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華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜
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2003年02月14日(金)

たわわに実る水蜜桃。 〜お利口さん〜


<前号より続く>




ルミは身長はおそらく165cmはあるだろう。
たわわに実る水蜜桃のような豊乳以外はスレンダーな身体だ。

男の劣情を刺激してやまない格好で草臥れるルミを見て、俺自身がいきり勃つ。

俺は彼女の耳元で囁いてみた。


「これで欲しくなった?」
 「・・・でも・・・でもダメ」

「あれ?さっきと言っている事が違うなぁ」
 「・・・初めての人はダメなのぉ、今度指名してくれたら・・・ね」

「商売上手だね(笑)」
 「それから・・・お小遣いが欲しいな」

「・・・幾ら?」
 「・・・2つ」

「2つ(2万円)かぁ、高いね」
 「借金があるから・・・でもその分・・・楽しませてあげるから」


いつもは俺の目を見て話をしていたルミだったが、
この時だけ天井をじっと見上げて、決して俺の方を見なかった。

ルミとはその後も交渉してみたが、この二つの条件は最後まで曲げなかった。

感情的にこじれてトラブルになるのも嫌なので、俺は69でフィニッシュをと頼んだ。


重たそうな身体を起こしたルミは仰向けに寝る俺の顔面を跨いだ。
ルミ自身が俺の顔面の目の前に迫る。

先ほどの刺激でふっくらとゆるみ、白っぽい蜜で潤っている。


 「私ね、舐められるのが弱いの・・・イキそうになったら舐めるの止めてね・・・」


でないと、俺自身へのサービスが出来なくなるからだそうだ。
攻め好きの俺としては願ってもない。

ルミが口と手で俺自身を攻め出す。
俺はまずルミ自身に再びスイッチを入れたローターを充てた。


ギュッと腰を引き、俺自身を攻める手を休めてルミが悲鳴に似た喘ぎ声を上げた。
この感度は本物だろうか。

そのまま攻め続けると、今度は痙攣気味に尻全体が微動し出した。


潤うルミ自身に右手中指を差し入れて指を曲げ、
爪を立てないように手前に引き寄せる。

右手ではローターを持ち、左手の指で中を攻める。

そうしてピストンをするうちに、強い抵抗を感じた。
ルミ自身が強烈に締まっている。


 「すごいの、感じるぅ・・・」
「イキそうになったら、すぐに言ってね」

 「ダメ、ダメ〜〜〜ッ・・・ああ、ああああっ」


俺の胸から下が重くなる。
脱力したルミの体重が、汗で湿った肌が心地良い。

そして間もなく俺も無事にフィニッシュを迎える。

間もなく、時間を知らせるタイマーが鳴り出した。
何時になく充実した時間だった。



プレイ後のシャワーで、ルミはボディシャンプーを差し出す。


 「ローション使ったから・・・だからこれでしっかりと洗い落としてね」
「ああ、ありがとう」


ルミは首筋から胸、腹、そして股間の奥までしっかりと洗い込んでいた。
そして残っていた湯船の湯に浸かる。

洗い終わった俺も一緒に浸かった。


「凄いテクニックだったねぇ・・・本当にイキそうだったよ」
 「いろんな娘にいろいろ教えてもらったからね。面白かったよ(笑)」

「結婚したら最強の花嫁道具だぜ、ありゃ」
 「だって借金まみれなのに(笑)相手も逃げ出すわよっ」


俺とルミの笑い声が密室のバスルームにこだまする。


 「ね、お客さんは、うちの店は始めてなの?」 
「いや、以前に一度ついてもらったことがあるよ」

 「前は誰だった?」
「ユキエちゃん。分かる?」


他愛もない会話から、俺は気になっていたユキエの様子を聞いてみた。
ルミの表情が曇る。


 「ああ〜、あの娘ね。・・・居るね」
「冷たい言い方だねぇ」

 「だって挨拶しても答えないし、苦情が多くても誰からも叱られないし」
「そうかぁ・・・あの娘なら仕方ないのかなぁ?」


半年前のユキエの様子が思い浮かぶ。

たおやかな黒髪で、まだ幼さの残っていた彼女。
何も店の事を理解しておらず、俺が店へと電話させた彼女。
カラオケが趣味で、本当は歌手に成りたったと語った彼女。
帰る家が無いからとデリへルの事務所に寝泊りしていた彼女。


