2002年04月30日(火)  焼肉屋『金竜山』で酒池肉林

■「ゴールデンウィークのはざまに出社するんだから、なんかうれしい御褒美を」ということで、白金の焼肉屋『金竜山』へ。意一切取材拒否でサイトを捜しまわっても電話番号が見つからないとか、某広告代理店の焼肉クラブ!?が数十回予約に失敗しているとか、知る人ぞ知る店らしい。肉女王の異名を持つYお姉さまが必殺予約技でひと月前にこの日の席をおさえてくれた。■着くなり「8時半までね」と区切られる。「えーっ!あと1時間半しかないのー!」と頭からハイペースで注文し、食べまくる。ひさしぶりの牛肉。伝説の「あぶるように焼く薄切りロース」は、興奮のあまり女四人が見悶えるおいしさ。店のおばちゃんに「食べ過ぎよー」と笑われながら、1時間半最後まで完食。店を出ると、なんともいえない達成感があった。■近くの『paper moon』でお茶。ソファ席はチャージ(ひとり1000円!)がかかるので、テーブル席に着き、「チャージを払ったつもりでデザートを食べよう」とケーキに手を出す。酒と肉のしあわせ効果で、よくしゃべり、よく笑う。勢いに乗ってパコチケも売る。残りあと2枚!

2001年04月30日(月)  2001年4月のおきらくレシピ


2002年04月29日(月)  宮崎あおい写真集『happy tail』にいまいまさこ雑貨

4/27の日記に書ききれなかった「うれしかったこと」。『パコダテ人』舞台挨拶の後、宮崎あおいちゃんの写真集『happy tail』を見せてもらったら、ロンドンで買ったオレンジ色の「ゴースト君」リュックに再会できた。いまいまさこカフェのlovesのfashionページにありし日の姿があるゴースト君、『パコダテ人』の撮影に出かけたきり行方不明になってしまったけれど、ひかるの部屋で撮った写真に、ちゃっかり映っていた。よしよし、ちゃんと函°館で仕事してたんだなあ。

よくよく見ると、いまいまさこ雑貨が他にもぞろぞろ。『パコダテ人』撮影用に美術さんがどっさり借りていった小物たちは、なかなかフォトジェニックだったようで、うれしい。誕生日や結婚のお祝いに贈られたものや旅先で一目惚れしたものなど、それぞれに思い入れのある「もの」たちが、ますます「たからもの」になった。

では、『Happy Tail』を買った人だけが遊べる『みっけ』ゲーム。ひかるの部屋で、みっけ→
(1)朝ごはん食べながら、今何時?
(2)笑って笑って、いっぱい笑って
(3)ハートではさんだハート
(4)とっても明るいゴースト君
(5)太陽色のしましまカバン
(6)アメリカのチョコから生まれた人気者
(7)心やさしい針金
あれ、あと1個なんだったっけ。わたしも早く買わなくちゃ。


2002年04月28日(日)  日木流奈(ひき・るな)

「いちばん感動したテレビ番組は?」と聞かれると、記憶の引き出しを掻き回すのにしばらく時間がかかるが、今なら迷わず、これですと答えられる。今夜9時から放送されたNHKスペシャル「奇跡の詩人〜11歳 脳障害児のメッセージ」。見終わった勢いで、この気持ちをどうしても書きとめておきたくなり、日記に向かっている。

番組は「誕生直後の手術で脳に障害を負いながらも、詩集や本を発表している」日木流奈君を追ったドキュメンタリー。彼は文字盤を指差すことで意思を表現するのだが、その動きを誰よりも早く読めるお母さんが読み取り、お父さんがパソコンに打ちこんでいく。ドーマン法というリハビリテーションでの知性トレーニングで漢字や数式などのカードを繰り返し見せられるうち、文字を覚え、物の名前や言葉の意味などを覚えた流奈君は、すでに二千冊もの本を読破。はるか年下とはいえ、「君」づけで呼ぶのが失礼なほど、プロの作家顔負けの文章力とユーモアのセンスを備え、さらに誰にも真似のできない視点を持っている。

