろがっぱ説と同レベルの説を私は声高に唱えます。



1999年01月09日(土) おはなし

最近岡村さんがおかしい。
いや、大体いつもおかしいんやけど、
ちょっと変なスイッチが入ることがある。
今日のラジオもそうやった。
なんか疲れてんか?
まぁ、疲れてるのは目に見えて分かるけど。

「おい」
「え?」

放送が終わって、声をかける。
反応は鈍い。
顔は下向いたままで。

「今日ツボクラの車で来たんやろ?」
「おーそうやねん、ワイパー壊れたからやぁ」
「うん。今日、送ったるわ」

そう言ったらやっと顔を上げた。
何も言わんとじっと見つめてくる顔がちょっと可愛い。
ちょっと間があって返事がかえってくる。

「え…ええよええよ」
「ん?えーから、ほら」
「…うん」

車に乗せて、無言で走り出す。
岡村さんは前をぼんやり見つめている。

「…なぁ」

岡村さんが掠れた声を出す。

「ん?」
「この時間やったら、静かやな」
「うん、そやなぁ」

街が、という事なのだろう。
岡村さんはいまだに東京に慣れていない。
色々ありすぎて、心から好きになれないのだろう。

「眠たかったら寝てええよ、起こしたるから」
「ううん、起きてる」

しんと静まり返った街が、妙な浮遊感を持って僕らを包む。
そう感じた僕に気づいたのか、また岡村さんが掠れた声で言う。

「なに考えてんの?」

岡村さんも僕も、前を見たままで。

「岡村さんの事」

今この夜更けの街で、温かいと思えそうなものはお互いだけで。
そんな状況で何もかも隠す必要なんてなかった。

「ずっと岡村さんの事考えてるよ」

このままここで車を停めて、
ふたりでどうにかなっても良い気さえしていた。
応える言葉はなく、また暫く沈黙が続く。

「…息、してる?」

あまりに静か過ぎて声を掛ける。

「してるよ」

ごそ、と衣擦れの音がする。

「俺、お前が好きや」

岡村さんの声が、静けさより静かに響いて僕に届く。
掠れた言葉は何よりも甘く。
僕はやっぱりここで車を停めてしまっても良いんじゃないか、と真剣に考えた。

「声とか、喋るリズムとか、表情とか、全部」
「全部すか」
「うん、全部。手放したくないねん」

まるで本人以外の誰かに語るような口ぶりで、当たり前の様に言う。
僕は僕で、冷静に岡村さんの言葉を受け止めていた。

交差点で信号が赤になる。殆ど車は走っていない。

「疲れてんちゃう?」

それが僕の事なのか岡村さんがなのか反芻もせずに、思った事が勝手に口から漏れた。

「はよ、寝た方がええで」
「せやな」

次の角を曲がると岡村さんの家に着く。
早く帰して寝かせてやりたい気持ちと、そうでない思いが混ざる。
迷って出した答えは自分の疲れを言い訳に、僕は結局角を曲がる手前でブレーキを踏んでエンジンを切った。
岡村さんがこちらを向くより先に彼に覆いかぶさって、シートベルトごと抱きしめた。
空調が切れて、ひやりとした隙間風が入ってくる。
岡村さんは鼻をすすると「お前はあったかいな」と言って目を閉じた。







**************
むかしっから、
 ・人気のしない街
 ・触れるだけのキス
がめっぽう好きなので、似たような話しか生まれません。
静まり返った街フェチなのかもしれません。
あと、勝手に岡村さんは俺で、やべさんは僕って言うイメージです。



1999年01月08日(金) ゆるい雰囲気でごめんなさい

かちゃかちゃ
と、食器を洗う音を聞きながら、僕はソファに座って煙草に火を点ける。
洗い物をしてくれてるのは、岡村さん。
今夜のご飯は彼特製のカレーで、いつもながらとても美味しかった。
ソファから台所にいる彼のエプロン姿を眺めたら
決まってニヤけてしまうんは何でかなぁ〜へへへ、なんて下らん事考えてたら
キュッっと蛇口を締める音がした。
どうやら片付けが終わったようだ。

「あーもう疲れたぁ」

一緒に暮らし始めて、1年経つ。
家事なんかは分担して、結構ちゃんと生活もしている。
もちろん僕がご飯を作る時もあるけど
僕のご飯より断然彼が作ったご飯のが美味しいし、
なんとなく幸せ気分がアップするから
出来れば毎日岡村さんにご飯を作って欲しいなーと思っているのだが
一回その事を言ったら「不公平や!俺もお前のごはん食べたいわッ」って
さんざん怒られたので、それ以来言わないようにしている。

