日記雑記



日記雑記
ソンナモノハ妄想ダ
表紙以前以後読書メーター


2006年11月30日(木) (雑記)

もうすぐ12月がやってくる。


読んでた課題プリントの古典作品に出てくる人物が全然わからないので辞書を引いてみたところ、とりあえず調べようとした二人が両方とも院のおぼえめでたかったとわかり、それはそれで複雑な心境でした。すごいな芙蓉の君だって。


2006年11月29日(水) 「脳のなかの幽霊」読みかけ。

一日ぽっかりと空いたので布団干したり日向で座り込んだりしました。

読みかけの本は「脳のなかの幽霊」(ラマチャンドラン著)です。
著者は結構お茶目な人だと思われ、読みやすく、説明もわかりやすくて面白いです。実際の患者さんの事例がたくさん出てくる本を面白いといっていいのかどうか思わないのではないですが、読み物としてよいのです。
幻肢や盲点、シャルル・ボネ症候群(すみませんとっさに榎さんを思い出しました)など、色々な事例とそれがどうして起こるかについての考えを少しずつ扱っています。
色々ちょっとずつ、というのが専門家でなくてもわかりやすい。


2006年11月27日(月) のだめ。

のだめがキレたのにかなりびっくりする一方で、挟まってるハリセンとかおなら体操を頑張る気の毒なハリセンに笑わされつつ、千秋の話が動き出した模様。
千秋が普通にかっこいいです。見てるほうも勝手にきゅんきゅんしてます。ご飯もりもりよそってくれるところが羨ましくてたまりません(笑)。
康豊をやってるときにはそれほどでもなかったのに何故でしょう。色っぽいよ千秋。
眼鏡をかけたり外したりする人が小野(西洋骨董の)に見えます(笑)。

今日:森鴎外(オウの字がうまく出ない)の「雁」を読んだ。


2006年11月26日(日) 大河/「夜市」

大河見ました。長かった大河もそろそろお終いなんですね。
何はともあれ六平太です。すっかり悪役です。しかし、抑えた声での「放て」と例の「新一郎!」の叫びに痺れました。新一郎とは仲良かったんだっけこの人……千代以外に執着しているの自体珍しかったと思うのですが、ただ冷酷なだけではないところがちゃんと現れていて今回の放送で一番好きだなと思った場面。

引っかかる点がなきにしもあらずでしたが、「千代が好きだ」にすっかりやられてしまいました。そんな最後の最後に。
ほんと只管報われない恋でしたよね。あんな昔から。だから望み通り腕の中で逝けてよかったんじゃないでしょうか…。

それにしても六平太や新一郎のことでいっぱいになり酷い事件のことは二の次になってしまって我ながら問題だと思います。


「夜市」恒川光太郎
ちょっと前に話題だったけどやっと読めました。
迷い込む・世界の一部となる・道が分かれる。

「夜市」は異界の「夜市」に迷い込んでしまう中編。
幼い兄は自分が異形のモノの夜の世界から脱出するため(何せ市場なので買い物をしないと帰ることができません)に弟を売ってしまいました。でもこのはなしはそれだけではないのです。
すごく怖い話になるかと思っていたら、どちらかといえばせつなさの達人的なお話でした。

「風の古道」は、私、大変好みです。やっぱりこれも異形の者の通る道がどこまでも続いているような話。普通の世界から隔離された道に迷い込んでしまった少年の話。
一人称が「私」で、12歳やそこらの子供の語り口にしては何やら客観的で淡々としているのは、…わざとやったのではないのかしら。そんなところも何やら奇妙な感じを醸しています。
甘い腐臭というあたりに色々感じるところがあったけれど、やっぱり怖いのとはちょっと違った。ホラー、なのかなあこれ。幻想小説のくくりに入りそうです。

ともあれ、レトロ(現代なのに!)・和風・不思議ということで大変好みな雰囲気です。この繋がりで大きそうな書評blogもあったのでちょくちょく選んで読んでみようかと思います。

本の後ろについてた選評を頑張って読んだんだけれどよくわからなくて、特に「発想の転換」という表現がどこが転換のポイントになってるのかわからなくて、だからもしかすると自分は重要な見落としをしてるかもしれない。でも、なかなか面白かったです。


