薔薇園コアラの秘密日記

2004年12月31日(金) ジルベスター ’04

 まいどー。

 イタリアから戻ってきました。

 そして、我がファミリーは、帰宅早々、ジルベスターのお祝いパーティーにご近所宅にご招待に預かりました。

 で、疲れ知らずの我がファミリーは、みんなで花火を打ち上げて、今、帰宅したところです。

 どひゅ〜ん、ばぁ〜ん、ばばぁ〜ん。

 いたるところで、ふんだんに、ぜいたくに花火が上がっています。
 こんな華やかなの、今年はじめて。
 今年は、ポーランドも景気がいいのかな。

 イタリア旅行のご報告はまた明日。



 旅先のホテルで、ずっと、CNNをみていました。
 地震と津波被害、気になって仕方がなかったのです。 

 もう涙が止まらない。。。
 
 実は私、プーケット島か、マレーシアに行こうと思ってたの。今年の年末。
 私、リゾート地が好きだから。

 でも、パパがこのイタリア旅行を予約してくれたの。。。
 もし、パパがイニシアチブを取ってくれなかったら、私が勝手に予約して、東南アジアで津波被害に巻き込まれていたかも。。。

 今回の旅行は、パパに感謝。。。かな。
 
 あれ、もう年明けちゃったねー。

 皆さん、ハッピーニューイヤー!
 



2004年12月30日(木) イタリア旅行記その2

 バチカン市国
 バチカン美術館とサンピエトロ寺院

 パパが、よし、今回の旅行はローマに行くぞ! と言ったとき、私はローマ遺跡の観光めぐりはまぁどうでもいいかな……と思ったけど、このバチカン市国だけは絶対に行ってみたいと思った。

 私たち、十数年もの間、キリスト教の国々で暮らしてきた。
 現地生活の文化、風習、祭日はほとんどキリスト教に基づいているので、例え異教徒であっても、それをごく普通の日常生活として違和感なく受け入れている。

 でも、キリスト教圏で暮らしているといっても、私は聖書をいまひとつ正確に理解していない。ガイドブックに載っているあらすじ程度で、一度も真剣に読んだこともない。神道という宗教家で育ったということも関係があるかもしれない。ヨーロッパ文化という以前に、異教だということを意識しすぎて、聖書に取り組むには胸のうちで何らかの抵抗があったのかもしれない。

 ヨーロッパ人は子供の頃から、授業で、旧約聖書や新約聖書について勉強している。聖書にもいろんな話や教えがあるだろうけれど、子供の頃から、絵本や読書などで、ごく自然に聖書の教えが身についていくものなのかもしれない。

 隣で画を見入っている背の高い欧州人たちは、宗教絵画や壁画を観れば、それが何を意味することか、解釈しながら見ているのだろうなと思いながら、私はわずかな断片的な知識をつなげてただぼんやりと絵を眺めていた。

 実のところ、わたしには、それが聖書のなんとか伝のワンシーンだということはわかっていても、それがそのように絵画的に表現されているのだという具体的なストーリーまでは理解できていなかったのだ。

 カトリックの総本山にきて、宗教画を深く理解できていない私などには、画を鑑賞する資格などないに等しいのではないかと思いながら、なんとももどかしい思いで、バチカン美術館の中を歩いた。

 バチカン市国のサン・ピエトロ寺院というところは、カトリック信者には憧れの土地であるだろうし、ローマ法王同様、カトリック教のシンボルである。いうまでもなく、敬虔で神聖なところである。

 町全体が世界遺産であり観光名所であるから、世界中から観光客が訪れるのかもしれないけれど、サンピエトロ寺院・バチカン美術館ともに、こんな異教徒が、観光目的の不本意な心もちで立入ってはいけないところなんじゃないんだろうかと思わせるほどの凄みがあった。

 今回、詳しいガイドブックを買ってきたので、それでゆっくりおさらいをしてみる。実際に訪れているので、写真を見ても説明を読んでも今までとは違って理解の深さが違う。バチカンについてさらに理解を深めることができたときに、改めて神聖な心もちで、もう一度訪れたいと思う。

 それから、私が気になったこと。

 サンピエトロ寺院は、そのときの歴代教皇の采配で改増築されて、そのたびに姿を変えている。今のヨハネパウロ二世の代でも寺院になにがしか施されているのだろう。

 特に私が気になったのは、バチカン美術館の玄関が、近年、近代的に改装されたということだった。玄関だけではなく、そこもかしこも手の加えられる限りのいたるところである。ホールに新しいモニュメントまである。

 いかにも観光客に見せるため、商業主義的に改装されているようで、いい気がしなかった。古いままのほうが歴史を感じ取りやすいし、古いひび割れ一つにも絶対に有難味があると私は思うからだ。

 システィーナ礼拝堂の「最後の審判」に至っては、日テレがスポンサーになって、今までの埃やろうそくの汚れを落として画をきれいにクリーニングしたそうだ。その結果、今では当時と同じような鮮明な色彩のフレスコ画を見ることができるようになった。勿論、いうまでもなく立派な画だったけど。

 ミケランジェロの時代の色彩がこの現代で、きれいに再現されたのは、作品保護のために必要不可欠で、近代技術の偉業なのかもしれないけど、そんな時代物の芸術作品に施された人工的な新しさに、私は、いささかうんざりしてしまったのだ。

 ちょっと例えが違うかもしれないけど。
 例えば、あるところに、つたが壁面一面に絡まった古い立派な建築物があったとする。建築された当初は、つたもなくレンガがきれいに見えていた状態だっただろう。だからといって、後になって、建物の表面を覆っているつたを全部刈り取って当時を再現してしまったら、どうなることだろうか?
 きっと建物の表面的は、髭剃り後みたいにきれいさっぱりすることだろう。
 でも、長年かけてその建物を覆ってきたつたは、建物の一部としてみなされて重宝されていたはずだ。つたで一面覆われていることによって、その建物が古くから存在するありがたみを示すことができるものだろうし。

