にっき日和
おしながき次よむ


2002年05月31日(金) おひさまにキッス

おひさまの匂いが好きです。

だから、ふかふかのおふとんが好きなんです。


朝起きて、まず空を見上げます。

もしそこに青空が広がっていたなら、

なんともいえずラッキーな気分になります。

そして嬉々として、おふとんを干すのです。


ふかふかのおふとんは、日なたの匂いがします。

ひつじの背中は、こんな匂いがするのでしょうか。

わたしのおふとんは羽毛だけど、なぜだかそんなことを想像します。


じつは、おふとんにはちょっとこだわりがあります。

特に高級なおふとんを使っているわけではないんですが、

気に入ったものでないと、だめなんです。

一生の三分の一は、おふとんのなかで過ごすことになるのですから、

やはりヨイものを使用したいと思うのです。

ヨイおふとんで眠りにつくと、

ヨイ夢を見ることができる気がします。


立派なおうちのこぎれいなベランダに、

みずぼらしいせんべい布団が干してあると、

なんだか気の毒に思ってしまうのです。

だってわたしだったら、

たとえダンボールに住んでいても、

おふとんだけは日に当てたものを使用したいと思うんです。

(↑それは無理?)


ラベンダーは、眠りを誘うそうですね。

一度、枕にポプリを入れてみたことがあります。

けれど、香りが強すぎたみたい・・・・

巨大な食虫植物に、絡めとられた夢を見ました。

やはり、おひさまの匂いにまさるものはない・・・そんなふうに断言します。


毎年梅雨になると、布団乾燥機の購入を迷います。

けれど、いまだに買わずにすませているのは、

そんな理由から・・・・なんです。


残念ながらきょうは、雨。

あしたはよいお天気かな。


気まぐれな 六月のおひさまを、

ただ 待ち焦がれているのです。


2002年05月20日(月) 孔雀サボテン

西の空が暗くなり、

コウモリたちがジグザグ模様に飛び回るころ、

ふと耳を澄ますと、

お庭の隅で 不思議なささやき声が聞こえてきました。



ひそひそ うふふ りんりん・・・・



「一年ぶりだね」

目覚めた”彼女たち”に話し掛けます。


そそ うふふ りんりん・・・・


彼女たちは、孔雀サボテン。

絡むように茂る肉厚の葉は、アロエにも似ています。

葉の先端のつぶつぶが、

やがてコブになり、

そしてつぼみになり、

いままさに、大輪の花を咲かせようとしているのです。

一年間、梅雨走りのこの時期を待ちかねていたのです。


わたしはそっとかがみこみ、

開きかけたつぼみの中を覗き込みました。

お月様の滴を集めたような 白い白い花びら。

おしべとめしべが絡み合って、濃厚なダンスをしています。


「今年も会えたね」

「よかったね」


そそ しし うふふふ・・・・


甘い芳香を撒き散らしながら、

ささやき声は、まだまだ続くの。


そそ かさかさ りんりん・・・・

ひそひそ ひそひそ・・・・・・・・・


明日の朝、

きっと彼女たちは 艶やかな姿を披露してくれることでしょう。

そしてわたしは、真っ先に庭に下りるのです。

誰よりも早く、彼女たちに会いたいから。

誰よりもたくさん、彼女たちを誉めたいから。


ねえ・・・・

だから、今夜の夜露をたっぷり吸ってね。


そして、

また あした 会いましょう。


2002年05月13日(月) 薔薇園にて

数年前まで、うちの庭には蔓バラが咲いていました。

毎年五月の今ごろには、

次々と花が咲いたものでした。

色は・・・

そう、赤というより濃いピンクに近かったような。

アーチなんて洒落たもんはなく、

無造作に蔓が伸び放題の状態だったの。

けど、わたしたち家族の目を楽しませるには充分だったっけ。

その蔓バラたちも、塀の改築とともに姿を消しました。



「薔薇園に行こう」

ぴょん母がわたしを誘います。

昨日の新聞で、湖畔の薔薇園の話題が記事になっていたからです。

平日だったので人はまばらでしたが、

満開のバラたちがわたしたちを迎えました。

そう広くはない園内に色とりどりのバラたちが、

おしゃべりするように咲き乱れています。

やっぱバラは洋のお花だわねぇ・・・とっても華やか。

満開の薔薇園をお散歩すると、

なんだか夢心地の気分です。

それとも、甘い香りに酔ったのでしょうか。




バラは女性を思わせます。



大輪の紅バラは、豪奢な貴婦人・・・

白バラは、楚々たる修道女・・・

おしゃべりな黄色に、ピンクは可憐な少女・・・

霧に煙るかのような薄紫は、上品な老婦人ってとこかしら。

そう、珍しいところでは緑のバラなんてのもあった。

白に近い薄緑で新種だそうです。



わたしが一番目を引いたのは、深紅のバラ。

小ぶりながらも、そのビロードのような花びらに目を奪われます。

外国の幻想小説が似合いそう。

朽ちかけた古城にひっそりと咲くの・・・・

・・・ええ、ドラキュラを連想しています(爆)( ̄ω ̄)ゞ



「挿し木をもらってきちゃったー♪」

うっとりとした気分に水を差すのは、ぴょん母の声。

いつのまにか、剪定した後の枝をいただいてきたらしい。

庭師のオジサンが分けてくれたそうなの。

どうせ捨てちゃうんだからいいじゃない、ってのが彼女の言い分。

見れば、買えば高価な大輪ばかりを選り分けています。

まったく主婦は抜け目がないとゆーか。( ̄∀ ̄;)汗

ま、でも大目に見よう。。。

わたしのお気に入りもしっかりGETしたようだしー。



「うまく根付いたらラッキーだねぇ」

来年あたり、うちのささやかなお庭にも、

色どりを添えてくれるのでしょうか。

なんだか得しちゃった気分で家路に着きました。



ぴょん

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