文字を知った感動を綴った詩がすばらしい。渇いた喉を果実のジュースがうるおす充実感と幸福感にたとえ、「文字は頭にいきわたるジュース」と表現する。文字盤の文字をひとつひとつ指差す作業は、流奈君にとっては大仕事で、彼の言葉を借りれば「全身の力を振り絞って」書かなくてはならない。それでも書くのは、「心地よく生きたい」という共感の輪を広げ、みんなが心地よく生きられる世の中を実現させたいから。

「私は否定されたことがありません」と、あるがままの自分を受けとめてくれた両親に感謝し、「昨日より明日の自分が優秀であればいい」と毎日を精一杯生きている流奈君にも打ちのめされたが、息子の可能性を信じ、それを引き出すために出来ることはすべてやろうというお父さんお母さんの姿に胸を打たれた。親ってすごい。人間ってすごい。テレビの前で、ひとり大拍手。命を削って魂を揺さぶる言葉を紡いでいる流奈君を見て、自分が発する言葉をもっと大事にしたくなった。


2002年04月27日(土)  映画デビュー!「パコダテ人」東京公開初日

はじめての脚本映画「パコダテ人」の東京公開初日。うれしいことはたくさんあったけれど、いちばん感激したのは、新宿東映パラス2で受け取った花束だった。「受付に届けられました」と渡された紙袋にはピンクでまとめたブーケとカードが入っていて、増田文子と署名があった。「ゆうばりの映画祭のときに相部屋で一緒になった横浜の大学生」と思い出すまでに、少し時間がかかった。ゆうばりで会って以来、まったく連絡を取っていなかったから。学校の教室を改装しただだっぴろい部屋に二人っきりで泊まり、いろんな話をしたのだが、パコダテ人への思い入れを語るわたしに、「どうしよう…他にも見たい作品いっぱいあるし」と増田さんは迷い、「パコダテ人は東京でやるんですよね?そのとき必ず行きますから、映画祭では、ここでしか見れないものを優先します」と言った。あれから2か月以上経ち、わたしはそんな約束を聞いたことすら忘れかけていたというのに、彼女は公開初日に約束どおり劇場に現れ、愛らしい贈りものまで届けてくれた。あまりに思いがけなくて、うれしくて、携帯に電話(ゆうばりで連絡を取り合うために番号を交換しておいた)したら、もう席に着いてしまった後で、会えなくて残念。増田さん、お花はオレンジの花瓶に活けました。毎日水をかえて、一日でも長く咲かせようと思います。

約束といえば、岡山のTOMさんも、「東京公開をぜひ見に行きます」の言葉通り、上京してくれた。偶然の重なりに導かれてメールをくれ、いまいまさことその作品たちを応援してくれているファン第一号。シネパトスの前で待ち合わせし、無事会うことができた。

新宿駅から家に帰る前に、駅ビルのルミネに入っているmotomachi rodeoに立ち寄った。前に服を買ったとき、ノリのいいお姉さんがチラシを貼ってくれて、「宣伝しとくねー」と言ってくれたお店。行ってみたら、チラシはなくなっていた。お店の事情もあるだろうしと思っていたら、「お客さんが欲しがって2枚ともあげちゃったの」と言う。「チラシ置いていったら、すすめといてもらえます?」とお願いしたら、「いいよ。たくさん置いてって」と言ってくれる。「テレビで予告見たけど、かわいい映画よね。わたしも行きます!」。このお姉さんは、本当に来てくれそうな気がする。相手を喜ばせたり安心させたりすることを言うのは簡単だけど、それを実行する人は、本当にえらい。


2002年04月26日(金)  『アクアリウムの夜』番外編:停電ホラー

今書いているラジオドラマがホラー(稲生平太郎原作『アクアリウムの夜』の脚色)なので、何となく神経過敏になっていて、ちょっとした物音や気配にビクッとしている。昨夜11時過ぎ、家のダイニングでラジオを聴きながらワープロをカタカタ打っていると、何の前触れもなくワープロ画面が暗くなり、ラジオが黙り、明かりが消え、部屋は沈黙の闇に包まれた。普通なら「あ、停電!」と思うのだが、オカルトモードになっているわたしの反応は、「あ、来た!」。上の階の足音さえラップ音だと思い込む状態だから、無理もない。しばらく金縛り状態になった後、勇気を出して、窓側のカーテンを開けてみると、まわりの家々からも明かりが消えている。ここで「この辺り一帯が停電なんだ」と安心するところを、「デカイヤツが来た!」と思ってしまい、ますます怖くなる。