 建物のつたと、ラファエロのフレスコ画の汚れは、全く違うかもしれない。けれども、私は、新しさ、きれいさだけに目を向けるのではなく、汚れ一つ、ひび割れ一つに、時間の蓄積に価値を見出したり、時間の流れを尊重したりするのはいけないことなのだろうかと浅はかな頭で考えていたのだ。由緒や歴史の価値の本質は同じではないだろうか。

 私は、近代的な面構えの美術館の中で独りよがりなことをしきりに思ったのだった。

 テレビを見ながら書いてるので、思った通りには書ききれていないけど、もう一言。
 
 システィーナ礼拝堂の「最後の審判」(怒りの日)ラファエロ作

 キリストから審判を下される人々。 

 天に昇る人々。
 地獄に引っ張られる人。
 神・キリストの采配で、その人の運命に審判が下される。
 
 運命論を語るといやな顔をする人がいるけれど、私はかなり強く運命というものを信じている。

 私は壁一面の絵を見ながら、津波災害のことを思った。
 全く無事だった人、被害にあった人、犠牲になった人。
 ただし、被害にあった人が悪いことをした人だったという意味ではない。
 でも、あれも一種の運命の分かれ道だったのだと思う。
 
 ドイツ人で無傷の生存者カップルがいた。
 丘の上の教会を訪ねてきていて、津波の被害は免れたそうだ。
 その二人にとって、それが運命の分かれ道だったのだと私は思った。

 自然現象は神様が起こしたわけではない。
 でもそこで生死を分けさせたのは、やはり神様の仕業だったのかもしれないなとも思う。

 そう思うと、この画が示唆する「運命」の分かれ道について、深く考えさせられるのだ。
 



2004年12月26日(日) 聖夜二日目

 明日から大晦日まで、イタリアに出かけます。

 今までクリスマス休暇には、カナリア諸島あたりで、のんびり一週間の避寒リゾートに出かけていたけど、今回は観光旅行。子供達も十分大きくなったことだし、今度はローマ・フィレンツェをがんがん歩き回ってきます。

 今年のクリスマス。
 イブは、お仲間と。みんなでわいわい楽しかったー。
 きれいな満月の夜だったよ。

 聖夜当日は、知人宅でポーランド料理をご馳走になりました。
 魚のトマトソース煮、魚と野菜のゼリー寄せ、テリーヌ、野菜マヨネーズ和えサラダ、ピエロギ、ビゴス。他にもいろいろ。これだけバラエティにとんだ美味しいポーランド料理を一度に食べたのははじめてかも。イタリア直送のワイン、どれだけ飲んでも酔いませんでした。たはは。

 聖夜二日目は、お昼から、ガレリアモコトフで映画を観てきました。
 銀河鉄道

 これは私だけ一度観たことがあったんだけど、家族にも観てもらいたかったの。ポーランド語の吹き替えで、細部はわからなかったんだけど、映像を見ているだけでもおもしろい。映画を観ながらコーラをたくさん飲みすぎて、親子四人、膀胱極限状態で観てました。でも楽しかった。

 夕方は、リビングでワイン片手に冬ソナの後半。

 愛する人を、もしくはかつて愛した人を、いかに、どれだけ深く、純粋に、一途に愛し続けることができるか?

 ということを、配偶者と一緒に観る。うーん。

 おや? 子供達、レゴーで遊び始めた気配。
 一体、誰が片付けるんだろう?

 で、荷造りはいつするのだろう?

 明日のフライトはゆっくりだけど、ばたばたするので、今年の日記の更新がこれが最後。

 ということで、今年最後のご挨拶。

 定期的にこの日記を覗きに来てくれたみなさん、ご愛顧ありがとうございました。来年度も、ぶっ飛んだ内容の恥かしい日記を書き綴っていきたいと思います。

 それでは皆さん、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。



2004年12月24日(金) クリスマスディナーinホテルブリストル

 メリークリスマス!

 本日の夕方から、ワルシャワ旧市街のホテルブリストルで、仲間達とディナーに行くの。うきうき。ふふーん、何着ていこうかなー。

 大人同士のプレゼント交換もするんだー。たのしみー。



2004年12月23日(木) 風引きママ

 天体と自分の体調が連動しているわけではないけれど、一年で日照時間が一番短い冬至の日、私は熱を出して2日間寝込んでしまった。

 はじめ、一日中パソに向かって暇つぶししていたら、どんよりとした腰痛があって、いやな予感がした。いやな予感といっても、クリスマスと旅行を控えているので、腰を痛めるわけにはいかないなぁ……といった程度のことなんだけどね。

 で、普通にパソ机に向かって座っているのもしんどくなってきたので、何気に脈をとってみた。やや、早目。これって、動悸? と思ったけど、一応念のために、熱を測ってみたら、37、8℃。

 温度計のデジタル表示を見て、急にベッドにぶっ倒れてしまいました。
「もう、私、だめ……」って。
 それまでパソ前で、結構元気にしてたんだけど。

 夕方にパパに電話をしたら、早めに帰ってきてくれました。
 悪寒がしたと思ったら、夜中には、熱が38,5℃まで上がってたよ。

 パパは隣の私の熱で熱いのか、おふとんを一晩中はねのけて寝ていました。そして、翌朝、パパが子供達のお弁当を作ってくれました。感謝。

 この発熱、私、今年一年の疲れが出たんだろうな……と思った。
 クリスマスは、ディナーに出かけるので、来客の予定はなしだけど、クリスマス明けは、大晦日まで旅行の予定。
 年末はそれこそ寝込んでる暇などないのだ。