 「一番最初に出勤してきて、一番最後まで店に居るの。それも休まないし」
「仕事熱心・・・ってな感じ?」

 「違う。何事にも気持ちが無いの、あの娘・・・」


ルミはユキエを毛嫌いしている様だ。
懸命に自分の感情を殺して話す様子が見て取れる。


 「おかしいんだよね・・・何でもオーナーが必ずフォローしてるし」
「嫌いなんだ(笑)」

 「・・・いい娘だよ、きっとお客さんの前では、ね(笑)」


怠惰だったユキエと、サービスが完成されたルミ。
まさに正反対のキャラクターだった。

流れるような所作、男を虜にする明朗なキャラ、そしてテクニック・・・
ルミは完全にプロフェッショナルとして、この仕事に従事している。

だからこそ、ユキエのような自意識の無い怠惰な女が許せないのだろう。

思えば、ルミが素の感情を見せた初めての瞬間だったのかもしれない。



帰り際。
下りのエレベーターが上昇してくるのを待ちながら、俺はルミに話し掛けた。


「まだこの仕事続けるんだ?」
 「うん、まだ借金だってあるし」

「あと幾らくらい?」
 「あと740万円(笑)。貯金もしたいからあと3年は頑張る(笑)」

「じゃ、また指名する事もあるね」
 「お願いねっ、今度は構わないから、さ」

「何を?」
 「もう、言わせるのっ?(笑)・・・お小遣いくれたら最後まで良いよって事」

「それはまた、何で?」
 「だって優しそうな人だし、警察の人じゃなさそうだし(笑)」

「警察ねぇ・・・」
 「だって、決まりだからって守ってばかりじゃお金は儲からないよ」


ルミはそうキッパリと断言した。


「割り切っているんだねぇ」
 「私は誰にも頼れないんだし、『お利口さん』じゃなきゃ生きていけないから」


デリヘルでの本番は、当然売春行為となり法律違反になる。

しかし一部では公然の秘密状態で行われているのも、また事実だ。


当然、彼女達は好きで身体を売るはずが無い。
なにかしら理由があるのだ。

デリヘル嬢を買う男や店ばかりを取り締まっても、根絶やしには出来ない。


風俗の世界に身を投じる女達の大きな理由の一つは「借金の返済」だ。

もっと違う場所にある本当の原因を取り締まらない限り、
支持率稼ぎで成立したような浅はかな法律などでは、
彼女のような『犠牲者』は決して救えない。


「お利口さん」なんて言葉を使ったルミだが、
彼女は決して賢い方法で金儲けをしている訳ではない。

しかしルミはこういう生き方を選んだ。
どんな思いをして、女がこういう蔑まれる生活を選んだのか。

少なくとも、彼女は自ら喜んで行動しているわけではなかろう。

心を痛めているのをひた隠して身体を売っている風俗嬢は多い。

同情ではない。
人に誇れるような仕事でもない。
しかし深い理由も知らず、風俗嬢だからと簡単に女を蔑む事など俺には出来ない。


名実共に恵まれた、裕福な生活しか知らない子女が集う永田町では
きっと誰も理解出来ない生活なのだろう。



1階のエントランス。

ルミは俺に再会した時の「本番」を約束し、迎えの黒いセダンに乗り込んだ。
タイヤを鳴らして乱暴に発進するセダンを、俺は見えなくなるまで見送った。
この生活を選んだルミの健闘を心から祈りながら・・・