手さぐりで携帯電話を探し、ボタンを押すが画面のライトがつかない。「携帯までがヤラレるのだから、やはり停電ではない!」と確信するが、「キー操作無効」になっているだけだった。ダンナに電話するが、「ただいま出られません」。この非常時に、頼りにならないヤツだ。携帯の画面照明では足りず、PHSの画面も照らして、なんとか家の鍵を発見(いつも決まった場所に置かないのが悪い!)し、屋外脱出に成功すると、ドアというドアから住民たちが心配そうな顔をのぞかせていた。「停電しましたよね?」「してますよね?」と確認しながら階段で一階まで降りると(エレベーターも止まっている)、携帯で誰かに通報している女性がいた。警察官はすでに着いていたので、東電にかけていたのかもしれない。

近所のコンビニは、なぜか煌々と明かりがついていた。ここは免れたのか、自家発電なのか。懐中電灯と電池を買う。家に帰り、懐中電灯を灯すと、生活できる明るさになった。といっても薄暗闇で出来ることは限られている。ハーブに水をあげようとしたら、水道も止まっていた。モーターで汲み上げているからだとか。知らなかった。ひさびさにマニキュアを塗ってみるが、速乾性なので、すぐに乾いてヒマになる。掃除も洗濯もできない。洗濯物をたたんでいると、ダンナから電話がかかってきた。「停電で大騒ぎで退屈だ!」と不安や不満をぶちまけると、「僕の写真にチューでもしてなちゃい」と完全に酔っぱらっている。つくづく役立たず。風呂の残り湯で手を洗い、メイク落としシートで洗顔。風呂の湯沸かし器の制御装置が電動なので、お風呂にも入れない。結局、何もできないので寝ることにしたら、夜中にいきなり家中の電気がつき、飛び起きる。停電から約2時間経っていた。


2002年04月25日(木)  田村あゆちの「ニュースカフェ」に演

友人の田村あゆち(写真)がキャスターを務める「ニュースカフェ」の「HOTふるさと」コーナーで函館発の映画『パコダテ人』を取り上げてもらい、「脚本家みずから作品の魅力を語る」ということで出演してきた。スタジオのデスクにはパコダテワインやパコダテビール、しっぽストラップが並び、後ろのボードにはポスターとチラシがペタペタ。番組スタッフの皆さんも作品を盛り上げようと頑張ってくれていて、うれしい。

予告編放映に続くフリートークでは、抜き素材を流しつつ、「一言で言うとどんな作品か」(究極の愛の物話。家族や恋人にもしもシッポが生えたら…という究極のシチュエーションを示すことで、観客に自分だったらどうするか考えさせる)、「作品の見どころ」(家族愛、恋愛、ファッション、パコダテ語)、「映画化の経緯」(受賞がきっかけではなく、応募原稿が監督に発掘された)、「函館市民の協力」(エンドロールにいちばん感動する)、「函館の印象」(レトロモダンでファンタジーの舞台にぴったりな街)、コピーライターとしての仕事(企業名を出さずに仕事内容を言おうとしてしどろもどろに)、「脚本を書きはじめたきっかけ」(小説を書いていたが、脚本のほうが性に合った)、脚本家としての仕事(『風の絨毯』)などを話す。

ファッションの話題のところで、バンタンハイスクールの生徒さんたちが描いてくれたデザイン画を紹介。サイトのことにも何度か触れ、テロップでもアドレスを流してもらう。それから『しっぽストラップ』プレゼントの告知。あゆちもわたしも携帯につけているので、それも映してもらう。以上であっという間に15分。

続いて、ひとくち英会話のコーナーにも出演。いつもなら2フレーズ紹介するところを1つに削って「今日は専門家の今井さんがいらっしゃっているので…」と、いきなり英語ダジャレのコーナーに。直前にピンクしっぽの紹介をしてくれたので、「しっぽつけテール」とアドリブをかませ、持ちネタの「空でスカイ」「雪でスノー」などを披露。「砂糖でシュガーなんてのもありましたよね」とあゆち。「皆さんも思いついたら送ってくださいね」と募集していたので、人気が出れば新コーナーになるかも。