 丁度今週、何も予定を入れてなくて、ぽっかりスケジュールが開いていたから、気が抜けたんだろうな。ふっと。身体を休めるなら今のうちだぞ、って。

 今年は、ずーっと忍耐の年でした。
 一年間、お疲れ様、祐子。
 来年は、なにがしか報われるといいね。



2004年12月21日(火) おならぎじろう

 昨日の日記で、我が家は朝日新聞を定期購読していると書いたんだけど、そういえば、最近、ろくすっぽ新聞紙面なんか見ていないぞ……とおもって、今朝時間をかけて、過去一週間分ぐらいをまとめ読みした。

 大まかなニュースは、ネットやテレビで見聞きしているから知っているけど、詳細は、やはり活字の細かい文字を読まないと頭に残らない。読んだ端から忘れていったりもするけど。

 ま、そんなことはどうでもいい。

 12/15付の朝日新聞で、第4回大佛次郎論壇賞の受賞者インタビューと選評が載っていた。

 私、はっきりいってこの賞には端から一切興味はない。そもそも学者が受賞する賞なので、紙面を眺めてみたけれど、なにについて書いてあるかすら全く読み取ることはできなかった。

 ただ、この賞、朝日新人文学賞という、100〜300枚の長編文学賞の募集時に、いつも並んで募集広告を出しているので、数年前から知らないこともなかったのだ。

 で、世間一般の人にしてみれば、一般常識中の常識なのかもしれないけど、ワタクシ、この「大佛次郎(おさらぎじろう)」という作家、てっきり読み名を「ダイブツジロウ」だと信じ込んでいた。ちなみに、私のパソでは「おさらぎ」という一発変換はできない。パソも利用者も大バカもんなのだ。

 本屋で、文庫本の黒い背表紙に作者の名前を見たことはあっても、手にとってぱらぱらめくってみたことも今までに一度もなかった。

 *  *  *  *  *  *  *  *  *
 
 ここで、4年前のエピソード。
 ドイツからポーランドに異動になる前に、実家にしばし一時帰国していたことがあった。3月なのに、雪がたくさん降った寒い春先だった。

 うちの父は、かつて大学で文学を勉強していたので、書棚に数種類の、パラフィン紙に包まれているような文学全集というものを持っている。学生時代に苦学して買い揃えた初版物もあるそうだ。

 で、その中の日本近代文学全集の一巻に、「大佛次郎集」というのがあった。以下、埃だらけの本棚の前での、父娘の会話。

私:「ねぇ、おとーさん、このダイブツジロウっておもしろい?」
父:「え? どれ?」
私が指差した背表紙の金文字を父が見る。

父:「こら、なにいうとる。これはダイブツジロウじゃなくて、オサラギジロウって読むがじゃ」
私:「え?! がははは。ダイブツじゃなくって、オサラ? オナラ〜?! ぷ〜ぅ」
ここで、お尻を浮かせておならをするまねをしてみる。

 そしてお尻に手を当てて、
私:「ギ、痔ろう〜?! いててぇ〜。ぎゃはははは〜」
とわざと、「次郎」と「痔ろう」のイントネーションを変えて発音してみた。

父、いきなり拳骨で私を叩く真似。素早く身をかわす私。セーフ。
父:「ったく、イマドキの若いもんは、大佛次郎も知らんもんなのか……」
私:「三島とか川端知ってたらそれでいいでしょ? で、この作家、おもしろいの?」
父:「一昔の大衆作家では代表的だろうな、お父さんはよく読んだけど」
私:「へぇ〜、そうなんだぁ〜」

以降、呑気で低レベルな会話を交わしながら、それぞれ自分の目に付いた本を手に取って、父娘並んでその場で静かに本を読み込んだ。

 父、66歳。娘、36歳の春先。
 会話だけピックアップしたら、娘の頭ン中、小中学生並だよな。



2004年12月20日(月) 日経新聞「私の履歴書」をカモフラージュに

 質問:日経新聞はまずどこの紙面から読みますか?

 勿論、一面から読む人? ……しーん。

 じゃ、一番最初に後の文化面から読む人、手を挙げて? 
 ……ん? あれ、誰も返答なし?

 ふふふ、私知ってるよ〜。
 ホントはこっそり、最終頁の渡辺淳一の連載官能小説「愛の流刑地」を読んでるんでしょう〜?

 「いや、僕は『私の履歴書』をいつも最初に読むから……」と強がっていた人約1名知ってるけど。ホントはその下の欄から読んでるんでしょ?! 正直におっしゃいネ!

 うちは朝日新聞を定期購読しているから、日経新聞は読むことはないんだけど、この新聞連載小説、失楽園以来、以上の官能小説ということで、最近いろんなところで話題になるので、私もちょっと前から気にはなっていた。

 で、先日、クライマックスの直前の2話ぐらいを見る機会があった。

 ふーん。爺さんの書く幻想官能小説か。オクテなおっさんは、これを読んで想像力膨らませてせいぜい朝から喜んでくださいまし……ってなかんじ。
 
 私、男性作家の官能小説は、神崎京介ぐらいしか読んだことがない。
 神崎氏はまだ若いので、主人公の若さがみなぎっているせいか、性というものは、「愛欲」というより、「情欲」ってな感じだけど、渡辺爺さんあたりだと、体力的に若さにかなわない分、女性に対する決め細やかな描写や官能を表現する視点が作風に生きてくるのだろう。

 しっかし、あの連載は、作者と編集者の共謀というか、何なんでしょうね。
 日経新聞に毎朝あの手の小説を載せれば、確実に購買部数は上がるでしょうよ。インターネットで、小説の連載が読めるのかと思ったら、読めないみたいだし。読みたければ、日経新聞を買ってくださいってことでしょう。

 そして、その手のシーンを引っ張る引っ張る。
 なんですか? あのすかすかの文体と行間は。改行だらけ。一話があっという間に終ってしまうじゃないの。中身も何もないまま。次を期待して、また翌日買っちゃうわけですよ、日経新聞。いつもは違う新聞買ってても。