エプロン姿のまま自分の肩をもみながら、岡村さんは僕の左隣に座る。
「あー疲れたなぁ〜」
岡村さんはわざとらしく言うと、どさっと僕の膝の上に倒れこんだ。
その行為に、可愛いなぁと自然に笑みがこぼれる。
「お疲れ」
労う意味を込めつつ、背中をぽんぽんと叩いてやる。
はぁ〜と岡村さんが溜息を吐くと、息のかかった場所だけ熱くなった。
「ホンマ、むっちゃうまかったで、カレー」
膝にある彼の短い髪を玩びながら言う。
「うまかった?」
「うん、うまかった」
「せやろ、今日は俺ちょっと頑張ったもん」
くるんと岡村さんは仰向けになると、嬉しそうに笑った。
「あんた、エプロンくらい脱ぎぃよ」
と言うと、
「んー?ええやん、めんどくさい」
と、口を尖らせた。
「邪魔ちゃうの?」
「邪魔ちゃうよ、身体の一部みたいなもんやん」
「それはないやろ」
やりとりに思わず笑ってしまう。
岡村さんといると、本当に飽きない。
「あ、」
再び彼の髪をいじり始めた僕の顔を見て、何か思いついたようだ。
「ん?」
「エプロン、脱がせてくれる?」
「えぇ?!」
その発言といたずらっ子の様な笑顔に完全にやられた僕は
何故かやたら照れてしまって、顔がみるみる赤くなるのを感じていた。



*****************
つづく……と言いつつ続きを全く考えてませんが
完全に某密柑にインスパイア(という名の妄想)されました
ちゃんとエプロン脱がせた先を書けたら…いいな〜



1999年01月07日(木) 無題

夏。
あつい。


「べーやん、お好み行くで!!」

先輩の声が聞こえる。

「うぃーす」

返事をして、僕は先を行く先輩の背を追う。

高校に入学して、サッカー部に入部して、先輩と出逢って…
――といっても、最初に出会ったのはアニキが先輩を家に連れてきた時やから彼の事はずっと知っていたのだけど――
仲良くなってからずっとこんな調子で、
毎日の様にお好み焼き屋へ通っていた。

「おばちゃーん、豚2つ!!」
「はいよー」


あっついすねーと言って、水を一気に飲み干した。
ちりんちりんと風鈴が鳴る。
壁に付けられた扇風機が首を捻るたび、先輩の前髪を揺らす。
僕はその様子が気に入って、なんとなしにぼうっと見ていたら

「おぅ、なんやねん。なんか付いてる?」

と、先輩がしきりに前髪をいじりだした。

「いや、なんもついてないすよ」

彼の一挙一投足が、おもしろい。
さっきの、僕の先を行く背中も、ちょっと振り返って僕を呼ぶのも、
部活で走ってるときも、試合してるときも、全部。
僕が彼について毎日毎日一緒にいるのは
そういう全部を見逃したくないからだったりする。
それに、彼は先輩やのに全然気負いなく付き合える人で
だいたいの事は何でも話せる人だった。

「今日あいつがさぁ〜」

他愛ない部活での出来事を話していると、
豚玉を2つもってお好み屋のおばちゃんがきた。

「あんたら、今日はすいてるから豚肉大目に入れといたったで」
「うわ!ありがとう!!」
「さっすがおばちゃん!!」

鉄板に生地をのせる。
焼いてる間もむちゃくちゃ暑い。
ふと先輩を見ると汗だくで、それもまた、なんていうか気に入って。

「この焼けるまでが暑いよなぁ〜食うたら大丈夫なんやけど」
そういって先輩が笑うと、白い八重歯がちらっと見えた。


夏。
もうすぐ先輩は引退する。
こんな毎日は、多分、もうないんやろーな。
引退しはったら受験もあるし、あんまし遊んでられんもんな。


どうでもいいことを考える。
遠くでちりんちりんと風鈴が聞こえる。
引退のあと、受験のあと、卒業のあと。
彼がいなくても自分は自分でそれなりに過ごすだろう。
それにどうせ時々は会うやろうし。

