きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 あなたは来ない

本日の担当:SHY

 NORADのTracks Santaを今年はSizに見せた。
 ...と言うのも、今年は来るのか来ないのかとSizがひどく気にしていた様子だったから。
 「いい子にしていたのなら、きっと来るよ」
 私がそう言っても、本人に今ひとつ自信がないようなので不安は拭えない。
 そして、私はPCを立ち上げてSizに延々と説明をしたのだった。
 日本時間の午後...まだ世界中のどこもクリスマス・イヴを迎えてはいない。



 21:00。
 クリスマスのお祝いをひととおり終えた。
 「サンタさん、来るかなぁ」
 明日の朝になればわかるという私の言葉はしかし、彼女を余計に不安にさせたようだった。
 そして、私達は再びPCの前に。


 世界地図の極東地区に、サンタの軌跡が描かれた。
 Sizは日本付近を鮮やかに彩ったそれを食い入るようにみつめた。
 「ほら、今日本の近くにいるんだね」
 何も言わず静かに頷いた。
 私はそんな彼女を寝室へ行くように促す。
 とことことその言葉に従った背中が寂しそうに感じたのは、何かの錯覚だろうか。
 kinaに寝つくまでのエスコートを任せ、私はしばらくその場に残ったのだった。



 kinaが静かに寝室から私のところへやってきた。
 「寝た?」
 私が訊ねると、首を横に振る。
 「それがね、泣いてるのよ」

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 溜息。
 毎年25日の朝は私が仕事でいないので、これまでプレゼントは早めにSizの目につく場所においてしまっていた。
 今年は夜が明けてから喜ぶ顔をたっぷり見られると楽しみにしていたのだったが...。
 大急ぎでSizに気づかれぬよう、そっとプレゼントを用意する私は甘いのだろうか。
 涙でプレゼントをもぎとり、大喜びするSizの顔を見て甘くても構わないかと思ったのだった。

2005年12月24日(土)



 助走

本日の担当:SHY

 私が仕事から帰ると、kinaが今日1日のSizがどうだったかを話して聞かせてくれる。
 我が家の日課だ。
 「今日ね、サンタクロースの番組をやってたのよ」
 kinaが早くもおかしさをこらえきれないといった風に、笑いながら説明を始めた。
 「サンタクロースがトナカイにそりを引いてもらっている映像が流れていて、Sizがそれをじっと見ていたの。しばらくそうしていたら、あの子なんて言ったと思う?」
 もう笑いをこらえるのも限界のよう。
 私は肩を竦めて先を促した。

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2005年12月23日(金)



 ゴージャスな車

本日の担当:SHY

 Sizと出掛けたときに、道端で霊柩車とすれ違った。
 天気も悪く、こんな日のお葬式は余計に大変だろうと私は思った。

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 大きく見開かれた目は驚きに満ちていた。

2005年12月22日(木)
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