 そうやって、連日そのシーンでひっぱって、読者に期待させてキオスクで新聞を買わせようという製作者側の魂胆なのでしょうね。満員電車に揺られるおじさんたち、まんまと日経新聞の術中にはまってます。

 ところでさ、各業界の著名人というものはファンもつくだろうし、いろんな人と知り合う機会も多いから、何歳になっても常に注意散漫的にお手軽な恋愛を繰返して、人生を楽しんでいるんだろうなと思う。

 例えば、それが恋愛小説の作家であれば、今までの女性遍歴の集大成でもいろんなバリエーションの女性の人物像ができるかもしれないけど、やはり、主人公の女性のモデルには、特定の女性にピントを絞って、そこに愛情と集中力と維持させないといけないことであろう。

 この話に出てくる女性達にも確実に実在のモデルがいるはずだ。しかも、現在進行形もしくは過去完了形のお相手で。一作を仕上げるためには、素人には計り知れない体力、精神力、それに相当な執着心を必要とするに違いない。

 ま、あたしゃ知ったこっちゃないけど。
 話の成り行きと感想は、周りの日経新聞読者に伺うことにしよう。描写のディーテールまでよろしくねん。実体験で再現する必要ないけど。って今、あなた、全身硬直したでしょう? ぎゃははー。

 さてと、「愛の流刑地」単行本になったらどうしようかな。買おうかな。それとも、文庫本になるまで待とうかな。
 「失楽園」は流行に乗りそびれて文庫で買ったんだけどね。

 
 



2004年12月19日(日) 「アフターダーク」村上春樹著

 起き抜けに、寝ぼけまなこの二日酔い状態で読み始め、途中二度寝をしながらも、お昼前に軽く読了。

 で、この「アフターダーク」、ストーリー展開と終り方には不満がたくさん残ったけど、徹夜明けのけだるさの表現がリアルなのと、いくつか心に残るフレーズがあったので、私的にはよかったと思った。

 関西弁のコオロギという女性がいった言葉。
「人間というものは記憶を燃料にして生きていくもの」というところとか。
 
 ここのフレーズは、読んでて、くすっと笑っちゃうんだけど、当人のそれまでの人生とか、自分の人生もあわせて振り返って見たら、妙に深い説得力のある言葉でもあった。 

 後、姉妹愛にも少し考えさせられたかな。
 一応、私にも歳の離れた妹がいるし。

 兄貴もいる。
 お兄ちゃんのことは、本当は心の中で慕っているんだけど、実際には、うまく言葉と態度で示すことができない。今一つ、付き合い方がわからないというか。

 本文中に、姉妹が一番互いの存在を近くかんじたときのエピソードが載っていて、その当時の二人の年齢は、かつて兄と私が一番仲がよかったときの年齢でもあったので、当時を思い起こすと、ただひたすら涙が止まらなくなった。

 兄弟姉妹のいる読者、特に女二人姉妹に、大きなメッセージを残してくれる一冊だと思う。

 そして今から、春樹おじさまの旅行記「遠い太鼓」を読むの。
 クリスマス休暇に行く、ローマ・フィレンツェの予習を兼ねて。



2004年12月18日(土) GK川口結婚

 GK川口が26歳OLと結婚

 まぁ、祐子さんもミーハー的に毎日ネットで何をチェックしているものやら。

 昨日に引き続き、このニュースにもショックの涙。

 私もヨッシーのこと大好きだったのさ。

 2002年に日本代表としてポーランドに試合しにきたときに観にいってきた。いっぱい声援送ってきた。ちゃんとこちらの応援に応えてくれたもんね。

 あーん、私も川口と結婚したかった〜。

 とかっていうとさ、意地悪な側近が訊くんだよ。
「川口のどこがそんなにいいのさ?」って。

 そりゃぁ、あんた、格好がいいに決まってるでしょ!
 野暮な質問は二度としないで頂戴!!



2004年12月17日(金) うらやまし涙。ヨン様〜

 ヨン様〜

 朝一番にニュースを見て涙。

 え〜、う、う、うらやましぃ〜。。。
 私もヨン様に優しい言葉かけてもらいた〜い。。。
 プロマイドもサインもほし〜い。。。 
 あ”〜。。。

 と、思ったら、涙がぽろぽろ。。。

 私、この歳になってはじめて知ったよ。
 うらやましくても涙が流れるってこと。

 嫉妬でもなく、やっかみでもなく……、なんだろ? 
 ただね、うらやましいの。でもね、悔しいわけではない。

 今まで、「人は人」と思って生きてきたから、他人をうらやましく思ったことなんかほとんどなかった。自分の価値観が絶対基準だし。

 でも、ヨン様からのメッセージはうらやましいぞ。すっごくうらやましいぞ。


 こんな、特別なヨン様のファンでもない私が、これほどまでにうらやましがっているということは、熱狂的なヨン様ファンのオババ様方はどういう心境なんだろうか?

