一色達夫の日記

2012年07月26日(木) 水系にもいろいろある。

米のことを水稲というくらいに、米作りに水は欠かせない要件だ。
だから古来、米を作るために水を求めて人は定着し、これが権益となって「水争い」までも起こることはままあったことのようだ。

その傾向は、今の時代も同じことで、この水をはさんだ人間関係が思わぬ事態を巻き起こす。

専業農家となって、いままでと違う水系のところで米作りを始めてから、いままで見えていなかった事柄が見え出したこともあり、納得することもあって面白い。

水系を共同で開発し共同で使っているところは、人間関係でしんどいところもあるが、同じ農民同士「お互い様」という良いところも感じる。

が、水が豊富にある「加茂川水系」のところでの人間関係(というか人間の本性というか)には「なるほどそういうことだったのか」と改めて認識したところもある。これは「悪い意味での」



2012年07月24日(火) 除草剤にもいろいろある

一週間ほど前の夕方、突然の お叱り の電話があった。内容は、電話の主の圃場の稲に除草剤がかかった痕跡が出て、 どうしてくれる とのこと。
毎日の圃場の見回りで、その痕跡が出ていることは 確認 していてが、除草剤を散布したのは 私ではない。
早速、電話の主さん宅を訪問し、多分 どこそこの だれそれが ああだこうだ でそうなったのでしょう と話をしたら問い合わせをして納得してくれた。

この時期、圃場廻りをしていてよく見かける農家さんの軽トラには、散布器具を積んでいるのをよく見かける。圃場の中、圃場の周辺部に生える雑草を始末するための除草剤が 仕込まれて いるのだろう。
青々と繁茂していた雑草が、ある日当然 黄色く 変色してくるので、農家さんの仕事の後を確認することになるのだ。

くだんの除草剤の散布者さんは、どちらかというと 善意の素人さん。わけあって圃場廻りを楽しみにして、その合間にいろいろとやっていってくれているお方。
この方が使った除草剤は稲が枯れた状況から推測して、ラウンドアップ系除草剤だろう。この除草剤は効果は遅いが良く利く。が、よくよく注意して使わないと、 くだんのお叱りを被ることになる。

私の管理する圃場にも、よく除草剤が飛んできて、その部分が収穫不能になったことが二度三度。菓子折り持参のお断り訪問を受けても、なんだか申しわけないばかり。
この除草剤はサット霧が飛んできただけで、稲は成長が止まり、実入りが期待できなくなる。その効果のメカニヅムは、葉にかかった薬剤が吸収され、根まで到達してそこで成長抑制の効果を出す。

この系統の除草剤を私はあまり使わない。効果が遅いうえにこの薬害は正直怖い。

稲作作業体系のなかで、時間的ゆとりがあり、圃場のなかの雑草が集中的に生えているところに、その雑草に合わせた除草剤を集中的に使う。
ヒエ系のものに利く除草剤、広葉雑草系に効く除草剤、芋系の雑草に利く除草剤といろいろあるが、どの種類の除草剤も10a当たりの除草剤価格が 高い から 「よっぽど雑草が多い」場合でないと使わない。

そんな私だが、昨年は除草に失敗したところの稲刈り中に、ヒエ系の雑草がコンバインのコキドウに絡まって、回転系のギアが 吹っ飛んだ のには 参った。
ので、今年はこのヒエ系の雑草があるところを集中して除草作業中。圃場回りの除草には、雑草の青い部分にかかったら一日で枯らしていく系の除草剤を使用。これだと、かかった場所だけ 点 点 で枯らすから、稲の収穫不能とまで散布失敗することは少ない。

篤農かさんといわれるお方の圃場は、雑草が1本も無いのが この業界の常識 か な 。その境地に至るまで まだまだ 道は遠し 猛暑日が続くなかでの 百姓の嘆き節



2012年07月22日(日) 実りをむかえていろいろ来る

麦刈りから田植えそして水管理で、毎日毎日が瞬く間に過ぎていく。
そして7月8日にはコシヒカリが出穂して、今度はスズメの番に苦労する今日この頃。

コシヒカリの実りをむかえて、いろいろやってくる。

今年は カメムシ が多いことは、ある会での専門家の話と専門誌で読んで予想はしていたが、コシヒカリの圃場のあちこちに、いろいろな種類の カメムシ を見かけると、アアイヤンナッチャウ ネ。

スズメは稲が実りだすと、途端に周辺部から集まってくる。その日は7月19日。
この日には「招かれざる客 イノシシ」も夜中のうちに足跡を付けていく。そして20日の夜には お味見 なのだろう、踏み倒しお食事して帰った。

ので 昨日21日には15時から21時までかかってワイヤメッシュの防護柵を設置していく。
3月に山側2500mに防護柵を設置したので、防護は完璧と大いに期待していたのだが、効果はほんの一ヶ月。このところ民家の側まで毎夜毎夜のお出まし ダーーーガク。

本日朝 即で、コシヒカリの圃場を見て回ったが、昨日の苦労の甲斐があった様子で、イノシシの新たな進入は防げた模様。
このイノシシの固体は、電気牧柵は突破する 学習 をしていると見たので、鉄柵での防御方法を試みたのだが、多分ここはこれで大丈夫だろう。が、次次実りをむかえる あきたこまち ヒノヒカリ 松山三井 それぞれにそれぞれの圃場ごとの 対策 を施さなければならない。

それにつけても、この地ではいつまで稲作ができるのやら。今年来年あたりの状況を見定めて、我が家の農業経営作付け体系の見直し は必須 か。


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