俺も自分の車に戻り、エンジンを掛ける。

聞いていたFMからは、賑やかなジングルと共に、午後11時の時報が鳴る。


ルミの悲壮な覚悟にショックを受けつつも、俺はある感情を抑え切れずにいた。


あの娘・・・ユキエにやっぱりもう一度逢ってみたい。
半年前のあの娘、今はどういう風に変わったのだろう。



俺はホテルの駐車場から再び店に電話した。


「今夜、ユキエちゃんは出勤でしょうか?」
 「はい、出勤しております」




<以下次号>







↑エンピツ投票ボタンです。宜しくお願いします。



自分で鼓動が聞こえるくらい、胸が高鳴った。


「先ほどの者ですけど・・・お願いできますか?」


こちらから携帯の電話番号を通知しているので、俺が先ほどのルミの客だと
店の方でも判っている。


 「は?・・・先ほどのルミちゃんではご不満でしたか?」
「いや、そういう訳では無いんですが・・・」

 「では確認しますので、少々お待ちください」


保留中を示す無機質な音のオルゴールが鳴る。


 「はい、大丈夫ですので・・・5分ほどで向かいます」
「じゃお願いします」



一日で二人のデリヘル嬢を呼ぶ。
おそらく俺の人生でも最も馬鹿げた無駄遣いだ。

でも、どうしても俺はあの娘に会いたい。



俺は薄暗い街頭だけになった球場横の脇道に車を停めた。

向こうからミニバンが走ってきて、俺の車の脇で停まる。
そこから一人の女が降り、気だるそうな足取りで俺の車へ向かって来た。

正しく、半年前のあの娘だ。



<『 続・18歳 〜ユキエ再び〜 』に続く>




☆ 毎度のご訪問&ご高覧ありがとうございます。
  今回は基本に立ち返り、デリヘル嬢とのエレヂィをお届けしました。


  ルミは本当に生真面目で健気な娘でした。
  それが普段の立ち振る舞いにも、プレイにも表れていました。
  
  だからこそ自分で全てを受け止めてしまい、自分の身体を売る決意をしたのです。

  分かれた旦那も辛いだろうけど、自分の元嫁のこの行為を
  どういう思いでうけとめるのでしょう。


  次回は再び18歳の風俗嬢・ユキエが登場します。
  投票&My登録、掲示板書き込みもどうぞ宜しくお願いします。

2003年02月13日(木)

たわわに実る水蜜桃。 〜小悪魔〜



<前号より続く>



ベッドに移り、ルミは部屋の照明を明るくする。
普通なら逆なのだが、意外な行動を取る彼女に聞いてみた。


 「そりゃ恥ずかしいけど・・・だって奥まで見たいでしょ?」


照れ笑いのような、小悪魔の微笑みのような、
意味深な微笑みを俺に投げかける。
ベッドで横になるように促され、俺は言われるがままに仰向けになった。


 「じゃ、ローション使うわよぉ」 


胸元にピンク色の熱い粘性の液体が垂らされる。
先ほどのローションだ。
少し熱い感触が胸に広がる。


 「じゃあ、私が最初に責めたげる・・・」


耳元でルミが囁くと、仰向けに寝る俺の胸元のローションを
自分の豊乳で広げ始める。
すぐに彼女の乳首が充血して固くなる。


暖かく柔らかい胸と、固く突起した乳首。
俺の肌から伝わる絶妙の触感だ。


ルミはローションまみれの自分の乳首で、俺の乳首を擦り出す。
初めての感触に、俺は思わず仰け反った。


 「これ、気持ちいいでしょ?だって・・・ここでも分かるもの・・・」


ルミはローションがたっぷりと付いた豊乳で、勃起する俺自身を挟んだ。
全てを悟られている様で、切ないほど照れ臭い。

本来、パイズリは光景こそ刺激的だが実際にはあまり感じるものではない。
俺も実は大きな期待はしていなかった。


 「私のパイズリはねぇ・・・他の娘と違うんだから」


ルミは俺自身を挟み込み、徐に体重を俺自身に掛けてくる。
胸の谷間の肋骨の部分で、俺自身の裏筋を押さえつけてきた。
そして根元から先端に掛けて、上下に体重を移動させながら擦りつける。