 先日の週刊文春にも、前回号に載せた見出しが不適切な表現だったからと、おばば達からものすごい抗議が殺到したという記事が載っていたから、ヨン様を信者のように崇め奉っているオババたちは、今後、メッセージが届いた10人を、嫉妬のターゲットにして怒り狂ったりはしないものだろうか? ヨン様を巡っては平常心のかけらも保たれていないようだし。なんか変な方向に、オバサンの欲求不満が炸裂しそうな気がする。女のやっかみは底知れないはずだし。くわばらくわばら。

 おう、ここでこんないやみなことを書くつもりはなかったのに。

 ただね、こんなそっけない自分にも、純粋にミーハー的な一面があったんだなぁって、本日新たに自己発見。

 しばらく、私もヨン様神話に浸っていよう。きゃはは。

 JSTVでは、1月27日より、「冬のソナタ」放送開始。
 DVD全巻セット持ってるけど、テレビの放送も楽しみだにゃ〜。

 でもさ、ヨン様ほどセックスアピールの少ない有名人もめずらしいよね。
 だから、特別なファンでもなかったのかな、今まで私。
 あ〜、この人に抱かれた〜い、って思えないの、ヨン様だと。
 品行方性な弟みたいだもん。……って弟なんか持ったことないけどさ。

 




2004年12月16日(木) SEBAMED

 先日、こちらに旅行にこられるという方がBBSにカキコをしてくださったので、うれしさのあまり、レスにお薦めのお土産まで紹介させてもらった。

 BBSで挙げた、ドイツ生まれの石鹸 「SEBAMED」 ドイツにはどこでも売ってるけど、こちらでは買えない、と書いたんだけど、今日、なんとなんと、ガレリアモコトフのドラッグストアで見つけてきました。

 SEBAMEDの石鹸一個、17.99ズオティ
(ちなみに、普通の石鹸は2〜3ズオティ)

 やや……というか、かなり高いんだけど、これは確かにお肌にやさしい。
 今、パソデスク上に持ってきてるんだけど、うーん、いい匂い。
 いいぞ、いいぞ。

 セバメド

 冬の季節、気温がぐんと下がると空気もすごく乾燥してくる。
 たまに皮膚に粉がふいたようになることがあるんだけど、この石鹸を使うと肌の表面はきれいに保たれている。
 
 それに殺菌効果も強いのか、あまり脂臭くならない。

 ま、とにかく、祐子さんのお薦めです。
 ガレリアモコトフのSEBAMEDのコーナーには、ベビー用もありました。
 かなり高かったけど、一度試してみる価値はあると思いますよ。
 赤ちゃんは特に敏感肌でしょうし。

 他にも、本日のお買い物。
 映画のサントラCD「ホワイトライズ」(妙にこの映画に執着してるの)
 エミリーブロンテ 「嵐が丘」原書 多分読破できないけど。
 100 WAYS TO SAY I LOVE YOU これは詩集。
 これなら読むだろうな、きっと。


 



2004年12月15日(水) 目がかゆいよ。。。

 目がかゆい。結膜がごろごろする。
 目やには出ていないけど、きっと軽い結膜炎なのだろう。
 
 昨日は、心身ともにハードな一日だった。

 まず、9時から、じいさんコーチとテニスのトレーニング。
 マンツーマンでみっちり60分。最近、プールにもいっていないので、体がやたらと重い。サーブがうまく決まった。

 シャワーを浴びてから、「ビッグスリープ」のDVDを見ながらついついうとうと。

 午後から、子供達の個人面談。そのまま爆睡するわけには行かず、ヘロヘロになりながら、手抜きメーク(あんまりしてもかわらないけど)で学校へ。

 個人面談は、日頃の生活態度からして反省点はあったのだけど、改めて問題が浮上してしまい、ハハ玉粋。子供達をとやかくいう前に、私がちゃんとしなければならない。

 帰宅して、一念発起して、母親業開始。

 19:00より英語学校へ。
 今日は、mindの慣用句、30発。改めて勉強するといろんな意味があるもんだ。日頃、ドンマイ! ぐらいしか、使ったことがないので、日常的に物になるまで、地道にお勉強しないといけない。

 10時、パパ帰宅。家族全員早めに就寝。

 という一日。
 日記よりも、現実は言葉にできないくらいにハードだった。

 昨日は目を使っていないけど、目が痛かった。やはり、慢性的な疲れが目に出てしまったのだろう。

 *  *  *  *  *  *  *  *  *  

 最近、思うところがあって、パソに向かって文字を打つのもいやな時期があった。でも、ようやくそんな気難しい状態を克服しつつある。

 まずは、デスク周りの書類をきれいに片付けて、創作への環境を整えた。
 今日あたり、プリンターのインクも買ってこよう。予備がもうないから。

 来年は、文学賞への投稿を増やしていくつもり。
 3月に長編小説、6月に中編、9月、10月に短編。

 一年間、慢性的に締め切りに追われることになるけど、もう、40代もスタートしていることだし、そろそろ自分により大きな課題を与えてもいいような気がする。

 来年は精神力を試してみる。 



2004年12月10日(金) ヤドリギ




 ね、このケアキの木の上にある黒い塊、何だと思う?

 今、子供達を呼び寄せて上の写真を見せてみたんだけど、二人とも鳥の巣だといった。って、当たり前か、私がそう教えたんだから。

 でも、違うんだってさー。ママもさっき知ったばかりなんだけど。
 この枝のこんもりしたのは、ヤドリギなんだってさ。

 ほら、クリスマスシーズンになったら、道端でよく売っている、白い実をつけた緑の枝があるでしょう? ママも去年、買ってきて、天井から吊るしてたでしょう? 緑の枝のあれが、上の写真の巣に見える部分なんだって。わかった?

 ヨーロッパでは、このヤドリギの下でキスした男の子と女の子には幸福が訪れるるんだってさ。

 実は今日ね、すれちがったトラックのフロントガラスに、このヤドリギの枝を飾っている人がいてね、とっても微笑ましいな……って思ったんだ。

 みんなから愛される幸福をもたらす枝なんだろうねー。

 
 *  *  *  *  *  *  *  *

 って、ここでいきなり現実的なお話なんだけど。
 このヤドリギの実って、粘着性があるの。トリモチみたいに。

 去年のこと。
 クリスマスが終って、天井から吊っていた大ぶりのヤドリギの枝を床の上に下ろして、そのまましばらくリビングの片隅にほったらかしにしておいたんですよ。

 うちにいる、やんちゃざかりの二人。
 四六時中、家の中でわけのわからない戦いごっことか、追いかけっことかしているわけですよ。

 で、ある日。走り回っているうちに、ヤドリギの枝とかも蹴っ飛ばしてしまったらしく、ヤドリギの実が床の上にばらばらといくつかこぼれ落ちたらしいのです。

 何も知らない祐子ママ、何食わぬ顔をして家の中を歩き回っているうち、実の一つをビチャーっと、もろふんずけてしまったのです。同時に室内履きサンダルがぴったり床にくっついてしまって、もう大変!