最後に「今後の夢は?」と聞かれ、「書くことは自分にとってビジネスではなくハピネスなので、書き続けていきたい」と話す。その後、もう一度公開情報を流す時間を取ってくれたあゆちに感謝。


2002年04月24日(水)  天才息子・西尾真人(にしお・なおと)

わたしを「おかん」と呼ぶ会社の後輩デザイナー西尾真人が今日のわたしのカッコ(白い半袖ハイネック、シルバーのふんわりスカート、水色ラメのハイソックス、シルバーのバレエシューズ)を見て、「年食った妖精」と名づけた。暴言だが、言い得て妙なので、笑ってしまう。この口の悪いドラ息子、親バカかもしれないけれどデザイナーとしての才能は目を見張るものがあり、近いうちに日本中に名を轟かせるのではないかと思う。『パコダテ人』の小物(函館スクープのロゴ、ウルトラ○○○のロゴとパッケージデザイン、pakodatailのロゴ)デザインではずいぶん親孝行してくれた。ノーギャラなのに直しの連続だったので、反抗期の中学生のように暴れながらやっていたけれど。

「真人」と書いて「なおと」と読むのが面白く、函館山ロープウェイ映画祭の脚本コンクールに応募し、初めての受賞作となった『昭和七十三年七月三日』の主人公、田村真人の名前に使わせてもらった。田村の初恋の人、美津子との三十年ぶりの再会場所に現れた女性は「美津子とは別人」と言うが、受け取った名刺を見て「たむらなおと」と読んでしまう。


2002年04月23日(火)  プラネット・ハリウッド

■舞浜のイクスピアリ内にある『プラネット・ハリウッド』に行った。ハリウッド映画で使われた衣装の展示を見ながら食事できるレストラン&バー。お皿の下に敷く紙マットには、「ハリウッドスターたちの卒業写真」がずらり。誰の写真か当てあって盛り上がる。壁のガラスケースには映画撮影で使われた衣装がずらり。


2002年04月22日(月)  ワープロ

■夢中でワープロをたたいてたら、朝の3時になっていた。


2002年04月21日(日)  貧しい昼食

■朝昼兼用で食パンで済ませようとしたら、「まさか、それだけか!」とダンナに騒がれ、晩ごはんのメニューを昼にスライドさせたところ、夜たべるものがなくなった。


2002年04月20日(土)  16年ぶりの再会

■留学時代の友人ナオコの結婚パーティー。16年ぶりに再会した友人と盛り上がる。ママネットワークでパコダテ人を広めてくれるとのこと。


2002年04月19日(金)  金一封ならぬ金1g

会社のパーティーのビンゴゲームで、金一封ならぬ金1グラムを獲得。賞品にありつくなんて、珍しいことだ。「金」か「ダイヤのネックレス」かと選択を迫られ、迷わず金を選ぶ。財布に入れておくと、お金が増えるらしい。その場で『パコダテ人』のチケットが10枚ほど売れる。早速御利益かも。


2002年04月16日(火)  イカすでしょ。『パコダテ人』英語字幕

『パコダテ人』の英語字幕が上がってきたのでチェックする。初めての映画、字幕がつくのも初めて。「イカをイメージしたんだけど、イカすでしょ!」というみちる(松田一沙)の台詞が「Isn't it ex-squid-ite?(squidはイカ、exquisiteは素晴らしい)」と訳されていたり、感心する訳がいっぱい。勉強になる。