俺自身の裏筋が巧妙に刺激されている。

感触はもはやパイズリではない。
騎乗位で挿入して、上下に動かれているかのような錯覚を覚えた。

とんでもない感触が、俺自身を襲う。


「ダメ!激しすぎてすぐ出ちゃうって!」


俺は上ずった声でルミに制止をせがんでしまった。
しかし彼女は動きを止めない。


 「もうイキそうなのぉ?ダメよ、もっと我慢しなきゃ」


どうにも意地悪な口調でさらに責めだす。
何とかこの流れを絶たなければ、俺はあっという間に達してしまう・・・


「ね、今度は俺にも責めさせて・・・」
 「もう、イカせちゃおうって思ってたのに」


残念そうな口調でルミはようやく攻撃の手を緩め、俺に身体を預けてきた。
ローションにまみれた豊乳は、仰向けになって寝ても形が大して崩れない。


「よく整形したって言われない?」
 「言われるけど、借金があるからそんな手術する余裕は無いよ(笑)」


ルミの大きめの乳首を掴んで、転がす。
そして乳房全体を揉む。

感度の良いルミは、この時点でシーツを掴んで声を上げていた。


「胸、感じやすいね・・・巨乳は感度が鈍いんだと思ってた」
 「あれね、きっと嘘。私は凄く感じるのぉ・・・」


指先を下半身の茂みの奥へ滑らせる。
ルミ自身は無味無臭のローションとは違う、体温のある粘液で満たされていた。


 「恥ずかしいの・・・本当に濡れてるでしょ?」
「可愛いじゃん・・・」

 「私ね・・・クリちゃんを責められると・・・凄く欲しくなっちゃうの」
「何が欲しくなる?」

 「聞かなくても分かるでしょ?」
「分かってるんだけど、聞きたい(笑)」

 「でもね、初めての人だと恐いから・・・我慢するの」


俺は枕元にあるローターを手に取った。
何時の間にかゴムが被せてあった。
ルミが気を利かせて準備しておいたのだ。

俺はそのローターのスイッチを入れて、ルミの下半身の突起に圧し当てた。
まず中ほどの振動でルミの身体の割には小振りな突起に圧し当てる。

途端に背筋を反らせたルミ。

何かを掴もうとしているのか、左手が宙を彷徨う。
その左手やがてが俺の髪を探り当て、掴んで押しのけようとした。


「どうした?」
 「そんなにいきなり責められると・・・すぐイッちゃう」

「いいよ、イク所を見せてよ」
 「ダメ、ダメよ・・・ダメ、ダメ〜〜〜・・・」


先ほどの報復攻撃だ。

ルミは間もなく全身の力が抜ける。
しかし俺は突起からしばらくローターを外さなかった。


 「イッちゃった後だから・・・凄く敏感なんだから・・・ちょっとぉ」
「だから?」

 「・・・またイッちゃうぅぅ・・・あ、来る・・・ダメ、ダメ〜ッ」


ルミは呆気ないほど何度もイッてしまった。


ベッドに転がるゴム付きのローター。
そしてベッドのほぼ中央で半ばうつ伏せになり脱力しているルミ。
その長くしなやかな肢体。


俺は久しぶりにオスの本能に火が付きそうだった。



<以下次号>







↑エンピツ投票ボタンです。次号が最終回です。



2003年02月10日(月)

