日々のあわ
あかり 



 80年代が青春でした。

「もしかして・・・椿・・さん?」

と、稽古場の更衣室でいきなり声をかけられました。
声の主は、6年前くらいに同じ教室の練習生の一人でした。
下の名前しか覚えてなかった、昔の練習生仲間。
あー驚いた。

それからお互い着替えながらあれこれと近況を語りあったのですが、
そのときに聞かれましたよ。

「忙しそうだけど、コンサートとか行きます?」と。
「え?・・・(汗)・・・あはは。うん、行くよー。えっと・・・フラメンコじゃないけど・・」
と曖昧な返事の私。

彼女は笑いながら続けました。
「プリンスとか好きでしたよね?私、椿さんの結婚式の曲が
SLY & THE FAMILY STONEの『STAND!』だったって聞いて、いつか話がしたいなーって思ってたんです。」

ひぃ。すごい懐かしい。そうそう。JGと狂ったようにBGMの編集したよなぁ。
とにかく好きな曲を何本もテープに録って。楽しかった。

彼女は70年代の音楽がとても好きだといっていた。最近そんな話題でJG以外の誰かと話したことなかったなーと嬉しく思う。
私の趣味はもうちょっと幅が広い(めちゃくちゃとも言う)んだけど、彼女の好きなミュージシャンは全て私も好きな人たちだった。

面白かった。レオタードに着替えながら、
コンナトコロデ、コンナヒトト、コンナハナシ。


そういえば。
最近ケーブルテレビをつけっぱなしにしていると、
よく「○○年代ヒットソング」とか、「なつかしのロック全集」とか、
いろいろなCDセット通販のCMがながれるんだけど、
何かしていてもピクッと反応してしまう私がいます(笑)
とくに80年代ね。
昨日もね、「ニューロマンティックなんちゃら・・」っていうセットの通販CM、おもわず凝視しちゃいました。
でゅらんでゅらん、かじゃぐーぐー、かるちゃぁくらぶ、などなど。

そんな私の反応をみたJGは言いました。
「毎回反応してるよ。うっかり買っちゃたら?(笑)」と。
う。買わないってば。実家にレコードあるしね。

続けてJGは真顔で言いました。
「あ、でもこのCD全集さ、▲×※○△とか、×○□とかは入ってもなくていいんだよね。これと、これが聞ければ十分だよね」
うーん。よくご存知で。わかっていらっしゃる。そうなのそうなの。そのとーり。
と、あの頃よく聞いた曲の話などしながらしばし80年代音楽に思いを馳せる私・・・。
青春でした。

余談ですが、
このCMのおかげで、息子達がおもちゃで遊びながら鼻歌をうたいます。
♪君だけぇにぃ〜♪って・・・。
ジュリィだよー。なんだ。この時間の幅は・・・。

2003年09月30日(火)



 「動機」について考えた。そして息切れとめまい。

今の状況の良い悪いではなく、この先どうしていきたいか。の選択なのではないか。と友人は言いいました。

私の踊り、見に行きたいと又言ってくれたけど、やっぱり今度にするよ。誘うのは。
いつかまた同じ土俵(?)に立ちたいなぁとだけ言っておこうか(笑)

「音をだす動機」ということに常に向かい合っているという彼にかなりインスパイアされた感がある私ですが、
自分に反映されるかは今後の私の姿勢しだいだなぁとしみじみ感じて。
ちょっと泣きそうです。

2003年09月29日(月)



 恋らしく。

友人が恋をした。
でも、「あぁ。ちょっとまてまて」と、自分でブレーキをかけているらしい。
できるのか?そんなこと。

『恋愛して、のめりこんで、相手の気持ちを全部自分のものにしたくて、気が狂いそうなくらい。もう、そういうのは、怖くて出来ない。
ほんとに好きになっちゃうと、一晩中、電話やメール待ってたり、家の前で待ちぶせたり。
自分で自分が怖いし、いやだし。山本文緒さんの本を読むと、人ごととは思えない恐怖感覚えるよ。だからブレーキかける。』