でも、
でもなぁ。
彼がいない毎日を思うと、つまらんやろうなーと思う。
できるだけ、一緒にいられたら、と思う。

「あーもう、あついっすね、ほんま」

額の汗はぬぐってもぬぐっても止まらなかった。


************


「……あっつい…」

暑さで目を覚ます。
その瞬間、さっきまでのが夢だと理解した。

「お前、クーラーぐらい付けろや」

自分を見下ろすのは、よく見知った顔で

「何してんの自分…」

汗の玉が額に光っていて、まるであの時と同じで
また僕は目が離せなくなっていた。

「お前、寝言言うてたでー。
 『やっぱ…やっぱ豚がいいっすね〜』って言うとったで」
「うそお!」
「お前なんの夢見とってん、しゃぶしゃぶの夢か?汗だくんなって」

岡村さんが笑う。
笑い方は変わってない。ただ、八重歯はもうないけど。

「僕そんなん言うてました?」
「おう」

それだけなら良いのだが、何かもっと…
あの夢の中で考えてた事まで寝言で口にしてないだろうかと思うと
恥ずかしすぎてヒヤヒヤする。
あの夢は、あの当時の自分が考えてた事そのままで
僕はどうしても彼と一緒にいたかったのだ。
だからこの世界に誘った。彼となら大丈夫だと思って。
でもそんな話を岡村さんにしたことはないし、
そんな気持ちだったとバレていようが、
自分の口からは到底言いたくない話だった。


「お前、あほやなぁ」
「なっ」

くっくと笑いながら、岡村さんは煙草に火をつける。
それは明らかに、『豚がいいっす』っていう寝言に対するものではなく。


「お前はホンマあほやで」


もう一度言って、泣きそうに笑って、
僕の頭をくしゃくしゃと撫でた。



1999年01月05日(火) キスについて

窓の外、
もう見慣れてしまった街は、
狭い癖にいろんなものに溢れている。
そういうものを眺めていると、今日の一連の事を思い出す。



もう何度もしている事。
毎回理由をつけて、いちいち嫌がられながら。
結局気持ちいいくせに。

ずっと一緒にいるが、公私は混同していないつもりだった。

嫌がるのは、そういう線引きをする為の一種の儀式的なもので
公然の場であることを忘れないためのものだ。
ただ、それだけ。


忌々しく煙草に火をつける。
慣れた動作。
これも、アレも、変わらない。


「なーに考えてるんすか」

矢部の声。
ちらりと見やると、いつもの顔。
“何を考えているか分からない”と言われるのも、分かる気がする。
心の変化を人前で出さないのは、相方の良い所であり悪い所でもある。

「べつに」

自分だけは、彼の些細な表情の変化を読取ることが出来たはずだ。
それなのに何故こんなにモヤモヤするのか。
次にどんな行動に出るのか、自分でも分かりかねている。
ただ、できるだけ深く考えたくはなかった。



「岡村さん」

「なによ」


煮え切らない気持ちの正体が分からないなら
答えは相方に委ねてしまうのが一番楽かも知れない。
煙草を消して、相方と向き合って
次の言葉を待つ。


「口直し、します?」



返事をする間もなく、次の瞬間には自然と目を閉じていた。



1999年01月03日(日) おはなし

また今度の休みに沖縄いくねん」

嬉しそうな声がする。
最近沖縄に行くのが彼のブームらしくて、ちょっとでも休みがあれば飛んでいく。
海もぐって、ちゅらさんと遊んで、
帰ってきたら笑いのリハビリせなアカンくらいリフレッシュしてくる。
こないだなんか、引退して沖縄に住もかな〜なんて言い出すくらいで。

最初は、昔から東京は体に合わんとか休日はずっと一人で家におるとか言うてたし
ホンマに夢中で仕事やってる人やったから
息抜きできる良い趣味が出来て良かったなぁと思っていた。

でも、あまりに沖縄に行く回数が多くて、どんどん向こうで知り合いも増えて、
なぁんや俺の知らん事いっぱいしてきてるらしい。
そんな話を聞くたびに、すごいスピードで彼が沖縄の人になっていく気がして
モヤモヤ〜とする事が増えてきた。