2002年04月15日(月)  イタリアンランチ

■インド料理屋でのイタリアンランチ
■国際化する塀の中
について書く予定


2002年04月14日(日)  おさかな天国

■ついにパチンコ屋からも流れてきた『おさかな天国』について書く予定


2002年04月13日(土)  パーティー

■パーティーでの再会と出会いについて書く予定


2002年04月12日(金)  背筋ゾーッ

■わたしのまわりにいる「霊感の強い人たち」について書く予定


2002年04月11日(木)  ネーミング

■会社の仕事でやっている新製品のネーミングについて書く予定


2002年04月10日(水)  なぞなぞ「大人には割れないけど子供には割れる」

友人マキちゃんから送られてきたなぞなぞ。「大人には割れないけど子供には割れる。女にはキレイなのに男には汚い。犬には見えるのに猫にはなかなか見ることができない。車ならできるけど家では無理がある。天気のイイ日には現れることもあるが雨の日には見ることができない。どちらかというと理科室より職員室の方が住みやすい。みんな触れたことあると思うよ」。

ちんぷんかんぷんなので助けを求めたら、映画大好きなジャンガリアン君からヒントが来た。「『月とキャベツ』『突然炎のごとく』『ビッグ・ウェンズデイ』『ヒマラヤ杉に降る雪』『ジェイソン』『トラボルタ』『太陽を盗んだ男』なんてのはどうでしょう?」。ますますわからないが、マキちゃんは「センスのいいヒント」とほめる。悪ノリしたジャンガリアン君がくれたヒント第二弾は「『マン・オン・ザ・ムーン』『炎のランナー』『ウォーターボーイズ』『ピノキオ』『現金に手を出すな』、あと『サタデーナイトフィーバー』『太陽がいっぱい』ではどうだ!!よし、前のもコレも順番は合ってる」。順番って、何だ?

そこまでヒントをもらってもわからず、結局教えてもらった答えは「曜日」。

問題もヒントも7つからなることに目をつけた人は解けたかも。ただし、相当無理がある。★大人には割れないけど→火(文字を分割すると小人になる) ★女にはキレイなのに→金(女性には貴金属・男性には金○○。あるいは男性の貴金属はガラが悪く見える) ★犬には見えるのに→日(夜行性の猫はお日様が苦手) ★車ならできるけど→水(洗車できても洗家はできない。あるいは水車はあるが家車はない) ★天気のイイ日には現われる→月 ★どちらかというと理科室よりも→木(職員室に比べて理科室は日当たりが悪い。あるいは理科室には危険物が多く、木を燃やされそう) ★みんな触れた事ある→土。もうひとつある答えは「金」で、★大人には割れない…→お金(小銭には割れる) ★女にはキレイ→女には貴金属・男には金○○ ★犬には見える→猫に小判 ★車ならできるけど→借金 ★天気のイイ日には現れる→金星 ★どちらかというと理科室よりも→金八先生 ★みんな触れた事ある→お金。こちらもかなりこじつけ。

もともとの問題よりもヒントのほうが面白い、というのが面白い。


2002年04月09日(火)  東京コピーライターズクラブ

■昨日の夜、残業していて「カッターを持ったコピーライターがやけに走り回っているなあ」と思ったら、今日がTCCの締切りだった。TCCとは東京コピーライターズクラブのこと。プロのコピーライターにとっては、この賞を取ること、受賞は逃しても、せめてTCC年鑑に作品を掲載されること、その前にTCC会員になることは、とても意味のあることなのだ。応募には、食品や車や公共といったカテゴリー別に賞を競う「一般部門」と、新人賞をめざす「新人部門」がある。TCC会員になるためには新人部門で入賞しなくてはならないのだが、その応募には「過去1年間にコピーを手がけた(共作はダメ)5作品」が必要になる。1つや2つだけだとまぐれがあるかもしれないので、安定した実力を見せよというのだ。この5つというのが曲者で、実際3つか4つは「これなら狙える」という作品があっても、あとの1つでどーんと平均点を落としてしまったりする。5つそろわない場合はそれでもいいらしいのだが、「こいつ、4つしかなかったんだな」というのも力不足を名乗ってしまうようで、情けない。というわけで、毎年、TCCの季節になると、コピーライターたちは作品ファイルをかき回し、「意外と仕事やってねえなあ」とか「去年のコレを入れれたらなあ」などと嘆き、5つそろわない人は、「しょうがない。一般部門で出すか」となる。一般部門は誰でも応募できるが、ライバルは仲畑さんだったり真木さんだったりタグボートだったりする。■はずかしながら、わたしはまだ新人賞を取っていないので、会社からは「そろそろどうなの?」とプレッシャーをかけられている。年賀状に「TCC!」とだけ書いてくる上司もいる。今朝から作品をかき集めたが、「コレがあれば何とか5つそろう」と思った作品の清刷りが見つからず、結局今年も一般部門に応募することにした。去年も一昨年も年鑑には掲載されたので、せめて年鑑入りは果たしたい。シナリオは書けるけどコピーはからっきし、と言われないように。