 サンダルが抜けて、あれ〜といいながら一歩前に踏み出すと、なんとそこにもヤドリギの実があって、今度は靴下のまま、上からビチャ〜。

 それでもそのまま一歩前に進もうとしたら、靴下が床にくっついたまま、ビロ〜ン。足の裏の部分が不自然に伸びてしまいました。

 もう、ママ大発狂。
「だれじゃ〜! ヤドリギの実、ここの床の上にばらまいたのは〜!!」

 って、床の上にヤドリギ置きっぱなしにしたのは、当の本人なんだけど。



2004年12月09日(木) 「冬ソナ」よりも「ホワイト・ライズ」だ!

 雪景色を背景に繰り広げられるラブストーリーなら、「冬ソナ」よりも「ホワイト・ライズ」がいい。

ホワイト・ライズ

 今日、お昼にかけて、ワルシャワ文化宮殿の下のKINOTEKAで観てきた。(文化宮殿の通常の駐車場料金は高いんだけど、映画館の窓口でパー券にスタンプを押してもらったら、4分の1の料金だったよ。3ズォティ)

 で、この映画。
 うまくストーリー紹介がされているので、ここでは繰り返しては書かないけど、本当に映画のジグゾーパズルを観ているようだった。

 始めは、回想と現実がごっちゃになってよくわかんないんだけど、ラストが近づくにつれて、今までの意味の無さそうなカットの一つ一つが鮮明に繋がってくる。おもしろい脚本だった。英語のため細部の会話は分からなかったけど、近いうちにまた見にいくことにしよう。日本語のDVDは発売になれば買ってもいい。

 舞台がシカゴなので、雪のシーンや、寒そうなシーンがふんだんにある。
 「冬ソナ」にも寒そうなシーンはあったけど、雪が降っているのに、当人たちは帽子もかぶらず、コートの前もはだけたままで、あまり寒そうじゃないので、あぁ、これは舞台セットなんだ・・・と思いながらさめざめと観ていた。

 実際に雪の降る季節に、外に長時間出る場合は、完全防備が原則でしょう? 冬ソナの冬シーンのセットはつめが甘いね。一方、「ホワイト・ライズ」の寒空のシーンは、あぁ、本当に寒いんだろうなぁ……って思わせた。あぁ、シカゴのWicker Parkのあのシーン思い出しちゃった。。。

 それから、エンディングソングも絶対いいよぉ。
 この曲はラストシーンのために作られた歌なんだろうな、きっと。
 今、歌ってみろっていわれたら困るけど、感動的なラストシーンを観ながら、歌詞がすっと心に入ってくるんだよ。はぁ。。。

 観終わった後、ポンわりしてた。
 今朝からちょっと元気が無くってぼんやりしてたんだけど、いつもの祐子に戻ったみたい。よかった、よかった。

 そうそう。ちょっと聞いてくれる?

 今日、映画館の窓口でね、チケットを買うとき、
「学生さんですか?」って聞かれたの。
「いいえ、違います」っていったのに、そのあと、念を押すように2回もきかれちゃった。「学生さんじゃないの?」って。

 わっはっはー。私、学生さんに見えた? 倍近くの年齢なんだよ、私。
 今日はねぇ、白のタートルネックのざっくりセーターに黒のダッフルコート、それにリュックサック。うん、こんな格好は確かに学生風かも。

 しかもね、最近、まるまる太ったから、顔がアンパンマンフェイス。ほっぺつやつやのパンパン。ちょっと子供っぽく見えるかも。あはは、子供っぽく……ってことはないか。40なのに。



2004年12月06日(月) 他人の話術

 狂、IWGの幹部ミーティングがあった。狂じゃなくて、今日ね。

 私、初めて出席したんだけど、とにかく無駄な話の展開が多く、やたらと時間がかかる。女の会議だから仕方が無いのかもしれないけど。
 会議所要時間3時間。いいかげんにしてくれ。。。

 一応、議長が協議事項を用意しているので、それに沿ってテンポよく話し合われていけばいいんだけど、女だけの会議だし、一旦話が反れたら、雨だれ切らずに、会議の流れも関係なく、ずーーーーっとしゃべり続ける人が約2名いた。まぁ、こういう人はグループに必ず一人はいるものだけど。

 相手に相づちを打たせる間も無く、ユーモアを交えることも無く、次から次へと一方的に関係の無いことを延々しゃべりまくる。もう、聞いててうーんざり。特に英語だったから、聞く気もしなかった。
 
 大概こういうトークをする人は、ポイントを押さえているわけではなく、ただだらだら不必要な説明をしているだけのことが多いので、私は端からあまり耳を傾けていない。外国語であっても、日本語であっても。

「なんなんだぁ! そのだらだらしたしゃべり方はぁっ!」
と、途中でかつての星一徹のように、腹立ち紛れにちゃぶ台でもひっくり返してやろうかと思うぐらいだった。(ときどきホットになるの、ワタクシ。でも、今までに一度もひっくり返したことなんてないけど)

 ま、たいていは従順に、相手がしゃべり終わるのを待って、ふーんとした顔をして、何のコメントも言わない。そもそもあほらしくて端から聞いていないから何もいえないのだ。

「あー、あんたの話聞くのって、ほんとに退屈で時間の無駄なんだから〜」
ぐらいならいえるけど。なーんてうそうそ。いえないよぅ〜。いつも善人を装っている祐子さんは〜。