うん。
彼に愛されている沖縄という存在に、俺は少なからず嫉妬していた。



そんなモヤモヤの積み重なっていたある日。
収録の合間に控え室に行ったら、珍しく岡村さんが一人で煙草を吸っていた。

「よぉ」
「おー」

挨拶のような声を出す。
次の瞬間、俺は何を思ったかこう言っていた。

「また行くんすか、沖縄」

意識せずスッと口から出た言葉は
思いの外拗ねたような声になってしまっていて
自分は重症だ、と思った。

「おー行くよー」

岡村さんは普通に答えたけど、俺の声のトーンで気づいたのだろう。
というか、何か変やなっていう顔をしてる。

「なんでよ、イライラしてる?」

直球で聞いてくる。
こういうとこは、ホンマに俺と正反対やなーなんてこと考えながら

「うん」

と、普段は「別にそんな事ないっすよ」とか返すクセに
自分もド直球で本音をさらりと返していた。

「なんでなんで、俺なんかした?」

意外と気にしぃな彼は、煙草を消してそう言った。

「いや、なんもしてないよ」
「変なことしてたんやったら言うてよ」
「なんもしてないよ」
「そやったらええけど・・・」


腑に落ちない岡村さんは、俺の様子を探っている。
そんな岡村さんの顔は日に焼けてて、そらもう海の男って感じで。

「えらい焼けてますね」

思ったままの事を口にするなんて、今日は余程おかしいみたいだ。

「おー、石垣で焼けたわ〜」
「ふーん・・・・・・沖縄好きですね」

岡村さんと目が合う。
ああ、これは気づかれたな。
思わず目を逸らす。

いつもならこういう個人的な感情も上手く誤魔化せるのに。
どうしたんや、俺。

「なぁ、おい」

岡村さんが俺の腕を掴む。

「俺が沖縄いくの嫌なんか?」
「嫌じゃないよ」
「うそやろ」

何をもってして、そんな自信有り気に否定するのか。
そこまで分かってるなら、もっと俺のほうも大事にせぇよ。
咽喉まで出かかったけど到底言えなかった。

代わりに

「側に…おってよ」

とだけ、辛うじて言った。
気づけばお互い手を握っていて、じんわりと温かかった。
涙は出ないけど、泣きそうで。
手を離すことが出来なかった。
何度も繋いだ手。
どこがどうなってて、どんな大きさかも知ってる。
安心するけど、
いつか彼の1番が自分じゃなくなる時を想像すると不安にもなる。


「どないしてんな」


多分俺は、あまり見せたことのない表情になってるんだろう。
びっくりした顔の彼が、怪訝そうにこちらを伺ってくる。
俺はと言うと、飽きるほど見てきた彼の顔を今更見ることが出来なくて
ずっと俯いていた。


「あんま、遠くに行かんとってよ・・・」


自分の声の小ささに驚く。
岡村さんは、その言葉で本当にすべて理解したようだった。

「・・・うん」

小さな身体で、俺を引き寄せて

「うん。わかった」

と言って、ちょっと背伸びして、なんとか抱きしめてくれた。

彼がそうしてくれるのは紛れもなくそういうことで、
俺はもうこの時点で、さっきまで嫉妬していた沖縄に優越感さえ抱いていた。






1999年01月02日(土) 文章

ときどき、怖くなる。
こやってテレビの収録が終わると、「おつかれーす」って、別れる。
目は、合わせない。

別にそれがいつもの事やし、今更いちゃいちゃすんのも気持ち悪いとも思う。
ずっと一緒におって、それこそ高校ん時から一緒やからお互い分かり合ってる。
そう思うけど、ときどき怖くなる。


…なんでかな。


あいつが一人でテレビ出てるのを見るとき、
あいつが俺の知らん後輩と仲良ぅ喋ってるとき、
突然、不安になる。
多分、俺の知らん矢部がそこにいるから。
いつか、自分と別の道をあいつは選んでしまうんやないかって。

今まで一緒にやってきた。
だからこれからもずっと…なんて考えてるのは俺だけなんちゃうかって。
お互い違う人間やから持ってる気持ちかって違うのは当たり前やけど、
でも俺は、お笑いしかないから…


矢部とはぐれてしまうのが、怖い。



なに考えてんねやろ。あほらし。
そんな事、ないって。
でも…でもなぁ…

家にひとりでいると、憂鬱が増す。
ぐるぐる考えて、しんどくなる。

「あーもー!」 携帯のメモリを開く。
“相方”の番号を押す。
ほとんど無意識に、でも心持ち緊張して。


『…もしもし?』
「あ、あぁ」
『岡村さん?どないしたん?』
「え…いや…特になんもないねんけどやぁ」

電話をかけてしまってから、自分の行為に恥ずかしくなる。

『びっくりしたでぇ。普段電話せぇへんから』
「うん…」
『なんかあったん?』

なんも、ないよ。

「あの…声…聞こかなー思て…」
『え?』

言うてて恥ずかし。ていうか何を言うとんのや俺。

『俺の声?』
「うん…」
『なんで?どうしたん?なんかあったんか??』

あいつの声は、半分笑ってる。
でも、俺を探ってるのが分かる。

「ごめん、急にかけて。ホンマ、ホンマ何もないねん」
『いや、変やん!こんなんお前せぇへんやん』
「うん…じゃぁまた明日な」
『ちょ、ちょぉ待てや!』
「ごめんな」
『ちょぉ…』

ピッ

…切った。切ってもた。
あいつの声聞いた所で、なんの解決にもならんのは分かってた。
やのに電話かけて迷惑までかけてもうたなぁ。

「はぁーあー」
ソファに寝ころんで、わざとらしく大きく溜息を吐く。
あー、何したかってんやろ。




ぴんぽーん

……

ぴんぽんぴんぽんぴんぽーん

…誰?