2006年11月25日(土) HN変更。

北向の部屋は、いま、恐ろしく寒いです。ここに本棚を置けばいいのですね…(震)。

やる気があるうちに、ということで、花伝書を読みました。これって実用書じゃん!って思った。


追記:
前々から考えてはいたんですがHN変えてみました。
エビ→えびむらさき
今の時節、エビというのも何かあれかなとうすうす思ってはいたので。いやでも新しいほうも紛らわしいですかね…。ひとまず誰かの名前とかぶっていないといいな。
自分、そんなに頻繁にハンドルを変えるほうではないと思いますが、似たようなところをぐるぐるしていますね。エビと紫の統合体という感じです。ゆかりえびにしようにしようかなとも少し迷った…何かのカップリングですか(違)。
それと、アナグラムや区切り位置で変名がいっぱい作れそうだなあと面白がったりもしました。羅崎えびむとかむきえびサラとか程好くかっこいい感じの(笑)。

そんな訳で、気まぐれに。


2006年11月24日(金) 「ヴィーチャと学校友だち」

読み終わり。皆で助け合ってはみ出してしまう生徒を助ける話でした。助け合うっていいな、と感じるのと同時に、はみ出すのは良くないことなのかな、ともちらりと思った。確かに意志の力が弱いのはよいことではないでしょうけど、ね。ああ全体主義だ、と思う。

本筋には関係ないんですが、シーシキンくんが図書係になったときに提案した標語を私は決して忘れないでしょう。
「本を、目よりもたいせつに」
……斬新すぎます(笑)。
ちょっと極端で融通が利かない感じが子どもらしくていいです。


2006年11月23日(木) ベルギー王立美術館展。

ベルギー王立美術館展、行ってきました。
開場十分前くらいに着いたのに既に並んでる人が50人以上いました。
思ったより見るのに時間はかからなかった、です。

窓の外を見てる人の後姿の絵がいいな、と。でもその絵を描いた画家の数年後の作品はなんか様変わりしてて、違いがよく見えたのがちょっと衝撃でした。
あと、アンソールという人の絵はやや気持ち悪いんですが印象に残りました。叔母さんが悪夢にうなされてる絵とか、戦いの絵とかです。
原寸大の絵画はやっぱり違うなーという感じでした。「光の帝国」も、ああいう絵って昔の絵画に比べて印刷にも十分映えると思っていたんですが、本物のほうが大きさがあって近くで見られてよかった。


2006年11月22日(水) (読みかけ)

読みかけ:「ヴィーチャと学校友だち」岩波少年文庫
ソビエトの学校の、算数の苦手な男の子の話。
時と所により色々だなあと思います。

あまり関係ないけど「廊下で立ってなさい」というのは今もやっていることなんでしょうか。私自身はそう言う先生にあたった経験がないので、ドラえもんとかで見るたびに何か不思議なものを見る気持ちでした。(と言ったら、ある知人は普通に経験があったと言っていました。私も「後ろに立ってなさい」なら知ってるけど)
ドラえもんも声から何から様変わりしてるらしいけど、のび太くんの先生は今でものび太君を廊下に立たせているんでしょうか。


2006年11月20日(月) 欲望バトン。

のだめドラマ。
ピアノ弾けるっていいなあ…。私、何事につけパフォーマンスが一本調子だと頻繁に言われるので、ああやって浸りこんで弾ける人を見てるとすごくいいなと思ってしまいます。もっと底意地の悪さを出すようにするよ…(笑)。

マスミちゃんの思いが千秋様に届いたようでよかったです。のだめに無理矢理食事を食わせる強引な先輩が素敵です。
あと、ミネ君のわんこ(やんちゃ)のような懐き具合に、もうこれは狙ってるんだね…?と思いつつ萌え。