たわわに実る水蜜桃。 〜女の意地〜

<前号より続く>



ルミの胸はとても美しい形と十分過ぎる質感をしていた。
大きくて柔らかそうで、しかも垂れていない。

存在感のある大きめの乳首もしっかりと上を向いている。
石膏のギリシャ彫刻のような、見事なばかりの豊乳。
絵や彫刻ではない、血の通う生身の豊乳が俺の目前にある。


「綺麗な胸だねぇ、何カップなの?」
 「一応・・・Gかな?(笑)」

「何センチなの?」
 「え〜っと・・・97(笑)」

「すごいね〜、こんな大きくて綺麗な胸、初めて見たよ!」
 「ありがとっ。私の最大の武器だもんね」


俺は丁度良い湯加減のシャワーを浴びて、身体を洗ってもらう。
身体の洗い方も手馴れたもので、隅々まで流してもらった。

時々、ルミの豊かな乳房や乳首が俺の身体に当たる。
その度にくすぐったそうに微笑むルミ。

男の性欲と心を見事に煽り立てる。


「あれぇ、お客さん・・・凄く元気になってるぅ」
 「ルミちゃん、リードが上手だからね」

「もう、おだててばかりいると・・・こうしちゃうんだから!」


すでに勃っている俺自身の根元を石鹸の付いている手でギュッと握る。
茶目っ気たっぷりの攻撃に、俺はくすぐったさで思わず腰を引いた。


「ダメだって(笑)我慢出来なくなるから」
 「じゃ、ここでしちゃう?」

「俺ね、攻めたい人なんだ(笑)。今度はルミちゃんの身体を流させてよ」


俺は反撃のチャンスを伺うつもりで、ルミにそう申し出た。
ルミは表情を曇らせる。


 「ゴメン、そういう事はしたくないんだ・・・」
「そうか、でも何で?」

 「ほら、私達のような職業だと一日に何度もお風呂に入るでしょ?」


その度に身体を洗ってばかりいると、肌の抵抗力が落ちて荒れてしまう。
それは湯を浴びて皮膚の油分が落ちる事が原因でそうなってしまう。
荒れた肌だと、相手のお客さんにも嫌な気分をさせる。

だから必要以上には身体を石鹸で流さない。

それがルミの言い分だった。

説得力十分の説明に、俺は折れるしかなかった。


「じゃいいよ・・・」
 「でもね・・・背中くらいならいいよ。お客さん優しそうだし・・・」


落胆する俺を見兼ねたのか、ルミは咄嗟に俺に背中を向けた。


「いいの?じゃ、椅子に座ってもらおうかな」
 「ちょっと待っててね」


ルミは掌にボディシャンプーを出し、椅子の座面に塗りたくる。
しっかりと擦ってから、蛇口の温度調節のつまみを目いっぱい赤の方へ捻る。
そしてシャワーで熱湯を出して流していく。
強い湯気で、風呂場は一気に湿度が上がった。