2002年04月08日(月)  シナリオに目を向けさせてくれた「連載の人」

シナリオを書きはじめる前に、ひとりだけ、テレビドラマのディレクターにお会いした。当時『公募ガイド』に連載されていたドラマの制作現場のエッセーを愛読していたのだが、その中に会社のメディア部にいるS氏の名前が出てきた。本人に聞いてみると、かつてテレビ局でプロデューサーをしていて、連載のディレクター氏とは、よく組んで仕事をしていたのだと言う。「そういや近々会社に遊びに来るから、会う?」と言われ、ほどなくして「連載の人」との対面が実現した。文章からイメージを受けた通りの人で、頭の回転がとても早く、それに負けないぐらい口の回転も早く、最近考えついた新しいドラマの企画(それもまったく違うストーリー)を次々と披露してくれた。「公募ガイドの原稿、下書きされてないですよね」と前から思っていた感想を口にしたら、「なんでわかるの?」と驚かれた。ほとばしる言葉を直球で投げてくるような、エネルギーにあふれた人だった。

その連載は一年で終ってしまったが、数年後、同じく公募ガイドで新井一先生の誌上シナリオ講座がはじまったとき、「連載の人」の話を聞いたときの何とも言えないワクワクした気持ちを思い出した。シナリオを書きはじめ、今も書き続けているのは新井先生のおかげだが、シナリオに目を向けさせてくれたのは「連載の人」だった。彼にとっては昔の仕事仲間と再会したついでに会ったにすぎない10分間は、わたしにとっては、人生を変えるほどのドラマチックな時間だった。シナリオライターいまいまさこの種を蒔いてくれたその人、鶴橋康夫さん演出の新ドラマ『天国への階段』第一話を見ながら、人と人との巡り合わせの不思議を思う。


2002年04月07日(日)  イタリア語

■外国語を覚えるのが好きだ。最初に出会った外国人は隣家に引っ越してきたインド人一家だった。親の受け売りで丸暗記したカタコト英語が通じた瞬間、相手が笑顔になった。コトバは友達を作る道具なんだと5才にして知れたことに感謝している。■日本語を勉強しているアメリカ人青年が面白いことを言った。"My Japanese is good enough to get in trouble, but not good enough to get out of it(日本語ができるせいでトラブルに巻き込まれることはあるけど、トラブルを脱出できるほどは日本語ができない)."。同じような経験はわたしにもある。大学の卒業旅行で訪ねたドイツでチェコスロバキアの男性と片言のドイツ語同士で盛り上がっていたら、誘拐されそうになった。日本人は幼く見られると言うが、10才ぐらいに見えたのだろうか。バリ島観光に行ったときは、リンガフォンのインドネシア語を1か月前から聞いていたが、現地の子どもたちに不用意に「サヤ ナマ マサコ」と名乗ったがために、masakoの名入りのミサンガやら織り物やらを勝手に作られ、買い取る羽目になった。こちらは友達だと思っていても、相手にはネギを背負った鴨にしか見えなかったことに打ちのめされたが、それも言葉をかじったから知ることができた現実だった。■めげずにフランス語にも手を出し、カンヌに行ったときは楽しい思いをした。言葉がちょっと通じるだけで、現地の人しか知らないおいしいものや穴場に出会える。手を出しかけて引っ込めたのが韓国語と中国語。どこから手をつけていいかわからないうちに出発日が来てしまった。いつかリベンジしなくては。■旅行に行く予定はないが、イタリア語の本が目の前に2冊ある。仕事でイタリアがらみの商品を担当することになり、資料として買ってきた。イタリア語に挑戦するのは初めて。音がかわいくて、発音したくなる言葉がゴロゴロある。「小さい」は「ピッコロ(piccolo)」で「とってもおいしい」は「オッティモ(ottimo)』。「わかりません」は「ノン カピスコ(non capisco)」。カタカナ読みでOKなのもいい。それでは眠くなってきたので「ブオナ ノッテ(Buona notte)」。