またバトンを頂いて参りました。欲望バトンです。

Q1.今やりたい事
 映画見に行く。美術館に行く。電車に乗って遠くへ行く。
 岡山の大原美術館の企画展に行きたかったのですが…恐らく無理でしょう。

Q2.今欲しいもの
 萌えを具現化する力。あと、打たれ強さ。
 …自分で開発すべきこと。

Q3.現実的に考えて今買っても良いもの
 携帯型音楽プレーヤー。実は一個も持ってません。でも欲しくて欲しくて喉から手が出るとかいうほどではない。

Q4.現実的に欲しいし買えるけど買ってないもの
 財布(探索中)とスニーカー。
 余裕があれば鞄。通学用の馬鹿に大きい鞄は既に入手。

Q5.今欲しい物で高くて買えそうにない物
 パソコン。まだ買えない。

Q6.タダで手に入れたい物
 チケットとか…?
 本や漫画は人から借りたい。

Q7.恋人から貰いたい物
 それ以前に恋人を頂いてこないと(笑)。でもこちらも欲しくて欲しくて喉から手が出るとかいうほどではない。

Q8.恋人から貰って困るもの
 手のかかるもの。そうでなければ…コスプレ道具とか衣装とか? まあ、誰に貰っても困りますが。

Q9.恋人にあげるとしたら
 消費されるものの方がいいかなあと思ってみたり。

Q10.バトンを渡す5人
 拾いたい方がいればどうぞ。


2006年11月19日(日) 大河。

鼠国のお膝元に行ってきました。イクスピアリは初めて行ったけど、夢の国的ショッピングモールで興味深かったです。
友達と食べたアジアテイストのランチがおいしかったー。

「王の男」のポスターの左側にいる長髪の人を今日まで綺麗なお姐さんだと思っていました。男なのあの人!?と本気で驚いた。ポスターだけ見ると女の人としか……。
面食いの知人が王の男の役者が好みだと言っていたのは髭の人じゃなくてきっとそっちの事だったのでしょう。私も見たいな。


大河は、また一週間見るのを飛ばしていたら大変なことに…。
六平太の思惑がすでにどこにあるのかわからない感じ。山内家のため…なのでしょうか。相当ひどいことする役に回りそうなんですが、別に好きでやってる訳ではなくて全部千代のためなんだと思います。千代でなくお方様と呼び、しかも一豊の前で膝を着いたりするところが切なかった。千代って呼べばいい。ずっと飄々とした自由人でいられれば良いのに。
既に本人が死の覚悟している上にはっきりそれを口に出しているのが不吉です。来週退場なんでしょうか、次回予告が…(泣)。
千代が撃たれたのもあんまり突然でびっくりしましたが、この後どうなるかを考えたときのほうが余程怖いのは何故でしょう。


2006年11月18日(土) 「ダークホルムの闇の君」

読み終わりました。ウロコがとても素敵な竜だった。エルフが可愛かったり快活な王様がいたり色々面白い本でした。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズだけに大変ごちゃごちゃしていましたが何気に人死にが多かったです。チェズニー氏によって観光ツアー用として搾取されている(何しろ架空の戦いを見せるために毎年沢山の兵士たちが善と悪に別れ戦わされ、死亡する)世界の話です。ラスボスである闇の君役は百組以上の巡礼たちに毎回打ち負かされたふりをせねばならない、そんなアトラクションを作り上げなければいけなくなっている気の毒な世界。
……チェズニー氏ってそのまんまですよね?(笑)

続編の「グリフィンの年」を読み始めました。前作は指輪物語寄りだったけどこれは魔法学校もの…なのかな……?


2006年11月17日(金) (雑記)

BOOKOFFの百円棚に「天馬の血族」完全版一巻がありほくほくしながら買ってきた。ほくほく。ただし、一冊丸ごと真面目に読もうとしたらパンクしそうになったのでまだ半分くらいしか読んでません。恐るべし完全版。

読みかけ:「ダークホルムの闇の君」 疲労が曲がりなりにも回復し体調が戻ってきたため楽しく読んでいます。事業家チェズニー氏! 馬姫!(一瞬本気で笑い出しそうになったけど考えすぎだったみたいです) 黒の騎手は流れる水を越えられません。


2006年11月16日(木) 過去バトン。

あすかさんから過去バトンを頂きました。

1.あなたは昔何系でしたか?
 文系出身かつ文化系部活出身です。

2.あなたは習い事をしていましたか?
 三歳くらいからピアノを習っていました。

4.今と昔変わらないと思う事は?
 とろい。本が好き。妄想・空想好き。

5.昔からのトラウマはありますか?
 幼少期よりぐずだぐずだと周囲から歌うように言われて育つ。まあ、本当にぐずですけどね、でもね…。

6.昔なりたかったものは?
 まじょか小説家。

7.あなたの昔の失態を教えて
 小学生のころ、連絡網が頻繁に回っていたんです。それで、私の次はサトウさんだかスズキさんだかいう名前でした。とりあえずサトウさんとしておきましょう。私は彼女が苦手でした。電話をかけるのに大変緊張していました。サトウ、サトウと何度も頭の中で唱えていました。
 相手の「もしもし」という声を聞いた瞬間、私の緊張は極限まで高まっていました。
「もしもし、サトウです」
 渇いた声で私は言いました。

