裏くずきり
もくじぃ|過去|未来
今年もはく息が白くなった 月はどんどんかたちを変えて 僕はまた一つ年をとる
街には排気ガスがあふれ この国のいたるところで 恐ろしいほどに事件が起こる
この国は壊れはじめたと 大人たちは嘆いている こんな場所には生きてく理由がないと 命を捨てるものもいる
真剣に意見を言った人を簡単に非難するのは 真剣になれさえしない自分と 自分のためにしか刃物を握れない自分だったりする
冬が僕に告げるのは この一年の終わりと この一年の始まり
凶悪な事件ばかりが目について 諦めたくなるような毎日だけど 同じこの街の片隅には いつだって優しい音が流れてる
お酒はいいね ほんの少しのやさしさが こんなにも身にしみる
僕はなんて贅沢になってんだ まるで この街には冷たい風しか吹いていないみたいに やさぐれて
信号ですれ違ったおばあさんは ふてくされた僕に 微笑んでくれたのに
パスの運転手さんも 僕に向けた挨拶をくれたのに
気づいてないのは 僕だった
僕はなんであの消え入りそうなメロディーに 気づかなかったんだろう まるでこの街には 心の一つもないみたいに 動かない左足を引きずって 懸命に歩くおじいさんは昨日の話を嬉しそうにしてくれたのに
夕日にうたれて すこし優しい顔になった人たちを みていたはずなのに
繰り返す毎日に身を任せたとたん この街の本当の美しさを見失う
本当は この人生で同じ1日なんて 決してないのに あるはずがないのに
そんな尊さを 僕はまたきっと忘れてしまう
夕日よ どうかあきらめずに 僕を照らしておくれ 泣き方忘れたあの人に 淡い光を届けておくれ
そんな小さな目で
この世界の 何を見たつもりさ
はやまるな
たかが人間のくせに
あきらめることも 愛想を尽かすことも
絶望することも
何を 見尽くした気になってんだ
はやまるな
たかが
そう
たかだか 人間のくせに
いつも愛想よく 表情が絶えず 僕の前で 明るく薬をもらって行く あの年老いた女性が
今昼は 街をあるいていた
肩を落とし うつむきがちに 顔に色つやはなく 表情は動かない
まるで 時が止まったかのように
いや 周りの時ばかり 轟々と流れ
そう
彼女の時だけが パタリと止まってしまったかのように
街をあるいていた
僕は呆然とした
この世の終わるのを 見たからだ
この世が為すすべも無く 消えてなくなる様を 彼女の後ろに 見たからだ
長らく続いた この道が 朽ちていく様を
はっきりと 見せつけられたからだ
それは過去も今も未来も たった一枚の絵に おさまってしまう あまりにも静かな 視界だ
あはは おかしいね
僕らは あまりにもおかしいよ
だって
明日になれば あの女性は笑うだろう
そして 僕は 微笑みをかえしたりするんだろう
それが 何なのさと 言わんばかりに
2007年12月06日(木) |
まぁ、負けないことだ |
まぁ 負けないことだ
人に じゃない
社会に じゃない
自分に
負けないことだ
何に負けても いいからさ
この街のはしっこで
今日もあの子がつめを噛む
この街のはしっこで
今日も誰かが夢を捨てる
2007年12月01日(土) |
それがボクたちなんだろ |
去年 笑ってた人が 今年は 死んだ
死に際を 見てない僕は 納得できないのです
これが 人なのでしょう
尽き逝く命を 虚しく嘆く方が 普通だろう
平気、平気と 笑いたいなら そうすればよい
それは お前の人生なのだから
でも 僕は違う
違うんだ
それじゃ 生きられない
それじゃ 息ができない
僕の本気って そんなこと
もじもじして 行き詰まる 生き詰まる
もじもじして 立ち止まる
そのとき見えた空が 僕の空だ
|