Spilt Pieces |
2001年09月18日(火) |
季節はずれのツクツクホーシが鳴いている。 鳴いているのか、泣いているのか、これが最後とばかりに大きくなるセミの声は、秋の風に乗って、私の鼓膜へと響いてくる。 暑くもなく、涼しくもなく、やわらかい風が夏の終わりを告げる。 私は、空から見ればちっぽけなこの世界にとらわれて、ここから出ることもできない。 この風も、景色も、きっとあと一瞬で消えてしまうであろうに、切り取ることも抱きしめることもできない。 消えていく。 一瞬、一瞬。 それはあまりにも刹那的で、私は目を細めてそれをみる。 そして一種の懐疑性を抱いたまま、その永遠に身震いする。 記憶は曖昧で、そして永遠で、そんな季節を重ねながら、私は年をとっていく。 時間は流れていく。 |
2001年09月17日(月) |
ネコは、野良がいいと思う。 手を伸ばせば逃げる、引っかく。 ただ、細くてきつい目をして、私を冷めた目で見る。 私は、飼い慣らされた、よく人になつくネコをかわいがるだろう。 そして上からしか見ないだろう。 決してなつくことのない野良が、生まれて大きくなるまで毎日のようにこちらこを見てくる。 バカにしたように、何の興味のないような。 そして私は対抗する。 「いっちょまえの顔しやがって」 一種の仲間意識が芽生える。 同じ場所に住むものとして。 おそらく彼らは否定するか、無視するだろう。 そんな野良が好きで、嫌いなのだ。 |
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