というのが、彼女の今の気持ち。
だから、かけられるならいいけど、できないんじゃないのー?と私は思ってみているが。
泣くことにならなきゃいいけど。って無理だよな。恋してるんだし。
やだなー。彼女の悲しい顔みるの。見守ることしかできないけど。

そうそう。そういえば思い出した。
わたくしも、遠い10代の終わり位の頃、
朝早く大好きだった人の部屋まで行って「来ちゃった」ってやつをやらかしたことがあります(恐)。
おもいっきり「気持ち悪い」って言われましたけど(爆)
(そう言いつつも結構嬉しそうな顔してたのを見逃さなかったよ。私は。・・・って、この頃から腹黒いなぁー。いや、そうとうおめでたいのか。)
あんなにすごい勢いで恋をしていたのはあれぐらいしか思い浮かばない。

ここ最近、昔の仲間に会ったりして性別関係なくして付き合っていける素晴らしさっていうのを
あらためて感じてます。年をとるのっていいなーと思ったり思わなかったり(笑)

『この人と結ばれるのなら全てを敵に回してもいい』と本気で思っていた若かりし頃。
けれどそういう人とは結ばれることは決してなく、敵をつくることもなく、今でも付き合える仲間を得たのかと
思うと感慨深い。
先日も男友達から「君は心の友だ。」といわれたが、これは告白ではない(笑)。

この先、どんな風にどんな人を愛していくのか。今触れることのできる愛しい人たちのほかに、そんな人が
できるのか。ちょっと不思議だけど、あり得ないことでもない気もするし。男でも女でも。

話はそれるけど、こういう思いも「浮気」になるのかな。
自分のパートナーがメンタルな恋を誰かにしていたらたまらないもんなぁ。
ところが自分の事だと肉体関係がないっていう免罪符をもってきてしまいそうな気がする。
非常に勝手な話だ。

と、余計なことを考えたりしてみる(笑)
うん。いまのとこ余計なことですよ。私には。あはは。
今朝も家を出るときに「気をつけてね」とか言われたんだけど、そのカオみてうっかり胸どきどきした
おめでたい妻ですから(笑)

2003年09月26日(金)



 へぼへぼ。

練習ができない。
時間がない。
こんなんじゃ舞台に立てない。
思っていたよりも踊れてない。
ちっとも心のリセットができてない。
まったくもって自分のことがわかってない。
人前にでるのが恐い。

・・・というような理由で凹んでおりました。

なのでね、だーれにも「見に来てねー」って言ってませんでした。

が、もう10年以上前に一緒に踊っていた友達からメールがきまして。
絶対見に行くから。と。
私は彼女に言いました。上に書いたようなことを思っているので見に来てもらうのは申し訳ない。ってなことを。
すると、

「主婦、母、OL、踊り子と4足の草鞋を履いているんだから、アプアプして当然でしょ。
どんなんでも久々に靴を履いたあなたの踊りが見たい」と言ってくれて・・・。

また、もう一人の友達からは

「一緒に踊り始めたころからあなたの踊りが好きだった」と言われて。

いっきに浮上しました(笑)単純です。椿さん。

だけれども、こんなに嬉しい言葉はありません。はっきり言って踊りは下手です。私。
だけど、「上手いね」っていわれるより、「好きだよ」と言われると嬉しかった。昔から。

すごく恐がっているんです。厳しい目にさらされたくない。っていうへたれた自分がいるんです。
初めての発表会のときのように、踊れるだけで嬉しい!っていう心にリセットされたい。

『誰になんと言われようとこれが私です。』と堂々としていられる日はくるのでしょうか・・・・。

精進あるのみ。

2003年09月24日(水)



 今度は拘束。

本日、母校にて友人が講義をするというので、仕事を抜け出し聴きにいってまいりました。
卒業以来はじめて訪れた母校。10年以上ぶりなのに、全くといっていいほど変わっておりませんでした。

