春の日記
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2003年03月21日(金) 「レイテ涙雨」小橋博史、中日新聞本社

「ああレイテの墓標」に次いで参考資料として必読と考えられる一冊。戦争末期とはいえ本当にぼろぼろだね日本軍…。当時の軍の精神主義が苦々しい…。なんであの人があんな地獄で知る人もなく死ななければならなかったんだよう…。泣けます。泣ける。大体八万投入されて99%死亡なんて考えてみれば小さな市の全人口並みの人数が見捨てられて犬死…。戦争って…。実体験としての戦争を知らない世代が多数を占めている現状だけど忘れてはならないことってあるよなあ…と思うのです。昨日、アメリカがイラクへの攻撃を開始したこの戦争はどうなることか…。


2003年03月20日(木) アメリカ、イラク攻撃を開始。

「戦争とは…人間が命よりも大事なものを奪い合う行為だ。人間の命よりも大事なものが国家であるというのならば私は国家を嗤い戦争を嗤う!」(「沈黙の艦隊」より)
一体アメリカの大統領は世界の王か?


2003年03月18日(火) 「ああレイテの墓標 泉慰霊巡拝団の記録とある遺族の思い出」後藤正男、自費出版物

動向を追っている戦死した祖母の弟の所属した部隊の慰霊巡拝団の記録。…レイテは激戦地でした。彼の所属した部隊は生還者皆無のため戦死状況が分かりません。で、今いろいろ資料を当たったりしていてこの本もその一環。二十年前の本だったりするも、著者は健在のようです(母が電話連絡しましてね)。何でまた今こんなことを始めてしまったのかというと直接のきっかけは「ローレライ」を読んだことかもしれない…。それはともかく太平洋戦争中のことって全く知らないものだから分からないことてんこもり。もう一人の祖母の兄の方はもっと分からない状況だったり。ああそれにしても資料から見るにフィリピン始め南方戦線は地獄だな…。滅入る。そしてとっても厭戦気分に。


2003年03月11日(火) 「八甲田山死の彷徨」新田次郎、新潮文庫

…何だってこう軍モノ(?)ばっかり読むんでしょうかこの人は。しかも悲劇って分かってて。…まあこれを読まねばと思った直接のきっかけは二次的創作物を発見してそれをもっと楽しむためなんていうヨコシマなもんだけど。…それにしても雪中行軍のことって、何となく聞いたことがあって知ってるけど一体何故そんなことを知ってるんだろう、誰から聞いたんだろう、普通知ってるものなのかって長年の(多分解決しない)謎だわ…。夏ごろ、友人と「灼熱地獄と極寒地獄なら極寒地獄のがいい」とかぬかしてたけど読んでて眉をひそめてしまう遭難っぷりでした。ああ軍は理不尽だ。戦争も。滅入るなあ…。


2003年03月08日(土) 「伝奇ノ匣1 国枝史郎 ベスト・セレクション」東雅夫編、学研M文庫

時代物は何だか突っ込み入れたくなる箇所もあるかも(笑)…だって鏡葉之助、辻斬りしてんのに…とか。テンポ良く読めることは読めるけどさ。戯曲は耽美系って感じが…。何となく演じられている様子を想像しながら読む。このシリーズ早く続刊出ないかなあ…。


2003年03月01日(土) 「夢顔さんによろしく 最後の貴公子・近衛文隆の生涯」(下)西木正明、文春文庫

間があいたけど続き。それにしても返す返すも惜しい人を亡くしたものだなと切なく思いました。あと読み終えて思ったのは「これを読まずに異国の丘に行って正解だったかな」ということ。どうしたって読んでたら引きずられてたのは間違いない。それこそ「李香蘭」の時のように。これは誰をアレンジしたキャラクターだ、とかあの辺のエピソードは抜きか!とか考えちゃったでしょうな。こう言うのはなんだけど面白かったし、順番はこれで正解だったかと。シベリアか…。祖母の姉妹の一人の旦那さんが抑留兵だったらしい、そういえば。お話を聞いてみたいけどやっぱり古傷に触ってしまうかな…。経験したことのないことを理解することはきっと不可能だと思ってるから、安易に気持ちは分かるなんて言えない。生きた話を聞くことはすごく貴重で興味深いことだと思うけどその辺で何となく足踏みしてしまう。戦死した祖母の兄弟の消息を追う事に今心が向いてるから、戦争関連の本とかは今後も結構読みそう。時代は近くても知らないことがほんとにたくさんあると思うばかり。