 「こうしないと、女の子は病気が移っちゃうの」


座面と女性器が密着する事で、雑菌や性病が移る事があるそうだ。

客とは違い、一日に何度も違うホテルや自宅の部屋に入る彼女達には、
こういう細かい部分も配慮すべきなのだろう。


「ルミちゃん、本当にしっかりしているんだねぇ」
 「そんなこと無いよ、でも仕事柄かな?(笑)」

「本職は何の仕事しているの?」
 「私?ナース」

「へぇ、大変な仕事だね」
 「だからこういう(皮膚や病気の)知識が豊富なのよね」


ルミはここから快速電車で45分程の街の病院で働く外科の看護婦だという。
準夜勤・深夜勤の合間を縫って電車で仕事に通ってくる。


「仕事の合間にデリヘルかぁ、ご苦労さんだなぁ」
 「だって私、借金あるしね・・・頑張るしかないから」

「その借金ってどれくらいあるの?」
 「最高で・・・1200万円くらい」

「いっ・・・1200万?」 
 「それも18歳の時にね・・・(苦笑)」


金額の大きさから、俺はにわかに信じられなかった。


彼女は高校時代から大恋愛をしていた。
相手は近所の知り合いで、若くして実家の稼業を継いだ二代目。

そして彼女の高校卒業後にすぐ結婚した。

しかし間もなく経営に行き詰まり、やがて破綻し倒産。
そして傷心のまま離婚をする。
約4年間の結婚生活だった。


 「彼の家族からは疫病神扱いされちゃってね(笑)」
「何にも責任無いんでしょ?ひどいねー」

 「でも、そうでも言わなけりゃ・・・自分達ばかり責めてると自殺しちゃうよ」
「・・・まあね。で、その借金はどうしたの?」


旦那は以前から彼女に内緒で闇金融での借金を重ねていたらしい。

そこで返済を迫って、自宅のみならず彼女の実家へも取立て屋が向かう。
話を聞く限り、相当な仕打ちを受けたに違いない。


例えそういう行為が違法であっても横暴な仕打ちが止まる事は無い。
そして「借金」という言葉の後ろめたさが、必要以上に債務者を卑屈にさせる。

薄汚い闇金融と取立て屋との巧妙な連携に、健全な生活を送る人々が蝕まれていった。


 「でも離婚したんなら、払う事無いんじゃないの?」
「そうらしいの・・・でもね・・・」


娘が直面した一大事に、彼女の実家では家屋と畑を処分して返済に充てた。
残念ながら到底返済額に届かない金額だったが。

ただその行為が「支払う意思がある」表示になり、
彼女名義での借金全額を返済せざるをえない事態となった。

俺はそういう方面の法律が分からないので、詳しい事は理解出来ない。

しかしこの長引く不況下で、我々を守るべき法律が悪用されている。
苦しい生活から生じる僅かな歪みにさえ付け込む小賢いチンピラに、だ。


我々一般市民が次々と上げる悲鳴。
永田町や首相官邸の住人は誰も耳を傾ける事は無いのだろうか。


 「私ね、私の浅はかさで自分の親には本当に迷惑をかけたから・・・
  だからお金を絶対自分で稼いで返そうと思って、この仕事を始めたの」


借金の残りと実家への返済。
しめて1200万円を自分で稼ぎ出す意思を固めたのだ。

しかしナースの給料だけでは到底稼ぐ事など出来ない。
その手段として風俗入りを選んだのだ。
女の意地、であろう。


 「そのためにもね・・・うちの店の娘に聞き回ってるの」
「何を?」

 「男をメロメロに感じさせるテクニックを(笑)」


ここのデリヘルは若い女の子が多い店で、彼女は最年長者だそうだ。

しかし風俗経験の豊富な若い娘に逆に質問を繰り返し、
様々なテクニックを吸収しているという。


 「うちの店、色んな娘が居るよぉ・・・ソープやヘルスからの転職組が」
「そうかぁ・・・」

 「後でやったげるね」
「何を?」

 「この胸を使ったパ・イ・ズ・リ(笑)」


ルミは悪戯っぽい微笑を浮かべて、豊乳を脇から掴み中央に寄せた。


風呂から上がる時、身体をバスタオルで拭いていた時に気付いた。
湯を満たした洗面台にピンク色のローションが浮いている。

いきなり垂らすと冷たいので、風呂の時間を利用して温めていたのだ。
パイズリにこれを使うのか・・・

俺は改めてルミの手際の良さに感心した。




<以下次号>








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2003年02月09日(日)