校舎の中に入り、暗い石の階段をゆっくり昇って、途中の踊り場にステンドグラスの光が射していて、
ちょっと立ち止まって見とれていたら、階段の下からこれまた10年ぶりの顔が現れた。
昔一緒にバンドをやっていた仲間。

「あれ。椿ちゃん。ひさしぶり。」

相変わらず朴訥とした言い方が懐かしい。
彼も友人の講義をこっそり(?)聴きにきたらしい。
2人でちんまり並んで講義を聴く。話の途中に演奏もあり。
周りの学生達の反応をちらちら伺いながら、友人の話に引き込まれる。

もちろん音楽の話だったんだけど、彼のバンド活動でのエピソード等「へぇ〜」を心の中で50連発くらいしながら聞いていた。
そしたら、こんなことを言った。

「拘束された環境で、かえって創作活動の成果があがることがある。」

まぁ、これは彼が非常に拘束された環境で過酷なツアーを回っていて他に何もできない状態で余計な事を考えず、本当に何も考えずやることで普段得られないものを得るっていうことだと理解したんだけど、「うーん。今度は拘束か。」と一人唸ってしまった。ほら、昨日まで「自由とは〜」などと
悶々としていたわけですからね。私は。
まあ、ココで言う「拘束」は、私の日々の生活での拘束とはまた全然違うんだけども、なんていうんだろう、
時間や環境についてあれこれ考えたのは事実です。

というかんじで、保育園のお迎えの時間があったので終わって軽くお茶をして帰ってきました。
電車の中でもしばらくボーっとしてました。

途中で偶然同じ保育園の友達に会ったんだけど、彼女が私の様子をみて、

「椿ちゃんはさぁ、何をしてるときが一番疲れる?」っていきなり聞いてきた(笑)
(ふつう、「何が一番楽しい?」とか聞かないか?:笑)

そうだなぁ・・・・
踊っているときは身体が疲れる。でもなんか覚醒するので終わったあとはハイテンション。
子供といるときは身体も心もバランスよく疲れる。でも反面どこか癒されていたりする。
仕事しているときは身体がいや〜な疲れ方をする。頭も痺れてる。・・・・。
あー、この疲れが一番いやだなー。やっぱりなぁー。
あー。つらいなぁー・・・。


2003年09月22日(月)



 無責任な。

無責任な自由が欲しい。

人様にどうこうして解放してほしいわけじゃなく、
自分の欲望の思うまま頭のてっぺんからつま先まで解放されたい。
・・・と、疲れると切に思ったりする。

もともと「行き当たりばったり」っていうのが好きで。
それで損したことも沢山あるけれど、やはり「決めた(或いは決められた)ことを確実に。」ってうのが苦手です。
以前、遊学していたスペインから帰るときも、何故か飛行機会社の手違いで、どんなに説明してもトランジットの時に
私は飛行機に乗れなくて、荷物だけが日本に行ってしまった事がありました。
自分は果たして日本にどうやって帰るんだ?って時にも、【怒り30% 焦り10% ワクワク度60%】だったなーと思い出したり懐かしかったり。

予定通りに行かないことが面白かったのは、無責任に自由だったからだなぁ。と思うと、無性に焦がれるんですね。

きっとこれは、ここで書いている自由とは似て非なるもので、
本当に無責任な意味での自由なんだと思います。

2003年09月19日(金)



 アリエナイヨもぅ。

金曜日。次男Kが突然発熱。先週の長男Rの風邪がうつったと思われ。
この連休は何かと忙しい。あー、困った。
とか思っていたら、次の日には下がってた。
ほっと一安心してたら、どっこい。私まで発熱。
まただよ。40度。ちーん。

辛かった・・・。この一言です。はい。
JGはどうしても仕事休めないし、元気な長男Rと病み上がりでグズグズの次男K。
お母さん発熱40度。とっても面倒見切れないからぁ(涙)。