8.今と昔の異性の好みを教えて下さい
 昔:快活で変。掴み所がない。素直クール寄り。歪んでる。長髪。
 今:上記に加えて、苦労性。美老年。武骨。……変わったというより、守備範囲が広がったんだと思う。もちろん二次元の話ですよ。

9.出来るならあなたの昔の写真を貼って下さい。
 出来ません。

10.過去を知りたい人10人に回して下さい。
 ご自由にお取りください。


今日は自分には珍しいような貧血気味で、一日中うすらぼんやりと体調不良でした。でもたくさん妄想したー(嫌)。
何か知りませんが、とにかく眠いです。あと、寒いです。手先が。


2006年11月15日(水) 時は奏でて想いは溢れる

今日は夢水シリーズのサクセス塾の話と、タカマの番外編「コイウタ。」を読みましたよ!

どちらも、何というか…改めて、自分が最初に嵌ってから随分経ったもんだなあと感慨深うございました(笑)。
三つ子とレーチはもうそろそろ中学卒業なんだな…っていうかまだ中学生なんだ、みたいな。硝子(黒姫)が可愛かった。


タカマは、連載時に彼らと殆ど同年代だったので、ほんともう思ひやれば限りなく遠くも来にけるかな(違)という感じで。でも先生の描く彼らは、成長していたけれど確かに彼らだということがわかって、読んでよかったと思います。
鳴女さんと泰造はやっぱりいいね!夢の中の鳴女さんがひたすら可愛い。あと、そーたとなちは軽いBLになってしまいそうです。がんばれ。
大人になった泰造の進路はちょっとびっくりでした。もしかすると学科同じかしら、私と(笑)。これは青年版の颯太とか那智とか圭麻とか圭麻とかも見たいなと瞬間的に妄想が止まらなくなりました。結姫はあんまり想像できないなあ。かなり大人っぽくなってそうで。見てみたいです。

中学生圭麻は相変わらず楽しそうに喋っていました。大好きです。


明日の授業の予習が合わせて三つくらい残っているんですが今私は大変元気です。


2006年11月14日(火) ラシャーヌ。

ラシャーヌの文庫二巻を読んでみた。
普通に耽美ものだった。それでもやっぱりおじ様は可愛い。ラシャーヌにいいように振り回されてるのが可愛い。あと伯爵なんかも良いですね。美形なのに阿呆オーラが滲む男(全てラシャーヌの所為だと思います)。

読んでるもの:「ダークホルムの闇の君」


2006年11月13日(月) (雑記)

燃え尽き中。授業には出たけどへたれていたりしてすみません…。
ところでめっきり寒くなりましたね。


2006年11月11日(土) (携帯から)

文化祭初日生憎の雨その他諸々予想外の展開。
弱り目に祟り目に心の支え。


2006年11月10日(金) (携帯から)

色々あってわやわやした一日、エピソード乱立で起伏に富んだ誕生日だった。


2006年11月09日(木) (雑記)

カウンターがぐりぐり回っていておっかない。

今日は読もうとした本が一冊、どうしても読み進める気になれなかった。内容は面白そうなんだけど非常にフィルターのかかり方が強くて無理だ。
それはともかく、ハルヒの「動揺」が借りられたので読むー。

そういえば老眼鏡に熱い漫画を借りた。興味深かった。


2006年11月08日(水) 「僕たちは池を食べた」

夜の10時になろうという頃なのに、地下鉄の駅前でジャズっぽいグループの人たちが演奏をしていて、なんか良いなと思った。

読んだもの:「僕たちは池を食べた」春日武彦
結局小説なんですかね。アマゾン見たら小説って書いてあるけど。
精神科医の周囲の人間や者や出来事が、全て一人称の中で一度かき混ぜられて書かれているような本でした。
池のケーキと壁紙柄のクッキーをつくる妻が印象的だった。池のケーキには小魚の形のクッキーが入っているんですよ。何ていうか、自分の想像力が作り上げたものをさくっと形にして表現できる人って素敵です。


2006年11月06日(月) ドラマ。

郵便局で入用のものを買いたいのに、授業が終わる頃にはいつも受付終了しているので一週間のうちいつ買いにいけばいいのかなあと頭を悩ませています。
昼休みか、朝に行けばいいんだけど朝は遅刻しそうなんです。(時間に余裕を持ちましょう)

読んでるもの:「僕たちは池を食べた」春日武彦 小説じゃないの…?