2002年04月06日(土)  カスタード入りあんドーナツ

■ダンナは朝から名古屋へ日帰り出張。「飛んで帰ってきてね」と言うと、まじめくさって「いや、新幹線だよ」。週末の予定も会話もすれ違っている。■一人にされても、やることは何かとあるので、暇を持て余すことはない。午前中は洗濯機を2度回し、シナリオ関係の資料を読んで頭の中を掻き回す。一段落ついたので、気晴らしに出かけようとしたら、マンションのエントランスでブロードバンドの出張説明会につかまる。これ幸いとパコダテ人の動画を見せてもらう。つなぎっぱなしで月々3900円って安いのだろうか。住宅街を抜け、安売り店のオリンピックへ。ガーデニングの土や肥料が安いので、一時期は週末ごとに通っていたが、毎回つきあわされていたダンナが「オリンピックは四年に一回にしてくれ!」と訴えたので、最近は一人で行く。オリンピックで液体肥料ハイポネックスを、スーパーでバジルとルッコラの苗(キッチンで料理に使いながら育てましょう商品)を、パン屋でドーナツと大好物のうぐいす豆パンとドーナツを、百円ショップでフックのついた籠(植木鉢カバーに使える)と針金を買い、帰宅。針金で粗い籠を作ってパスタソースの空瓶にひっかけ、その中に買ってきたハーブの苗を移す。水が針金籠の下にたまるので、根腐れしない。たぶん。ハイポネックスを薄めてベランダガーデンの植物たちにあげ、咲き終えたジュリアンの根を抜き、土のビタミン剤を混ぜる。次は何を植えようか。写真屋でもらった種でも蒔こうかな。電話を三本し、買ってきた『カスタード入りあんドーナツ』でお茶。小豆とクリームはよく合うが、このドーナツにおける相性は素晴らしい。■「今から新幹線に乗る」とダンナから電話。あと2時間、何しよう。


2002年04月05日(金)  イマセン高校へ行こう!

■『いまいまさこカフェ』の姉妹サイトならぬ親子サイトが完成。先週末、父と会った時に「作ってあげる」と約束したホームページだ。名前は『イマセン高校』。今年定年を迎える父が退職後も教えられる場所があったらいいなと思い、学校仕立てにしてみた。表紙のJAVA SCRIPTには泣かされたけど、ついこないだまでは「HTMLって何?」と言っていたのだから、大きな進歩。苦労して作った校舎に、どんな学校生活を盛り込んでくれるのか。父のお手並み拝見といこう。


2002年04月04日(木)  前田哲×田中要次×松田一沙×大森南朋パコダテ人トーク

日本では忌み嫌う人も多い数字の4だが、昭和44年4月4日生まれの親友が「4がよっつで4あわせ」と言うのを聞いて以来、「幸せの4」と思っている。パコダテ人を書いてからは、「しっぽの4」でもある。平成14年4月4日、4が3つ並ぶ今日、ハッピーでしっぽな出来事があった。テアトル新宿で行われた『ドロップシネマ・パーティー』の『前田哲×田中要次パコダテ人トーク』。そのスペシャルゲストとして、松田一沙ちゃんとともに参加させてもらった。

『OUT』の打ち上げ会場から田中さんに連れて来られた大森南朋くんも、飛び入り参加。前田さんと田中さんが「銭湯での戦闘シーン」などと話しているところに大森くんが現れ、ジャケットの下に着込んだ殺し屋1Tシャツ(金色の1が眩しい)を披露すると、会場からどよめきが起こった。続いて一沙ちゃんが呼ばれ、「一沙ちゃん、おめでたいことがあったんですよね」の声を合図に、キャンドルを灯したバースデーケーキを持って、わたしが登場。「昨日パタチになった一沙ちゃんをお祝いして、みんなでパッピーパースデーを歌いましょう」と呼びかけ、合唱する。映画館は火気厳禁なので、ゆらめく炎なんてスクリーンの中でしか見れないはず。面白い経験をした。

