帰りの電車。深夜近くの下り。 ある駅に着き、ドアが開いた。
酔ったおっさんがチ○コをしごきながら、急に目の前に立った。 本を真剣に読んでいたので、目の前に持ってこられるまで気付かなかった。 呆気にとられてしまい、通り過ぎるまで自分がオカズにされたことに気付かなかった。
おっさんが降りてから、自分の間違いに気付いた。 蹴り上げるべきだった。 僕なら、蹴り上げて掴まえることができたのだ。 情けなかった。何でもっと早く気付けなかったのか。 先の駅でそそくさと降りていった女の人は、きっと被害に遭っていたのに。 申し訳ない気分にもなった。
ああいう奴が、僕の大切な彼女に嫌な思いをさせるのだ。 ああいうのはいっぱい居る。腐るほど居る。 その中の一人を、なぜ蹴り上げられなかったんだ!!
次に出会ったら、見てろよ。 必ず掴まえてやる。
これから、木曜日のあの時間、あの車両に乗ろう。。 あんな奴、殴り倒して蹴りまくってもお釣りがくるに違いない。
彼女を夜に一人で電車に乗せるのは、本当に嫌だ。 門限や外泊に厳しかったという、彼女の両親に感謝したい。
しかし僕は、彼女に、夜に電車に乗らないでくれとは言えない。 遊びに行かないでとは言えない。 彼女の好奇心や付き合いを優先したいから。 でも、心配なのだ。 彼女は昼間でもよく痴漢に遭う。 力がないから、引っ張られたら抵抗できない。 壁に押し付けられたらすっぽり隠れてしまう。
あぁ、世の中の痴漢どもを駆逐したい。 彼女の周りから消し去りたい。
本当に今日のことは悔しかった。
スーパーマンになりたい。 彼女の為だけでいい。 助けが必要なときに、すぐに目の前に現われる、 そんな、スーパーマンみたいになりたい。
マジで悔しいっ!!!
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