と言いつつ・・・もてあます2人を連れて公園に行く。
(アリエナイ)
公園のベンチで寝てしまう私。
もうね、その辺の人捕まえて、「お金あげるから、子供たちみててー」と言いたかったよ。

あとはもう家でほっときまくって寝てた。ずっと。
で、一日で下がりました。ちょっとすごい。

今日は近所のお祭りだったらしく、夕方電話で「今、マンションの下にいるよ!お神輿通るよ!」
って友人が連絡をくれたので、子供達をつれて出てみる。
すごい盛大な祭りらしく(引っ越してきたばかりでイマイチつかめてない)近所に住む友人が
家の前で思いっきり祭りの格好して立ってた(笑)
そしてうちの子供たちもハッピ貸してもらって、山車に乗せてもらう。大喜びの息子達。
ケーブルテレビの取材まで来ていてびっくり。
さっきやっと熱が下がった私は、ノーメークにメガネかけて髪ひっつめて、ボロボロでしたね。
周りの熱気とエネルギーの渦巻く中、自分だけ水墨画のように薄かった・・・・(笑)

なんだかかんだかよくわからない怒涛の週末でしたが、なんとか過ごせてよかったよ。
明日は帰りに稽古をしてくるつもり。
ふらふらするけど、やっぱり稽古できるのは嬉しい。
やっぱり踊るのが好きなんだなー。と思ったり。
考えてみたら土曜日に3時間みっちり練習して大汗かいて気持ちよかったけど帰りの電車が異様に寒かった。
あれで風邪ひいたのかな。
もうやだよ。高熱は・・・。

2003年09月15日(月)



 ちあきなおみのほくろ。

稽古日だった。
スタジオを出て空を見ると妙に明るい。
あー、満月かぁ。なんてみていたら、まあるい月のすぐ下にぴかーっと輝く火星を発見。
うわぁ。そうだった。今日が一番接近する日だったね。
真ん丸く発光する月にすいこまれそうなほどすぐ近くに、
しかしすいこまれることなく力強く輝く火星。
すごいバランス。絶妙。

電車で帰る途中、友人からメールが届く。

「火星は少しずつ移動して、今はちあきなおみのほくろくらいの位置に。」と。

23時くらいでしょうか。駅をおりたら確かにそのくらいの位置に移動してた(笑)

家の近くに来ると、ちょうど我が家の男3人組が近所のおばあちゃんの家から帰ってきたところに遭遇。
JGと長男Rと次男Kが並んで月を見上げている。
その間抜けた後ろ姿がなんとも愛しくて、しばらくだまって見ていた。

月と火星はまた少しだけ離れてしまっていた。

2003年09月09日(火)



 UAの声がしみた。

UAの野音ライブに行ってきました。

一緒に出演する友人が声をかけてくれたので
喜んで行きました。
なので、
今回は彼女を観ることよりも、友人を観るのが目的で。
UAは好きだけど、曲はあまり知らなかった。4曲くらいでしたか。

それでも曲を知っているかそうでないかは関係なかった。
秋の初めの野外で、彼女の言うところの「虫の声と一緒に」聞いた
歌声は、
しみじみと心に、身体に、しみました。
綺麗でしたね。なにもかも。動いている空気とか音とか。
声に魅力のある人が内面の世界を渾身の力をこめて歌えば
最強ですね。でも力が抜けているから押し付けがましくない。
するーっとしみてゆく。
バックの楽器陣もすばらしく、友人の音にも感動しました。

すばらしいものを観る機会を与えてくれてありがとう。
ひっさびさに会った友人はまったく変わっていませんでした。
昔の友達も来ていて、野音の階段が学生のころダラダラ過ごしていた校庭の階段に似ていて、
いっきに10年近の時間が行ったり来たり。
2倍も3倍も幸せな時間がオプションでついてきたライブでした。

そういえば、友人が終わってから何度も
「晴れてよかったなぁ・・・」
とつぶやいていたのが印象的だったな。
UAも、火星のせいで空が赤いとか言ってたな。
ほんとか?(笑)






2003年09月07日(日)
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