■いい年して注射が怖いので、健康診断は憂鬱なのだが、『白い巨塔』を読んだばかりなので、今日はめずらしく軽い足取りで病院に乗り込む。いつかは病院ものを書くかもしれないし、少なくとも病院のシーンを扱うぐらいはありそうだ。こういう機会にしっかり見ておこう。「あら、面白いシャツね」という看護婦さんの言葉に和む。短い出会いでも、いや短い出会いだからこそ温かい言葉がありがたい。部署の違う同世代の同僚二人と順番が続いていたので、ベンチで並んで待ちながら「終わったら、病院の近くでお昼を食べよう」と話す。『星の王子様』をモチーフにしたレストランへ。普段あまり話さない人たちなので、話題が新鮮。■夜は西麻布のカサ・デル・ハポンという隠れ家のようなレストランで食事会。脚本家二人(大物と小物=わたし)、記者二人、お医者さんという五人で、組み合わせの妙なのか話が尽きず、そこにいるだけで幸せな時間だった。「ストレス」 「過労」「健康不安」などの言葉も飛び出し、「お互い忙しい身なので体には気をつけないと」といたわり合う。おいしいものを食べて好きなことを話すのが、わたしには何よりの健康法。