のだめドラマ四話。
こたつで大宴会する四人が楽しそうだった。鍋はいいですね。鍋はやっぱりこたつです。

コンマスと指揮者がーうわあああ、の一言に尽きてしまいそうになった回。基本は単体萌えと思っていたのにコンマスと指揮者のカプとしか言いようがない展開でした。萌えた。真っ白に。
指揮者が「俺ばっかり見てる」とキレてみたり、コンマスが何やら凄くした手に出ながら謝りつつ足にすがり付いてみたり、もう本当に何なんだろうと思った。指揮者がぶっ倒れるのを支えようとしたりだとか! 囁いたりだとか!!
千秋(というか役者さん)は着痩せするタイプなのかなと真面目に考えた。普段の格好だと割と細身な印象なのにシャワー…シャワーシーンが。Tシャツ着るとまた印象が違いますね。

千秋×のだめでそれなりに進展していくのかなあ。ギャグじゃないのね。
ご褒美の後の、はしゃぎすぎかつ不思議なテンションののだめが可愛かったです。


2006年11月05日(日) 「アラビアの夜の種族」

読みました。長かった。
でも、読者(あるいは聞き手)に魔法をかける上である程度の長さは必要になるんだろうなという気がした。勿論、長ければ長いほど良いというわけではないけど。

引き込まれた。内側に、気がついたら同じような人がいた。
話の内容がどうこうというよりも、そういうものを読むことそのものが面白い体験でした。何のために読んでいるのかわからなくなりそうだったけど、どういう風に纏まるのか最後には分かるはずだと先が気になって仕方がなかった。読むために読んでる読書。楽しかったです。

私が読んでいる物語の中に、読み手(あるいは聞き手)が沢山いて、書き手(話し手)も沢山いて、そういうつくりがとても面白いなと思った。巧妙です。

地下都市阿房宮と、個人の外側に現れる夢に燃えられる人には楽しめそうだと思います。
何はともあれ地下都市(第二期の)が素敵です。お国は全然違うけど、ボッシュだかブリューゲルだかな感じ。あと「銀のいす」にもこんなのあったっけーとか思い出した。

既に三冊に分けて文庫化しているようですが、二段組ハードカバー一冊に狂気を煽られるのも良いのではないでしょうか(笑)。

邪なはなし。
最後の方で、ほんの一瞬だけサフィアーン×ファラーの夢を見ました(笑)。「ファラーさん」呼びが基本で「え?え?なんですか?」とかどこのわんこ攻めですか…。
ファラーもね…森の夢の中で自分の過去に負けそうになるあたりから何だかとても好きになった。それまでは非道っぷりばかり目に付いたんですが。でも考えてみればこの人公式でお稚児さん経験あるんだなあ…と思ったらちょっとだけ萌えた。色々すみません。


2006年11月04日(土) 「アラビアの夜の種族」読みかけ。

読んでいます。
ほんと長い。650頁超あります。二段組だからなかなか進まないんだこれが…ちょっと計ってみたら自分は一時間に40頁ペースで読んでました。今400頁は読み進めたので、うーん…何時間かかったのかなあ…(遠い目)。

でも面白いんだ。止まれないんだ。

ナポレオン達がエジプトに侵攻してこようとしている時代が最初に描かれ、侵略を何とか阻止するために「災厄の書」を献上しようという提案が執事の美青年奴隷によって提案される。彼によれば「災厄の書」とは、その昔暴君に与えられた折に「その内容に魅入られて余所目にはほとんど茫然自失の態」になるほど暴君を熱中させ、暴君と『特別な関係』に陥り、敵対勢力の暴君暗殺に一役買ったとか伝説に事欠かない魔書です。
こういう怪しげな書物が出てくるだけでも十分に面白そうなのに、あっさり裏があることが明かされるんですよ…! どういうことかは内緒。

そして、夜の種族と呼ばれる語り部が歴史を語りはじめます。
砂漠の都市の話。決して完成しない地下の王宮、迷宮、夢。
妖術。暴君。蛇神。アルビノの少年。などなど。
何はともあれ、第二部の奇人達の街作りっぷりが凄く気に入りました。怪しいんです、すごく。「なにしろ肝腎の街頭が他人の家の中庭にあったり、それどころか路地裏がときには楽師のかかえたウードの胴部の内部にあったり、料理人の鍋の三日ほど内側にあったり」(383頁)とか。分からない。でもごちゃごちゃしていてとても良い。