たわわに実る水蜜桃。 〜驚嘆〜


本社で担当の部署の上司と正面衝突した。
ある営業関連のプロジェクトでのトラブルに遭った。


俺が作成した書類をまともに目も通さずに投げ返す。
それを指先で突き出すと、さらに突き返される。

先日の電話での口約束とは正反対の判断を下した上司に俺は詰め寄る。
しかしまともに取り合う気も持たずに聞き流そうをする上司。

なぜか彼は俺の目を見ない。
吐き出される言葉に説得力も無い。

どこかからの圧力が掛っていたのだろうか。


ならばこの中間管理職の男を責めても仕方が無い。
本当の敵は俺達の前に現れる事の無い役員室の年寄り連中だ。


俺は上司に言い足りない事を腹に抑え、本社を出た。
追い詰め切れない自分の非力さを無意識に責めてしまう。

午後5時前。
俺は出た本社を振り返る。
和やかな夕陽が本社ビルを優しいオレンジ色に染めている。


傷心の帰り道。

本社近くの古い野球場の脇を通り掛かる。
俺にとって、思い入れの深い場所だ。

信号待ちの際、左側にあるその側道を覗いて見た。
その交差点から見通しの良い側道には、相変わらずデリヘル利用者らしき
客の車が駐まっている。


仕事の失敗から苛立ちを隠せない自分自身。
誰でも良いから、誰かに癒されたい。

俺は左に方向指示器を出し、側道に車を回した。



上着から携帯電話を取り出し、支社へ電話した。
プロジェクトの白紙撤回と、このまま直帰する事を伝える。

そして、俺はある番号を検索する。

以前、ユキエという18歳のデリヘル嬢を利用した店の電話番号である。
その時に登録しておいたが、あれから一度も利用していない。

この辺りで唯一知るデリヘルに、今から利用できるかを問い合わせた。


 「ユキエちゃんは今晩まだ出勤確認を取っていません」
「そうですか・・・なら他に誰かいますか?」

 「・・・今晩、丁度お勧めの女の子が出勤してきますねー」
「どんな感じの娘ですかね?」

 「色っぽい娘で、26歳の素人さんですね」


彼女は本職の関係で週に2〜3日しか出勤できないという。
今日がその出勤日で、いつも予約ですぐ埋まってしまう人気の娘だという。


 「仕事熱心だし、この娘なら絶対ハズレは無いですねー」
「じゃ、その娘でお願いします」


出勤時間は夜8時からだという。
あと2時間半。


俺は時間を潰すために近所のマンガ喫茶で雑誌を読みふけった。

この空間は俺は苦手な部類に入る。
しかしパチンコが嫌いな俺には、他に時間を潰す場所がない。


中途半端な時間を潰して、ようやく8時前。
再び球場横の脇道に車を廻す。

同じ目的の車が数台、エンジンを焚いたまま停車していた。


俺も路側に車を寄せて停車し、予約した娘の到着を待った。


ほぼ半年前。
熱帯夜の夜だった。
ここで俺はユキエという風俗嬢、いや少女を待った。

あの「家無き子」はまだ店に在籍しており、この仕事を続けているらしい。
どんな風に変わっているだろうか、少し気に掛る。



不意に助手席を軽くノックする音。
振り向くと、コートを着込んでいる大柄な女がドア越しに立っていた。

窓を開けると、ニッコリと笑い話し掛けてくる。


 「こんばんわ。『R』のルミ(仮名)ですー」
「あ、ああこんばんわ」

 
俺は助手席のロックを解除した。
ルミが助手席を開く。

冷えた外気が一気に車内になだれ込み、暖房を奪い去る。
俺は思わず凍えて震える。
ルミが笑った。


 「最近寒くなりましたねー」
「本当だね・・・」

 「お客さん、私とは初めてですよね?どうぞ宜しく」


底抜けに愛想の良いルミは、初対面の俺にも朗らかに話し掛けてくる。
俺はこういう娘も嫌いではない。


球場裏のラブホテル街にある『C』に入る。
ここも前回違うデリヘルで利用した。


 「ここのホテルならメンバーズカードを持ってるから安くなりますよー」
「じゃ、丁度良かった(笑)」


エントランスから入り、客室パネルの前に立つ。
今日は半分以上が空室だった。


「どの部屋でも良い?」
 「ええ、私このホテルなら全室制覇したし(笑)」

「そうなんだ(笑)、じゃお勧めの部屋は?」
 「・・・どこも似たり寄ったりですよねー(笑)」


シックな感じの部屋の210号室を選択し、エレベーターに乗る。


210号室はやはり予想通り、写真の印象よりもずっと狭い部屋だった。
ここのホテルでは、俺もこういう期待外れにも慣れた。


 「それでは、時間コースはどうなさいますか?」
「幾つコースがあるの?」

 「60分で18,000円、75分で23,000円、それ以上もありますよ」
「じゃ、75分で」

 「ありがとうございます、じゃ店に連絡しますねー」


ルミはテキパキと仕事をこなすタイプである。
俺との料金交渉も全く滞りない。


 「オプションがありますが、どうされますか?」
「何があるの?」

 「ローター、バイブ、パンスト破り、それにSMにアナルプレイも」
「・・・幾らなの?」

 「ローターとバイブが3,000円、パンストなら1,000円、SMは時価(笑)」
「SMは時価か(笑)・・・俺、ローターがいいな」

 「はーい、では75分のプレイ料金とオプション代で26,000円を先払いで」


俺が1万円札3枚を差し出すと、財布から予め準備しておいた4,000円を差し出した。

それからもルミは俺と雑談を交わしながら風呂の湯を張ったり、
お茶を入れたり・・・と休む事無く動き続ける。

しかも迷いが無いので、客の俺も余計な気を遣わなくて済む。
おまけにスタイル抜群でそれなりの美人系。

これならリピーター人気が出てもおかしくない。


 「お湯が入りましたよ、入りましょうか?」


時間にして、僅か10分足らず。
全く余分な時間を遣わない。


「すごいね、きっちりしてるね〜」
 「そんなこと無いですよ、まだ素人ですから(笑)」


下着を取ったルミを見て、俺は驚嘆の声を上げた。
彼女の胸の大きさと美しさにだ。




<以下次号>







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