(SleepWalking)
雨ふかく
冷えないカラダを抱き締めて
消えない傷を塩水にさらしたまま
あたしは息をしていない
していない
死んだ命がいまここに
ふうわりと浮いているふしぎ
水海月や海蛍や
そんなものもいっしょに
漂っているふしぎ
あの日も雨が降っていたから
今日も同じように浮かんでいる
傘
揺れている
雨を腹に溜めて
いつかは沈んでしまうのだろうか
傘も
記憶の海に沈められたカラダのように
ふかくふかく
おちて
雨に塗れ
しおに傷付けられながら。
2004年03月30日(火)
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ひとおもいに
殺してしまえたら
もう少し楽だったわ
あなたのことも
あたしのことも
2004年03月23日(火)
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うそつき
信じてたの
あたし
あなたなんかいなくても生きていけるって
信じてた
なのに
うそつき
あたし
あなたなしには上手く笑えない
ほんとうに考え込んでる時にしか
あなた以外に気を取られている時にしか
あなたを
忘れていられない
うそつき
あたしは
あなたがいなくても
生きていける
だけど
上手く生きていくことは出来ないみたい
どんなに強く願っても
あなたにとってのあたしは
集団の中の一人の人間に、すぎないのに。
2004年03月14日(日)
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あおくおちてそのまま。
最後に笑顔を
最後にその声を
あたしのなかに深く吸い込んで
忘れないように
貴方の道は貴方のものだから
あたしはそっと見詰めているだけ
(たとえ貴方だけのものでないとしても)
開いて眺める貴方の顔を
ひどく懐かしく想い
息苦しさを感じながら
あたしは明日も生きていかなければならない
もしかしたらを考えながら
生きていかなければならない
貴方の残骸を探して
貴方の落し物を拾って
胸に抱いては泣いている
もし、貴方がいるのなら
もう一度逢いたい
なんていうのは我儘ですか
あおくおちてそのまま
あたしが消えてしまわないように
貴方との思い出が、欲しかった。
2004年03月11日(木)
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さよなら、世界。
あたしがいまこの世界のこの場所に
たった今この瞬間生きていることについて。
あたしが生きていること、これに関して
単純に利害を計算した場合
ここまでの実感によれば、
利に対する害の割合は319%に及ぶ
要するにあたしは
他の人間よりもおおいに資源を無駄遣いしている
という結果を得ることが出来る
よってあたしは
ここから、消える
さよなら、世界
ありがとう、愛してた
他のどんなものよりも強く強く
目に映るもの肌に感じるもの
あたしというイキモノであたしというイレモノで感じる
全てのものに焼かれ
全てのものを憎みながら。
2004年03月01日(月)
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