最近こういうのばっかり読んでるような気がするけど、これもやっぱり語りを使った本です。口語っぽい。全体的に過剰な感じが溢れててとてもよろしいです。微妙な擬音語使ったりだとかして。子供を「ポロリ、ポロリと生んでしまうからです」っていうのは無かろうよ…(笑)。
あと、「邦訳者」の割注(ですよね?半分の大きさの文字で一行に二列詰まってる注。)が明らかにどうでもいいところについてたりとか、割注で私見を4行も5行も語ってるところとかも面白いです。

いやはや、どういう風に話がまとまるのかとても楽しみです。
サフィアーンが気に入ってただけに朗らかでないサフィアーンなんか嫌だよと思いながら、第三部に入ります。


2006年11月03日(金) 「まちの図書館でしらべる」

「まちの図書館でしらべる」柏書房

まちの図書館でしらべるためのガイドブックみたいなもの。
私は司書さんに本のことで質問をしたことが殆どないので、色々してもらえると知って感心してしまいました。調べものに協力してもらえるそうです。どの本を見ればいいかなど一緒に探してくれるのです。
昭和のあるとしのある日の六曜だとか、内容も知らないうろ覚えのタイトルの書籍だとか、あるご老人が子供のころに書いた作文の載っている文集だとか。自分にも役立ちそうな事典は書名を手元に控えました(笑)。

今はネットですぐにちょこちょこ調べものもできるけど、本にある内容とネットで見られる内容ってやっぱり方向性が違います。
例えば歴史とかの関係は多分書籍で見たほうが系統だって考えられると思います。勿論逆にネットじゃなきゃあというのもあって、例をあげればオタク文化なんかはネットと相性がいいんじゃないかと思います。というか書籍の情報じゃ追いついてないような気がします。

まあそんな訳で、今でも図書館は調べ物には欠かせません。ましてやパソコンが普及する以前、司書さんは困ったときに思わず崇め奉ってしまいたくなるような助っ人だったことでしょう(笑)。

私はできれば資格をとって司書になりたかったんですが、今の学校では司書の資格が取れないと後からわかって愕然としています。いいなあ、司書さん。
これまであまり司書さんにおすがりする機会はありませんでした(あ、学校の司書の先生にはお世話になりまくりました)。都内の図書館の職員さんが出入りの度に挨拶してくれたりすると気後れするくらいです。都会は違うなって思ったり(笑)。
でも、世間の人はもっと図書館使えばいいのにと思います。折角本があるんですから。因みに、所蔵数が少ない図書館の場合は、他の自治体から本を取り寄せてもらえるとのことです。

読んでるもの:「アラビアの夜の種族」古川日出男
分厚い二段組のハードカバー本なんだけどべらぼうに面白い予感がする。


2006年11月01日(水) 「クロニカ 太陽と死者の記録」

「クロニカ 太陽と死者の記録」粕谷知世
日本ファンタジー大賞受賞作ということで、ファンタジーではないかと思われる小説。インカもの。中南米が舞台のFTって珍しくないですかね。私は初めて読みました。

征服者たちに侵略されているころのインカの話。木乃伊の昔語り風。

文字を持たないインカの人々は、文字のかわりに死者と(文字通り)言葉をかわすことが出来たというのです。だからこそ、死者を木乃伊にして祀っていた。
突然やってきた文字の宗教キリスト教を信仰するスペイン人とは対立が起こり、文化摩擦といってしまっては生ぬるいような衝突が度重なり、インカ帝国は滅亡してしまうわけです。
そんな時代の後、キリスト教化する街で生まれたある少年が、親達が教会に隠れて祀っている木乃伊の話を聞くという趣向の物語です。

語るということをかなり意識したつくりになっていると思う。枠組みが面白いなと思った。中身ももちろん面白いんだけど、語り口自体が仕掛けなので、ちょっと仕掛けに夢中になりすぎてる気がしないでもないかな。あと薀蓄成分がやや高め。
でも面白かったです。私はやっぱり文字のない世界ではいられないなと思った。文字がなければきっと本もないので。

祖先から聞いた過去から脈々とつづく現実の世界が今、ここにある。
 彼らはそれで十分に満ち足りていた。
 文字の治める世界ではそうはいかない。自らの生きる世界のすべてを知り得たと確信するためには、この世に生み出された書物のすべてを読み尽くす必要がある。
 (336頁)


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