 ♪いえるもんならいってみな、ハイ! 
  無理だー、無理だー、無理だ、無理だ、無理無理! 
          (爆風スランプ 「無理だ」)

 私は、会話をしていても、話し方に余韻がある人が好きだ。相づちを打って聞いているだけでも楽しい。

 でも、早口で一方的にしゃべくり倒す人は嫌い。男も女も、日本人も外国人も。そんな人はコミュニケーション能力ゼロだと思う。話術も社交術も劣る。

 相手に相づちも打たせる隙も与えないように、センテンスの間に息継ぎもしないで話すような人は、精神を病んでいるんじゃないかと思うこともある。

 人から、自分の考えに口をはさまれるのがいやな偏屈なエゴイストか、相手との会話を楽しむという情緒の無い性格なのか。

 一人で鏡でも見て勝手にしゃべってたらいいんだよ、そんな人は。

 あまり毒を吐きすぎると、こちらもすぐに毒あたりをしてしまうので、これ以上は書き控える。

 
 江川卓は、とっても大きな耳をもっているでしょう?
 江川氏は、とてもよく人の話に耳を傾ける人なのだそうです。
 
 音や相手のことをよく聞くから、耳が発達しているそうです。
 動物でも、耳の大きいのと小さいのでは、確かに性格が違うかも。
 
 なんとなく、納得できるョねぇ。 
 人の話を聞くというのも大切な会話だと思う。

 



2004年12月05日(日) どどーんと

 昨晩、日本人会の総会、忘年会。

 総会はコートを着たまま出席してたけど、忘年会にはどどーんと肩を露出して祐子さん登場。先日、新調したブラで、こんもり胸の谷間を作って。

 みんなのリアクションがおもしろかった。
 ははは、こりゃぁ、私も露出狂の域だな。

 とりわけ女性達がキャーキャーはしゃいで茶化してくれたので、楽しかった。
「きゃ〜、すご〜い!」とか、
「きゃ〜、だいた〜ん!」とか、
「いや〜、その谷間、うらやまし〜」とか、
「いや〜ん、さわってみた〜い」とか。
 わっはっは。触ってみるかい? プヨョ〜ンだよ。

 一方、男性陣のほうは、貝のように口を閉じて、誰も何も言ってくれなかった。この日のために、去年と同じ格好にならないように上だけ服を新調して、髪をカットして色を抜いて、シャネルの香水をふりまいて、いつもより化粧も格段に気合入れてたというのに。

 誰もがただ、
「ほぅ〜」
 といっただけ。男性陣のみなさん、「ほぅ〜」だけですか?
 ほとんどの人が、胸の谷間もちゃっかり見てるのに、全くの見て見ぬふり。

 誰かに何か一言いってもらいたくて、知り合いに、
「どう?」って聞いたら、
「いやいやいや〜」と伏目がちに逃げていった人、数名。

 ったくぅ。なんか言ってよー。
 
 私に限ったことじゃないけど、今宵はそれぞれが美しく見せるためにそれなりに気合を入れてきているのだから、歯が浮くようなことでもウソでもセクハラでもいいから、女性達に何か一言でも言ってくれればいいのにさー。

 ま、ニッポン人男性はそんなもんなんだろうな。
 ラテン男性のように女性に対して、気の利いたお世辞の一つもいえない。



 でさ〜、自意識過剰気味にフェロモン放出しまくってたらさ、トンボラでパパが、冷凍うなぎ当たっちゃったのよ。

 帰り際。
「さてと。今晩、早速うなぎでも食べて、頑張ろっか〜」
とかって言ったら、近くにいた人が、鼻血ブーになりそうだったよ。
 きゃはは〜。

 なーんのことはない。
 単に、パパは出張で翌朝3時起きだったんだよー。
 



2004年12月04日(土) EMPIKにて

 前々から、ポーランド語版 「MARIE CLAIRE」12月が気になってしょうがなかった。なぜかというと、その雑誌の付録に映画のDVDが付いてくるからなんだけど。

 そのDVD映画というのも、なんとなんと女性版ポルノ映画。
 DVDのジャケットの写真には、悩ましげに全裸の男女が絡み合っている。
 一旦そういうものを目にしてしまったら、誰だってやはり見過ごすことは出来ないでしょう? (大なり小なり、カマトトぶっている人はいるけどさ)

 でね、ずっと前から、女性雑誌コーナーにあるのは知ってたんだけど、そろそろ、翌月号が発売になって、今売れ残ってる在庫が全部処分されちゃうかもしれないし、今日という今日は、羞恥心、好奇心、冒険心、ぜーんぶごっちゃ混ぜにしたうえで、さらに、えぇぃ! と勇気をふりしぼって一部購入してみよう! と思い立ったわけなのです、ワタクシ。

 これはねぇ、男の人が、普通の本屋さんでH本を購入するのと同じ感覚で恥かしいし、世間体が気になるものなのですよぉ。いくら私もオバサンになったとはいえ。まだ羞恥心を捨てきっていないですからね。

 さてと。で、ブルーシティのEMPIKにて。

 ここにはまだたくさん、くだんの雑誌が売れ残っていました。
 祐子さん、そ知らぬ顔で女性雑誌のコーナーに忍び寄り、ささっとその雑誌一部を胸に抱え込みました。

 で、それだけというのも、いかにもポルノDVDが目的のように思われるのも恥かしいから、いかにもその雑誌の愛読者風を装って他の女性雑誌「VIVA!」 も一部手に。これには、ブラビやディカプリオのビオグラフィDVDが付録として付いている。そして、祐子さんは何食わぬ顔をして、素早く身をひるがえしてレジへ向かったのです。

 そこのレジには一人の男性の先客がいました。
 「SYLVIA」というタイトルの大判の写真集の上に、DVD1枚を重ねて、そのまた上に、レジの脇に置いてあったリントの板チョコと缶入りチョコを上に置いていました。

 それで、その板チョコや缶で、DVDのタイトルは隠れていたので、何という映画なのかはわからなかったんだけど、いざ、レジのおねえさんが、バーコードで読み取るために、板チョコや缶を手に取ると、その隠れていたDVDのジャケットがいきなりあらわになったわけですよ。

 ホントは他人が買うものをいちいちチェックするかのように見るつもりはなかったんだけど、ただぼんやり順番待ちをしてつまんなかったので、ついついそのタイトルを見てしまったの、私。

 そしたらねぇ、もう、びーっくり! え? えぇー?! ってなかんじ。
 目は点! 口はぽかん!! 
 ちょっとやそっとのことでは動じない祐子さんが、ホントにびーっくり!!
 