トークのほうは時間が短く、ウォーミングアップが終わって調子が出てきたところで幕切れという感じだった。最後に一言ずつと言われ、pakodatejin.comの宣伝と「みんなもしっぽつけて!」とお願いをした。ピンクのしっぽに仲間ができますように。

トークの後は、控え室の廊下でバースデーケーキを切り分けた。田中さんとも大森くんとも顔は合わせていたけれど、言葉を交わしたのは今日がはじめて。二人とも気さくでやさしくてちょっとシャイで、前田さんと合うのがわかる気がした。作品上映が始まってしまったので、鑑賞はせずに、前田さん、石田さんと近くのカフェでお茶。上映が終わる頃にテアトル新宿に戻り、来てくれた友人、知人にお礼を言う。函館の映画祭でお世話になったあがた森魚さんと控え室で少しお話しする。出口にテフロンさん、Koalaさん、Takeさん、ふた娘。さんがいた。終電が危ないので、新宿駅まで歩きながら話す。サイトがなければ出会わなかったり、それっきりだったりする人とつながる不思議。ネットは顔が見えない怖さもあるけれど、人と人を結びつける天才だ。


2002年04月02日(火)  盆さいや

■仕事の後、恵比寿の『盆さいや』へ。会社の先輩Y嬢の友人がやっているお店で、盆栽を愛でながら食事をし、盆栽を買える。前々から盆栽に魅かれていたので、「行きたい行きたい!」と騒いでいたら、今夜連れて行ってもらえることになった。メンバーは他にW嬢とT嬢。女四人で乗り込むと、Y嬢の友人の経営者Shigebonさんもいて、五人でワイワイ晩ごはんとなった。Shigebonさんはアメリカで盆栽販売の仕事を手伝っていて、「これは売れる!」と帰国後、ボンサイアートという会社を作った。『盆さいや』は事業の一部で、主な業務は盆栽の栽培と販売なのだそうだ。「盆栽の定義ってあるんですか?」と素朴な疑問を投げかけると、「陶器に植えられていて、幹のあるもの」という答え。盆栽が高いのは器の値段のせいもあるとのこと。各テーブルやカウンターや棚や店のそこかしこに盆栽が「商品」として飾られている。「北海道の話を書いているんだったらライラックはどうかな」とすすめてくれたが、満開の桜に一目惚れしてしまった。『風の絨毯』の主人公さくらにもあやかり、わが家の盆栽第一号とする。店を出ると、夜風で花びらが舞い上がり、花吹雪を散らしながら歩く。袋の底にたまった花びらを土に敷き詰めると、これまた風流。帰宅したダンナと、ダイニングテーブルでミニ花見。以前「盆栽やりたいなあ」と言ったとき、「キュウクツだから僕は嫌いだ」と却下したダンナは、「きれいだねえ」と素直に目を細めていた。いいものは、いい。


2002年04月01日(月)  インド料理屋にパコの風

銀座のインド料理屋でバイトしながらシナリオを書いている横山亮子ちゃんからメール。読んでとてもうれしくなったので関係者に転送してしまったが、ここでも紹介。

「パコダテ人」のチラシ バイト先に置いてもらったよ。あたしのいるグルガオンと、姉妹店のハリドワールと半分ずつ。姉妹店のハリドワールはなんとシネパトスのすぐ近くなの。きっとすごい宣伝効果があるよ。チラシを見せた時、店長は「ああ、シネパトスにポスター貼ってあったよ。これ、知ってる」と、なかなか好印象。バイトの女の子(大学4年生)は、「あー!これ知ってる!どさんこプラザにも置いてあった。突然しっぽが生えてきちゃう話ですよね!」と、これまたすごい好印象。ストーリーまで知ってるとは素晴らしい。銀座のインド料理屋にまでひそかに風は吹いてきているよ。

シネパトスにポスターを貼った人(配給会社か宣伝担当さん)と、どさんこプラザにチラシを置いた人(たぶんアシスタント・プロデューサーの石田さん)と、お店にチラシを置いてと頼んだ人(わたし)。それぞれのやっている点がつながって線になり、面になり、風を起こしているのがうれしい。もっと扇を広げなくちゃ。

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