インターホンのスイッチを付ける。
そこに写った顔を見て、俺はびっくりした。



「矢部?」
『あっ、岡村さん?ちょ、入れてよ』

断れず、鍵を開ける。
どうしよ…俺が電話なんかしたから…
急に矢部の顔を見るのが怖くなる。

「よぉ、いらっしゃい」

平静を装う。
今更こんな態度とっても、こいつにはバレてるんやろうけど。


「急に電話して急に切るからビックリしたで?」

矢部が言う。

「俺、岡村さんが死ぬんちゃうかって思った」
「ごめん、おどかして…なんも、ホンマになんもなかってん」
「ホンマに?」
「うん」
「ホンマに俺の声聞く為だけに電話したん?」
「…うん」


あ、今。
高校のとき、ふられた俺を矢部が慰めに来てくれたのを思い出した。

矢部の目が、俺の目を覗き込む様に見る。
思わず目を逸らしてしまう。


「いっつも一緒におるやん」


矢部の声が、突然頭の中で大きく響いた。
いつも一緒におる?じゃぁなんで、俺はこんなに怖くなんの?

「一緒て…一緒やけど…」

矢部が、俺の次の言葉を待つ。

「そや…今は一緒におるよ?でもいつまで一緒におるか分からんくない? 35歳まではって契約にしたけど、ホンマはそんなん…そんなんじゃなくて、 もっとずっと、ホンマはやって行きたいねん…?でもお前の気持ちもあるし、 そこは縛る事はできひんやん。俺のせいでチャンス逃したりとか、アカンやん? せやけど俺はお前と……これしかないから……さぁから…」


堰きをきった様に、気持ちがあふれた。
いきなり過ぎて矢部には何の事かわからんかったかも知らん…
それでもこいつはずっとちゃんと聞いてくれた。

「俺は、契約の話が出た時からそうやねんけど、そんなん考えた事ないよ」

俺に言い聞かせる様に矢部が言う。


「俺は、これから先もずっと、ふたりでやってくつもりやで?」
「でも、ずっとなんて、永遠なんてありえへんやん!」


俺、泣きそうになってる。

「永遠なんてありえへんかも知らんけど、やっぱ無理やもん。 
こんなん言うの恥ずかしいけど、岡村さんおらな無理やもん。 
…だから、少なくともどっちかが死ぬまではやってきたいよ」

そぅっと抱きしめられる。
あかん、俺泣いてるわ。


「岡村さんが嫌じゃなかったら俺はずっと…… 
なんかコレ、プロポーズみたいやな(笑)」


頭なでられて、泣きじゃくって、子供みたいや。
でも、なんか楽になって安心した。

「…ありがとう…」

小さく言った。




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おためしで、昔ここに書いてたやつ載せました。
設定時期は古いです。4、5年くらい前です。
ナマモノなのに無防備に伏せもせず隠しもせずで
マナーもくそもない状態なので、
もしなんらかの形で間違ってココへ来てしまった方がいらっしゃれば
申し訳ありません。



1999年01月01日(金) 妄想復活してみました+拍手つけました

その昔むかし、ネット環境が徐々に浸透しだして
でもまだ今ほどなまものとかげーにんを扱ったサイトへのしがらみが少なかった頃、
1999年の日記のところにちょいちょい妄想を文章にしたものを載せていました。
もちろん伏せも隠しもせず、丸腰でやってました。



それを、ちょっと期間きめてためしで復活させてみようと思います。



昔書いたやつとか、HDに残ってるやつとか、新しく書いたやつとか
実験的に載せてみます。
条件は当時のままです。つまり、伏せず隠さず。





ここから先、1999年代の日記は、NNの妄想文章のみです。
NNというのは2人の略称です。100に1を引いた数字です。


NNのおっさん2人が必要以上に仲良かったり意味もなくちゅーしたり
腐った目線での文ばかりです。
腐女子とか、BLとか
 やまなし 
 おちなし 
 いみなし とか
そういった言葉の意味が分からない方、嫌悪感を持たれる方は
読まないようにしてください。

ご覧になって気分を害されても責任を負いかねます。
申し訳ありません。


長くなりましたが、何かありましたらメルフォか拍手からご連絡ください。


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油木かい [MAIL]