 いきなり、そのDVDジャケットを目にしたレジのおねぇさんと先客の男性と、私の三人は、気まずくておもーい空気に支配されてしまいました。

 男性は……、激沈。。。ってなかんじ。

 だって、そのDVDのタイトル、
ANAL CALENDAR」っていうんだもん。
 12ヶ月、その関連のお話、12話収録なんだろうな、きっと。

 ぎゃはは〜、二人の女性にはさまれたその人、よっぽど恥かしかったに違いない。私の雑誌の付録の女性向ポルノDVDなんて、まだまだかわいいもんだぃ。

 くくく。それにしても。衝撃的だったよ。お互いに。
 思い出しただけでも、ぎゃははは〜。

 私がレジで後ろに並んだとき、思い切り気まずかっただろうな、その人。

 

 で、映画DVDは早送りでひと通り観たけど、たいしたことありませんでした。男性モデルのルックスがNGだし。

 でも、男性用のとは、ちょっと視点が違うから、それはそれでまたいいものなのかもしれないけどさ。



2004年12月02日(木) ゴドーを待ちながら

 ただひたすら待つ。遠い目で待つ。 

 祐子はきっと何かを待っているはずなんだけど、その待っているものがなにかははっきりしていない。

 パパではない。さっき帰ってきて、さっさと寝てしまったから。

 電話でもない。基本的にこっちの都合を考えずに、一方的にかかってくる電話には、あまり快く思わない。

 メール……でもない。さっきまで電源を落としていた。スパンメールが一日50件ぐらい。もうメールを開くのもいや。

 きっと私は、具体的には書けないものを待っているのだろう。

 何かのタイミングとか。人生の転機とか。何かの習得の時期とか。
 まぁいい、今晩は。深く考えるのはよそう。

 もう1時半だよ、寝なきゃ。



2004年12月01日(水) ピンクちらし処分!

 ワルシャワ市内に車を停めた人なら、誰でも必ず経験があるはず。
 これでもかー、っていわんばかりの大量のピンクちらし。
 
 短い駐車時間であっても、どこの通りであろうが、必ず、ワイパーにピンクちらしを挟み込まれる。私は路上にゴミとして捨てるのははばかられるので、たいていはそのまま車内に持ち込む。

 で、先日、たくさんたまったので、そのピンクちらしの束を家に持ち帰って、捨てる前に1枚1枚検証してみた。好奇心半分手伝って。

 ふん。
 助平そうなおねぇちゃんがいっぱい露な格好でちらしに写っている。

 住所をチェック。
 ふーん。あそこの通りで、そういうことをやってるのか。
 やぁね〜。

 おねぇちゃんたちの名前をチェック。
 一番よくある名前は、シルビアかも。
 手元にあるちらしに載ってる名前。左から、アガタ、ドミニカ、ジュリア、ドロタ、パオラ、ヴィオラ。ふん、みんな写真の身体つきがすけべそうだ。

 と、ここまでまじまじと検証した後で言うのもなんだけどさ。
 うざい! こういうピンクちらし、むっちゃうざい!!

 ピンクちらし撲滅を訴えるために、運動しよう! とまでは思わないけど、ただ、こういう風俗産業の需要と供給にひたすら嫌悪感を覚えるのだ。

 まぁ、人間の存在とは切っても切り離せないものだから、永久に不滅なのかもしれないけど。

  ♂  ♀  ♂  ♀  ♂  ♀  ♂  ♀

 ところで。

 こういう風俗産業は、新宿歌舞伎町のようなピンク街でやっているのかと思ったけど、ここでは噂には聞いたことが無い。そもそもワルシャワにそういうピンク街なんてあるんだろうか? 

 ちらしを見る分には、ごく普通のマンションの一角で営業しているようだ。近所にも一軒できたらしい。大通りに近く、交通の便がよいところ。ポーランド語オンリーの予約制だけど。

 家に来たことのある人ならわかるかもしれないけど、家の通りに入ってすぐに、左手に、カエルのマークで「Zabka」っていう、黄色っぽいスーパーがあるでしょう? そこの向かいがわに、赤い窓があるんですよ。ハートのマークの。そこがそう。明かりが灯っていたら、営業中。

 いやぁねぇ〜と思いながらも、毎回通るたびに何だか気になって、必ず車の窓から見上げる。

「お、今日は客入りありか」
「お、今日は、誰も来ていないのか」とかって。

 で。うちの主人は、ちょうど帰り道なので、ときどき、そのカエルのマークのスーパーでビールを買ってくるんですよ。

 なーんか、いやじゃない? そんなところで、車を停めて、買い物なんかしたら。知り合いに車を見られたら恥かしいじゃない。あらぬことを勘ぐられたりもするじゃない? 

 金輪際、あそこのスーパーには行かないで! といっておいたのに、一昨日、嬉しそうな顔で、

「あそこのカエルのスーパーでビール買ってきたんだよー」

と満面の笑みで帰宅しました、主人。すかさず、

「お向かいのすけべそうなおねぇちゃん、買い物にきてなかった?」

と聞く私も私だけど……。

 
 

 


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